大震撼は強さを求めたい   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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世宇子 前編

 アフロディが居なくなった後、円堂先輩は手をじっと見つめていた

 

「円堂先輩……大丈夫ですか?」

 

「あぁ……アイツのシュート凄かった……技を使ってなくてもあの威力は凄いな」

 

「世宇子キャプテンアフロディ……奴だけじゃない。世宇子全体があのレベルだ」

 

「マジン・ザ・ハンドを超える必殺技を編み出さないと」

 

「今のお前じゃ無理だ」

 

 響監督が円堂先輩の発言を否定する

 

「これまでは大介さんのノートというわかりやすい道標が有ったが、次の必殺技には無い。大介さんを超えなければ新しい必殺技は完成しない」

 

 ……私は円堂先輩にマジン・ザ・ハンドを教えることはできたが、それ以上の技となるとペンギン・ザ・ハンド位しか思い付かない

 

 ただ円堂先輩がペンギン・ザ・ハンドを習得したとしても肉体が破壊される禁断の技扱いになると思うので無しだ

 

 となると可能性があるのはゴッドハンドを進化させるしかない

 

「円堂先輩、ゴッドハンドを進化させましょう」

 

「ゴッドハンドを進化……震撼、何かイメージがあるのか?」

 

「魔神を作り出したエネルギーをゴッドハンドに注入するのです。そうすれば今よりは強くなると思われます」

 

「そうか! わかった!! 必ずゴッドハンドを進化させて見せる!!」

 

 円堂先輩はやる気になり、それにつられて皆のやる気も上がる

 

 早速イナビカリ修練場で特訓を開始した

 

 

 

 

 

 

「「「合宿!?」」」

 

 響監督が練習終わりに合宿を提案してきた

 

 円堂先輩の新技習得もそうだし、全員のレベルアップをするためだ

 

「18時に学校に集合だ。遅れるなよ」

 

 マネージャー含めて体育館を借りての合宿で、各々寝具を家から持ち込み、早く来たメンバーで枕投げをしていたり、メガネなんかはプラモデルで遊んでいたりとゆっくりしていた

 

 私は校庭で鉄球を使ってリフティングをし、ハス太は私から鉄球を借りて風で鉄球を浮かせるトレーニングをしている

 

 精密に風を操るのが難しいらしく凄まじい汗をかきながら手を前に突き出して操っている

 

 最後にやって来たのは以外にも円堂先輩だった

 

 全員揃ったところで今日は夕食のカレーを皆で作るらしい

 

 ここで活躍したのがニャルだった

 

 凄まじいスピードでジャガイモ、ニンジンの皮を向いて包丁で細かく切っていく

 

 料理にそこそこ自信が有った私の5倍は早い

 

 豪炎寺先輩がお肉の筋を切ったり、食べやすいサイズに切っていったり、鬼道先輩が玉ねぎを切ったりしていき、その他のメンツでご飯を炊いたり、茄子やゴボウ、蓮根等を切ったりして作っていきます

 

 ニャルに何でこんなに速いのか聞いてみたところ

 

「独り暮らしだから家事はちゃちゃっとしないと自分の時間が作れないからね」

 

 そのレベルなら料理人やった方が良い気がするが……

 

 カレーを皆で仲良く食べているとイナズマイレブンのOBの方々も集まって来て食事の和に加わった

 

「なんだこれ絶品だな」

 

「学生の力量じゃないだろ!」

 

「これ市販のルーじゃこうならないぞ。スパイス独自にブレンドした奴が居るな」

 

 私達はただ美味しい美味しいと食べていたが、大人のOB達は舌が肥えているのか絶賛している

 

「「「たぶんニャル」」」

 

 皆がニャルを指差し、ニャルは一升瓶を取り出した

 

 中には独自ブレンドのスパイスが入っていた

 

「嬢ちゃんやるなぁ」

 

「家の店バイト来ないか! お駄賃弾むからさ」

 

「マスターのコーヒーと合わさればバカ売れ間違いなしだろこれ」

 

「ビルダーなんか毎日食いに行きそうだけどな」

 

「中学生を働かせるのはまずいんじゃなくて?」

 

「厨房見えないから大丈夫だって」

 

「あのマスター、生活指導の菅田先生が居ますけど」

 

「あ、やべ!」

 

「あ、やべじゃねぇぞマスター! 中学生を働かせるのは無しだ無し! 法律に抵触してどうする」

 

「俺達の仲じゃないか! 見逃してくれ!」

 

「バカヤロー! 駄目に決まってるだろ!」

 

 皆がそのコントの様なやり取りに笑いが起こる

 

 ちなみにニャルは高校生になったらで良いかしらと言っており、マスターは手を握って助かるよぉーと言っていた

 

「でもイナズマイレブンの皆さん何で合宿に?」

 

「いやな、合宿やるって響から聞いたからあれを持ってきたんだ」

 

「あれ?」

 

 円堂先輩かわOB達に質問するとOB達は食事が終わったらイナビカリ修練場に来いと言って食事を再開する

 

「うめぇおかわり」

 

「ビルダー食いすぎ」

 

「おれもっす!」

 

「壁山もう10杯目じゃないでやんすか! お前も食いすぎでやんす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 イナビカリ修練場に有ったのはマジン・ザ・ハンド養成マシンだった

 

 円堂先輩はマジン・ザ・ハンドを既に会得しているが、これが有れば新必殺技の手助けになるんじゃないかと皆で盛り上がった

 

「よし! やろう!」

 

 が、使ってみると40年前のマシンだったからか錆び付いて動かなかったが、菅田先生が油を持ってきて挿してくれたことで機械をなんとか動かすことができた

 

 一番固い部分は何故か私がハンドルを回す事になった

 

「だって震撼以上に力がある奴居ないじゃん」

 

 半田先輩、1年生の私に言うことじゃない

 

 情けない発言をした半田先輩は置いておいて、皆でマシンを人力で動かし始める

 

 円堂先輩は最初動く棒にぶつかったり、足を踏み外して転んだりしていたが、5回、6回と繰り返すうちにだんだんと動きが良くなってくる

 

「もっと速く! 正確にだ! 円堂腰が引けてるぞ! 前に出せ前に!」

 

 響監督からの指示も飛び、OBの皆さんはその様子を眺めていたり、疲れた選手のハンドル回しを交換したりして手伝ってくれた

 

 円堂先輩は10回目でクリアーし、OBの面々から称賛される

 

「やっぱ大介さんの孫だわな」

 

「呑み込みが早い」

 

「ハンドル回すの速くするぞ! レベルアップだ」

 

 とにかく夜遅くまで円堂先輩のトレーニングに皆で付き合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガァーゴォー……ガァーゴォー」

 

 夜、壁山のイビキで起こされた私はグランドに出て鉄球でリフティングをしていた

 

「コラ、震撼。休むのもトレーニングだぞ」

 

「響監督……」

 

「ちょっとこっち来い」

 

 響監督はベンチに座るように言われたので、私はベンチに腰をかける

 

「鉄球でリフティングなんて無茶な事をいつもやっているのか?」

 

「はい。うちは貧乏なのでサッカーボールを何個も買うことができなかったので廃材から鉄球を拾ってきてトレーニングしてきました」

 

「そうか……震撼、父親の事を詳しく調べさせてもらった……ずいぶんと凄い指導者だったみたいだな」

 

「私は幼かったので大江戸中学のサッカー部顧問としかわかりませんが……帝国から驚異に写るくらいには凄かったとはわかりますがね」

 

「生きていたら俺なんかよりも真っ先に監督に就任するように頼むべき人材だな。まぁそしたらお前も雷門じゃなくて大江戸に居ただろうが」

 

「そうですね……不思議な巡り合わせだと思います。私は復讐のためにサッカーをしていた。それこそ楽しさは二の次にするくらい……でも円堂先輩がサッカーの楽しさを思い出させてくれました」

 

「口ではそう言っているが、お前のプレーはまだ復讐に取り憑かれている……影山みたいになるぞ」

 

「私が……影山に?」

 

「勝利のみを追求する奴にな」

 

「響監督は私がそう思えてならないのですね……私は影山にはなりませんよ。サッカーもそうですが、育成する楽しさを知ってしまったのでね」

 

「育成?」

 

「雷門イレブンに負けた他校の選手でこれはという人達を集めて合同練習をしていました。雷門は円堂先輩がいるので皆勝手に伸びていきますが、他校はそうじゃない。だから私は彼らの背中を押して上げるのです。すると彼らはみるみる強くなる。そうすれば将来同じチームメイトで戦える日が来ると思うのでね」

 

「お前……高校の事を既に考えているのか? ずいぶんと気の早いことを……」

 

「私の一番弟子はハス太です。彼の成長速度とても魅力的でしょ」

 

「まぁな。鬼道とハス太のダブル司令塔が連携し、ゴールは円堂が守り、攻守共に高次元なリベロのお前、絶対的エースストライカーの豪炎寺とサポートもできる染岡、松野、一ノ瀬、風丸のミッドフィルダーとしての完成度もさることながら、土門と壁山というディフェンダーもいる。普通のチームならまず勝てんよ。だが相手は世宇子。何があるかわからん。わからんからには練習で怪我させるわけにはいかん」

 

「私はこれを毎日していますが?」

 

「こんな視界の見えない深夜にやるのは辞めろというだけの話だ。……世宇子に豪炎寺は通用すると思うか?」

 

「単独では無理でしょう。ですが豪炎寺先輩と鬼道先輩の合わせ技……イナズマブレイクであれば可能性があります」

 

「イナズマブレイクは円堂が前線に出る必要がある。世宇子戦ではそれが致命傷になりかねん」

 

「大丈夫です。私が居ます」

 

「頼もしい限りだよ本当にな……」

 

 

 

 

 

 

 

 合宿中に円堂先輩は必殺技を見つめ直し、他のメンバーもリフレッシュすることで、練習への熱が入る

 

 ハス太の風を操る力を使い、ボールをコントロールし、新たな必殺技を会得しようと頑張っている

 

 ……それに黄衣の王の姿に変わるとハス太は爆発的に能力が上がる

 

 練習を見に来ていた田中はこっそりそれは化身アームドであると教えてくれた

 

「君のキャプテン(円堂先輩)のマジンなんかも化身の一種だよ。化身は強い心と気の高まりか外部的なショックによりできるよ……まぁ震撼もやろうと思えばできるんじゃないかな?」

 

「私がですか? ……確かに強そうなのは認めますが……」

 

「まぁ今の震撼には要らないね。たぶんそこまで劇的に強くなるのはアームドしてからだから、化身ができても震撼はそこまで強くならないんじゃないかな?」

 

「なるほど……ありがとうございます田中」

 

「おーい! 震撼何女子としゃべってるんだ!」

 

「世宇子との一戦が近いんだ! 集中していくぞ!!」

 

「すみません。じゃあ田中また」

 

「えぇ、試合楽しみにしているよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合当日フットボールスタジアムに到着するとそこには閉鎖と書かれた看板が立て掛けられ、柵で入場できないようにされていた

 

「はい、雷門です。はい、変わった? どういうことですか……はい。わかりました」

 

 夏未先輩が電話で誰かと会話をし、その内容を皆に伝える

 

 曰く急遽試合会場が変更になったのだとか

 

「どこに変わったんだ?」

 

「それが……空としか言われてないわ」

 

「空? 空って上の……!?」

 

 円堂先輩が上を見て驚いていたので、皆も上を見るとそこには巨大なスタジアムが空を浮いていた

 

「まさか……決勝戦のスタジアムというのは!」

 

「ええ、あそこ……世宇子スタジアムよ」

 

「世宇子スタジアム……」

 

 世宇子スタジアムに行くために私達はヘリに乗り、グランドに降ろされた

 

 空中だというのに揺れはほとんど感じず、芝、ゴール共に帝国よりも質が良い

 

「影山」

 

 円堂先輩がスタジアムの高段を見ると影山が私達を見てほくそ笑んでいた

 

 私、鬼道先輩、豪炎寺先輩が影山の姿を見ると睨み付ける

 

 私は残っていた復讐心が、鬼道先輩は帝国の皆の思いを、豪炎寺先輩は妹さんの事で各々が思うところがある

 

 響監督はここで円堂大介さんの死には影山が関わっているかもしれないと爆弾発言をする

 

 円堂先輩は動揺するが

 

「影山は憎い……ただそんな気持ちでサッカーをプレイしたくはない。サッカーは楽しくて素晴らしくてワクワクする。1つのボールを皆の熱い思いをぶつける最高のスポーツなんだ……だから俺達はいつもの……いつもの俺達のサッカーをする! そして全国を優勝するんだ」

 

「「「円堂」」」

 

「「「キャプテン!」」」

 

「「円堂先輩」」

 

「……よし! お前ら試合の準備だ! 勝ちに行くぞ」

 

「「「はい!!」」」

 

 円堂先輩は覚悟を決めた

 

 私はどうしても影山に対しての復讐心を捨てきれずにいた

 

「震撼! ちょっと来い」

 

「はい」

 

 響監督に私は呼ばれる

 

「お前に対しての復讐心を完全に捨てろとは言わん。こびりついた物はそう簡単には落ちないからな……プレーで見返してやれ。お前のサッカーで影山の計画とやらを破綻させるんだ!」

 

「ミッションインプット……これより復讐……いや、私のサッカーをしてきます」

 

「あぁ! 見せてみろ! お前のサッカーを!!」

 

 

 

 

 

 

 

『さぁ遂にこの日がやって参りました。フットボールフロンティア全国大会決勝……40年ぶりにBブロックで他を圧倒してきた雷門中は決勝を勝つことで無敵のイナズマイレブンとなることができるのか!! 対するは今大会最注目の世宇子中学! 帝国を始め、全ての試合で途中で試合続行不可能で勝ち上がってきました。その力はまさに神ともいえるでしょう』

 

『さぁまもなく試合開始です』

 

 私達は円陣を組み、円堂先輩が激励を発する

 

「いいか! 全力でぶつかればなんとかなる!! 行くぞ!!」

 

「「「おう!!」」」

 

 対する世宇子の面々はコップの水を掲げて

 

「僕達の勝利に」

 

「「「勝利に」」」

 

 と言って水を飲み干した

 

 彼らなりの掛け声なのだろう

 

 雷門イレブンのフォーメーションは4-4-2のベーシックに戻し

 

 

【挿絵表示】

 

 

 対する世宇子は4-5-1のワントップのフォーメーションで、ミッドフィルダーが5名と中間が分厚くなっている

 

『さぁ世宇子からのボールで試合開始です』

 

 ヘラからデルメス、そしてアフロディへのバックパス

 

 アフロディはゆっくりと歩きだし

 

「君達の力はわかっている僕には通用しないということもね」

 

 ゆっくり歩くアフロディからボールを奪おうと染岡先輩と豪炎寺先輩が走り込んでいくが

 

「神の時間の前に人は無力だ……ヘブンズタイム」

 

 アフロディが左指を天高く掲げて指を鳴らす

 

 その瞬間時間の流れがゆっくりになった

 

 私はそれをじっと見ている

 

 アフロディは微笑みながら豪炎寺先輩と染岡先輩を通過し、時間の流れを元に戻す

 

「な! 消えた!?」

 

「後ろだと! いつの間に」

 

 再び指を鳴らすと時間の流れが元に戻る

 

 そして通りすぎた2人に突風が襲い掛かり、吹き飛ばされる

 

「豪炎寺! 染岡!!」

 

「なんて速さだ……見えなかった」

 

「俺達も行くぞ」

 

 鬼道先輩と一ノ瀬先輩がアフロディをブロックしようと試みるが、2人もヘブンズタイムの餌食になる

 

 サイドから走り込んできたマックス先輩と風丸先輩もヘブンズタイムで吹き飛ばされ、雷門のディフェンスゾーンに入ってきた

 

 仁王立ちした私が立ち塞がる

 

「神を通さない気かい? 無駄だよ。神と人では抗えない差が存在する。身をもって知るが良い……ヘブンズタイム」

 

「ザ・ワールド」

 

 

 

 

 

 

「……な!? 体が動かない」

 

「貴方は馬鹿ですか? 人間が神を騙るなと烏滸がましいです。ボールはいただきますよ」

 

 停止した時間の中で喋れるだけヘブンズタイムという技は強力なのだろう

 

 それこそ本当に時間を停止している私の技を食らって完全停止していないのだから

 

 今度は私がゆっくりとドリブルで前に上がる

 

「ヘブンズタイムが破られた? いや、そんなハズはない」

 

 アルテミスが裁きの鉄槌を私に向かって繰り出してきたので、ハス太にパスをする

 

 私はそのまま技をヒラリとかわす

 

「神様ってね。君達が思ってるよりも人間に興味が無いんだよ」

 

「貴様何を言って」

 

 ハス太は手で風を作り出す

 

 風に乗ってボールが再び私に届けられる

 

「エアサービス」

 

「なに!?」

 

「ナイスハス太」

 

 私は更に前にドリブルしていく

 

「アースクエイク!」

 

「メガクエイク!」

 

 2人のディフェンダーが私の前を技で吹き飛ばそうとするが、揺れる足元を右足で踏みつける事で技を粉砕する

 

「馬鹿な! 神の力が通用しない!」

 

「ポセイドン守れ!」

 

「ふん、かかってこい」

 

「行きます」

 

 ピーっと指笛で真っ赤なペンギンを召喚し、右足に噛みつかせる

 

「皇帝ペンギン1号G5」

 

 赤きペンギンはミサイルのように飛びながらゴールに向かって突き進む

 

「ギカンドウォール」

 

 巨大化したポセイドンは渾身の力でボールを止めようとする……が、ペンギン達がポセイドンの体にぶつかるとポセイドンの体がペンギンによって持ち上がった

 

「なに!?」

 

 そのままポセイドンごとゴールに突き刺さり、雷門の得点になる

 

 世宇子や仲間のハズの雷門のメンバーも絶句している

 

 いつも通りなのはハス太だけ

 

「馬鹿な神の力がただの人間に負けるハズがない!」

 

「ただの人間が神を騙ることは許されません」

 

『さぁ雷門の得点によって動き始めました世宇子中対雷門中の一戦……アフロディが雷門ディフェンスゾーンまで進みましたが、それを大選手がブロックし、黄衣選手と協力してゴール前に持っていく事ができました。そのままシュートして1-0雷門先制で現在世宇子のキックオフにより試合再開です』

 

「ダッシュストーム!」

 

「ヘブンズタイム」

 

 個々が強力な技を繰り出し、雷門の選手を弾き飛ばして再びディフェンスゾーン

 

 アフロディの前に私が立ち塞がる

 

「ヘブンズタイム」

 

「ザ・ワールド」

 

 再び時間が停止する

 

「何故だ! 何故動けない!」

 

「完全停止した時間の中で動けているアフロディもなかなかだけど、私には敵いませんよ」

 

 時間停止が終わるとアフロディからボールを奪っていた

 

「今度こそ!」

 

「止める」

 

 2人がかりのスライディングがボールに直撃するが、私の足からボールは離れない

 

「なんだ! 壁! いやそんなハズは」

 

「まるで鋼鉄の壁を目の前にしているかのような感覚……」

 

 ヘラとアルテミスは私が力を込めて突破すると弾き飛ばされていった

 

「「ぐわ!」」

 

「何をしている! さっさと止めないか」

 

「うぉぉぉぉメガクエイク」

 

 地面が裂け、盛り上がり、揺れる地面を私は再び地面に右足を踏みつける事で鎮める

 

「「裁きの鉄槌!」」

 

「零戦」

 

 巨大な足が踏み降ろされる前に高速移動できる技で回避する

 

「豪炎寺先輩」

 

 豪炎寺先輩にパスをし、豪炎寺先輩と染岡先輩でドラゴントルネードを放つが、それはポセイドンが止める

 

 カウンターでダッシュストームやヘブンズタイムで突破され、普通のドリブルでも私とハス太以外は止めることができない

 

「エアダスト」

 

 ハス太は強烈な向かい風を引き起こし、ボールを世宇子の選手から回収する

 

「神の力が通用しない!!」

 

 世宇子の選手は驚いているが、ハス太は周りを見渡して一旦ラインの外にボールを出す

 

 風丸先輩とマックス先輩は世宇子の必殺技を受けて負傷したらしい

 

 選手交代でマックス先輩の所に少林が、風丸先輩の所に半田先輩が入る

 

 

 

 

 

 

 

 

「神の力が通用しなかった……おい、お前」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「神のアクアをもっと渡しなさい」

 

「し、しかしこれ以上の接種は危険……」

 

「私達が負けても良いと」

 

「いえ、その様なことは……」

 

「ではさっさと持ってこい!」

 

「は、はい!」

 

 神のアクア……強化人間計画プロジェクトZことゼウス計画の根本とも言える強化人間を作り出す為の液体である

 

 これを体内に取り込むことで莫大な力を得る変わりに副作用として神のアクアを摂取し続けなければ力を失ったり、依存性があったり、肉体にダメージが残ったりする劇薬でもある

 

 本来は軍用なのを影山配下の研究チームが改良及びサッカーに最適にしたのが神のアクアである

 

 世宇子の面々は神のアクアをもってしても圧倒することのできない大震撼とハス太に焦りを感じていた

 

 いや、1点を先取される失敗もしてしまっている

 

 影山から神のアクアを取り上げられればただの人間に戻ってしまう恐怖が彼らを神のアクアの更なる摂取に走らせた

 

 それが致命傷になりかねないと知らずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方の雷門は世宇子よりは落ち着いていたが、震撼とハス太に負担を強いている状態をなんとかする方法を考えていた

 

「震撼が途中でボールを奪ってくれてるからなんとかなっているが……世宇子がこのまま終わるとは思えん」

 

「あぁ、鬼道のいう通りだ。世宇子は更に力を発揮してくるかもしれない」

 

「怖かったっす。震撼とハス太が居なかったらキャプテンがボロボロになってたかもしれないと思うと……」

 

「なーに! 飛んできたボールは必ず止める!! 鬼道! 何か作戦は無いのか?」

 

「無くはない……敵は震撼とハス太に注視しているハズだ。だから他のマークが甘くなると思う……豪炎寺、円堂! チャンスが有ればイナズマブレイクを、一ノ瀬と土門はザ・フェニックスをうっていくぞ! 震撼とハス太はゴールをなんとしてでも死守してくれ」

 

「了解致しました」

 

「OK! 僕頑張るよ!!」

 

「よーし! この調子でガンガン点を決めて勝つぞ!!」

 

「「「おう!」」」

 

 

 

 

 

 

『さぁ少林と半田が入った雷門イレブン……世宇子は反撃なるか! 世宇子のスローインで試合再開!!』

 

 世宇子のスローインから再開した戦いは、世宇子が先程とは比べ物にならない位強くなっていた

 

「馬鹿な! この短時間で強くなるだと」

 

「ちっ! 全力を出してなかっただけだぜ! アイツ等」

 

 ドンドン雷門陣地に突撃してくる世宇子イレブン

 

 私がアフロディのマークに付こうとしたら逆サイドから走り込んできたデメテルにボールが渡る

 

「こい!」

 

「リフレクトバスターV2」

 

 グランドの一部が捲れ上がり、岩の塊になると、それにボールがぶつかるごとに加速していく

 

 数回岩にボールがぶつかったところで円堂先輩めがけて飛んでいく

 

「たぁぁぁぁ!! マジン・ザ・ハンド!!」

 

『止めた! 円堂ナイスセーブ! 円堂から震撼へとボールが渡ります』

 

「震撼!」

 

「させるか!」

 

「ザ・ワールド」

 

 時間を停止して確実にボールを奪い、そのまま世宇子のゴールめがけて走り出す

 

「{[いくぞ!! リアルインパクトTC!! ]}」

 

「スピニングカット」

 

「タイタンウォール!!」

 

 地面から青い炎が噴き上げ、更にディオがタイタンウォールという自分を巨大化させて腹部でシュートをブロックしようと試みるがどちらもシュートの威力を弱めるだけで止めるまでには至らない

 

「ギカンドウォール改」

 

 だが先程よりも何故か威圧感が増したポセイドンにより止められてしまう

 

「見たか神の力を!」

 

 とか言っているが3人がかりでようやく止めているので神の力もへったくれもない

 

 が、現時点で最強のシュートを止められてしまったというのはよろしくない

 

「行け! アフロディ」

 

 ポセイドンからアフロディにボールが渡る

 

 私は急いで戻るが全力でドリブルするアフロディの方がペナルティエリアに早く入られてしまうだろう

 

 先程よりもアフロディは速さが増しているように見えた

 

「ハス太! 止めろ!!」

 

「這いよる触手V3」

 

「ヘブンズタイム改」

 

 ハス太よりも速くアフロディは突破し、ハス太は風を操ることで吹き飛ばされる事は無かったが、円堂先輩と1対1となってしまった

 

「これが神の力だ!! ゴットノウズ改」

 

「させるか!! マジン・ザ・ハンド!!」

 

 円堂先輩必殺の魔神が現れた、一瞬拮抗したと思ったが、ゴットノウズに押されてしまう

 

「うおおおおお!!」

 

 円堂先輩が押し返そうとするが、魔神が耐えきれずに離散してしまう

 

「しま!」

 

 ボールは無情にもゴールに叩き込まれた

 

 




ヘブンズタイムが催眠術なんて私は認めないからな
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