転生したら、魔王様の部下の部下になりました   作:白紅葉 九

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第三話 新しい魔王様になって初めての幹部会議

 現在、執務室に集まったのは五人。

 

 一人は私、転生して気づいたらアリア様の部下になっていたソフィアです。

 最初にアリア様の侍従になったので、アリア様の第一妖魔となりました。

 

 次に、私の上司であり四天王様の一角、詩属性のアリア様。

 最近気づいたのですが、アリア様は地面に立っているように見えて、実際は常に数センチ浮いているようです。

 

 そして、悪魔のオーロラさんとリブさん。

 あの激務のなか、よく耐えてくれました。悪魔だった頃の自分を思い出して感情移入してしまい、よく労いにお菓子を持って行っていますが、半分くらいをアリア様が美味しそうに食べていきます。

 

 最後に、一昨日にアリア様が見つけてきた、アリア様の第二妖魔であるヴァレンティナさんことティナさん。

 どうやら、ティナさんはアリア様に何かしらの弱みを握られているそうで、怯えるように執務室にやってきました。なので、お菓子を渡したら案外仲良くなれました。

 

 

 

 そして……幹部会議でのマナーや作法についてですが、ギリギリ及第点といったところでしょうか。

 

 アリア様は呑み込みが早かったので、マナーや作法については問題ないでしょう。

 ただ、政治に関しては……まさかアリア様が、あそこまで詳しくないとは思いませんでした。

 今回の会議で出るだろう重要な箇所だけを限定して教えたので、後は正直運ですね。

 

 妖魔や悪魔は基本四天王様の後ろで突っ立っているだけなので問題はないです。

 後から来たティナさんは、なぜか十数年前に滅んだ竜神国のマナーや作法を知っていたので、それを多少魔王国風に変えるだけで済みました。

 

「さぁて、みんな、いくわよ~」

 

アリア様の言葉に全員が頷きました。

 そうして、アリア様を先頭に、私たちは会議室へと足を踏み入れました。

 

 所定の椅子へアリア様が座り、他の四天王様と世間話を始めました。それを確認してから、私は視点を周囲に動かしました。

 

 現在集まっているのは、アリア様を除いて二名の四天王様です。

 

 あの紫色の髪と黄色の瞳をして魔女のようなコートを身に着けている女性は、四属性のオリビア様。

 今代の四天王様で、唯一妖魔から四天王になられた方です。

 

 そして、もう一人の黄緑色の髪と瞳を持ち紋様の刻まれた右腕を持つ背の低い女性は、事前にアリア様から教えていただいた視属性のレイラ様ですね。

 

 そうなると、まだ来ていない最後の一人は……。

 

 その時、扉が勢いよく開きました。

 

「いやー! 遅れてごめんねー!

 ちょっと珍しい死体に興奮して研究をやってたら遅くなっちゃった!」

 

「メラニー、五分の遅刻ですよ。

 魔王様がまだ来ていないからいいものの……」

 

「遅刻しても魔王様が怒る未来は視えないから、どっちでもいいんじゃない」

 

「オリビアは真面目でえらいですね~」

 

「あなたたちがいい加減すぎますのよ!」

 

 最後の一人、死属性のメラニー様が来ました。

 メラニー様は、青色の髪と黒い瞳をしています。

 

 そういえば、アリア様は白色の髪と桃色の瞳なので、四天王様は全員髪と瞳の色が違うようです。

 そして、どういう関係かはわかりませんが、四天王様方はお互い面識を持っているようです。

 

 先代魔王様の時代、悪魔の端くれとして、その時の四天王様と妖魔の名前と顔を全て覚えていました。

 ですが、そんな私でも前回妖魔だったオリビア様と現在の直属の上司であるアリア様以外はこの場で初めて見る方々です。

 

 いったい、魔王様はどこでアリア様たちのような逸材を見つけてきたのでしょうか?

 そして、レイラ様やメラニー様も、アリア様のような強力な魔術を使う方なのでしょうか……。

 

 ちなみに、すこしややこしいのですが、この世界には魔法と魔術というものがあります。

 魔法というのは、一人一属性しか使えませんが、魔術は修練すれば誰でも使えるようになります。

 

 

 

 とりあえず、四天王様の名前を間違えて首が飛ばないように、最大限の注意を払うことにしましょう。

 

 私がそんなことを考えていると、部屋の空気が一瞬にして変わりました。この威圧感……先代の魔王様と遜色ないですね。

 ネームドモンスターの私たちだから耐えられますが、ノーマルモンスターや普通の人間であれば、この場に立っていることさえできないでしょう。

 

 私たちはすぐさま地面に片膝を付け、頭を下げます。

 少しでも失礼なことをすれば、簡単に首が飛ぶことになるでしょうから。

 

 カツ、カツ、カツと、玉座の奥から足音が響いてきて、止まりました。

 

「皆の者、顔を上げるのじゃ」

 

その声で、私たちは顔を上げました。

 

 玉座の前には、血のように赤い髪と瞳を持った、現在魔王軍において最も地位の高いお方、魔王エマ様が立っておられます。

 その斜め後ろには、エマ様の秘書と思われる灰色の髪と瞳を持った女性が立っています。

 

 ちなみに、魔王様の秘書様の階級は妖魔と同等かそれ以上です。なので、もしものことがないように、自身より上の立場の方だと思って接するのが身のためです。

 たまに、魔王様からの命令を伝言する役目を担うこともありますが、その時は一時的に四天王様より秘書様の方が上の階級となります。

 

「本日はよく集まってくれたのじゃ。

 では、これより今代魔王による第一回幹部会議を行うのじゃ」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

全員で返事をすると、魔王様は椅子に座りました。

 魔王様の「楽にしていい」の合図で全員体を起こし、四天王様は椅子に座ります。私たちは当然、四天王様の後ろで立ちっぱなしです。

 

 

 

 そうして、第一回幹部会議が始まりました。




誤字修正
 そうして、マリア様を先頭に、
→そうして、アリア様を先頭に、

 ミラニー様
→メラニー様

孤狐-0217さん、誤字指摘ありがとうございました!
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