緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵- Re:Make   作:あこ姫

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リサ  「皆様、こんにちは。リサ・アウ゛ェ・デュ・アンクでございます」
水蜜桃 「水蜜桃だ」
リサ  「あの………どうしてそんなに不機嫌なのでしょうか?」
水蜜桃 「なんで、妹とペアじゃ無いんだよ!」
リサ  「リサに言われましても……」
水蜜桃 「畜生……なんで桃は凪優とペアなんだ!!」
リサ  「それは葵さんに聞いてみないと……」 
水蜜桃 「そうか……、凪優と葵か……」
リサ  「あ、あの……蜜子……さん?」
水蜜桃 「ありがとな。そしてちょっと行ってくる」
リサ  「えっ……ちょっと!?何処にでございますか!?」
水蜜桃 「葵と凪優のところだ。リサ、後は頼んだぜ」
リサ  「えっ……って既に居ないのですけど」
リサ  「取り敢えず、タイトルコールしておきましょうか。『第010弾 ウラ取りと条件』、どうぞです!!」
リサ  「さて、救急箱用意しておきましょう。それにしてもこのペアは単なる数合わせだと言わなくて良かったですね……………」

フルボッコになった水蜜桃ちゃんと勝利を収めたリサがお送りしたまえがき⑩ 完


第010弾 ウラ取りと条件

 武偵校では1時間目から4時間目(午前中)までは普通の高校と同じ一般科目の授業を行い、5時間目以降(午後から)は各々の専門科目に分かれての実習となる。

 私みたいに掛け持ちしている生徒は受講するカリキュラムを自分自身で組む。無論、教務科から指示はよほどやらかさない限りはない。

 

 このような事を説明するという事実から察せるが実際に全てのカリキュラムを教務科から指示された問題児が居た。

 その人物は言わずもがな私の兄さんである。

 兄さんは私と少しでも長く居たいが為に全部寸分狂わずにカリキュラムを被せてきやがるのだ。

 その結果は想像通りではあるが、実習にすらならない。無論、悪い意味である。

 私は羞恥心で兄さんに『くたばれ』と数え切れないくらい思ったことが無い訳がなく、そんな私の心情と兄さんの奇行を鑑みた結果だった。

 

 教務科に全てのカリキュラムの指示をされた兄さんはというと当然不満しか無かったので、抗議をしたが、当然却下。

 それでもなお、喰い下がったのだが最終的にゆとり先生(世界最強)の OHANASHI を受ける事で解決となった。

 

 当時、私はそんな兄さんを見て『ざまぁwwww』と嘲笑うほどに大歓喜である。

 

 

 そんな事はおいておこう。

 昼食を終えた私は、名指しのクエスト依頼がないかを確認する為にクエスト依頼の掲示板に来ていた。

 そこで、その場所では滅多に会わない生徒と遭遇する。

 

「あら、キンジ珍しいわね。滅多にクエストを受けようとしない事で有名な貴方がこんなところにいるなんて」

「凪優か……。たまにはクエ受けてみようかな……と思ってさ」

「ふーん。アリア対策に?」

「……………………」

 

 私の発言に何も返してこないキンジはどうやら図星のようで、無言のまま此方を見ている。

 私的に言わせれば、すっごく顔に出てるからバレバレなんだけど。

 

 でもキンジの努力は無駄だと思うけどね。

 確実にアリアが探偵科(インケスタ)の専門棟近くで待ち伏せしてるもの。

 

 第三者である私が何故知ってるかというと、昼休みにアリアと昼食摂っている時に相談受けたのでこうなる様に仕向けたからだ。

 こんな事をキンジに言えば、アリアと二人揃って煩くなるだろうし言わないけどね。

 

「キンジが滅多に受けないクエストを受けようとした動機はどーでもいいけどさ。どんな依頼受けたの?」

「Eランク武偵にお似合いの簡単な依頼だよ」

 

 私が雑談がてらキンジにクエ内容を問うとキンジは投げやりに答えた。

 確か……最近追加された『Iq-E』の分類コードのクエストは……

 

「分類コード『Iq-E-157』の『青海の猫探し』のクエか……」

「何故に分類コードまで正確に把握してるんだよ!?」

 

 私がキンジの受注した依頼を当てると、キンジが驚愕していた。

 そんなに驚く事なの……?? 

 

「だって、この掲示板の管理は教務科(マスターズ)からの依頼で私がやってるし」

 

 外部依頼のクエスト掲示板の更新作業は正式な教務科からの依頼である。(コードはInf-A-000)

 

「理由になってないじゃねぇか」

「管理してるってことはそのクエが、どの科に所属する武偵で、どのランクの武偵に合ったレベルの難易度なのか把握してるでしょ?」

 

 私はキンジの問いに対し、そう答えた。

 

「まさか、ここに出ている依頼の難易度とか全部覚えているのか……?」

 

 キンジがおそるおそるそんなことを聞いてきた。

 

「流石に全部とはいかないけれど大体は覚えてるわ。キンジ、そのクエやるんならこの資料を参考にしたら?」

 

 私はそれをやんわりと否定し、1部のファイルをキンジに渡した。

 正直なところ、記憶力は良い方だから9割5分は覚えていたりはする。言わないけど。

 

 

「……? なんの資料だ?」

 

 キンジはその資料をサラッと読んでから尋ねた。

 ここで渡されたから察するか、推理しなさいよ。仮にも探偵科なんだし。

 

「『なんの』って……。キンジが探す猫の行動パターンの資料よ」

「そんな資料いつ作ったんだよ」

「さっき」

 

 私は間違った事は言っていない。昼休みに暇を持て余したので片手間に作ったものだ。

 アリアに相談を受けた時点でなんかこんな予想できてたからな。

 

「……ありがたく受け取っておく」

 

 キンジは私の発言に呆気に取られていたが、直ぐに復活し、探偵科(インケスタ)の専門棟の出口の方へ駆けていった。

 私はテキトーで労う感情でキンジを見送り、クエスト確認に戻る。

 

 さて、名指しクエも特段無いようだし、今日は強襲科(アサルト)で戦闘訓練するかな……。

 

 

 思い立って行動に出た私は強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しんだのであった。

 

 その頃、キンジとアリアは喧嘩しつつも上手くやっていたようである。

 本当に仲が良いコンビで、事の顛末を夕食の場で聞いてそれを言ったら、見事にハモって否定された。

 全くもって仲が良いコンビだな。この二人(キンジとアリア)

 

 

 その翌日も特段クエが無かったので情報科(インフォルマ)に顔を出したあと、強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しむ。

 強襲科(アサルト)での戦闘訓練を終え、放課後になった瞬間にスマホに着信が入る。相手は……旭野さんか。

 

「はい、もしもし」

『久しぶりだね、凪優ちゃん。今、時間はあるかい?』

「え……。まぁ、特段クエとか無いんで、大丈夫かと思いますけど」

『そうか……。では30分後にいつもの喫茶店に来てくれないか』

「(喫茶店……。って事はそっち側の話ね……)了解です」

『では、待っているよ』

 

 通話は終了した。

 

「で、何だったの……?」

 

 丁度私と合流した花梨が尋ねる。

 

「さぁ? でもあっち側の話だろうね」

 

 私がそう答える。

 

「ふーん。そっか。じゃあ私はテニス部の方に行くね。帰りは遅くなるから」

「りょーかい。で、晩御飯は?」

「んー……と今日は皆でファミレスに行く約束だし要らない」

「解った。じゃあね」

「うん。( ´・ω・`)ノ~バイバイ」

 

 花梨と別れた私は待ち合わせの喫茶店に車で向かった。

 

 

 

「よぉ。意外に早かったな。凪優」

 

 喫茶店に到着した私を迎えたのは旭野さんだった。

 しかし、いつもと口調とか違う。

 何というか態度がでかい。

 

「アンタから貰った車のお陰よ、アキ」

 

 私の方も敬語とか無しで対応する。

 

「何時もとは違って敬語はなしかよ」

「そりゃお互い様でしょうが」

「まぁそりゃそーだな。こっち側だと敬語はムズ痒くてたまらん」

「こっちの方が素のくせに」

「それ言うんじゃねーよ。それとも何か不満か?」

「いや。別に。寧ろ今の方で敬語使われる方がぶっちゃっけキモいわ」

 

 いきなりの罵倒合戦である。

 何事かと思うだろうがこれがデフォルトなのである。

 

「まーいいわ。そこに座れ」

「はいはい」

 

 アキに言われ、私はアキの対面に座る。

 

「まず、これが雄の奴に頼まれた資料だ」

「兄さんに……?」

 

 

 アキが兄さん……水無瀬雄一郎に頼まれたという資料に目を通す。

 それはアリアの事についての資料だった。

 

「……成程ね」

 

 数日前、私とキンジに「PTを組め」と言った時にアリアが言った言葉。

 

「あたしには時間がないの」

 

 という発言。

 これに私は引っ掛かっていた。

 アキ経由で私の手元にある兄さんからのアリアに関する資料を見てその言葉の意味を理解することができた。

 

「で、アキ。なんでコレにイ・ウー の奴等が関わってる訳?」

 

 何故か私が属する組織の名が出てきた。

 教授が何かを条理予知(コグニス)で掴んだのかしら? そんな事一つも聞いてないんだけど。

 あの人に限ってサプライズは…………ものすごくしそうだけども!!

 

「知る訳ねーだろ。俺にも老害共の考えている事はさっぱりだし、教授も何も言わねーし」

 

 アキは私の問いに知らないと返す。

 老害共に近いアキにも解んないのかぁ……。

 

「そっか。……で、この案件に関わっている奴等は判明してるの?」

「ああ。このリストに載っている奴等だな」

 

 私はアキから資料を受け取り、目を通す。

 

「うえ……。ナニコレ。殆どじゃない」

 

 資料を見た途端に私は顔を顰めて呻き声を上げてしまった。

 そこには私が党首を務める研鑽派(ダイオ・ノマド)以外の奴等の殆どのメンバーがリストアップされており中には何人か私の党派である研鑽派(ダイオ・ノマド)からも引き抜きもされているからだ。

 

 リストの参加者にあった『ブラド=ツペシュ』――アイツは誰かに操られて署名したよな。それは確実に解る。

 だって……あの『凪優(わたし)のおとん』ともイ・ウー内外で噂されるブラドだよ? 

 そんな彼が私と対立する様な勢力に賛同する訳がない。こればかりは断言できる。

 

 

「最も、対立する奴等が居なくなったからこの現状を生み出してるんだがな……」

「偶然……とも言い難いし、意図的に私達が居なくなるのを狙ってやがったのか……」

 

 私はアキの言葉に嘆息せざるを得なかった。

 実際研鑽派《ダイオ。ノマド》がイ・ウーの抑止役を担っていた中で幹部格である私達が相次いで休学状態となれば無理もない話ではある。

 

「そう言うな。リストに俺達の名前が無いだけマシだろ?」

「まぁね。お蔭様で行動しやすいから助かるけどさ」

 

 確かにこのリストに私達の名前があったらアリアとは敵対する訳だし動きにくいったらありゃしないし、ややこしくもなるし、それにアリアをフルボッコにする未来しか見えない。

 無いなら無いで、武偵である表、イ・ウーメンバーである裏。この両方がフルに使えるわけだから気兼ねなく行動を起こせるから都合が良い。

 

「やっぱ、お前も動くのか」

 

 私の思惑を察したアキの言葉に

 

「当然。どう考えてもアリアとキンジ2人だけじゃ無理がある」

 

 私は肯定した。

 事実、アリアとキンジ……。あのコンビといえどもこのメンバー相手だと荷が重い。

 私が参戦すればそのスムーズさも変わるだろう。

 何よりも……私自身、あの老害共が気に喰わんのだ。

 

 会う度にネチネチ文句しか言いやがらねぇわ。

 否定の割に碌でもない事しか考えねぇし。

 私的にさっさと隠居して欲しいもんだ。

 

 それと…………未海姉との決着も付けねぇとな。

 あのリストに未海姉……『綾乃(あやの)未海(みう)』の名前があった。

 未海姉は私の師で……そして私が止めなきゃいけない相手。

 最悪……殺してでも。

 

 私にとっては最大級の因縁がある相手なのだから未海姉の存在がある以上、参戦しない選択肢はない。

 

「そうかい。俺も雄も出来る限りサポートはする」

「ありがと」

 

 アキが兄さんと共にサポートする事を申し出たので私は礼を言う。

 

「礼は良い。俺とお前の仲だろ。あと、コレは要るだろ?」

 

 そう言ってアキは私に手甲とワイヤーとカードホルダーを手渡す。

 これは、私のイ・ウー活動時の装備ではないか。

 

「これって…………」

「礼は機嬢(ジーニャン)の奴に言え。それ保管・メンテしていたのはアイツだからな」

「解った」

 

 装具一式受け取り喫茶店を後にする為、席を立つ。

 

「死ぬんじゃねーぞ。氷天(ひてん)の魔女」

「そっちもね。鮮烈の雷撃(ディラスター)

 

 私は喫茶店を後にして武偵校の寮に戻った。

 

 

 それから、アリア達と夕食をとり、私は自室に戻る。

 さっきアキに貰ったリストとイ・ウーのメンバー指導リストを照会し、イ・ウーメンバー専用の通信機を手に取り、ダイアル調整。

 

 通信の相手は勿論、機嬢(ジーニャン)だが、最初に出るのが誰なのかは解らない。

 あの姉妹は個々の通信機を同じ所に置いている。

 彼女達曰く、

 

「そっちの方が解り易い」

 

 ……だそうで。

 最初から機嬢(ジーニャン)が出れば問題はない。

 だが、誰が最初に出るのは誰か不明。

 故に……こういう会話で始まるのだ。

 

(もしもし)? 誰ネ?』

「あ、その声は炮娘(バオニャン)? 私。凪優よ」

 

 先ず、電話に出た相手を当てる。

 ここからスタート。

 結構難易度は高いが、それは慣れでなんとかなる。

 今回は四姉妹の、次女、炮娘(バオニャン)の様だ。

 

『凪優? 真的(本当に)? 凄く久しぶりネ!』

 

 私が相手で炮娘(バオニャン)は結構喜んでいる御様子。

 語尾が弾んでいるのが何よりの証拠だ。

 

「そうね。ほぼ2年ぶりくらいかしらね……」

 

 高校に進学後は全然連絡してなかったし。

 確かそのくらいだろう。

 

『もう、連絡寄越さないで超心配したネ。──―で、今日はどうしたネ』

 

 かなりの話したい事があったのだろう。

 結構長い時間私は炮娘(バオニャン)と話し込んでいた。

 そして、炮娘(バオニャン)の話に寄れば、藍幇(ランパン)の幹部、諸葛静幻(しょかつせいげん)も私をかなり心配しているらしい。

 

 …………修学旅行(キャラ・バン)Ⅱで香港を旅行地に出来たはずだ。

 その時に会いに行ってアイツ等を安心させてやろう。

 

 私はそう心の中で誓った。

 

「うん。機嬢(ジーニャン)にお礼と猛妹(メイメイ)に聞きたいことがあってさ……」

 

 暫く話した後、私は本題を切り出す。

 そして、四姉妹の三女、猛妹(メイメイ)と四女の機嬢(ジーニャン)へ取り次ぐ様に炮娘(バオニャン)依頼する。

 

猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)? その二人ならもうすぐ帰ってくるネ。ちょっと待つよろし』

 

 どうやら、二人は外出中らしい。……が、あと少しで帰ってくるようだ。

 ちょっと待って欲しいと炮娘(バオニャン)に頼まれる。

 

「わかった」

 

 私はそれを了承する。

 そしてその間、炮娘(バオニャン)と偶然其処に居合わせた四姉妹の長女、狙姉(ジュジュ)と話していた。

 当然、狙姉(ジュジュ)にも私は物凄い心配された。

 

 そしてしばらくして、猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)が帰ってきたようだ。

 通信の相手が私だと知るやいなや、すごく喜び、通信に出た。

 

(もしもし)? 凪優?』

「あ、機嬢(ジーニャン)? ありがとね。私の装備をメンテしてくれて」

 

 私は自分の装備の礼を行った。

 

别介意(気にしないで)。凪優は私のお得意様だし当然ネ』

 

 機嬢(ジーニャン)はそう言ってくれるけども。

 

「ホント、ありがと。これからも装備のメンテとか頼むだろうけどその時は宜しくね?」

 

 有難いものは有難いのだ。

 私は再三、機嬢(ジーニャン)に御礼を言った。

 

可以(OK)! いつでも私に任せるネ! ──―じゃあ、猛妹(メイメイ)に代わるネ』

「ええ」

 

 私がシレっと言った要望にも機嬢(ジーニャン)は快く了承してくれた。

 その後、機嬢(ジーニャン)と世間話をして、次の通信相手、猛妹(メイメイ)に代わる。

 

(もしもし)? 凪優、私に聞きたいことって何アルカ?』

「あ、うん。このリストにあるやつなんだけどね……」

 

 

 

 

 

 

「これで全部ウラは取れたわ。ありがと。お陰で助かったわ」

不客气(どういたしまして)、凪優。祝你好运(頑張ってね)!』

(うん)!」

那,再见! (じゃ、またね!)

好了,拜拜! (うん。バイバイ!)

 

 通信を終えた私は気分転換も兼ねてコーヒーを淹れようとキッチンに向かう。

 そして、トイレのあたりでキンジとバッタリ会う。

 

「あ、おかえり。キンジ、意外に早かったのね」

「な、凪優? 一体何のことだ?」

 

 大体の事は察するが…………

 キンジよ。カマかけに引っ掛かり過ぎ。

 それに……

 

「……キンジ、バレバレ。動揺隠せてない」

「う゛…………」

 

 私が指摘すると図星を突かれた表情を見せるキンジ。

 

「まぁ、安心しなさいな。幸いと言うべきか、アリアにはバレてないし」

「そうか……」

 

 私のフォローに安堵の表情を見せるキンジ。

 

「ま、もうそろそろ来ると思うけどね」

「え?」

 

 虚を突かれた挙句、絶望も相まってか固まるキンジ。

 私の得意技、「上げては落とす」とはこの事で反応を見てその後で少し誂うのが楽しいのだ。

 

 昔、パトラにこれやったら思いの外良い反応で、仲間全員で大爆笑していた。

 アレで未だに思い出し笑いができるのは此処だけの話である。

 

 そんな感じで誂っていた直後、カードキーで鍵が開く音がした。

 

「お帰りアリア」

「『お帰り』……じゃないわよ。鍵くらい開けときなさいよ」

「いや、泥棒とかに入られたら嫌じゃん」

「そのくらい返り討ちにして逮捕しなさいよ」

「出来るけど、簡単だけど、泥棒に入られた時点で私の信用が落ちる」

「じゃあ、あたしが来るの予測して開けときなさいよ」

「無茶言うなて。ま、どーせ偽造カードキー持ってると思ったし別にいいかなって」

「あのねぇ…………あたしが持ってなかったらどうしてたのよ」

「んなもん、決まってるでしょ? 放置」

「あんたねぇ…………」

「もう居候の身で文句言わないの」

「むぅ…………」

 

 アリアの論に正論ぶつけてバッキバキに論破する私。

 私の正論にぐぅの音も出ないアリア。

 

 因みにキンジは私とアリアの会話の間は

 

「あ、いたんだ……」

 

 的な放置状態である。

 

 その後、私はキッチンに、アリアはリビングに、キンジは洗面所へと移動した。

 私はコーヒーを淹れつつもキンジとアリアの会話を聞いていた。

 

 まぁ、何と言うか面白いわwwwwこの二人。マジでwwwww

 キンジがこの前、アリアにしたという強制猥褻(未遂)で犯罪者扱いされたりだの、

 アリアがキンジのHSSの発動条件も知らないのにさ……

 

「なんでもしてあげるから」

 

 発言とか……。

 聞いてて飽きない。

 

 とはいえ、この手の話題はキンジの琴線に……下手せずとも逆鱗には触れるだろう。

 その証拠にキンジは無意識のうちにアリアを押しのけていた。

 さぁ……どうする、キンジ? 

 

「……1回だけだぞ」

「1回だけ…………?」

 

 ふぅん……。成程ね。

 無条件降伏じゃなくて、

 

「戻ってやるよ──―強襲科(アサルト)に。但し、組んでやるのは1回だけだ。戻ってから最初に起きた事件を、1件だけ、お前と組んで解決してやる。それが条件だ」

 

 キンジは条件をアリアに突きつけた。

 

「…………」

 

 アリアは何も言わなかった。

 

「だから転科じゃない。自由履修として、強襲科(アサルト)の授業を取るそれでもいいだろ」

 

 キンジ……条件付き降伏ってワケね。

 しかし自由履修とは考えたな。

 

 自由履修…………これは武偵校において、生徒が自分が所属する科以外の専門科目の授業を受ける事の出来る制度。

 無論、単位には反映されないが、多様な技術を要求される武偵になる為には理に適っている制度といってもいいので、生徒の殆どは割と流動的にこの制度を利用しているのだ。

 斯く言う私も自由履修で狙撃科(スナイプ)車輌科(ロジ)の授業を取っている。

 

 自由履修の云々はさておいて、

 キンジ、さてはHSSという切り札を伏せたままの状態…………通常状態のままでやってアリアを失望させる魂胆か。

 全く、どこまで組みたくないんだよ。コイツは。

 そこまで来ると流石の私でも溜息が出るぞ。

 

「……いいわ。じゃあ、この部屋から出てってあげる」

 

 キンジの譲歩案にアリアは妥協した。

 

「あたしにも時間がないし。その1件で、あんたの実力を見極めることにする。勿論、凪優もね」

 

 ま、解ってたことだし別に不満はないけど。

 

「……どんな小さな事件でも1件だぞ」

「OKよ。その代わり、どんな大きな事件でも1件よ」

「解った」

「但し、手抜きしたりしたら風穴あけるわよ」

「ああ。約束する。(通常モードの俺の)全力でやってやるよ」

「解ったわ。約束する」

 

 ま、私の場合、全力は出さないけどね。

 そう。第4段階は使わない。

 第2段階位までの全力を……ね。

 でも、アリアには少しだけ明日見せてもいいかな。

 第3段階の私を……。

 

 

 

 続くんだよ

 




葵  「さて、如何だったでしょうか」
理子 「ご無沙汰だね。何ヶ月ぶりだっけ」
花梨 「えっと、前回が10月投稿だから……2ヶ月ぶりだね」
優梨愛「これはこれで短い間隔の部類ですね」
葵  「そうねー。年単位で空かなくて良かったよ」
理子 「空いたら『失踪』扱いになっちゃうんじゃないかな……」
花梨 「それを平然とやってのけるのが葵じゃん」
優梨愛「それはそれで拙いんじゃないんですか?」
葵  「そうなんだよな。素でキャラの口調とか忘れるからね」
理子 「何とも致命的な事を平然と言ってのけるね、あおちー」
花梨 「そこに痺れも憧れもしないけど」
優梨愛「忘れない様に定期的に執筆すれば良いのでは?」
理子 「それができたら苦労はしないよ。りーあ」
花梨 「そうだよ、ただでさえ葵は燃え尽きるのに」
理子 「それに復活までに時間かかるし気紛れだからね。あおちー」
優梨愛「話を聴いてるだけで今回が今年最後な気がしてきました」
葵  「………………………(メソラシ」
花梨 「あ、図星だ」
理子 「うん。確定演出だね、コレ」
優梨愛「で、どうなんですか……? 葵さん?」
葵  「…………善処します」
花梨 「公開処刑だね、こりゃあ」
理子 「言わないであげて。花ちゃん」
葵  「そろそろ謝辞行きます!」
理花優「「「あ、逃げた」」」
葵  「q(゚д゚ )ウルセェ」
優梨愛「このお話の読者と更に評価してくれている読者様には感謝感激雨霰です!」
理子 「皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れると思うよ!」
花梨 「なので、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵  「私のモチベと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております」
理子 「だけど、なるべく間隔が空かないように頑張るよ、あおちーが」
花梨 「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
優梨愛「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう」
全員 「「 「「ばいばいっ!!」」」」

公開処刑という名のあとがき⑩ 完
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