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使奴には標準装備として“
しかし、レベルの低い魔法の無効化というのは必ずしもメリットになることはなく、例えば医療機関に備え付けられた微弱の回復魔法を帯びたアロマや、海水浴場では闇魔法による日焼け防止のシャワー等。映画館では言語を
“魔法の影響下に置かれなければ
〜なんでも人形ラボラトリー 地下街最下層〜
「めんどーくさいねぇ。この“
一行の先頭を歩くハザクラはラルバの方に少し振り返ると、黙って首を振って再び歩き出す。
「……はぁ。まあ手話が無理でも、ジェスチャーが伝わるだけマシかな」
ハザクラ、ラルバ、バリア、イチルギの4人は、なんでも人形ラボラトリーの地下街をウィンドウショッピングでもするかのように彷徨っていた。地下街は無骨な
こんな犯罪者の
常夜の呪いによって意思疎通に言語をあまり必要としない為、難しい話や公式、手順や感情の細かいニュアンスなどの伝達が極めて
しかし、そう言った知識をつけた下級国民の徒党を馬車馬の如く働かせ、また押さえつけるために、最早階級差別はこの国で当然の制度と
この地下街も殆どがそう言った思想の人間で構成されており、道端に
「んふふふ……不思議な国って言うかクソみたいな国だね」
ラルバは裸足で逃げ出す半裸の子供を見てニヤリと口角を上げる。すると無表情に怒りを込めたハザクラがゆっくりと近寄り、文句を言うように
「なぁによハザクラちゃん。別に馬鹿にしてないでしょ。私とて哀れな子供達を見るのは心が痛むのだよ……オヨヨヨヨ……」
ラルバが
「なあにイっちゃん。君は言葉通じるでしょ。言いたいことがあるなら言いなよ」
「……別に?」
「はぁ〜あ。元はと言えば君らが気味悪がってこの国の統治サボってたのが悪いんでしょー」
「別に使奴が全世界の国を統治してるわけじゃないのよ。“バルコス艦隊”も“ダクラシフ
「なんだ?言い訳か?」
「私達は神様じゃないのよ。人間の元来持っている差別思想まで押さえつけたら、そんなのまるでペットじゃない。私達使奴はあくまで人間の文明の発展を手助けすることで、虫かごに閉じ込めて
「ペット扱いしてたんじゃなかったのか……」
「アンタと一緒にしないで!!」
ぶつくさと文句を言いながらも、一行は地下街を当てもなく奥へ奥へと進んで行く。地下街に立ち並んでいた飲食店は次第に減っていき、怪しげな詳細不明の店や空き店舗が目立ち始めた。
泥と鉄の生臭い空気が漂う中、ラルバは通り過ぎようとした店に後ろ歩きで戻り、窓ガラス越しに店内を物色した後
「ここ面白そう!ごめーんくーださーい!」
ラルバに続きハザクラとバリアも入店し、イチルギは「やれやれ」と顔を伏せて店に入った。
〜 なんでも人形ラボラトリー マダム“サリファ”の占星所〜
謎の機械が吐き出す
「こんばんはー!いや、こんにちはかな?ごめんくださいなー!」
店内を埋め尽くす棚に並べられた
最後尾のイチルギがラルバを追いかけようと通路に足を踏み入れた瞬間、ふと手を引かれて立ち止まる。振り向くとそこには、フード付きのローブを
「門を
ボソボソと
「ここココっコンピュータの群れ!!
そしてイチルギの手を離し、最後にボソリと零した。
「コンテニューしますか?」
イチルギはどう反応していいか分からず、申し訳なさそうな顔で
店の奥は見かけよりも広く、床に大きく魔法陣が描かれた大部屋の真ん中に如何にも「占い師です」と言わんばかりの台座と水晶、そして
「あれ?イチルギ?クラぽんとバリアは?」
「え?見てないけど?」
次の瞬間、大部屋の壁に垂れ下がった薄布を
「おやおやまあまあ。私なんか悪いことした?」
ヘラヘラと笑うラルバをイチルギが肘で突き、老婆の方へ顔を向ける。
「すみません勝手に入ってしまって。私達別に何か用事があって来たわけじゃないんです」
しかし老婆は2人を
「ぅぅぅぅ後ろ盾マンガンが揚々としてフォード……ましてや盲目の猿ゼッケンから!!」
その怒号に応えるように女達が武器を構え、ラルバ達を
「あの……大変申し上げにくいのですが、私達常夜の呪いにかかってなくて皆様の言葉が分からないんです。もし何か
「イチルギ。こいつら多分私らが何者か分かってないぞ。ハザクラとバリアも戻ってこないし、ここは力で
ラルバの言葉を聞いた1人の女性は、
「ラルバ!殺しちゃダメよ!」
「怪我は?」
「ダメ!」
ラルバは突進してきた双剣の女をひらりと
「難しいこと言うね。取り敢えず君ゲームオーバーね。全員の急所に落書き入れたら降参してくれる?非常にメンドイので」
ラルバがもう一本ペンを取り出してイチルギに投げ渡すと、イチルギは自分の中で言い訳をしつつ
「おっ。ハザクラちゃんお帰りー。遅かったね」
ハザクラがバリアに肩を貸してもらって大部屋に到着すると、そこにはラルバとイチルギと、悔しそうな顔で座り込む武装した女性達がいた。それを見たバリアは事の
「通路の霧、毒ガスだったみたい。少し休ませてあげて」
「あーやっぱし?なんか変に魔力濃かったよね」
「この人達は誰?」
「んー?襲ってきた。けど多分善人寄りだねぇ。ボコす気全然起きないもん」
すると座り込んでいた女性のうち1人がボソリと何かを呟き、そしてラルバの手を取って何かを
「なになに、何言ってるか全然分かんないんだってば。ハザクラちゃーん?通訳しておくれー」
「……
ラルバはハザクラの方へ駆け寄り、頭を
「はい元気!」
ハザクラは冷たい目線をラルバに向けながら
ハザクラが一頻り女達と話すと、
「彼女達は今別のギャングと抗争中の非合法勢力らしい。それで侵入してきたラルバを敵勢力のヒットマンだと思ったそうだ。まずは
ハザクラがそう言うと、女達は座ったまま
「そこで今度は力を貸して欲しいそうだ」
ラルバは不満そうに首を
「ん〜。コトによるかな……」
「敵対勢力は謎の人物が率いる犯罪者集団だ。麻薬の密売、奴隷の貸し出しや販売、
「あ、ケッコー悪い奴らなんね」
「悪者退治が趣味だろう?丁度いいじゃないか」
「そうですねぇ」
しかしそこへイチルギが手を挙げて会話に割り込む。
「私パス。あとバリア借りるわね」
「はいぃ?なーにを勝手に」
「勝手にも何も、バリアが言ってたでしょ。使奴研究員がいるかもしれないって。悪党退治はそっちに任せるから、こっちはこっちで調べさせてよ。あーハピネス聞こえてるー?この後ラルバ達とは別行動するからーどっちか好きな方ついてってー」
イチルギが異能で見ているであろうハピネスに声をかける。ラルバは不満そうに
イチルギとバリアが店の外へ出て行くと、ラルバは手を振った後にハザクラに振り向く。
「ほんじゃクラの助さんや。通訳頼みましたよ?」
ハザクラはラルバの言葉になんの反応も返さず、占い師の格好をした老婆の元へ歩いて行く。
再び常夜の呪いの影響下に置かれたハザクラは、老婆の前に片膝をついて座り込んだ。
「では御婦人。話は私、ハザクラが
「すまんね……あちらのラルバさんとやらは常夜の呪いを受けられんので?」
「……彼女のことは気にせずに。後で私が話しておきます」
「ふむ……しかし恥ずかしい限りじゃが、奴等のことは殆ど何にもわからんのじゃて……砂嵐の様に現れては煙のように消えて行く……人数も規模もまるで分からん……じゃからヌシ等には保護区で待ち伏せをしてもらいたいんじゃが……」
「
「ふむ……いやあ……しかし……本当に情報が少なくてな。最近統率者の名前がわかったくらいなんじゃて……」
「十分です」
老婆は
「ティエップ。それが奴等の統率者の名前じゃ」
〜なんでも人形ラボラトリー 宿屋「
ラデックは半分
「……む、ティエップ。もう起きていたのか」
「あ、はい。おはようございます」
「目の傷はどうだ?塞いだだけだから化膿しているかもしれない。もし違和感を感じたら直ぐに言ってくれ」
「あ、大丈夫です!お
「そうか。念のため病院で一回診てもらうか?」
「あっあのっ……わた、私、身分証明書がないので……!!」
突然慌て出すティエップに、ラデックは若干違和感を
「金なら心配するな。ジャハルは相当な権力者だし、俺もそこそこの手持ちがある」
「あ、いや、だ、大丈夫です!」
「……無理にとは言わないが」
「あの、すみません……」
「……何か事情があれば言わなくてもいい。もう少し休んだら出発しよう。ハピネスからラルバの状況も聞かなければ……」
そのまま