転生したら、魔王様の部下の部下になりました   作:白紅葉 九

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第十話 謝罪、もしくは成長

 オリビア様に謝罪をするために執務室へ来たら、妖魔や悪魔の方々と打ち解けることができました。

 そして、オリビア様が来るまで中で待っていてほしいと言われたので、待つことにしました。

 

「改めまして、私はオリビア様の第一妖魔をしているロミーアです。

 こっちは悪魔のラリッタリチェです」

 

「気軽にリチェとお呼びください!」

 

「ソフィアです。

 よろしくお願いします、ロミーアさん、リチェさん」

 

二人と挨拶を交わします。

 意外なことに、二人以外からの視線も柔らかいものが多いです。

 な、何だか予想外の展開で、どうすればいいのか、戸惑いますね……。

 

「オリビア様への発言は、私たちのことを思ってのことだとこの場にいる者はみんな理解しています。

 私たちは、オリビア様のためだと思って何も言えませんでした……いや、もしかすると、それがオリビア様を追い詰めていたのかもしれません。

 でも、ソフィア様のおかげで、私たちもオリビア様に対して正直に意見ができるようになりました。

 とても感謝しています」

 

「そんな、大層なことはしていませんよ。

 私の発言は……魔王軍を思って出た言葉ではありましたが、その発言は到底許されるものではありませんでしたから。

 そのせいでオリビア様を怒らせてしまいました。

 なので、この一見はお互い様ということで終わらせませんか?」

 

本当は、こちらが一方的に悪いと言おうと思っていたのですが……。

 なんだか、それだと向こうが引き下がってくれなさそうだったので、お互い妥協するといった方針に変更しました。

 ロリーアさんは感謝を示すように深くお辞儀をしました。

 

 

 

 その時、執務室の扉が開きました。

 その雰囲気やまとう魔力量から、一瞬で相手の正体に気づきます。

 

 思わず立ち上がって扉の方向を見ました。その瞬間、そこに立っていた人物と目が合います。

 その人物は、驚いたように目を丸くしながら私を見ていました。

 

「オリビア様、お邪魔させていただいていて、申し訳ありません……ッ」

 

「……ソフィアさん」

 

オリビア様は、以前よりも健康そうな顔をしています。

 少しは休憩を取ることができたようですね。

 

 この執務室に置いてある書類も大半がなくなっていますし、妖魔や悪魔の方も疲れている雰囲気はあまりありません。

 どうやら、オリビア様なりに私の言葉を受け取ってくれたみたいです。

 

 オリビア様がこちらへ向かって歩いてきます。

 オリビア様が一歩進む度、私の鼓動が跳ね上がるように鳴ります。やはり、まだ恐怖が残っています。

 

 オリビア様は私の前で止まりました。

 私はこれからどうなるんでしょうか。また、頭を粉砕でもされるのでしょうか。それとも。もしくは。

 

「──ソフィアさん、申し訳ありませんでした」

 

オリビア様は頭を下げました。

 

 一瞬、頭が真っ白になります。

 オリビア様が何をやっているのか、理解ができませんでした。

 しかし、長年の社畜根性といいますか、無意識のうちでさえ上司に謝罪をさせてしまっている状況に危機感を覚えて、ポーカーフェイスも忘れて慌ててしまいました。

 

「か、顔をお上げください、オリビア様!!!

 それに、私はそんな丁寧な言葉を使われるような立場ではありません!!」

 

まだ、「ごめんなさい」という謝罪文ならわからないこともないです。しかし、「申し訳ありません」というのは、下の立場の者が上の者に対して使う言葉です。

 決して、四天王様が妖魔に対して使っていいものではありません。

 それはつまり、立場以上に謝罪の気持ちが大きいことを表すわけですが……とにかくダメです!!

 

「いえ、謝らせてちょうだい。

 あなたは魔王軍のために言ってくれたのに、私はそれを無下に扱って、あまつさえ上辺の言葉しか汲み取らずにあなたを殺しかけたわ」

 

な、何だか思っていた反応と全く違います!!

 これは……どうすればいいのでしょうか!?

 

 たしかに、あの発言は魔王軍の今後が良くなるきっかけになればいいと思って発言しましたが……そんな、世紀の大預言者みたいな対応をされるとは思っていませんでした!

 自分はそんなにすごい魔族ではありません!!

 

「あの後、魔王様に業務の滞りを報告したら、すぐに対応して貰えましたわ。

 私はずっと、固定観念に囚われていて……部下のことを見ることができていなかったのです。

 それをあなたが指摘してくれました。

 しかもあの時、あなたが部下を魔術で守ってくれていたと聞きましたわ」

 

「い、いや、あの……」

 

本当に、そんな大層な器じゃないので!

 そんなに持ち上げられると、罪悪感みたいなのが芽生えちゃうのでやめてください!!

 ただでさえ今、よくわからない申し訳なさでオリビア様を直視するのが難しいのですから!!

 

「あなたのおかげで私は助けられました。

 許してはもらえないかもしれないけど……謝らせてほしいのですわ」

 

「……ゆ、許すも何も、オリビア様は魔王軍のことを考えて行動したまでです。

 そこで私と対立があったからと言って、恨んだり憎んだりすることはありません!

 私も、今日はあの時のことをオリビア様に謝りに来たのです。

 魔王様に対して、あそこまでの暴言を吐いてしまったのですから……」

 

「ソフィアさん……」

 

魔王軍は伝統と格式を持つため、長い間勤めているとそれにこだわるようになっていきます。

 なので、魔王軍には時代錯誤とも言えるルールや暗黙の了解もあります。

 

 しかし、オリビア様は伝統と格式を大切にしながらも、柔軟な思考ができる方のようです。

 こういう方だからこそ、魔王様はオリビア様を四天王に選ばれたのでしょう。

 

「この部屋を見れば、オリビア様が色々と対応してくださったのは一目でわかりました。

 だから、どうか謝らないでください」

 

お願いします!

 謝られる度に私のなかのSAN値てきな何かが少しずつ減っているので!

 上司の本気の謝罪は見ていて心臓に悪いのです!!

 

「ソフィアさん……ありがとうございますわ。

 本当に、色々と助けられましたわね」

 

「実際に行動に移したのは、オリビア様とその周りの方々です。

 私は少しのきっかけを与えただけですから」

 

「もう、そんなに卑下する必要はないのに」

 

そう言ってオリビア様は微笑みました。

 最初はどうなることかと思いましたが、オリビア様とも仲直りができたみたいです。

 

 なんだか、妖魔になってから、私自身も大きく変わっているような気がします。

 

 

 

 その後、オリビア様やローリアさん、リチェさんたちと楽しく雑談を交わしました。




Q.評価してくれた方が五人に増えましたよ!
A.ありがとうございます! ついに評価に色がついて、達成感を覚えています。まだ投稿二作目で未熟な点は多くあると思いますが、少しずつ改善できるように頑張ります! また気楽に見にきていただけると嬉しいです!

改めて、評価をしてくださった
ステゴロガンジーさん
本当にありがとうございます!!!!
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