それがコードネーム(偽名)である主人公はつまり……
「俺は親父の護衛として付き添うが…マリーダは?」
なんだかんだあった道中だったが、無事インダストリアル7に到着したガランシェール隊。
俺はマリーダとこの後の行動について話していた。
「私はクシャトリヤでもしもの場合に備えて待機している」
「そうか、お前の事だから心配ないと思うけど…気を付けろよ?」
そう話を切り上げた瞬間だ、クルーの一人が慌てた様子で部屋に入ってきた。
「どうした…そんな慌てて。それと、ここは一応マリーダの部屋だぞ?気を使えよ……」
「そんなこと気にしている場合じゃないんですよ!!!」
「はぁ?」
ただ事じゃない雰囲気を此方に向けてくるクルー……。
いや待て、気を使うことが“そんなこと”扱いなのには俺どうも納得いかないんだけど……。
「今、パラオから連絡が…ミネバ様がこの艦に乗っていたって!!!」
「何?」
「姫様が!?」
ミネバの名前が出た途端にマリーダは落ち着かなくなってきた。
こうなったマリーダは何を言ってもダメだからなぁ……
「マリーダ…姫探すの俺も手伝うから、少し落ちつけ……」
この程度しか力添えできなさそうだ。
「本当か?」
「任せろ」
そう言いつつ、親父に連絡を入れる…内容は……
「親父、姫が密航してた上に降りたって?聞いた聞いた…それで俺とマリーダは外に探しに出るからさ、交渉に出る時間になったら連絡してくれや」
取り合えず断りを入れておかないとな。
「さ、行くぞ……」
「ああ!」
イキイキしてんな…マリーダ……
さて、色々調べているとどうやらこのコロニーの日の出の時間辺りでプチモビが強奪され、近隣に墜落したんだとか。
こりゃ…完全に姫だな。
「おい、あの青年怪しくね?」
俺の視線の先にいるのは学生と思わしき青年…プチモビの近くにいたらしいし、周りの生徒たちが彼が少女を助けたヒーローだとかなんとか言っている。
こりゃ当たりだな。
「行ってくる」
「あ、おい!?」
マリーダは俺の制止もむなしくスタスタと歩いて行ってしまった。
あ~あ…あれじゃ怪しすぎるって……。
劣化した営業スマイル顔しても不気味なだけ…あ、逃げられた……
「何やってんだよお前……」
「……見るな!!!」
仕方ないな…と思いつつ、
「あれ、これ…監視カメラで探せば良くね?」
と、そう思った俺はマリーダに視線を送り、そのままの流れでそこに設置されている監視カメラのカメラレンズを見る。
監視カメラに…お、映った。
「マリーダ、姫はここからチョッと移動したところにいるぞ」
それを聞くや否やマリーダは猛ダッシュ…姫のことになると俺の事は気にかけてくれないんですね。
仕方ない、走るしかないか。
「待てやマリーダ」
で、あっという間にマリーダを少し追い越してしまう。
いかん、行きすぎた…加減がわからんなこれ。
「てか、脚部ユニットの過剰稼働ってバッテリー喰うんだよ…勘弁してくれ……」
「すまない…だが、見つけたぞ」
リフトに乗って、姫とあの青年が昇ってきた……。
あくまで監視カメラのカメラレンズを見たのであって、モニターを見たわけではありません。