貴方は中央トレセン学園から追放されることを希望しています。 作:はめるん用
競馬を知らずウマ娘から興味が始まった人にとっては、豊富な2次創作のネタにより恋愛に弱そうという部分をイジられることも少なくありません。ときにはフラウンス村名誉村長と呼ばれる謎の人物による熱い推し活の的となることさえあります。
そんな愛されるキャラクター性を持つセイウンスカイですが、競走馬としての能力は皐月賞と菊花賞を逃げ切ったことで充分に証明されています。セイウンスカイの菊花賞を最高のレースと評価する競馬ファンもいるほどであり、血統による前評判を覆したことも含めとても魅力的な馬であったと言えるでしょう。
ですが、そんな名馬にも弱点というモノはあるらしく気性難な部分からゲートを嫌っていたというエピソードも持っています。
その辺りがウマ娘のセイウンスカイには気分屋という形で反映されていますので、ヘイトコントロールを実行するのであればそこが狙い目になると貴方も考えている様子。
大抵の場合、きまぐれと呼ばれる性格の持ち主というものは好き嫌いがハッキリと分かれるものです。
社会性を身に付けているからこそ堂々と態度に出すような真似はしませんが、それはあくまで集団の和を乱さないようにという心遣いによるもの。それ故に信頼を得るためには相応の努力が求められますが、逆の見方をすれば嫌われるのは容易いことだと言えます。
貴方のデリカシーの無さは学生時代に言動がやや強い傾向にあるクラスメイトのウマ娘が普段とは違う耳カバーをしてきたときにチラチラ見ていたところ「言いたいことがあるならハッキリ言え」と刺々しい口調で詰められたので「普段の耳カバーもクールなイメージに似合っていたが、その新しいデザインも可愛らしくてすごく似合ってる」と相手の目を見て言い放ち教室の窓から蹴り出されギャラリーの男子たちから「アイツすげぇな……」と驚愕されるレベルでノンデリを極めているぐらいですので気分屋のセイウンスカイを相手にヘイトを稼ぐことなど右と左を同時に向くぐらい簡単なことでしょう!
もちろん勝利が確定したからといって自分自身に至らぬところがあると自覚した貴方は手抜きなどしません。勝てる勝負だからこそ今日が悪役トレーナーとしての最初の一歩目であるかの如く微に入り細を穿つ慎重な追放プランを構築しなければならないと己を戒めています。
そんな貴方だからこそ考えついた追放プランとは。
①メイクデビューに向けて準備を進めているセイウンスカイになんらかのアクションをいい感じに起こす。
②セイちゃん怒る。
③ウマ娘にとって大事なレースの邪魔をするなど許せん!
④トレセン学園から追放される。
正攻法とはいつ如何なるときも通用するからこそ正攻法。チート能力があるからと慢心してはいけないと心掛けていたはずなのに想定外の出来事が起きているからこそ、初心を思い出し小細工に頼らない真っ向勝負で嫌われる必要がある。
これが失敗から学び己の非を認め再出発を誓った男の生まれ変わった追放プランの全容です。なんのためにウマ娘たちから嫌われようとしているのか? それは中央トレセン学園から追放され勝手気ままな生き方を楽しむという目的のためであることを再確認するこのプランであれば、粉チーズを超えて粉ミルクと比較しても抜群の期待感をもたらしてくれることでしょう!
ここまでくれば残された作業など大したことはありません。あとは確実に追放されるためセイウンスカイほかウマ娘たちに嫌われる方法さえ考えれば良いのですから、料理で例えるのであれば牛丼を作るためには材料として牛肉を用意する必要があると気付くだけの簡単なお仕事です。
慌てず、騒がず、落ち着いて。貴方の中では最後に牛丼の上に乗せる紅生姜を乗せるだけの気分になっていますので、まずは浮かれる心を鎮めるためにマーブルチョコを色別に1列に並べて順番に食べることにしました。が────。
「あ、トレーナーさん。なんかオルフェさんと会長が、ウララちゃんとテイオーちゃんのことでウチの子自慢みたいなコト始めて面倒くさいことになってるんで来てもらってもいいっすか? ……え? イヤですよ、あたしは関係ないっすもん。ホラ、チョコなんて終わってからゆっくり食べられるんだから、シャキっと向かってパパッと終わらせるっす」
マーブルチョコをいちいち色のバランスとか考えて食べる奴とかいるんだってよwww
私だ。