ガンダムUC 封印された虹   作:強烈ミントのキセル

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偽物の彗星 ( 下 )

「あ、兄ちゃん!」

 

「おう、ティクバ…久しぶりだな……」

 

「帰ってきてたのか!」

 

「まぁな……」

 

この元気な小僧はティクバ…ギルボアの息子。

俺のことを兄ちゃんと慕ってくれている…まぁ、弟分さ。

で…何か異様にテンション的に疲れているように見えるのは、疲れているからだ。

何を言っているかわからない?

……俺も何言ってんのかわかんねぇ。

 

「お前んとこの親父さんとマリーダはちょっとしたら戻ってくるからさ、おばさんにそう伝えといてくれや」

 

「わかった!」

 

ここはパラオ…まぁ俺やガランシェール隊の帰るべき場所みたいな惑星だ。

昔は色々と資材を削り出したりで賑わっていたらしいが、今じゃ資材を堀尽くしちまったみたいで薄暗い灯りだけが静かに灯っている常に夕方みたいな所だ。

 

「じゃ、俺は少し散歩してくらぁな」

 

「え、あ…うんわかった」

 

ちなみに他のガランシェール隊の連中はあのガンダムのパイロットをガンダムから出したりで忙しかったり、マリーダと親父はそのパイロットをフロンタルの執務室だかなんだか知らんが護送しているらしい。

俺?俺は面倒だったし、フロンタルと顔会わせるの嫌だったし、何より疲れてたからさ。

 

「やぁ、仮染めの女神…まだここに光はあるかな?」

 

何てことはないただ普通の銅像の様なオブジェ…ここで俺はよく雑魚寝している。

ここで決まった住居がないってのも理由のひとつ(実際はマリーダに一緒に来ないかとは言われてんだけどな)で、寝れればどこでも良いかなって考えてたりもする。

 

「おやすみなさい…ま、束の間の休息ってヤツかな」

 

台座を枕に就寝…はぁ……

 

 

 

 

 

「ば、バインニヒツ!?お前、ここで寝てたのか?」

 

「……ん、何だ…マリーダか」

 

寝ていたらマリーダが来た。

で、その声に起こされてしまった。

 

「えっと…ま、りーださん?その人は?」

 

マリーダの後ろを見ると、例の青年が立っていた。何だ…彼がガンダムのパイロットだったのか。

 

「バインニヒツ、私の大切な人だ……」

 

マリーダもそう思っててくれてたのか。

 

「そ、マリーダは俺の大切な家族の一人さね」

 

そう、家族…大切な……ね?

 

「え、じゃあバインニヒツさんも人手が足りないときにMSに乗るんですか?」

 

不思議な事を聞くなぁ…マリーダはMSの正規パイロットだぞ?

……それとマリーダが熱心にアイコンタクトしてきているのと何か関係があんのかね?

 

「まぁ、そうだな…必要とされたら乗るなぁ……」

 

とりあえず嘘は言ってない方向性でぼかしておこう。

 

「そう…なんですか……」

 

どうやらあの流れ弾で殺っちまった奴のことを気にしているらしい。

 

「戦争ってのは、何かを守る為の行為だ…お前も、何か守りたかったんだろう?」

 

これ、俺の持論な?

肩を軽く二回叩いて気休め程度に励ます。

 

「ま、死んじまった奴が何を守りたかったのかは知らねぇけど…気にすんな……こっちも悪かったんだからな」

 

フロンタルが悪い。以上。

このまま寝ることもできないだろうし、グロウスバイルのコックピットまで移動するかな。

 

「じゃ、精進しろよ~青年よ!」

 

以外とグロウスバイルのコックピットって快適なんだなぁこれが。

 

 

 

 

 

「不思議な人ですね…バインニヒツさんって……」

 

「あいつの全てを知ってるのはマスターくらいだろうな……」

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