遊戯王UNDERPASS
第3話
神の領域
道行く少女:さて、この身体だとお腹も空くし……当面の活動資金を稼がないと。
道行く少女がふと店の窓を見ると『デュエル大会開催!』と書いてあった。
道行く少女:優勝賞金一万円、準優勝で五千円……年齢不問らしいし、チェーン店の大会ならそんな物といったとこかしら。
店の中に入ると、そこにシャルロットが居た。
シャルロット:大会があると聞いてみたけど、外れね。……って、あなたは?
道行く少女:そうね、あの子の名前から……アオイとかどうかしら。
シャルロット:見ない顔ね。あなたがどんなデュエルをするか、見ても構わないかしら?
アオイ:ええ、いいわよ。
シャルロットは小規模な大会故に参加しなかったが……その中でアオイが破竹の勢いを見せた。
決勝まで勝ち進んだアオイを見て、シャルロットは問いかける。
シャルロット:ブラマジデッキでここまで戦えるなんて、あなた何者かしら?
アオイ:そうね。『アオイ』は私のことを『カミサマ』と呼んでいたわ。
外浦瑞希:決勝の相手は『カミサマ』か……今までブラマジしか見なかったが、三幻神でも使うのか?
アオイ:いいえ。これは伝説のデュエリスト……武藤遊戯のデッキよ。
外浦瑞希:むとう、ゆうぎ……?聞いたことないな。
シャルロット:不思議な響きね。私も『遊炎』と呼ばれるから、親近感を感じるわ。
アオイ:その力……グラマトンの精霊の物ね。『遊』の名は伊達じゃない、というわけかしら。
外浦瑞希:話しはそこまでです。いい加減デュエルしますよ、コイントス!
アオイ:表ね。先攻かしら?
外浦瑞希:いや、後攻『が』いい。
アオイ:後悔しても遅いわよ。
外浦瑞希:受けて立ちましょう、デュエル!
アオイ:私はまず、マジシャンズソウルズを発動。デッキからブラックマジシャンを墓地に送り、マジシャンズソウルズを墓地へ送ることで特殊召喚。
外浦瑞希:通します。
アオイ:まあブラマジ一枚なら警戒しないわよね、でも。
アオイはそういうと、スマホをおもむろに取り出した。
外浦瑞希:スマホか……それで何をするつもりだ?
アオイ:交信、確認。エクストラデッキの枚数……15枚未満。『私の存在』を代価として、世界のルールはねじ曲がる。
外浦瑞希:ライフが1000減った……まさか、デュエルスキル!?
瑞希が驚くタイミングに合わせ、デュエルフィールドは赤く染まっていく。
フィールドその物も、バグが起きたかのようにノイズ混じりの様相と化していた。
アオイ:『超魔導改変術』、実行。エクストラにドラグーンオブレッドアイズを加え、さらに真紅眼の黒竜を手札に加える。
外浦瑞希:禁止カードを使えるんですね……流石に1デュエル一回だけですか?
アオイ:肯定。最も、対戦相手に余裕はありません。
外浦瑞希:(対応が機械的になっている……ルールを無視する力を使った反動だってこと?)
アオイ:黒の魔導陣、発動。
外浦瑞希:ここで妨害できないってことはうららは持ってないということです。
アオイ:黒魔術の秘技を加え、残りを並び替える。そして黒魔術の秘技を発動。
外浦瑞希:ブラックマジシャンに真紅眼の黒竜……それが『超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ』の召喚条件ですね。
アオイ:禁じられし竜騎士は、法則を打ち破り現れる。超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ。
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ
※禁止カード(理由:効果見れば分かる)
「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスター
①:このカードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。②:自分メインフェイズに発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果は1ターン中に、このカードの融合素材とした通常モンスターの数まで使用できる。③:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。
外浦瑞希:禁止カードといえど、ドラグーンは万能じゃありません。それを今から証明してみせます。
アオイ:ドロー確認。スタンバイは何もありませんか?
外浦瑞希:EXゾーンに自分のモンスターがないため、斬機シグマを特殊召喚。
カミサマ:それは通す。後で墓地蘇生されても面倒。
外浦瑞希:そうですね。メイン、僕はワンタイムパスコードの効果を
アオイ:それを通すわけがありません。ドラグーンの効果発動。手札からラーの翼神竜を捨てます。
外浦瑞希:ドラグーンの攻撃力は4000……ですが狙い通りです。
アオイ:まさか、ファイナルシグマを出せるということですか。
外浦瑞希:開け、ロボット達のサーキット。召喚条件はレベル4以下のサイバース族。斬機シグマをリンクマーカーにセット。
アオイ:リンク召喚……?
外浦瑞希:サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1。リンク・ディサイブル!
アオイ:理解できません、ファイナルシグマはEXゾーンに出すモンスターのはずです。
外浦瑞希:手札からパラレルエクシードを特殊召喚、これはリンクディサイブルのリンクマーカーの先に特殊召喚できます。
アオイ:更にデッキからパラレルエクシードを特殊召喚できる。
外浦瑞希:当然、デッキからも特殊召喚します。これでパラレルエクシードは二体です。
アオイ:それでダランペルシアンを
外浦瑞希:そう、レベル4モンスターでオーバーレイユニットを構築します。立ちふさがる者を電磁の波動で薙ぎはらいましょう!塊斬機ダランペルシアン!
アオイ:オーバーレイユニットを二枚取り除けば……
外浦瑞希:斬機ナブラを手札に加え、召喚。そしてリンク・ディサイブルをリリース。
アオイ:斬機マルチプライヤー。
外浦瑞希:マルチプライヤーの効果でナブラをレベル8にして、レベル8ナブラとレベル4マルチプライヤーでチューニング!
アオイ:出る。斬機の切り札が。
外浦瑞希:紅蓮の刀構えし最終斬機士!その炎を統べし刀で敵を滅絶しましょう!シンクロ召喚!炎斬機ファイナルシグマ!
アオイ:攻撃力6000……EXゾーンにあるから4000ダメージですね。
外浦瑞希:いいえ、7000です。手札から斬機アディオンを守備表示で特殊召喚!
アオイ:バトルフェイズ。
外浦瑞希:勿論です。そしてファイナルシグマでドラグーン・オブ・レッドアイズを攻撃!
アオイ:私は3000の倍……6000ダメージを受ける。
アオイLP:7000→1000
アオイ:手札のガーディアンスライムの効果により、ダメージを受けた瞬間守備表示で特殊召喚。
外浦瑞希:バトルしても意味はありませんね……メインフェイズ2に移行します。ダランペルシアンをリリース、マルチプライヤーを守備表示で特殊召喚します。
アオイ:確かに強いものの……こちらにもまだ手があった。
外浦瑞希:ラーの翼神竜を召喚できても、ファイナルシグマは破壊できません。戦闘でファイナルシグマを破壊しても返しがあります。
アオイ:確かに、その理論は正しい。しかし私は『カミサマ』と呼ばれた存在……それだけの力はある。
外浦瑞希:カードを一枚伏せてターンエンド。
アオイ:ドロー、真実の名を発動。『師弟の絆』!
外浦瑞希:黒の魔導陣で確定……ということは
アオイ:虚空より現れるのは巨神。オベリスクの巨神兵。
外浦瑞希:念のために抹殺の指名者を発動。海亀壊獣ガメシエルを除外します。
アオイ:そしてガーディアンスライムをリリース。
外浦瑞希:神・スライムを特殊召喚して古の呪文ですね。
アオイ:古の呪文で墓地から翼神竜が甦る。そして古の呪文を除外します。
外浦瑞希:神・スライムはアドバイス召喚する時三体にできるんでしたね。
アオイ:対戦者の指摘通り。神・スライムを三体分としてリリースし、ラーの翼神竜を召喚。
外浦瑞希:これでラーの翼神竜の攻撃力は3000ですか。
アオイ:私は死者蘇生を発動。これにより墓地からブラックマジシャンを特殊召喚。
外浦瑞希:ドラグーンの素材にしたブラマジが帰ってきた!?
アオイ:師弟の絆、発動。ブラックマジシャンガールを特殊召喚し、黒・爆・裂・破・魔・導をセット。
外浦瑞希:バトルフェイズどうぞ。
アオイ:ファイナルシグマをオベリスクの巨神兵で攻撃。ファイナルシグマの現在攻撃力は3000、よって1000ダメージ。
外浦瑞希LP:8000→7000
外浦瑞希:ファイナルシグマ破壊により、斬機方程式を持ってきます。
アオイ:ブラックマジシャンガールの攻撃力2300、よって守備力1000のアディオンを戦闘破壊。
外浦瑞希:っ……!?
アオイ:ブラックマジシャンの攻撃力2500、よって守備力2000のマルチプライヤーを破壊。更にラーの翼神竜でダイレクトアタックしてターンエンド。
外浦瑞希LP:7000→4000
外浦瑞希:オベリスクは墓地送りですね。
アオイ:はい。
外浦瑞希:ドロー……っ、羽根箒が引ければ勝てたんですけどね。サレンダーします。
アオイ:サレンダー、受諾。
試合終了
※何故羽根箒があれば勝てたのか
アオイ側の妨害札は黒・爆・裂・破・魔・導のみなので、羽根箒で破壊さえできれば斬機方程式でファイナルシグマ召喚。
そうして出たファイナルシグマは攻撃力4000なので誰殴っても1000以上のダメージをアオイは受けるのだ。
シャルロット:どっちが勝っても可笑しく無かった……まさかドラグーンにあんな攻略法があったなんてね。
続く