「……っ!?」
突然足が動かなくなり、崩れるように膝を付いてしまった。
しまった…バッテリー切れか。
流石に全力ダッシュした後に姫の護衛っぽいことしていた青年を拘束するために仕方なく重力がある空間で飛び蹴りを放った上に、それを避けて逃げた二人を追いかけたマリーダを再び猛ダッシュで追いかけ、その後結構な高さまで昇ったリフトから落ちてきたマリーダを受け止めたらそりゃ……
バッテリーも切れるよなぁ……。
「ば、バインニヒツ!?バインニヒツ大丈夫か!?」
「……あ、お…う……」
喋れなくなってる…もしかして強化作用を安定させる為のバッテリーも脚のバッテリーとして使っちまった…のか?
「だ、大丈夫じゃな…え、あ…そうだ、こうなったら直ぐ艦に運べってマスターが……」
珍しく狼狽えているマリーダには悪いが、あともうちょいで予備バッテリー起動させる事ができそうだ……。
コマンドは…プロトレイ…俺の本名?みたいなもんだ。
お、起動キタコレ…あ……でも流石に脚には回せないか?
「てかおい、マリーダこれはどうなってんだおい!?」
いつの間にかマリーダに抱き抱えられて風切っている現状…喋れる様になったのがせめてもの救いと言ったところ…か?
「早くしないとバインニヒツが……死ぬっ!」
え、何で俺が死ぬって話になってんの?
バッテリーが切れてただけなんだけど…脚以外は回復してるんですけど!?
「てかマリーダ落ち着け!!!」
「バインニヒツが死ぬ…死んでしまう…死んじゃう!!!」
「落ち着けぇぇぇぇぇぇえ!!!!」
俺の叫びも虚しくそのままガランシェールに運ばれてしまい、クルーから笑い者になってしまった…畜生。
「親父、すまねぇ…俺とマリーダの二人がいたのに姫を捕獲できなんだ」
バッテリーの充電をしつつ、親父に謝罪をする。
マリーダの暴走は想定内だったし、俺がしっかりしてないといけなかったんだがなぁ……。
充電しながらだったが誠心誠意込めて謝罪していると、親父は突然立ち上がると……
「行くぞ」
と、言った。
「ん、何処に?」
充電ももうそろそろ完了しそうだが……
「私の護衛をするんじゃなかったのか?」
「あ、そうでした……」
それもあったね…うん。
充電も完了したことだし…よし、予備のバッテリーも準備できた。
専用のゴーグルしてねぇと目潰し処じゃねぇフラッシュグレネードと、閃光弾を12発込めた改造ハンドガン……。
まぁ、こんなもんかね。
「準備おk…行きましょうかね」
交渉場所は財団の屋敷なんだそうで。
どうやら中央ポートから交渉場所を変更するように頼まれたんだとか。
多分、姫なんだろうな……