緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵- Re:Make 作:あこ姫
あたしの名前は神崎・H・アリア。
かの有名な『シャーロック・ホームズ卿』の曾孫で、周囲からは『ホームズ4世』とか『4世』とか呼ばれたりすることもある。
簡単な自己紹介はさて置いて…………今、あたしは超絶に不機嫌である。いきなりでこんな事を言うのもどうかと思うけれど事実だから仕方ない。
何故と言われれば、その原因は妹であるメヌエット・ホームズからのバースデー・メッセージだ。
家族──妹からのメッセージであれば、通常は嬉しいものではあるが、あたしにメヌからのメッセージの電話が掛かってきたのが日本時間で午前3時30分である。
日本とイギリスの時差が9時間(正確にはサマータイムで-8.0hであるが)とはいえ、時間を考えて欲しい。
余程、何らかの理由で完徹する羽目になったり、夜型だから昼間に寝てたりしない限り、大体は就寝中の時間帯である。
かくいうあたしも絶賛就寝中だったが、メヌからある意味迷惑な電話によって叩き起された。
更に輪をかけて前日は作業が長引いて就寝したのが午前1時で、絶賛寝不足である。朝の日課であるトレーニング準備の為、4時半起きなので3時間半は寝れるかと思ったら、大きく狂った。
『あたしの就寝時間の1時間を返せ』
寝不足な不満をメヌにぶつけたら、
『そんな小さいことグチグチ言うお姉様の器なんてタカが知れてますね(笑)』
と、何故かすっごく納得の行かない煽られ方をした。解せぬ。物凄く納得がいかない。本気で納得いかない。大事なことだから2回言った。
というか、メヌにすっごくイラッとくる煽り方を教えたバカは何処のどいつよ。会ったら風穴貫通させてドつきまわしてやるわ。
とかを考えていたら、イライラしてきたわ。ヤバい、この溜まったストレスを風穴バーストで晴らしたい……。今直ぐにでも。
しかし、それは出来ない。
『何故か』って? 理由は簡単。元・同居人の怒りを買いたくない。唯其れだけだ。
『今は住んでないからセーフなのでは……』とは思っていけないのよね。
凪優──水無瀬凪優は直感・気配察知においては人間を辞めているレベルだ。
そして、凪優は此処にあたし達の朝食を作る為にもう既に来ている。
そんな中で大きな音を出せば、凪優の寝不足具合にもよるけれど、
それだけはどれだけ不機嫌であろうが避けたいあたしである。
だけども、風穴バーストはしておきたい。
こんな不機嫌な状態で1日を過ごすなんて真っ平ゴメン被る。八つ当たりに誰かを半殺しにするかもしれない。
だったら、完全防音なら問題はないわよね? 防音なのだから外に音が漏れるわけがないものね。
そう思ったあたしの実行は迅速だった。
自室を
以前、
変更後、あたしは気が晴れるまで『風穴バースト』をやりまくった。
✽✽✽✽✽✽
『風穴バースト』で憂さ晴らししたあたしはトレーニングウェアに着替えて自室を後にしてリビングに向かうと、リビングに併設されているキッチンには先客が居た。
「おはよ、アリア。今からトレーニング?」
その先客とは言わずもがな凪優だった。
「ええ。そうよ。凪優、アンタちゃんと寝てるの?」
あたしの発言に『あはは……』と苦笑いの凪優。
それで確信した。絶対寝てないわよね。
「んと、まぁ30分位寝たし大丈夫よ」
30分て。あたしより少ないじゃない。最早それは『睡眠』じゃなくて『寝落ち』なんじゃないかしら?
『寝落ち』と『睡眠』の基準となる時間は『90分』だと何処かで聞いたことがある。
「…………身体壊さないでよね。体調崩したら元も子も無いんだから」
武偵たるもの体調の自己管理は確りしないといけないものね。
「解ってるって。トレーニング、怪我しない様に気をつけてね」
「ええ。解ってるわよ。じゃあ、行ってくるわ」
「うん。行ってらっしゃい、アリア」
凪優に見送られ、トレーニングの集合場所である人工浮島の埠頭テラスに向かった。
埠頭テラスに到着したあたしは同級生で何かと縁がある
フツーに終わるかと思えばそうではなく、
何とか耐えた自分を褒めてやりたい気分だったわ。
疲れた身体を引き摺りつつも男子寮に戻る。
戻ったあとは
1時間後、起床しシャワーを浴び、武偵高の制服に身を包んだ。
今日は祝日だが、やる事がある。
2009年9月23日は『チーム編成』の『
書類は凪優のアドバイスもあって不備はないはずだ。
あと、問題があるとすればキンジよね。
チーム入りを引き受けてくれるといいのだけれども、そこだけが不安だ。
キンジへの説明は白雪と理子が上手くやってくれるだろう。
あたしはそう願うばかりだった。
凪優お手製の朝食を摂り、あたしは準備を整え、スズキ・GSX-R1000*1に乗って新宿警察署に向かう。
ここにやってきたのは勿論ママへの近況報告だ。
最近は時間無制限で話す事ができるようになっている。
聞いた話によると凪優とその兄である水瀬雄一郎が交渉したらしい。
あたしはその交渉の語尾に『脅迫』が付いているのではないかと思えて仕方なかったのはここだけの話である。
丁度いい時間になったので、あたしは新宿警察署を後にしてスズキ・GSX-R1000で武偵高に戻る。
武偵高に戻ったあたしは
着替え中に理子にセクハラされて理子に制裁を加えたのはご愛嬌である。
理子はキンジを迎えに行く為、別れてあたしは撮影場所である探偵科の屋上でキンジ達を待つ。
暫くして凪優が到着し、白雪と理子と共にキンジが到着した。
キンジと他愛のない話をした後、あたしはもう1人の待ち人を待っていた。月初めに絶交状態になっていたレキである。
先週の『エクプレス・ジャック』以来音信不通になっていたので凄く心配しているのだ。
一応、申請用紙にはレキの名前が記載してあるが、無駄になるかもしれない…………。
そう思うとポーカーフェイスを保っているものの、内心は不安で仕方がない。
「大丈夫よ。レキは絶対来るわ」
凪優があたしをきゅっと抱きしめた。
おそらく不安になっているあたしを励ます為なのだろう……。
だがな、凪優よ、その胸であたしを窒息させる気か? 止めてくれ、更に惨めになるから。無い者の気持ちを考えたことってある?
暫くして、レキが遅れて登場し、あたしは安堵で心が一杯になる。
今直ぐにでも謝って和解をしたいが周囲の目があるので中々話を切り出せないでいたが、それを既に察していたのかキンジと白雪と理子、それに凪優が強引に後押ししてレキと面向かうことになった。
レキと面向かった直後に急激に恥ずかしくなって顔から火が出るほど紅くなってしまったが、そのお陰? かで本音を言う事が出来て和解出来たんだから、結果オーライて奴よね、これは。
もっと話をしていたかったが蘭豹先生に催促されたので、
2009年9月23日 午前11時59分55秒。
あたしが属する「チーム・
午後からは戦妹のライカ、ライカの戦妹である麒麟、凪優に凪優の戦妹のあかりと共にショッピングに出掛け、休日を楽しんだ。
その後の夕食では、あたしの誕生日会が執り行われ、あたしは凪優お手製の『ももまんキャッスル』を心ゆくまで堪能したのであった。
夕食後にママの弁護士から連絡があり、三度スズキ・GSX-R1000を走らせた。
それから弁護士とママの裁判の準備を済ませて帰ってきたのは夜の11時だった。
あたしは男子寮ではなく女子寮の自室に到着したその直後だった……。
珍しく、キンジから電話がかかってきた。
何時もとは違った感じだったので返事を返すときにテンパってしまった……。
キンジとの通話終了後、あたしは緊張しながらも指定された場所…………女子寮地下の温室に向かった。
そして……緊張しつつも薔薇園で待つ事数分。
キンジが到着した。
あたしは何時もどおり振舞おうとしたが、緊張のせいで上手くいかなかった。
そして、薔薇園で修復された跡を見て、キンジとの会話に花が咲く。
「で……用事は何? こんな夜遅くにレディーを呼び出すからには、それなりのご用件でしょうね?」
暫く、語った後に咳払いをしてあたしはキンジに本題を尋ねた。
「11時45分。これもかなり、ギリギリセーフだったな」
が、はぐらかして中々答えを言わないキンジ。
「だから、な・ん・で・す・か」
あたしはキンジの答えにワクワクする顔を必死に面に出さないように必死に抑えつつ、キンジに迫る。
「──今日、誕生日なんだろ」
キンジの言葉に強く肯定するように目を大きく見開いて何度も何度も頷いた。
その後、キンジの質問が続いたが、恥ずかしさが大きく勝ってしまい、1つも言葉で返答が出来なかった。
そして…………キンジからの誕生日プレゼント……指輪を貰った。
しかも……キンジが指輪を嵌めてくれたのは
異性からの夜の呼び出し+プレゼントが指輪+左手の薬指に嵌めてくれた
この数式の答えが成り立つのはすなわち…………(求婚!?)
そう思ったら平常心が行方不明となっていた。(当然)
テンパった結果、後ろのミニ噴水に足を引っ掛けてピンポイントに頭から落ちた。
一瞬でパニクったあたしはそのまんま溺れてしまった。
その後、キンジに助けられたが、意識がグッバイしかけていたのでよく覚えていなかった。
だけど……先週の
その確信だけは忘れていなかった。……いや、あたしは忘れる訳にはいかないのだ。
あたしが17歳になった日。
この日の思い出をあたしはずっと忘れない。
それが例え、どんな事があろうとしても…………。
Fin……
なんとかリメイク作業間に合ったので0時投稿できそう。
原作に合わせたらえらく先の展開の話になってしまったけれども、本編の追いつくのを気長に待っていて戴けると幸いなの。
また次回お会いしませう。ではでは。
アリア「葵?ちょっと、ツラ貸しなさいよ?」
葵 「逃げていい?」
アリア「却下よ」
葵 「サラダバ」
アリア「逃げんじゃないわよ!?」