「ん、交渉してるって?」
マリーダをなんとか寝かせて、俺はメインデッキへ…ギルボアが状況の説明をしてくれた。
そこらにあった連邦の廃艦を使用しフロンタルの艦に連邦の艦の位置を知らせ、そこから連邦の艦を離れた位置から尾行しつつ、後はフロンタル任せ。
で、そこからの流れは……
1.フロンタル、シナンジュに乗り出撃。
2.色々言うだけあって強いフロンタルはロンドベルのMS部隊を次々撃墜。
3.が、そこからどういうわけか確保されてしまっていた姫を人質に交渉開始……以上。
で、絶賛交渉中なんだとか。
ガランシェールのクルーは姫の安否を心配しているものの手を出すつもりは更々ないらしく、傍観者を貫き通している。
「おう、お前も聞いてけよ」
「勿論」
先程からフロンタルとロンドベルのダグザだとかいう兵士の押し問答がスピーカーから流れていて結構気になっていたんだ。
『だがそこにいるミネバ様が本物である確証はない』
映像を見る限り俺とマリーダが先程確保できなかった姫の姿そのまんまだが、まぁフロンタルはそれを知らないしなぁ。
『赤い彗星の再来と呼ばれる程の男が随分と慎重ですな……』
ダグザ兵士、鋭いね。
『我々は、そちらの定義するところのテロリストだ。軍と認められず、国際法も期待できないとなれば臆病にもなる』
ほう、シナンジュとかグロウスバイルを奪取しておいて臆病になるだなんて…ちょっと何を言ってるのかわかんないね。
『我々は人権を尊重する……』
ロンドベルや連邦は腐っている。
元ロンドベルの俺が言うんだから間違いない…そもそもコロニーの破壊を誘発させる様な事をしたり姫を人質に捕っている時点で人権も何もないだろう。
『民間のコロニーに特殊部隊を送り込んでおいてよく言う…まして貴艦は人質を捕っている身だ……』
フロンタルと意見が被るって…なんだかなぁ……
ちょっと、納得いかねぇ……。
『……』
何も言えない…ってやつか。
ダグザさんよ、腐ったロンドベル代表として頑張ってくれないと困るよ……。
もっとフロンタルを困らせてくれよ!!!
『では今度は、我々の要求を……』
「バインニヒツ」
ボーッと見ていると、突然親父に声を掛けられた。
「ん、何?」
「出撃しろ」
「はぁ!?」
何を言ってるんだこの人は…と、思ってはいけない。
何かあるんだろう……多分。
「おk、攻撃すんのか?」
「いや…ステルス機構を内蔵しているお前のMSだからできる事だ……接近して様子を見ておけ」
親父なりに何か策があるんだろう…俺はそれに従うだけ。
「任せときな」
フロンタルにガンダムを任せてられねぇからな。