イヌ子さんのホラ吹き。《あの時の嘘、ほんまやで〜》 作:あきと。
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【河津町の桜まつり】
河津町では2月の初めから3月の初めまで桜まつりが開催されており、毎年100万人もの人々が日本一早咲きの桜を楽しみに訪れています。
と、そんな桜に目を奪われていたあらたはというと。
「きゃー! このワンちゃん大きくて人懐っこいで兄ちゃん! あれ、兄ちゃん?」
「あ、あかりちゃん…。行くの早いよ」
追いついたと思えば、黒くて大きなワンコとあかりちゃんが戯れている。
「兄ちゃん体力ないんやなぁ」
「いや、トイレ休憩に降りただけの筈じゃ」
「あ! なんかあっちも面白そうな事やっとんで〜」
「ちょっ、ま、待って! あかりちゃ〜ん!!」
肩で大きく息をするあらた。
あかりの無邪気奔放っぷりにそんな彼は連れ回されていた。
長い渋滞に巻き込まれた俺たちは、あかりちゃんがトイレに行きたいと言い出したため、その渋滞を利用して一度降車。
保護者として同行した筈なのに、トイレが終わった後の戻る最中、あかりちゃんは多くの珍しいものに気を惹かれまくりなのである。
こうして、付いていくので精一杯で体力も限界に近い。俺は16歳にしてもうおじさんなのかもしれない…。(あかりちゃんのスタミナがすごいだけです)
「ただいまー! 楽しかったでー。これお土産の桜まんじゅー」
「お手洗い行ったんやなかったんかい」
「ん? おいチビイヌ子、小牧はどうした?」
「あれー? さっきまで一緒やったんやけど。兄ちゃん迷子になってもうた?」
「あ! あれじゃない?」
あらたが人混みを抜けて追いついた頃には、あかりはすでに車の中へと戻った所だった。
「ぜぇー、はぁー、ぜぇー」
「なんか、めっちゃ疲れてねーか?」
「あらたくん。あかりに連れ回されたんやねきっと」
「や、やっと追いついた…」
「小牧くんお疲れ様ー」
キャンプ初日の前半にも関わらず、満身創痍のあらたは重い腰をようやくの思いでシートに座らせる。
「おいおい小牧。キャンプはこれからだぞー大丈夫かぁ?」
「へ、平気平気」
「あらたくんごめんなぁ。あかりが迷惑かけて。大丈夫?」
「すごいね最近の小学生は。この歳でこれだけの運動をしても息切れすらしないなんて。まったく、小学生は最高だね」
「あらたくん!?」
「だ、駄目だこいつ。危ない発言しだしたぞ」
「とりあえずリンに遅れるって連絡しとくねー」
「恵那は通常運転かい」
《チャット》
【リン】「下田ついたー。そっちは今どのへん?」
【恵那】「河津桜のお祭りがあってすごい渋滞にはまってて。ちょっと遅れそう。ごめんねー」
【リン】「分かった、この辺プラプラして時間つぶしてるよ」
それからしばらくして、リンとの合流場所に辿り着き、車を降りたあらた達。
「すぴー」
「っと、各務原さんの事も起こさなきゃね」
「なでしこのやつ。寝るとしばらく起きねーんだよなぁ」
「はいはーい! 兄ちゃんあきちゃん私にまかせて〜」
あかりが率先して、手を挙げて名乗りをあげる。何か策でもあるのだろうか。
「あ! なら私も手伝うわ〜」
「えっ?」
起こすのに手伝うとはどういう事だろうか。
そんな疑問を抱きながら、あらたは犬山姉妹を見守ることに。
すみません少しばかり遊び心が…。