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「おい見ろラデック!“なんでも人形ラボラトリー”だって!あははー変な名前ー」
「何をどうしたらそんな名前になるんだろうな……ハピネスは何か知っているか?」
「ん?ああ、知っているが……言っていいのか?」
「ダメに決まってるだろうバカちん!!ネタバレやめろ!!」
「……だそうだ。行って確かめればいい」
「行けばわかるタイプの理由なのか?」
「おっと……」
「あーっ!!なんで言っちゃうんだハピネスのぶぁーか!!」
「申し訳ない。ほら、ラデック君も謝って」
「
「バカバカバカバカバァーカ!!お前らもう喋るな!!」
ラルバ達はハザクラが描いた
ベルは微動だにしないハザクラの背中を
「ま、まあ良かったじゃないか。一番の心配事がなくなったんだ」
「……俺が使奴の性能を甘く見ていた。強いとは思っていたが、まさか“一匹狼の群れ”を単独で壊滅させられる程だとは。ベルは自分で気がつかなかったのか?」
「あ、いや、まあ。何となく勝てるかもしれないなとは考えていたが、下手に
ベルの隣で
「せめて笑顔の七人衆が壊滅したことぐらいは伝えたかったんだけど……どっかで漏れると世界情勢が狂っちゃうから……」
死にかけた格闘家のように
「……確かに。今の状況は一件落着のように見えますが、実の所問題だらけです。笑顔の七人衆と一匹狼の群れ。この二大勢力が
ハザクラは小さく
「……
ジャハルとベルもそれに続き、イチルギは小さく溜息を吐きながらラルバを引きずってラデック達と会議室を後にした。
翌日、ハザクラに呼び出されたラルバ達は再び会議室に
「なあラルバ。そろそろバリアとラプーを探しに行った方がいいんじゃないのか?」
「んえあ?だいじょーぶだいじょーぶ。心配いらん」
「そうなのか?」
「そうなのだ」
そこへハザクラが遅れて到着し、ジャハルも続いて入室する。しかし、そこに
「遅れてすまない。昨日の話の続きだが……」
「続きもクソもあるか。お前らが私に
ハザクラの言葉を
「わかった。お前達に従おう」
意外過ぎるハザクラの
「おおっと……どーゆー風の吹き回し?」
ハザクラがチラリとジャハルに目を向けると、ジャハルは静かに頷き深紅の
「お前達の働きで、笑顔による文明保安協会、一匹狼の群れが壊滅したことはわかった。だがしかし、その残党は
堂々とした態度で説明をするジャハルに、ラルバが首を
「別にいーけど、私らの旅って牛歩も牛歩よ?正直お前らの意見を参考にする気もないし、そっちはそっちで勝手にやれば?」
ジャハルが大きく頷く。
「無論、私も当初はそう提案したし、実際、人道主義自己防衛軍は今後治安維持に世界ギルドと協力しあって取り組んでいく。だが、ハザクラやベル様の意見では……それだけでは足りないそうだ。早い話が、ラルバを
「おおっとぉ?それ本人に言う?」
「言われて気にするのか?」
「うんにゃ?」
「効率的に各地を潰していきたいと言うのは本心だが、それでは他の勢力に気付かれる。だからラルバという快楽殺人鬼を
「はぇー……まあ好きにしたら?言っとくけど、その待ち伏せ失敗して助けてーって言われても手ェ貸さないからね?」
「はっ。要らぬ心配だ。他に何か聞きたいことは?」
「明日の天気は?」
ジャハルはハザクラと共にイチルギの方へ向き直り、ロボットのように機械的な動きで敬礼の姿勢をとる。
「改めて、人道主義自己防衛軍“クサリ”総指揮官ジャハル。これからよろしく頼む」
「……人道主義自己防衛軍“ヒダネ”総指揮官ハザクラ。どうぞよろしく」
「んぇぇ……本当に来んのぉ……」
不満そうなラルバを他所に、ラデック達は和やかにハザクラ達と握手を交わした。
【軍人 ジャハルが加入】
【元メインギア ハザクラが加入】
ジャハルに差し伸べられた手を、ラデックが握ろうとした瞬間。
「ちょっと待ったぁーっ!!!」
響いたラルバの物言いが、2人の結束を切り裂いた。ハザクラが長い前髪の奥から
「気が変わった!!同行は拒否する!!」
【ジャハル、ハザクラが離脱】
「はぁ?お前は今更何を言っているんだ?」
ジャハルが信じられないと言った様子で不満そうに首を
「いやあ、よく考えてみたら無条件で提案を飲むのは
ラルバが何故か照れ臭そうに後頭部を
「俺達2人がラルバ達に
「不相応かどうかは取引相手が決めるんだよチビ助」
「これ以上何を望む」
「え、それは今から考えます」
「そうだ!こうしよう!」
ラルバが手をポンと叩いてイチルギの方を向く。
「おイチさんや、ちょっちおいで」
「え、嫌」
イチルギはラルバに無理矢理引っ張られ部屋の外へ出ていく。
暫くすると頭を抱えて部屋の外から顔を覗かせ、ハザクラ達に手招きをする。ハザクラとジャハルは互いに顔を見合わせて、不審に思いながらも大人しく部屋を出て行った。
残されたラデックとハピネスは黙って会議室で
「……なあハピネス」
「なんだいラデック君」
「
「
結局ハザクラ達を同行させる話は一旦流れ、結論は後日に持ち越された。
そして翌朝、ラデックとハピネスは自分達の予想が的中することを知る。
〜人道主義自己防衛軍 第十八訓練場〜
地下に作られたコンクリートの無機質な大部屋。ハザクラとジャハルは真剣な表情でラルバを睨んでおり、上機嫌のラルバの隣ではイチルギが
ラデックとハピネスは、これから起こることをぼんやりと予想しながらも若干能天気な気分を引きずったままでいた。しかし、その
「それではまず一戦目!!ジャハル対ラデック!!どちらかが先に致命傷を与えた方の勝利となりまぁす!!」
ラデックはギョッとしてラルバとジャハルを交互に見た。ヘラヘラと楽しそうに笑うラルバ、しかし微動だにせずこちらを
「タ、タイムだ。タイム。時間をくれ」
ラデックはジャハルに
「おいラルバ。俺が彼女に勝てるはずないだろう。あと致命傷を与えた方の勝ちってなんだ。殺す気か?」
「ラ、ラルバ。まさか次は私とハザクラ君を戦わせる気じゃないだろうね。私は戦闘はからっきしだし、ましてやハザクラ君のことも実を言うとよく知らないんだ。天地がひっくり返ろうとヒヨコから卵が
いつになく真剣な2人に詰め寄られてもケラケラと笑うラルバに、顔を
「おいラルバ、聞いているのか。おい何とか言えラルバ」
ラルバはラデックにガクガクと肩を強く
「なあに簡単な話だ。私らについて来たくば
「俺が死ぬ可能性を算段に入れるな」
「はっ。使奴の私とイチルギが
ラルバの
「というか……私はそもそもお前がジャハル程度に負けると思っていない」
「……それは思い違いだ。彼女は使奴に教育された軍人数十万人のトップだ。俺なんか人生の
「それは私が最新モデルの“多目的バイオロイド“と知っての
ラルバはラデックの手をとり、ラデックの両手の指を交差させる形に握らせる。
「異能の“
「おい、まさか今習得させるのか?そもそも虚構拡張について俺はあまり
「問題ない。ラデックが生まれた時から異能の使い方を知っているように、虚構拡張も使えば効果がわかる。問題はぶっつけ本番で成功するかだ。そうだな……イメージとしては、ぐぐぐぐ〜っパァーン!!って感じだ!ワインのコルクを力ずくで引っこ抜くみたいな!」
「いやそんなフワッとしたイメージで言われても……具体的に説明してくれ」
「ええ……この方が分かりやすい筈なんだがな……えっとー、各関節を
「すまない。悪かった。さっきのでいい」
「だぁから言ったじゃない。大丈夫大丈夫これで絶対できるから!!ぐぐぐぐ〜っパァーン!!だよ!パイナップルのヘタを引っこ抜く感じで!」
「さっきと言ってること違くないか?」
「あ、そうだ。もう一個おまじない」
「なんだ?」
ラルバはラデックの左脇腹を
「ぐおっ……!!!な、何故……!!!」
「声
「な……ぜ……おぉ……これ、折れたんじゃないのか……」
「折れてはないだろうけど、多分もう一発
ラルバがラデックにデコピンを食らわせると、ラデックは歯を食いしばって
「ぐあっ……!!!痛っ……!!!」
「物理的に弱くなった訳じゃないけど、神経がめちゃくちゃ敏感になってるよ。ちょっとした痛みで
「……それは試練か?」
「だから勝つためのおまじないだってば。信じて欲しいなぁ〜仲間なんだし」
「……仲間は試合開始前に
「折ってないってば。折れるより痛いのは確かだけど。折ってはいない」
ラルバが「行ってこい」と背中を押すと、首を
「いやあ楽しみですねぇ……なんだかんだ誰かの
ラルバの独り言に誰も返事はせず、イチルギは相変わらず不機嫌に目線を
「んもうチル坊いつまで
「全部が嫌」
「あらま」
イチルギの横へ腰掛けるラルバとハピネス。そしてハピネスは再びラルバの袖を引いて不安そうに問いかける。
「な、なあラルバ。私にはさっきみたいな助言ないのか?私もこの後ハザクラ君と闘うんだろう?なにか勝ち筋とかって」
「ガッツ!」
「……それで勝てるのか?」
「無理じゃない?」
訓練場の中心で
「……ラデック、だったな。一応言っておくが、今後同行するからと言って手加減などはするつもりはない。
「さっき足を
「ならばまず足を切り落としてやろう」
「……治った気がする。大丈夫だ」
ジャハルは背負った姿見のように太い大剣を構え、ラデックに突きつける。その威圧感からラデックは何か返さなければという謎の義務感を覚え、両拳を頭の高さで
「2人とも準備いい感じぃ〜?それでは勝負ぅ〜………………開始っ!!!」