漆黒のレギオン 魔法少女と絶唱の歌姫   作:おはよう朝顔さん

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私の終わりと始まり

 

 

それは黄昏(たそがれ)の時代、魔法文明が禁忌(きんき)をも(おか)していた時代。

 

その時代では(のち)の時代に神器(しんき)と呼ばれるに()る物がいくつも()み出されていた。

 

そんな時代も突如として起きた大規模魔法実験(だいきぼまほうじっけん)の失敗による大規模次元災害(じげんさいがい)により多次元(たじげん)を巻き込み終わりを(むか)える。

 

しかしそんな中であっても失なわれない物が合った。

それは神器である。

神器はその性能(ゆえ)なのか各々(おのおの)少しの自我(じが)を持ち、持ち主を探し決める。

 

これら神器を失うことを恐れた科学者たちは世界が消えるほんの少しの猶予(ゆうよ)をこれらの生存に費やし、全てとは行かないまでもテレポートにより多次元に散り散り(ちりぢり)にした。

これが後に❮ロストロギア❯と呼ばれ、時に(うやま)い恐れそして利用された。

 

そんな神器の一つに透き通る様に黒く鋭い剣がある。

それは次元災害の起きた日に完成しテレポートされたため名はなかった。

 

テレポートの後、持ち主を探し世界を渡りそして見付けた一人の少女。

この物語はとある黒い神器と少女のお話しである

 

 

 

 

最近よく夢をを見る。

その夢では私は大きな湖の(ほとり)で一人で立っていて、ずっと湖の真ん中を見詰(みつ)めている。

すると古めかしい何の装飾(そうしょく)もされていない剣がゆっくりと水中から私の顔の高さまで出てくると横向きになり止まる。

私はそれを(なが)めゆっくりと右腕を上げると剣を握りそれを上に掲げ何かを唱える。すると突然光に包まれて・・・

 

私「・・・またあの夢」

 

微睡みのなか目が覚めるとそこは薄暗い部屋の中で、カーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。

私がカーテンを開けるためベットから降りるとトントン!と扉を二回ノックする音が部屋に響いて直ぐ

 

妹「お姉ちゃん朝だよ~!」

 

私「は~い今行く~!」

 

扉の外から妹の舞美の声が聞こえた。

どうやら朝ご飯が出来たから呼びに来たらしい。

私はカーテンを開けて今日の天気を確認する。

 

私「うん、今日もいい天気!」

 

パジャマを脱ぎ部屋着に着替えると直ぐに階段を降りてリビングダイニングに入ると父と妹は椅子に座り既に朝御飯を食べ始めていて、母はキッチンで洗い物をしていた。

 

私「おはよ~」

 

父、妹「おはよう」

 

母「おはよう。志織(しおり)も先に食べてて、お母さんももうすぐそっち行くから」

 

私「は~い」

 

言われるがまま椅子に座り箸を取るとテーブルの上には白ご飯と味噌汁にサバの塩焼き(2/1)が既に並んでいる。

朝メニューの美味しそうな匂いに顔が自然と少し綻ぶ。

 

妹「お姉ちゃん今日は予定とかあるの?」

 

妹に聞かれたが構わず箸を進めながら今日の予定を思い浮かべる。

 

私「今日は佳奈(かな)ちゃんと今度一緒に行く旅行の買い物して適当にブラブラするだけかな~」

 

妹「お姉ちゃんだけ良いな~お父さん私も旅行行きたい!」

 

父「高校卒業のしたら友達と行って良いぞ~」

 

妹「またそれ!」

 

母「高校上がったばっかりの子がなに言ってるの!」

 

両親に軽くあしらわれた舞美は少し膨れて抗議の視線を母に向けた後、大人しく残りのご飯を食べ始めた。

私はそんな妹の事が可愛くて仕方がない。

妹と私は3つ程離れていて私が中高生を卒業する頃には妹が入学するため妹が初々しく真新しい制服に着せられている姿が可愛くて仕方がないのだ。

私は少し不貞腐れた妹に軽く笑って買い物ついでにお土産でも買ってきてあげようと決めた。

そんなこんなしてると父がご飯を食べ終わり「行ってきます」と忙しなく玄関へと向かう。

それを見た妹も残りを掻き込むと「行ってきます!」と父を追い掛けて行った。

 

母も丁度洗い物が終わり朝御飯を食べるためにテーブルへと歩きながら大きな声で「行ってらっしゃい!」と返して椅子に座り、残ったのは私と母だけとなった。

母は箸を取り静かに食べ始めると私の方を見て話し始めた。

 

母「これからの事ちゃんと決めた?」

 

母が何を聞いてあるのか直ぐに分かった。

私は大学に進学する際に一人暮らしするかどうか悩み両親に相談していたのだ。

 

私「うん・・・私一人暮らししてみたい!」

 

私がそう言うと母は軽く頷いて「頑張って!」と微笑んでくれた。

私はそれが嬉しくて母に微笑み返した。

 

母「そうと決まったら早くご飯食べて出掛ける準備しなさい!」

 

私「分かった、ありがとうお母さん!」

 

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·

·

 

私は今、佳奈ちゃんと待ち合わせの為駅前の広場に来ている。

今度皆で行く旅行に来ていく服だっり新しい水着とか日焼け止めとか、色々と買い揃えるためだ。

しかし4月に入ったばかりだと言うのに今日はやたらと日差しが暑い。

このままでは日焼け止めを塗っていても焼けてしまうと思い広場の見える駅の屋根の下に移る事にした。

ここならば佳奈ちゃんが来た時、直ぐに見付けられるし待ち合わせ場所の噴水も見えると思ったからだ。

しかし待ち合わせの時間までは後10分程はあるので佳奈ちゃんが来るまでツブヤイターでも見ていようと携帯を取り出していると突然甲高い女性の叫び声が木霊(こだま)した!

 

私「なに!?」

 

私はそれに驚き何処(どこ)からなのか周りを見たが皆何事を無いかの様に歩いている。

私は確かに女性の叫び声が聞こえたのだが、周りはそうでは無いらしく私が何かと聞き間違えたのかと納得(なっとく)し再び携帯を(なが)めようと顔を落とすと、今度は男女大勢の悲鳴が聞こえた。

私は驚き、(たま)らず顔を上げると

 

・・・そこは火の海だった。・・・

 

しかも私がさっきまで立っていた駅の屋根の下ではなく何処かも分からない道の真ん中であった。

私はその訳も分からない状況に唖然(あぜん)とし唯々(ただただ)周りを眺めることしか出来ずに居た時、遠くの方で爆発音がした。

私は直ぐにそちらを向くと、何かが飛んでいるのが見えた。

しかもそれはけっこうな速さでこちらに向かって来るでわないか。

しかし近付いてくるお掛けで飛んでいる物の正体は分かった。

 

私「人間が・・・翔んでる!?」

 

空には人間がワイヤーやジェットの様な物を使わずに、高速で鳥が翔ぶ様に空を翔んでいた。

しかもそれは1人ではなく2人程空を翔んでいて、なんと戦っているらしい。

しかもどうやらこの街の惨状(さんじょう)を引き起こしているのはその片一方の様で、度々(たびたび)もう片一方に対して爆炎を(はな)っている様だが(いな)されている。

しかしその状況から分かる様に、その空翔ぶ人間が爆炎を()()らしながらこちらに向かって来るのだ。

それを見て私も逃げようとしたが、足が何かで地面に固定されている様に動かない。

 

私「何で・・・なんでなんでなんで!?」

 

私は必死に動こうと身を(ひね)ったり手で動かそうとしてみるが、全く動かない。

そうこうしている内にとうとう空翔ぶ2人が私の上を通りすぎて行くその時、頭上で爆音がした。

私は嫌な予感がして上を見ると、爆発の時に砕けた大きめのビルの破片が私に向かってストライクコースに落ちてきたのだ。

私はそれがやたらとゆっくり落ちてくるのを眺めながら死を待つ事しか出来なかった。

瓦礫(がれき)が眼前まで来たその時、視界の端に白い何かが翔んでいるのが見えた。

スローな世界の中で視線だけ向けると、白をモチーフにしたコスプレ衣装の様な服を着たツインテールの女の人が必死な顔でこちらに翔んできているではないか。

どうやら逃げ遅れて死にそうな私を助けるために爆炎野郎を追っていた片一方が(ひるがえ)って着た様だ。

しかし気が付くのが遅かったらしく、瓦礫はもう既に私に覆い被さる寸前である。

女性とは20メートルは離れていて間に合わない。

私はこんな訳も分からない理不尽なことで死にたくないと思いながら強く目を閉じ、その時を待つ事しか出来なかった。

しかしいくら待っても瓦礫が当たる衝撃や痛みは来ない。

恐る恐る目を開けるとそこはなんと待ち合わせの為に入った駅の屋根の下であった。

一体何が起きたの理解が追い付かず周りを眺めて居るとと、待ち合わせ場所の噴水の前には佳奈ちゃんが既に来ているではないか。

私が咄嗟(とっさ)()()ろうとすると、携帯から電話の着信音が響いた。

画面を見ると佳奈ちゃんからだ。

私は佳奈ちゃんの名前を呼びながらに直ぐ駆けた。

すると私に気が付いた佳奈ちゃんは電話を切り、膨れっ面をしながら仁王立ちした。

 

佳奈「遅い!何分遅刻したと思ってるの?」

 

私「えっ遅刻!?私10分は早く着いてたんだけど・・・」

 

佳奈「本当に~?私志織の事かれこれ20分は待ってるんだけど!?」

 

私はその事にビックリして携帯の時間を見ると私が到着してから30分は経っていた。

と言うことは佳奈ちゃんは本当に20分位待っていた事になる。

私が先程の事もあり混乱しながらも「ゴメン!?」と平謝りすると佳奈ちゃんは息を吐き怒りを納めてくれた。

 

佳奈「それでどうして遅れたの?」

 

私「本当にここには予定の10分前には着いたんだよ?でも日差しが暑くて彼処の下に居たの」

 

取り合えず先程の訳の分からない事は伏せて説明しながらさっきまで私が居た所を指差して教える。

すると佳奈ちゃんは険しい顔になり、また嘘着くの?と怒り出した。

 

佳奈「大体私がここに着いた時、志織そこに居なかったじゃない?あんた待ってる間にトイレ行く時だって通ったんだから間違いないわよ。」

 

私は佳奈ちゃんにそう言われ愕然(あぜん)とした。

確かに私はそこに居て佳奈ちゃんが来るのを立って待っていたのだ。

しかし佳奈ちゃんは私を見てないし、私が居ない事も確認していると言う。

この時、私は先程の事を思い返していた。

空翔ぶ人間、爆発、落下してくる瓦礫。

あの時の空気や爆発の衝撃、周りの炎の熱まで感覚が残っているのだ。

先程は咄嗟の事で混乱していたが少し落ち着くと途端に怖くなり震える身体を両手で支え、恐怖に顔を俯向(うつむ)かせた。

 

佳奈「ちょっと志織大丈夫!?」

 

佳奈ちゃんも私の異変に気が付き私の両肩を掴むと、俯く私の顔を覗き込んできた。

 

佳奈「志織どうしたの!?え~っと、取り敢えず何処か座りましょう!!」

 

そう言うと佳奈は私の肩に片手を回しもう片一方の手で

私の手の上にそっと手を()えてくれながら私たちは広場の(わき)にあり、木影(こかげ)になっているベンチに2人で座った。

 

佳奈「一体急にどうしたの?大丈夫?話せる?」

 

私の心配をしながら佳奈ちゃんは私が少しでも落ち着くように声を掛けつつ(なお)も震える身体を摩ってくれていた。

ベンチに座って少しした頃、ようやく私は落ち着き、さっき体験したことを話した。

すると佳奈ちゃんは難しい顔をして何かを考えている様子だった。

少して言いにくそうにしながら佳奈ちゃんが話し始めた。

 

佳奈「志織・・・それ、最近出てきた都市伝説と全く同じなんだけど・・・・・私をからかってる・・・訳ではないのよね・・・」

 

私は佳奈ちゃんのその言葉に大きく一回頷く。

 

私「最近出てきた都市伝説って何、どんな話なの?」

 

そう聞くと佳奈ちゃんは落ち着いて聞くように(うなが)した後、ゆっくりと話し始めた。

 

佳奈「曰く、ある時突然周りには聞こえず自分にしか聞こえない声が聞こえ始めて、少しすると自分がさっきまで居た場所とは全く別の所に居て・・・そして全く動けないの。で、最後は必ず死ぬ寸前に現実に戻るの。でも中にはそのまま向こうの世界に取り残されて帰ってこれない人も居るんだって・・・」

 

私はその話を聞いて自分が置かれていた状況に背筋がゾッとした。

あれは都市伝説なんかじゃなく本当の事なんだ。

あの時私は下手をしたらあのまま彼方(あちら)の世界に取り残されて死んでいたのかもしれない。

 

私「・・・・・・でも私は帰って来れた・・・」

 

佳奈「そうね・・・そうだ今日買い物行く予定だったじゃない?今日体験した事は怖かったかもだけど、人生で中々無い体験出来たんだし・・・今日みたいな事はもう無いでしょう!一回体験してるし宝くじに当たった様な物よ!」

 

佳奈ちゃんはそう言うと私の顔を1度覗き込んだ後、(おもむろ)に立ち上がり私の手を掴むと「気晴らし行こ!」と言って強引に私の手を引いた。

買い物を始めた最初は私は気分が乗らずに居たけれど、お昼を過ぎる頃には気分も上がってきて最後の方は今朝の事なんてすっかり忘れて楽しんでいた。

 

佳奈「朝はなんだかんだあったけど今日は良い買い物出来たわね!」

 

私「何か朝はごめんね。私訳分かんなかったよね。」

 

佳奈「そんな事無いわよ。私だって同じ事になったらあぁなるって。」

 

私「ありがとう。・・・それじゃあまた明日ね!」

 

そう言いあって私達はそれぞれの家へ帰るのだった。

私が家に着くとリビングにはどうやら舞美だけしか居ないらしく、お土産を渡すのには丁度よかった。

 

私「ただいま~舞美・・・はい、お土産~」

 

舞美「お帰りお姉ちゃん・・・これなに~?」

 

その質問に私は「開けてみて」と少し勿体振(もったいぶ)ってみた。

すると舞美は直ぐ様袋を開けて見ると笑顔で振り向いた。

 

舞美「可愛い~!お姉ちゃんありがとう!」

 

私「そうでしょ!舞美に似合いそうなシュシュがあったから買ってきたの!」

 

舞美「お姉ちゃんのこう言うお土産センス良くて可愛いから大好き!」

 

私は妹がそう言ってくれる事が嬉しくて出掛けるとつい何かしら買って来てしまうのだ。

だって妹が可愛いから仕方がないのだ。

可愛いは正義なのだ!!

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都市伝説に遭遇したその日の夜、私はまたいつもの夢を見ていた。

私は湖の畔に立ち、水中から浮かんできた古めかしい黒い剣を握り上に掲げる。

しかしここからがいつもとは違った。

なんといつも何を言っているのか聞こえなかった部分がはっきりと分かるようになっていた。

しかし目覚めるタイミングは何時もと同じで視界が真っ白になって終わってしまう。

夢から覚めた後、私はいつまでこの夢を見るんだろうと思ってしまうがそんなもの数時間も過ぎれば忘れてしまう。

そんなこんなで数日立ち今日はとうとう待ちに待ったグループ旅行の日である。

メンバーは6人で、男子から順に佐々木陸人、岩崎大悟、鈴原蓮の男子が3人・加藤唯、伊藤佳奈、そして私の女子3人での旅行である。

私と佳奈ちゃんと他のメンバーは互いに連絡を取り合いながら待ち合わせの駅前まで向かう。

どうやら私が一番乗りだった様だが、程なくして他のメンバーも集まった。

今日旅行に行くメンバーは全員同級生で幼馴染みである。

それ(ゆえ)皆気心が知れているため自分を明け透けに出来るし、なんたって楽しい。

それにこれから社会人になって他所(よそ)に出る奴も居るからこれが皆で集まってワイワイ楽しめる最後の機会かも知れないのだ。

行きの電車の中でもこれから行く大きな湖の畔にあるロッジに関してや、着いたら何をしようかなど話は尽きず目的地まではあっという間であった。

ロッジに着いた後、女子の部屋と男子の部屋を分けてから皆で湖に泳ぎに行った。

因みに部屋割りは男子はフローリングに布団を敷いて雑魚寝、女子はなんとキングサイズのベットで川の時である。

何でこんな豪華なのかと言うと、今回一緒に来た内の1人の麗菜(れいな)ちゃんのお家の別荘がこのロッジらしく、夏休みには良く夫婦だけで来るらしい。

そんなこんなで遊び呆けていると周りはいつの間にか薄暗くなり始めていたので皆でロッジに帰り、全員参加でご飯の準備をする事にした。

料理と言っても簡単な物だけで、1品目が冷凍のロールキャベツを鍋に入れ後そこに缶詰のトマトヒューレを2缶入れた後、、水、コユソメの元を入れるだけの簡単トマトロールキャベツ。

2品目はザク切りにした白菜とスーパーで買ってきた豚バラ肉を、白菜・豚バラ・白菜・豚バラと交互に敷き詰め、そこに味醂(みりん)と料理酒、コンソメの元を入れてひと煮立ちさせたら白菜と豚バラのミルフィーユ鍋の完成である。

後は残ったトマトヒューレとその他の野菜を一緒にコンソメの元を入れて隠し味に醤油をひと回しすれば具沢山簡単トマトスープの完成である。

完成した料理をテーブルに並べて皆でワイワイしながら食べて各々お風呂に入った後、皆何をするでもなくただのんびりとそこにソファーに寄りかかり話をして居ると、皆疲れていたのかうとうとしてきたので今日は解散となり各々部屋へと向かって眠りについた。

翌日は生憎と雨となった。

しかし小雨であったので雨が止むのを待つため部屋の中でゲームをしながら様子を見ていると、昼過ぎ頃になりようやく雨が止み今日予定していた湖を一周するハイキングコースを歩くことになった。

このハイキングコースはアスレチック要素満載でネットでも取り上げられた事で有名になり、これを楽しみに来た子供連れの家族やアウトドア派のカップルなどがまあまあ訪れるのだが、朝の雨のせいか今日は私達で貸し切りであったため後を気にせず遊べるのは中々に楽しかった。

そしてその日の夜も皆遊び疲れ、早々と就寝についた。

でも私は全く眠気が訪れず1人でもう少しテレビでも見て居ようと思ったものの、それも直ぐに飽きてしまった。

まだ眠くないしどうしようかと何気なくカーテンを開けると、暗い闇の中に淡い光がチカチカと灯っては消えてを繰り返していた。

私はその光景に驚いてもしかしてと思い急ぎ足で外へと向かう。

玄関を出ると直ぐにその正体は分かった。

その光の正体はやはり蛍であった。

私がその光景にビックリしていると、一匹の蛍が私の前に飛んで来てゆっくりと一周するとコテージの裏側へと飛んでいった。

それを目で追っているとまた何匹かの蛍が飛んでいく。

少し気になった私はその後を付いて行こうとすると後から誰かの足音がした。

私は辺りが暗いのもあって少しビクっ!とした後ゆっくりと振り返る。

 

佳奈「こんな夜中にどうしたの?玄関なんか開けて・・・暗いのに外でも行くの?」

 

そこにはトイレに起きたのであろう佳奈ちゃんが目を擦りながら立っていた。

私はこの時チャンスだと思った。

蛍の動向は気になるが外は真っ暗で1人では正直怖かったのだ。

と言うことで私は佳奈ちゃんとついでに麗菜ちゃんも起こして蛍を見に行く事を決めた。

決めたら実行あるのみである。

 

私「佳奈ちゃん蛍!蛍が居たの!!今麗菜ちゃん起こしてくるから見に行こう!」

 

私はそう言って後から佳奈ちゃんの「え~~!」と言う抗議の声などお構いなしに麗菜ちゃんを起こし、3人揃った所で先程蛍が飛んでいったコテージの裏手に向かう。

コテージの裏手に回り少しだけ森の方に歩くとそこには窓から見た時よりも多くの蛍と小さいが水の流れがあり、それに沿うように蛍の行列が出来ていた。

 

私「なにこれ綺麗~!」

 

佳奈「これは凄いわね!」

 

麗菜「これなら起こされた甲斐があったかも!」

 

私達はその光景に見惚れていたが、私はその行列の向かう先が気になってた。

 

私「ねぇ・・・2人ともこの蛍の行列が何処に続いてるか気にならない?」

 

佳奈「ちょっと気になるかも・・・」

 

麗菜「それ私も気になってた!」

 

私「それじゃあ3人でこの先行ってみない!?」

 

私がそう言うと2人は頷き、それを見た私も強く頷き返し玄関からLEDランタンを取り3人で行列の向かう先へと歩き出したのだった。

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それから水の流れに沿いながら歩く事十数分後、私達はようやく森を抜け開けた場所へと出た。

そして目の前に広がる夜の絶景に出会った。

なんと目前には湖が広がり、そこには空高くまで蛍の光が満ち満ちていた。

さらにはいつの間にか空は晴れていて満月の月明かりが周囲と蛍を強く照らし、電気など全く要らないくらい明るく私達と湖を照らし、湖もそれを鏡に映す様に見事にその光景を反射していた。

私達3人は言葉も出ず、息も忘れる様な絶景から全身に鳥肌が立ち涙さえも両目貯めながらその絶景に見いっていた。

どのくらいの時間見ていたか分からないが、不意に私はこの湖の光景に既視感(しきかん)を覚えた。

しかしその直後、私はその既視感の正体に気付いた。

気付いてしまった。

 

・・・・・気付いては行けなかった・・・・・

 

その既視感の正体、それは私がほぼ毎晩の様に見ていた夢の光景そのままなのだ。

それに気付くと突然自分の意に沿()わずに湖の方へと勝手に足が動き出したのだ。

突然の事態に声を出そうとするが、何と声さえも出ず口も動かない。

そして全身の何処も自分の意思では動かせない事に気が付いた。

私の身体はそのままゆっくりとだが一歩づつ湖に近付いていく。

 

佳奈「・・・・?志織」

 

麗菜「志織ちゃん?」

 

ゆっくりと湖へと動き出した私に2人が声をかける。

その声に私は助けてと声を上げたいのに私の口は一切動かず尚も湖へと私の身体は近付いていく。

 

佳奈「どうしたの志織!」

 

聞こえなかったと思ったのだろう佳奈ちゃんは、声を大きくして私を呼び手を掴もうとしたその時!

 

佳奈「きゃっ!」

 

 

麗菜「佳奈ちゃん!」

 

佳奈ちゃんの手が何かに弾かれ、驚いた佳奈ちゃんはそのまま尻餅を着いて、それに驚いた麗菜ちゃんが佳奈ちゃんに駆け寄り、2人で私を見詰めていた。

その悲鳴に驚いた私は何があったのか分からないのと、自分の身体が勝手に動く恐怖で頭の中は混乱状態である。

そうこうしている内に私はとうとう湖の際まで来てしまった。

そこから見る景色は夢で見たそのままで、そしてゆっくりと湖から何の装飾もされていない黒い古めかしい剣が私の前へと浮かんでくると横になる。

私はその剣を右手で掴み取ると剣の切っ先をゆっくりと空高く掲げる

そしていつも目覚めたら忘れていた夢で唱えていた言葉をまるでフラッシュバックしたように思い出し、私はそれを私の意思とは関係なく私の声で唱え始めた。

 

・・・祖は大地の番人なり・・・

・・・祖は天上の追放者なり・・・

・・・祖の姿を取り戻さんがため、我が身を贄としその力を解き放たん・・・

・・・その名は・・・

 

・・・・・・天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)・・・・・

 

その物騒な呪文を唱えると足元が私を囲むように光り出すと、その光は私を包み込んだ。

その時、私の身体は一瞬の自由を得て後を振り返ると、そこには少し怯えながらも心配そうな顔でこちらを見る佳奈ちゃんと麗菜ちゃんが居た。

この時になって私はこれだけは分かってしまっていた。

・・・もう二度と2人には会えないであろう事が・・・

どうしてそう思ったのかは分からない。

でも私はどうにか自由になった口を動かし2人に「さようなら」と別れの言葉を告げたその時、待っていたかの様に光は強さを増して行き、とうとう何も見えなくなり私は私の居た世界から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オープニングはRoseliaさんのDETERMINATION SYMPHONYをイメージしています。

ぜひ読んだ後に聞いてみて下さい。
自分のイメージする世界観と少し似てます。

コード 719-3222-4
ISWC T-923.752.912-3
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