貴利矢と黎斗が和解してから数日経ち、遂に黎斗と貴利矢は幻想郷の地を離れることとなった。
「色々あったけど、いざお別れとなると少し寂しいわね」
霊夢が今までの事を思い返しながら黎斗と貴利矢にそう言う。貴利矢は「あぁ」と言いながら微笑み、黎斗は腰に手を当てる。
「さて、早く元の世界に帰って刺激的なゲームを作らなければいけないな」
「お前なぁ...少しは別れを惜しめよ...まぁお前らしいっちゃお前らしいが」
黎斗の変わらない態度に貴利矢は呆れる。そして紫のスキマが現れ中から紫が出てきた。
「さぁ、準備できたわよ。お別れの挨拶は済ませたかしら?」
「あぁ、大丈夫だ」
「問題ない」
2人がスキマの中に入ろうとした瞬間、黎斗が霊夢の方を向き歩み寄る。
「そうだ、博麗霊夢。君にこのガシャットをやろう」
そう言って霊夢に手渡したガシャットには「東方project」と書かれていた。
「何よこれ?」
「九条貴利矢との戦いの直後に作ったガシャットだが、ゲームの中身まではまだ完成していない。そこで君にはこのガシャットを完成させて欲しい」
急な黎斗のお願いに霊夢は困惑する。
「だけど、私にはゲームを作る才能なんて無いわよ?」
「そこは安心したまえ。君がそのガシャットを持っているだけでそのガシャットが幻想郷のデータを収集し自動的に作るようプログラムしているが、持つ人によって出来上がるゲームの内容が変わる」
「何でこれを私に?他の奴に渡せば良かったじゃない」
「私が君なら刺激的なゲームを完成させる事が出来ると信じたからだ。このゲームを作れるのは君しかいない。だから君に頼んだ」
あの黎斗が人を信じている事に全員驚く。
「お前成長したな。前はあんなに人を見下す態度を取ってたのにな」
貴利矢の言葉を聞いた黎斗はフッと笑う。
「君との戦いの後、寝ていた私は母と生活している夢を見た。夢だったが私は母の温かさを確かに感じた。そこで私はこう思った」
間を置き、貴利矢の方に振り向く。
「人というのは、中々いいものだな。とな」
この黎斗の言葉を聞き、貴利矢は黙っていた。そして黎斗は再度霊夢の方へ振り向く。
「だから私は君を信じて、このゲームを託す。クリエイターとしてでは無く、1人の客として君がどんなゲームを作るのか私は楽しみにしている」
霊夢は黎斗の言葉を聞いた後、ため息を吐く。
「はぁ...分かったわよ。アンタのその神の才能を超えるゲームを私が作ってやるわよ」
そう言い切り、霊夢はニヤッと笑う。
「楽しみにしているよ」
そう言い残し、黎斗はスキマの中へ入っていった。黎斗を見送った霊夢はガシャットを見つめ空を見上げる。
「アイツの度肝を抜くゲームを作ってやるわよー!!」
そう決意する霊夢であった。
......
〜CR(電脳救命センター)〜
2人はCRに無事に戻る事が出来た。黎斗は久しぶりに見るCRを見回した。
「これで私の役目は終わったわ。それじゃあ2人とも元気でね」
「あぁ、ありがとな」
貴利矢は紫に感謝する。そうして紫はスキマと共に消えていった。
「さて、これからどうするんだ?神」
「決まっているだろう。私の神の才能によって新しいゲームを作るのさ!ブハハハハハ!!」
変わらない黎斗にどこか安心感を感じた貴利矢であった。その後黎斗は様々な大ヒットを記録するゲームを作り出す。今までのようなマッドな側面は完全に消えたわけでは無いが、徐々に薄くなっていた。これには永夢達ドクターやポッピーも驚いていた。
「あの黎斗さんが...」
「どういう風の吹き回しだ?」
「ゲンムの奴に何があったんだ?」
「黎斗が少しずつ改心してる...」
永夢、飛彩、大我、ポッピーは改心(?)した黎斗を見て困惑する。
「さぁ、神の恵みを受け取るが良イィィイイ!」
そんな黎斗は大きな声で言いながらエンターキーを押した。
......
黎斗と別れて数ヶ月経ち、霊夢は黎斗から貰ったガシャットを見る。
「遂に完成したわ!これならアイツでもきっと驚くわね!」
自信満々に言う霊夢の側に紫がやって来る。
「遂に完成したのね」
「えぇ、これでもしアイツが来たらギャフンと言わせてやるんだから」
「そうね。それじゃあ完成したなら早速起動してみましょう」
「えぇ、それじゃあ起動するわよ」
ガシャットの起動スイッチを押す。
「「「東方project!!」」」
幻想郷の住人達が一斉にゲームのタイトル名を言う。
「さぁ、折角だしこのゲームで遊びましょうか」
そうして霊夢は博麗神社の外に出て空を飛び始める。人々の想いによって出来たこのゲームは幻想郷中を刺激的な世界にした。その刺激的な世界とは一体どんな世界か...?それは、誰も想像できない世界であった。
これでこの小説は終わりです。最後の「刺激的な世界」ですが、これは皆様のご想像にお任せします。どんな刺激的な世界になったのか色々想像してみて下さいね!