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〜グリディアン神殿 地下街 (ラルバサイド)〜
「お客さぁん。ウチ、お触りはNGなんですよねぇ」
声の主の方を見て、全員が現状の変化に気がついた。いつの間にか豪華な大部屋は見渡す限りの満天の星々に、地面を埋め尽くす
「シスター!ナハル!お前らもう寝てていいぞ。こっから先は、スーパーヒーローラルバ様の
グリディアンはその巨体を震わせ、片腕のみでなんとか上半身を起こす。
『うぐ……ぐぐぅ……!!』
言うことを聞かない片腕を見ると、片腕と片足が脇腹ごと削り取られていることに気がついた。虚構拡張のちょうど境界線にいたグリディアンは、その半身近くを寸断されて臓物を地面に落としている。何が起こったのかを理解できず
「んひひぃ〜馬鹿だねぇ。実に頭が悪い」
『なっ……治れっ!!!』
グリディアンは回復魔法をかけながら異能を使い、治療を
『ぐがっ……!!』
「もういっぱぁつ!!」
ラルバがムーンサルトキックを浴びせると、グリディアンは自らの舌を噛み切断してしまった。
『あえっ……!!!うあえええええええあああああああああっ!!!』
「あーらら、可哀想に」
痛みに
そこへ、ラルバが突きつけるように冷たく言い放つ。
「お前の異能は洗脳のメインギアと同じ、
その言葉にグリディアンは
「ザルバスを
ラルバは倒れ込むグリディアンにゆっくりと歩み寄る。
「そして何よりこの国の歴史。大戦争から200年以上もの間、この“グリディアン教”という教えに基づいて生きてきたそうだが……”大戦争から“と言うことは、首謀者は無理往生の異能の応用方法を知っていたことになる。細かく言えば、何千人という
グリディアンは既に痛みを感じていなかった。それは損傷による神経の麻痺ではなく、未知の恐怖による
『ううううっ……!!!ぶびゅじゅっこおひへああああ……!!!』
「あん?なんだって?」
舌先を噛み切ってしまったグリディアンの恨み節に、ラルバはあざとく耳に手を当てて
ラルバによる推理は正しかった。グリディアンの異能はハザクラと全く同じ“承諾“をトリガーとした無理往生の異能で、当然自己暗示による自身の強化も行える。グリディアンは自己暗示を常に行っており、舌が切断され発言が行えなくなった今も強化は続いている。ハザクラという生身の人間でさえ使奴並の
「あらよっと」
しかし、そんなグリディアンの一撃をラルバはいとも
「んひひ。いやあ実に頭が悪いねぇ」
グリディアンは着地に失敗するが、すぐ様振り向き片腕を振り回す。3m近い巨体から繰り出される大振りの連打は音速を超え、マシンガンの発砲音に
しかしラルバは防御魔法と身のこなしで全て
『ぐぇがっ!!!……
「んふふ〜なんでって?なんで避けられるんだ〜!って感じ?何でだろうねぇおかしいねぇ」
ラルバは上半身を左右へ傾けグリディアンを
「なんでかな?なんでかな?それはね、お前が馬鹿だからだよ」
その言葉にグリディアンは頭に血が上り、再び地面を蹴って突進を繰り出した。人間どころか使奴の目を
「我々使奴の強さは身体能力よりもこの頭脳にある。お前達使奴研究員が苦労して詰め込んだ理想の性奴隷になるための知識と、使奴細胞により生み出される無限に近い
仁王立ちで
「これやっとけブス。あと昨日の書類早くしろよ。ホント使えねーな」
「ボーッと突っ立ってんじゃねーよ!邪魔くせぇなもう!」
「うわあ!“ホガホガ”だぁ!逃げろぉ!」
「触らないでもらえます?汚いんで。あと近づかないでください」
「うわっ……“ホガホガ”じゃん。最悪……」
「こっち寄んなよデブ!臭いんだよ!!」
「おい“ホガホガ”」
「“ホガホガ”これやっとけ。早く」
「“ホガホガ”じゃん。あっちいけよ」
「“ホガホガ”」
「“ホガホガ”」
「“ホガホガ”」
使奴細胞と自己暗示で強化されたグリディアンの爪は地面を
ラルバは虚構拡張を解除し部屋を元の豪華な王室に戻した後、グリディアンの方を向いて首を鳴らす。
「さあてどう
『……あい』
「え?なに?」
何かを呟いたグリディアンにラルバは腰を曲げて耳を寄せる。すると――――
『
地を割るような怒号。それと同時にグリディアンは出口とは反対方向の壁へ勢いよく跳躍した。壁は焼き菓子の様に
一部始終を
「ラっラルバさんっ!!!」
「だいじょーぶだいじょーぶ。予想通りよ」
血相を変えるシスターにラルバはVサインで応える。
「それよりシスターちゃん。君そもそも何しに来たの?まさか本当に巨悪を一目見たかっただけじゃないだろうに」
その言葉にナハルが抗議しようと前へ出る。
「黙れ。それよりあの化け物を――――」
「化け物よりも大事なんだなぁ。連れてきてあげたんだし、聞かせてよ」
シスターはナハルを自らの後ろへ下げ、ラルバに頭を下げる。
「……私の勝手な自己満足です。すみません……」
「ふぅん。”分かってて隠す“んだ」
ラルバはシスターを
「……シスター。ここは危険です。戻りましょう」
「…………はい」
シスターはナハルに差し出された手を取ることなく通り過ぎ、出口へ向ける歩き出した。
〜グリディアン神殿
『ううううっ……ううううううっ……!!!』
グリディアンは回復魔法をかけながら階段を駆け上がる。既に
『わだしは“ホガホガ”じゃないぃぃぃぃいいい……!!!』
扉を開けた隙間から、グリディアンの目に
『な……何……これ……』
グリディアンの目に飛び込んできたのは、ぼうぼうと
正確には、放送局であった
『お、お、おおおお、おまっお前らっ!!!やめろっ!!!戦いを止めろっ!!!そんなっそんなことよりもっ!!!わだっわだしを守れっ!!!』
グリディアンは爆炎の中に駆け込んでいく。しかしグリディアンの声に答える者は誰一人として居らず、グリディアンの声は戦争の轟音に
「んひひひっ。いやあやっぱり馬鹿だね!」
追いついたラルバがグリディアンの背後に立つ。
『おっお前……っ!!!』
「もうお前を助ける奴隷はいないよ。みんな内戦でそれどころじゃあないからね。それどころか、私を斃した所でお前の理想郷は二度と帰ってこない」
グリディアンがラルバに飛びかかるが、突然全身を走る激痛に
「どうせ“私の命令は絶対”みたいな命令をかけたんだろう。馬鹿だねぇ。先に“私の声を聞き逃すな”とか言っておかないと。命令を命令って認識できなきゃ意味ないんだから」
ラルバは身動きが取れなくなったグリディアンを魔法で切り裂きバラバラにする。そして生首だけになったグリディアンの舌を掴んで持ち上げた。
「しかも虚構拡張の特性も
生首だけになり舌も
「虚構拡張の境界線の脅威は、空間の
ラルバは説明を終えると、折れた電波塔へよじ登りグリディアンに国を一望させる。
「見ろクソ間抜け。お前の200年が水の泡だ。燃えてるけどね」
グリディアンの目には、あちこちで燃え盛る
「ただでさえ
ラルバの
「叶えてあげようか」
ラルバの
「一個だけ、一個だけ異能で承諾してくれたら考えてあげるよ」
ラルバは優しくグリディアンの頭を支え、腰掛けた自らの
『ほ、ほん……と?嘘じゃな――――』
「一個だけでいいんだよ。一個だけ。ただ嘘はつかない方がいいよ。使奴は嘘見破るの得意なんだから』
グリディアンはどこまでいっても
『や、約束じで……』
「…………どうする?」
こんな悪魔の囁きに応えてしまうとは。
『ぜっだい裏切らないっで……』
「………………君次第だよ」
ましてや、悪魔に小細工が通用するなんて。
『じゃ、じゃあ約そ――――』
「じゃあ一個だけお願いを……聞き入れてくれるね?」
少し考えれば分かった
『わ、わかった……』
ラルバは
「私の命令は絶対だ」
『へ?』
「私命令を聞き逃すな。自分の意思で発言をするな。魔法を使うな。異能は必ず私の許可のもとに行え。自分の
『え?はっはい!』
グリディアンは理解できぬ現状に混乱した。しかし、勝手にラルバの命令に承諾をした自分に恐怖した。
「ふっ……くくくくっ……!!」
ラルバが失笑している。そしてグリディアンは
ラルバの両耳から血が流れている。
「ああそうだ。私はさっき“自分の耳を指で
ラルバの言う通り、グリディアンは馬鹿と
グリディアンは情けなさで
「お前の様な不死は処理が困難でイチルギが厄介がるからな……私は好みなんだけどねぇ」
ラルバは
「死ぬまでこの
グリディアンは現実に耐えきれなくなり、
「そして……快楽に関する思考を禁ずる。無限に続く宇宙で
グリディアンは頭の中を真っ黒に塗り潰され、