今日は、世界が終わった日となるらしい。
それとも、人類が絶えた日、とでもなるのか?
ただし、いずれこうなるということは、ある程度の確率として予測されていた……というよりも、判っていたことではある。
「隕石が、他に類を見ないほどの巨大な隕石が、地球に直撃すると思われる軌道で近付いて来ている」
半年ほど前から、そんなようなニュースが、先進国で流れ続けていた。
しかし、報せを受けての人類の行動は、そこまで大きいものでは無かった。
まあ、あまりに巨大な隕石をどうこうする手段なんて、今はまだ持ち合わせていないのだから。対策は、間に合わなかったのだ。時既に遅しってやつなんだろう。
ただただ指を咥えて現状を眺める。それだけしかできなかったのだろう。
直撃が確実だと思われてきた頃に、「いっそのこと」だとか言って暴走する輩も、いたはいた。が、揃いも揃って、皆んなすぐに虚しくなって、何もしなくなる。
最後の最後まで明確な活動をしていたのは、それこそ、世界的な規模を持ち尚且、宇宙がどうとかの専門分野であるなどの、対抗策を発見し得る機関だけだった。まあ、それらの努力も結局意味を持てなかった訳であるが。
そう、意味は無くなった。
既に隕石は地球に衝突している。
一秒。
感覚としては、それぐらいの時間だった。
二度と開くことは無いだろうと、そう思っていた瞼を、再び動かした。
続けて、口を動かしてみる。……至って正常だった。
「………確実に、絶対に、誰が何と言おうと、天地がひっくり返ろうと、今まさに…………わ、私は……………死ん…だ、はず……だ」独り言のように、縋るようにそう言った。実際に、死の感覚があったからだ。
しかし、先の出来事は夢だったのかもしれない。途轍もなくリアリティのある、ただの夢なのかもしれない。
そんな風に、しょうもない夢オチを期待していた。
落ち着きを得るために、幾つかの深呼吸を必要とした。
乾き始める瞳を数秒ほど外界から隠し、瞼を開く。
特大の溜息をついた。
空が。視界に広がる、青く美しいその空が視えたからだ。
「私は…屋内にいたハズだ……なのに何故、空が視えている?」更には、背中からゴツゴツとした感触が伝わってきていた。
少なくとも、近代的な建物では到底有り得ない感触だった。
周囲を見渡す。
何も無かった。
草木は跡形もなく消え去り、生命がいる気配も感じられない。
「やはり、衝突していたのか?なら、今此処にいる私は?」そう言いながら上半身を起こし、頭を抱える。
暫しの沈黙を挟む。
しかし、いくらそれを考えても何もわからず、それはそれとして受け容れることにした。
眼前の現実を受け止めた。では、次は何をするか。
「……まだ希望を失うな。まずは生活基盤をなんとか築くこととしよう」
そうは言っても、周囲には雑草の一つも無い。地平線まで続く岩肌のみが網膜に反射光を送ってくる。
まずは、長い散歩が必要なようだ。
はんはんお