Q.恋愛脳の男は決闘で恋ができますか? 作:ウェットルver.2
コイントスの結果は、「裏」。
理解も納得もできず、思わずボウっと
一歩。
なにかを初めて始めるうえでは、とんでもなく重いハズの一足。
彼が混乱さえしていなければ、「いやいや刀堂刃の晴れ舞台を奪うとか解釈違いだから!」などと忌避するような、おおよそ似た動機で立ち止まって刀堂刃の決闘を見守ろうとしたのだろうが、なぜかドヤ顔をする三人、光津真澄、志島北斗、刀堂刃の目つきを見て、どうにも断りにくい雰囲気を感じ取ってしまったうえに、権現坂昇までやる気とあれば後に引けない。
賭博というエンターテインメントを介したのも、ほかのデュエル塾ならばともかく、よりにもよって遊勝塾でやったのが雰囲気を熱く盛りあげてしまったのか、遊勝塾の塾生たちからの反対意見も出てこない。
「……お初にお目にかかります。蛇喰遊鬼です。
所属はLDSが
「こちらも初めてお目にかかる。
俺は権現坂昇。いざ尋常に勝負だ!」
ここまで当事者である蛇喰遊鬼に状況の訳が分からず、やたらと場が熱気にあふれてしまえば、なにを無理に叫んでも周囲を興醒めさせるだけだ。ましてや権現坂昇の決闘者としての意気込みが伝わる眼光を見ていると、なぜか「あ、それボクやめます、ダメですよね理事長先生?」などと赤馬日美香への確認という体裁の救援要請もできなくなってしまう。
「……戦いの殿堂に集いし、
「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」
デュエルフィールドのむこう側の権現坂昇は鉢巻をきつく締め直し、戦う気満々で待ち構えているのだ、こんな状況にまで発展してから「やっぱやめます」なんて不義理は蛇喰遊鬼に言えるはずもない。馬鹿正直にそれを言えるほどの胆力はないが、積極的に戦う気はなかった場に乗りこまされても、
「……フィールド内を駆け巡る。」
「見よ! これぞデュエルの最強進化系! アクション、」
すぐに気を切り替え、決闘を楽しむ胆力はあった。
「デュエル!」「……デュエル。」
状況が無理やり背中を押してきて、進みたくもない歩を進めさせられたとは言えるが。
あるいは、
「……で、先攻は?」
「ぬ? 譲る気なのか?」
「いや別に、」
彼が思っているよりも。
蛇喰遊鬼を認めている、光津真澄からの目線に驚きすぎて。
あれこれ考える余裕を想い人への理解へ費やそうとしてしまって、しっかりと無視して拒絶できたはずの雰囲気に抵抗する気力も足らず流された、というのが実際の心境だろう。
惚れた男の弱み、というやつだ。
「……ボクのターン。」
先攻ではドローが行えない。
最初の手札は5枚から変わらない。
彼の故郷であれば、なんらかのカード効果により手札の質を向上させることは可能だが、舞網市にあるカードだけでは望みのカードを手札にくわえる手段なんて多くはない。
「……手札から、《闇の誘惑》を発動。」
よって、闇属性デッキの強みにすがる。
「……デッキからカードを2枚、ドロー。
ただし、この効果でドローしたのち、闇属性モンスターを1体、手札から除外しない場合、手札をすべて捨てなければならない。」
そんなのギャンブルじゃん、とは誰の感想か。
小学生三人が口々に不思議そうに、少年の立ち回りを見つめている。
「……この効果により。
手札から、闇属性モンスターの《カゲトカゲ》を除外する。」
いいえ、彼のデッキは闇属性に特化したデッキ、《闇の誘惑》でギャンブルをしなきゃいけない手札なんてめったにないわ、との言葉が続く。
気のせいか、その少女の解説は声援にも聞こえていた。
「……いや、なんだこの、……なに?」
「む?」
が、当の彼は苦虫を噛み潰したような顔になる。
権現坂昇からすれば、まるで引きの悪さに苛立つ初心者のような顔つきだ。あれだけのデュエルができるLDSの塾生たちの仲間にしては、どこか不可解な仕草に権現坂はいぶかしみながらも、今は疑問を深追いする必要もないと取り置き、眼前の決闘者の動向を注視する。
「…………
たしなめているのか。
姿の見えぬ第三者からの押しつけに忌々しく感じているのか。
カードの精霊、「デュエルモンスターズのカードに意志が宿っている」という現象を知る蛇喰遊鬼だけが、己の怒りの矛先を正しく理解していた。
「…………えっと、もういちど《闇の誘惑》を発動。
2枚ドローして、2枚目の《カゲトカゲ》をゲームから除外。」
なお、《カゲトカゲ》はレベル4モンスターが通常召喚された場合のみ、手札から特殊召喚ができる効果を持つが、手札からの通常召喚は行えないモンスターでもある。
それが2枚手札にくれば、ほかのレベル4モンスターを通常召喚しないかぎり、だらだらと手札に残り続けてしまう。できなければ自分を守るモンスターは1体も出せない。どんな理由や原因があろうとも大惨事である。
「……よし。うん。
手札から《レスキュー・ラビット》を通常召喚。」
そんな召喚者の困惑と安堵に応えて跳ねるウサギ。
ヘルメットを着用する救急隊員じみた小動物。かわいいと叫ぶ遊勝塾の女性陣。「げっ」「うわ」「やっぱり」と声を零すのはLDSのエリートたち。
「……まずは発動の
表側表示のまま、フィールドから除外する。」
空高く跳ねあがり、次元の裂け目へと飛び込む《レスキューラビット》。
「……効果の発動に成功した場合、デッキからレベル4以下の通常モンスターを2体、すきな表側表示の表示形式で特殊召喚できる。」
すれ違い、異次元の彼方から姿を現すふたつの影。
「……レベル4の、《ヴェルズ・ヘリオロープ》を特殊召喚。
ただし、特殊召喚後のエンドフェイズに、この子たちは破壊される。」
あくまでも似ているだけにすぎないのか、鎧に光沢はなく、さながら闇へ溶け込み消えていくかのような儚さと恐ろしさを
「……ボクは、
《ヴェルズ・ヘリオロープ》2体で、オーバーレイ。」
それらは片腕をあげて宙へ飛び、光の球体、オーバーレイ・ユニットとなって渦を巻く。渦は次元の裂け目とは異なる銀河の大渦へと身を投じ、さらなる星々の激流となる。
「……2体のレベル4『ヴェルズ』モンスターで、
オーバーレイ・ネットワークを構築、……行こう、ランク4。」
超新星爆発。
新たな惑星や銀河系の誕生を思わせる、ひとつの終わりが始まった。
ふたつの
「……
新たな破滅の
これなるは、とある惑星に眠るドラゴン。
かつて氷原より凍てつきをもたらす伝説の三龍が一頭。封印され
「《ヴェルズ・オピオン》。」
黒き鎧を身にまとい、かつては
彼の相棒にして最愛であるモンスターは、対戦相手の闘気に触れて武者震いをした。
「……
デッキから『侵略の』魔法罠カードを手札にくわえる。
加えるのは……加えるのは……えっ、どうしようこれ……?」
そう、相手は
彼の
かといって、権現坂昇の思想の影響が強い戦術など、初対面であれば知っているはずがない。
ましてや、本当に権現坂昇の戦術が遊鬼の知る戦術を使ってくるかなど知りようもない。
デッキを複数持っていて今日は別のデッキにしています、などと言われてしまえば滑稽な杞憂にしかならない。
「マジでどうしよう。」
『遊鬼?』
これなら《ヴェルズ・ナイトメア》か、《ヴェルズ・タナトス》を
元より相棒を
現在の手札は4枚。
アクションカードも取りに行ける。
まあまあ悪くない走り出しではなかろうか。
ならば、こちらの手札の質を高めてしまおう。
「……トラップの《侵略の侵食感染》を手札に。
カードを4枚伏せて、ターンエンド。」
などと彼は心の整理をつけたつもりでも。
つまり、残りの手札は(おそらく)モンスター1体である。
元が召喚に厳しい《カゲトカゲ》も含まれていたと思えば、どれほどの魔法罠が最初の手札に集まっていたのか、
ドローの運が悪ければ、モンスターを出せないままターンを渡していた。
さすがの蛇喰遊鬼も男子なのだ、惚れた少女にかっこいいところを見せたいのである。
ちょっと無理をしてでも手札の質を変え、妥協せずに《ヴェルズ・オピオン》を呼びだすくらいはやりたくもなる。
「では、俺のターン!
後攻1ターン目からはドローが可能。
ゆくぞ、ドロォーッ!」
男、権現坂昇のドローは凄まじい。
剛腕が振り回されるだけで突風を呼び、ドローひとつで土埃が舞う。
そんなものがデュエルにどう関係あるのだ、などと冷笑する者こそ遊鬼の知人にいたが、元から体力がまるでなかった蛇喰遊鬼には嘲笑などできはしない。放課後に日が暮れても学校でデュエルに明け暮れた、生粋の決闘馬鹿だからこそ気づいた問題点。間違っても、デュエルマッスルなどという冗談めかした与太話からではない。
アクションデュエルに必要なものは知能だけではなく。
強いカードや強い戦略だけでもなく、精神論だけでもない。
アクションデュエルに興じるデュエリスト自身が、アクションフィールド内で具現化された建造物や地形を乗り越えて、アクションカードを手にしなければならない。
すなわち。
日頃からカードや書類を触っているだけのカードオタク、たったそれだけの
そう、権現坂昇は、やろうと思えば何連戦でもアクションデュエルができるほどの体力を持っているのだ。それほどの体力があるということは、よほど精神性に問題がないかぎり、へたな挑発や威圧あるプレイングなどでは権現坂昇の精神状態はともかく、集中力までは乱せないということ。ましてや、この手の硬派な男は精神修練を欠かせない。
「……マジでどうしようかな。」
「俺は《超重武者カゲボウーC》を召喚!」
まず現れるのは、ぴぃひょろと笛を吹く絡繰り人形。
しかし間もなくに、その姿を消失させていく。
「”カゲボウ―C”の効果を発動。
このカードをリリースし、手札から『超重武者』と名のつくモンスターを1体、特殊召喚できる!
俺が特殊召喚するモンスターは、レベル8、《超重武者ビックベン―K》!」
さながら御隠居の印籠を示すように掲げられる、《超重武者ビックベン―K》のカード。
そのカードをデュエルディスクにセッティングする権現坂昇。
「動かざること山の如し。
不動の姿、今見せん!
いでよ、《超重武者ビックベン―K》!」
ずずん、と地鳴らし現れる武者。
数多の武具を背負わず、煙の中から立ちはだからない、
「む? ……”ビックベン―K”?」
台車を引く町人の姿が。
「ばかな!?
”ビックベン―K”ではないだと!?」
呼び出されたのは、レベル4の《超重武者ダイ―8》。
わけもわからず周囲を見渡し、動揺する町人は権現坂へと振り返って、「これはどういうことなのか」と尋ねるように視線を送るが、召喚者であるはずの権現坂でさえも眼前の状況への把握が追いつかない。
「俺は確かに、《超重武者ビックベン―K》を特殊召喚したはず!
なぜ《超重武者ダイ―8》が特殊召喚されているのだ!」
権現坂がデュエルディスクを見れば、《超重武者ビックベン―K》は召喚を拒絶されているどころか、手札から放したつもりもない《超重武者ダイ―8》がいつの間にかデュエルディスクに貼りつけられていた。
やがて、「もしやデュエルディスクの故障か」との声すらあがる。
その声を聴いたLDSの面々は、「カード効果の確認はどうしたのか」と目を見合わせた。
「……ふふ。」
「その笑み、まさか!
貴様の仕業か!」
瞠目する権現坂へと遊鬼は語りかける。
「……《ヴェルズ・オピオン》の永続効果。
このモンスターに
「と、いうことは。
”ビックベン―K”ではなく、
”ダイ―8”が特殊召喚されたのは!」
「……そう、”オピオン”の永続効果により。
『レベルを問わず特殊召喚する効果』を、
『レベル4以下を特殊召喚する効果』へと、」
「書き換えたのだ。」
どやあ、と。
ただ言いたかっただけの台詞を口にする。
とある部族の封印の力で世界を呪うドラゴンは、そんな召喚者のノリになにを思ったのか、ちいさく鼻を鳴らして
『効果を書き換えただって!? 痺れるゥ!』
『書き換えてないわよ。
ただの永続効果で、……榊遊矢の真似?』
『かもしれないけど、わりと彼ノリいいよ?』
『セリフが大人しいだけだよな。』
黄色い服を着た、太めの小学生男子の盛りあがり。
明るさのある楽しみ方に釣られ、LDS塾生の雑談も進む。その最中、
「先ほどのコンボといい、
やはり無駄な動きはない……!
俺のデュエルが不動ならば、貴様のデュエルは真逆。
相手の動きを奪い、『不動にさせる』デュエル……! だが!」
ギン、と、ハヤブサもかくやと眼光を鋭くさせる。
「無駄な動きがないことは
守備表示の”ダイ―8”は、表側攻撃表示とすることで、デッキから『超重武者装宿』を1体、手札にくわえる。俺が手札にくわえるのは、《超重武者装宿シャインクロ―》!」
「……ん? んんっ!?」
想定と異なる結果に驚く遊鬼。
蛇喰遊鬼のいた異次元世界ではシンクロ召喚やメタビートなど、多岐にわたる戦術を選べる「超重武者」カードを、あくまでも《超重武者ビックベン―K》のアドバンス召喚や特殊召喚に特化させていた現在の権現坂昇は、各種召喚法の素材にしかならない下級モンスターを無防備で敵に身を晒させるような真似などせず、誘導や策略により「させられ」もしない。
「そのまま手札の、
《超重武者装宿シャインクロ―》の効果を発動。
このカードを”ダイ―8”に装備し、攻撃力と守備力を500アップさせる!」
「……効果は、
……『装備モンスターが戦闘で破壊されなくなる』……!?」
奇しくもそれは、柊柚子が光津真澄に対して選んだ戦術と同じ。
戦闘では倒せないモンスターで場を耐え、直接攻撃を受けないようにする、(蛇喰遊鬼の故郷における対策とくらべれば脆いが)ワンターンキル対策だ。
「俺はこれで、ターンエンド!
さあ、おまえのターンだ、蛇喰遊鬼!」
「……!」
そう。
彼の次元世界における”現実的な”対策ではない。
彼らの舞網市における”現実的な”対策で耐えきる。
言ってしまえば、それは。
しょせん創作物の登場人物がとれる範疇の、新製品のカードパワーによるゲーム環境の変化に翻弄されてきた現実の
「…………あァ、」
自分が、この世界の
明確に注目され、警戒され、最大限のデュエルをされている。
蛇喰遊鬼なる人間が、その世界での決闘者として認められている。
光津真澄の瞳とおなじ光が、自分を貫いてくる。
くすみのないもの。
かつて彼が憧れた景色。
名もなき”
彼が遊戯王OCGの業界へ足を踏み入れた、いちばん最初の理由。
現実らしさ?
実際のOCG環境だったら?
アニメのデュエルはドロー運がおかしい?
どんなに強く、かっこうよく描かれても。
どうせOCG環境での強いカードたちに負けるだけ?
しょせん作中設定と作中描写による脚色で、OCG環境でなら雑魚?
なりたいものは、
こちらの相棒による妨害をものともせず。
モンスターを踏み台で終わらせない柔軟な立ち回り。
かつての、アクションカードに依存しきっていようとも、なにがなんでも《ジェムナイト・クリスタ》で己を打ち倒そうとした光津真澄の姿を思い浮かべ、
「……はは、」
笑みを深める。
自分は異物である。そうであると自認する。
星座に要らぬ星を加えて聞いた憶えのない伝説を作るような、子供のような稚拙な傲慢なんて振るいたくないと遠慮したい少年にとって、傲慢に足る暴虐を振るえる《ヴェルズ・オピオン》をものともしない、勇気ある伝説そのものなどまぶしすぎて、しかたがない。
権現坂昇は強い。知っている。
光津真澄は強い。知っている。
彼も彼女も《ヴェルズ・オピオン》に屈しない。
……それだけは、どれだけ伝説を振り返ろうとも、知らない。
「はは、」
元から通用しない志島北斗とは、ちがう。
対処法が多く、突破しうる刀堂刃とも、ちがう。
レベル5以上の特殊召喚を封じられれば、なにもできなくなってしまいかねないのが遊勝塾の中学生たちであり、LDSの融合召喚コースの塾生たちであり、彼が自分でも強く意識するとは思わなかった、遊戯王OCGのゲーマーとしては歯牙にもかけないはずの有象無象たちであった。
その中に、ちいさくも強く輝く原石がいた。
光津真澄がいた。己のうちの悪意や諦観が鳴りを潜めるほどの、胸の高鳴りが、異物であるが故の孤独と狂気から解放した。
あれから二年、代わりに恋愛感情がどうにも熱狂や狂信に似たものになるまで膨らんでしまったが、彼女に不快に思われないほどには男の我欲ならではのモノを自重や自制できているのだろうか、などと恋する男児として日々恐れるくらいには、やけに自分でも大人しくなれている気はしていた。
彼女から迫られたら壊れそうな、己の内の雄を鎮める檻。
決闘者としての加虐性までも同じ檻に抑えこんで、できるだけ我慢したが、
「あはは、」
今回は耐えきれそうにない。あまりに唐突だ。
御馳走がひとつなら問題なかった。ふたつは我慢できない。
腹いっぱいになるか否かではない、元から腹ペコなのに追加で御馳走を追加されては鼻孔をくすぐられて正気を保てない。心の飢餓に耐え切れない。
思うがままに光津真澄へ食らいつきたいほどの欲と恋愛感情と決闘者願望が混じりあった内なる欲望の
笑みがこぼれる。狂喜がこぼれる。
そうか、そこの
彼の感想をのちの”セルゲイ・ヴォルコフ”の言葉で言い換えるならば。
そう、―――「美しい。」
「……そのエンドフェイズ時に。
永続トラップ、《侵略の侵食感染》を発動。」
「ここでトラップだと!?」
「……手札・場の『ヴェルズ』モンスターを1体選んでメインデッキに戻し、デッキから『ヴェルズ』モンスターを1体だけ手札にくわえることができる。
戻すのは手札の《ヴェルズ・サラマンドラ》。」
これほどの美しいデュエル。
やはり手加減などいらない、自重の必要もない。
思う存分に光津真澄へと叩き込む全力の姿勢に似ている。通用しないからこそ相棒に依存しない実力を問うてくれる志島北斗へと、真剣に立ち向かう際の度胸試しとは、ちがう。
「……手札にくわえるのは、《ヴェルズ・ケルキオン》。
この効果で手札を書き換え、この状態で通常のドローが行える。」
「馬鹿な!
召喚法だけでなく、己の手札さえも……!?」
「……最強デュエリストのドローは、すべてが必然。
…………ドローカードさえも自らが導くもの。
だったら、これこそが最強デュエリストの戦略。」
彼が「ヴェルズ」モンスターを愛用する所以は数あれども。
その中で最たるものが、「望むカードを導きやすい」という特性であった。
最古の伝説のファラオは墓守の淑女に曰く、望むカードを導きドローせしめる。アニメや漫画への憧憬からデュエルを始める世代の
ドローカードを創造する
究めつきの決闘馬鹿が恋愛脳に転じた結果があのザマであれば、
「ボクのターン、ドロー!」
あらためて決闘馬鹿に戻ればどうなるか。
この瞬間、確かに。
蛇喰遊鬼の瞳孔の中から、光津真澄の残像が薄らいだ。
【Q,恋愛脳の男は決闘で恋ができますか?】
【A,ある種類の恋愛では、「自分が持たないもの」か、「自分を幸せにしてくれるもの」を持つ異性を選択しがちなものです。相手の持つ”もの”は男性にとっての
これらと似た感情論により、対戦相手である異性の戦略や愛用カードを否定したり、弱いことを理由にカードや「こういうデュエルがしたい」という
かといって全員へ無差別に優しくなってしまう性根の人間だと、特別に誰かを愛する時だけがドヘタクソになるほど特別扱いの経験が足りないので、余計にモテません。そもそも決闘者であれば、意中の決闘者のための対戦時間を多く費やしたり、待たせる時間を長くさせなかったり、会話もできるだけ同性の決闘者とではなく恋愛対象の決闘者へ多く行うなど、肉体接触のない精神的スキンシップと距離感は意識せざるを得ません。男女問わず。全員に優しくなれるヤツはその距離感がおかしく、まったく異性に関わりに行かない硬派なヤツは精神的スキンシップが傍から見るものを絶句させるほど足りていません。
コミュニケーション・ツールとしての
よって、決闘で恋はできます。
ですが、決闘が関わる物事すべてで『どこまで相手を愛せるのか』が大切です。
もちろん決闘の部分を別の物事に置き換えても結構です。】
【Q,遊鬼は勝つから大丈夫よね。】
【A,などと余裕ぶっこかず、素直に応援しましょう。
最悪の場合、寝取り、寝取られよりも前の段階の「ぼくがさきにすきだったのに」現象ことBSSが起きるどころか、遊戯王OCGは同性間で楽しまれがちである傾向からして、】
【Q,権現坂昇もカッコいいよね……】
【A,……┌(┌^o^)┐ホモォ?】
・《超重武者ダイ-8》
「超重武者装留」カードを手札にくわえられる1枚。
その効果で《超重武者装留チュウサイ》をデッキから手札にくわえ、そのまま装備状態にすることで《超重武者装留チュウサイ》の効果によりデッキから任意の「超重武者」モンスターを特殊召喚できるだけが特技の芸ではなく、あえて任意の「超重武者装留」カードを装備状態にさせたうえでリンクモンスターの《超重武者カカ-C》のリンク召喚に繋げつつ、装備状態の「超重武者装留」カードを墓地に送りながらさらなる展開に繋げる間接的な墓地送りも可能。
【超重武者】での便利なモンスターカードの1枚でありながら、同時に限定的ながらも《おろかな埋葬》の役目も果たせるという、さまざまな戦術へと繋ぎやすいモンスターでもある。
現在は《超重武者装留イワトオシ》が制限カードとなっており、最初に《超重武者装留イワトオシ》の効果を使用するべく手札にくわえて装備状態にしフィールドから墓地へ送ってからは、このカードによって墓地に送りたい「超重武者装留」カードの種類が減ってしまうため、前述の《超重武者装留チュウサイ》を起点とするモンスターの連続特殊召喚コンボか、《超重武者装留ガイア・ブースター》などを装備状態から特殊召喚することによるチューナーモンスターや
なお、この時期の権現坂昇は
アニメ・漫画【遊戯王ARC-V】のファンならば注釈せずとも御存知であろうが、各原作本編のゲームプレイ環境には、アニメ【遊戯王VRAINS】でのリンク召喚、およびリンク召喚やリンクモンスターを前提とするカード、そして新種族であるサイバース族のすべてが存在しない。
ここまでに紹介した各種コンボの大半、各種コンボを前提とした未紹介のコンボすべてが、あくまでも【遊戯王ARC-V】の世界観での”普通”の中学生である権現坂昇には使えないのである。
よって、おもに《超重武者ビックベン―K》をアドバンス召喚するためのリリース素材の確保や、《超重武者ビックベン―K》を装備状態の「超重武者装留」カードで強化するためのサーチカード、一時的な戦闘破壊されない壁モンスターとしての使用が中心となる。
ながながと書いたが、要するに、
「アニメ本編じみた遊び方をしないと、ほぼ確実に
なのである。雑に言って強いぞ!めちゃくちゃ執筆の邪魔!!!
副題は漫画・アニメ・映画【私がモテてどうすんだ】から。