今日という世界の終わりには   作:LeIkaF

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指を腹を上下を

 どれだけの時間、地平線を目指して歩いただろうか。

 

 歩けど歩けど景色は変わらず、いくら靴を履いているとはいえ足裏が痛みを孕んできた。

 何処まで行っても変化が無い為、私自身も少々気分が宜しくない。気分転換をしたいものだが嗜好品なども何も無いがために、もうササクレを弄る程度しか行動が思い浮かばない。

 

 そもそもだ。何処を目指そうとも決めていないし、決められない、なんていうのは唯の苦行だ。する価値が無い。

 何故私は何処かに向かおうとしているのか。分からなくなってきたではないか、それが。最初は何を思って歩き始めたのだったか。

 

「そうだった。何もしなければそのまま死ねたんだ。」苦しみは多少伴うだろうが、それは今の私だってそうだ。というか、態々自分で歩いて責苦を受ける方が過酷かもしれない。

 

 それでも、何もしないで死ぬよりかは、どうにか足掻いてから死んだ方がマシだ。……なんていう、在り来りな格好良い台詞は、私の人生の台本には無い。

 今の私が歩き続けるのはそんなご立派な理由ではなく、単なる暇潰しの一環でしかなくなっている。こんな無様な主人公様がいてたまるものか。

 

 全く、あとどれだけ暇潰しをすればよいのだろうか。悲しいことに、私だって常人だ。ずっと暇潰しをしていれば、いずれはその暇潰しにも倦怠感がやって来る。あとどれだけ暇潰しを………いや、さっきも言った。なんともまあ、これでは私が同じ時間を繰り返しているのではないかと思えてきても仕方がないだろう。

 

 もしやと思い、ループを抜け出そうと右に進んだり左に進んだり、あれこれやとしてみるも、少しの違和感も抱けない。喜ぶべきか憂うべきかは知らないが、私はループも何もしているような感じはしなかった。デジャヴも何も無い。

 ただまあ、少し満足感のようなものは得られた。

 

 

 

 そんな風に暇潰しをしつつ歩き、かなりの時間が経ったであろう頃、ある一つの事に気が付いた。

 

「……いつになったら腹が減るんだ………?」

 

 腹が空かない。つまりは満たす必要も無い。

 これは一体、どういう現象だろうか。

 

 私がこの先生きていこうというのであればこの上ないほど有難いが、現状は違う。これが終わりの無い旅だということを私に囁いてくることと同義なのだ。終着点が、本当に見えなくなってしまった。

 だからと言って自殺をできるような心を私は持っていないのだから。

 

 

 

 変化を起こすにはどうすれば良いのか。

 ここ暫く、私の頭はそれで持ち切りになっていた。

 

 変化が無い景色ばかりを見せつけられていれば誰しもそうなるはずだ。

 しかし、ならばと思い付いた事を片っ端から試してみても何も起きず、ウンザリしてくる。

 

 そんな中で、私からすれば大きな変化と呼べる事が1つ起きた。




お腹空いたけどこいつ空いてない
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