貴方は中央トレセン学園から追放されることを希望しています。   作:はめるん用

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 感想を読んで距離設定を間違えていたことに気がついたので初投稿です。反省。仕方ないのでそのまま物語に組み込みました。

 ギロピタの正体については、たぶんギリシャ有識者の方が感想で解説してくれると思います。


ギロピタ。

 1番手、討伐対象マルゼンスキー。

 

 戦場は芝2900、有マ記念と天皇賞(春)という名誉あるG1レースの模倣の中にひとつだけデタラメな代物を紛れ込ませることで、言外に“これはお前たちウマ娘のためにしていることではない”と匂わせる実に繊細でトリッキーな手法によるヘイトコントロールが完成しています。

 

 なお、肝心の参加したウマ娘たちからの評価は「これはこれでアリ」「同じコースのはずなのに、切り取り方が違うと景色も変わって見える気がする」と意外に好評でした。

 それを聞いた貴方の反応は、スタートとゴールの位置を変更するだけで同じコースでもモチベーションを高めることができるのであれば、今後のトレーニングプランに上手に組み込むことでよりウマ娘たちの才能を開花させることができるかもしれないと上機嫌です。

 

 ヘイトコントロールという視点から考えるのであればウマ娘たちからの評判は悪いほうが追放に近づけるのかもしれませんが、その事実を貴方が理解できないということは心身ともにいつも通り健康である証明なので困ることはありません。

 やはり悪役系チート転生者として毎日自分のやりたいことだけをやっているだけのことはあり病気やストレスや反省とは無縁の日々を過ごしているだけのことはあります。

 

 ちなみにどんな不思議な力が働いたのか、それとも三女神のイタズラか、参加したウマ娘にはメジロブライト、ライスシャワー、ウイニングチケット、スペシャルウィーク、サクラチヨノオーが含まれています。

 本人がやる気満々であったので貴方は止めませんでしたが、確認したステータスがゲームと同じようにティアラ型のサクラチヨノオーには2900というふたつの意味でデタラメな距離は過酷だったようで、なんとか走り切ったものの結果はやはり最下位でした。

 

 故障率が上昇するようであれば強制的にリタイアさせるつもりでしたが、どうやらステータスが低いことで逆に脚への負担が少なかった様子。

 なによりサクラチヨノオー本人は勝負したことそのものに満足している様子ですので、今後も長距離チャレンジを続けるかどうかは彼女をスカウトするトレーナーがどんな人物になるか次第といったところでしょう。

 

 

 2番手、討伐対象シンボリルドルフ。

 

 戦場は芝2500、長距離を走ることができるウマ娘なら誰もが一度は試す距離であり……自分の限界が2400の中距離型であることを知らないウマ娘が100メートルの壁があまりにも高く堅牢であることに心を折られる距離でもあります。

 

 アプリではその強さから孤立することもあったシンボリルドルフですが、この世界ではオモシロシンボリ筆頭という地位を確立し皇帝モードの状態でさえ携帯端末で写真を撮影されるぐらいには生徒たちから慕われているようです。

 どうしてこんなことになったのか、担当トレーナーはいったいなにをしているんだと思わないこともありませんが、キメ顔のまま後輩へピースサインを向ける姿は楽しそうなので別にいいかなと貴方は現状を受け入れる方針の様子。

 

 肝心のレースについてですが、トウカイテイオーを中心に中等部の生徒が集中したことで普段交流の乏しい生徒たちと走れることが嬉しいのか「是非とも私の本気を引き出して欲しい。せっかくの機会なんだ、ウォーミングアップで終わらせてくれるなよ?」と生徒会長としてそれでいいのかと言いたくなるセリフが飛び出しています。

 

 そんな皇帝オーラを垂れ流しのシンボリルドルフを相手に「よ〜し! まけないぞーッ!!」と声高らかに、みんなも一緒に会長に勝とうねと鼓舞したハルウララは貴方が思う以上に大物かもしれません。

 それに続くようにしてウオッカが「せっかく無敗の三冠ウマ娘に挑めるのに、ビビって遠慮するとかダセェ」と宣言したことでほかの中等部のウマ娘たちも覚悟を決めたようです。

 

 もっとも、気持ちだけで覆せるほどシンボリルドルフの能力は甘くありません。トウカイテイオー、マヤノトップガン、キングヘイロー以外の中等部ウマ娘は普通に置き去りにされてしまいましたし、この3人にしても後半は競い合うことすら許されないほど差をつけられています。

 最後まで喰らいついたのは喧嘩を売られたはずなのに実にご機嫌な様子で走るシリウスシンボリ、口元にクールな笑みを浮かべるシンボリクリスエス、ゴルシ成分が売り切れてただの走るイケメンになってしまったゴールドシップ、アドレナリンが出過ぎてリミッターが焼き切れたかもしれないダイタクヘリオスぐらいです。

 

 勝者はもちろんシンボリルドルフ。さすが会長と言ったところ。そして無事キャパシティをオーバーしたダイタクヘリオスは乙女の尊厳だけは守り通したものの、涼しい日陰で横になりメジロパーマーから背中を撫でられています。

 

 

 さぁ、ここからが本番です! 貴方の記憶と気が確かならこれから始まるビワハヤヒデとナリタブライアンが参加する第3レースがヘイトコントロールの山場となりますから、先の2レース以上に集中力を高めて粗探しをしなければなりません! 

 ミスターシービーを含めやたら黒ジャージ率が高いせいでゲートの威圧感が増していますが、次代を担う中等部ウマ娘たちの走りをたくさん見てテンションが無駄に上っている貴方には違いがわからないので実質いつも通りということです! 

 

 いよいよ第9レース場の愉快なスタッフたちがおやっさんの宇宙戦艦の艦長の如き指示を受けて次々とターフの上に雨を降らせ始めます。

 まるでアミューズメントパークのイベントのように周囲が盛り上がる中、貴方はほぼ確実に途中で脚を使い切るであろうサイレンススズカとツインターボを素早く回収するために、全身が濡れるのも構わずコースの近くに陣取るのでした。




次回はブライアン視点です。
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