花火見たさで、宿題を終わらした中野家五つ子とそれに付き合う上杉兄弟、戦闘の疲労が回復した村上透ら一行は花火大会の会場に到着した。
四葉『やっと終わった~!!』
らいは『みんなお疲れ様!!』
二乃『花火って何時から??』
三玖『19時から20時まで』
一花『じゃあまだ一時間は時間あるね!!屋台行こうー!!』
風太郎『..............。』どよ~ん
前を歩く5人と明らかにテンションの差を感じるくらいに、どよ~んとした雰囲気を醸し出している風太郎その横で浴衣に着替えた五月がアメリカンドッグを頬張りながらなかを話していた。
透『..........。(うん、俺には関係ないな)』
そんな時四葉がらいはを連れて風太郎に近付いていった。
らいは『お兄ちゃ〜ん!みてみて四葉さんが取ってくれたの!!』
風太郎『! お、お前....。』
言葉を無くす風太郎 それを見た透は
透『あん? まじかよ?あんなに大量の金魚どうするんだ?』
透も驚くほど、両手に金魚が一杯入っている袋を持っていた。
屋台のオヤジ大丈夫かな?とちょっとだけ気になるとこだがスルーしよう。
風太郎『もう少し手加減出来なかったのか?』
四葉『らいはちゃん見てると不思議とプレゼントしたくなっちゃうですよ!』
らいは『これも買ってもらったの!!』
風太郎『それ 今日1番いらないやつ!?』
らいは『だって待ちきれなかったんだもん!』
透『.....,。打ち上げ花火を観に来たのに手持ち花火買ってどうする?』
風太郎『ちゃんと四葉のお姉さんにお礼言ったか?』
らいは『四葉さん!ありがとう大好き!!』
四葉『〜〜っ////あ~んらいはちゃん可愛すぎます!!私の妹にしたいくらい.......。は!待って下さい私と上杉さんが結婚すれば合法的に義妹にできるのであれば.......。』
二乃『あんた、自分が、何言ってんのか分かる??』
風太郎『..........。』
すげーとんでも発言してんなおい。変なとこで頭の回転早いな。
二乃『アンタも!!変な気起こさないでね!!』
風太郎『起きねえよぉ!!』
二乃に押さえれた風太郎がバランスを崩し、前を歩いていた三玖に当たる直前に俺は、彼女の肩を掴み優しく自分の胸元に抱き寄せた。
透『....。危ないよ?三玖大丈夫?』
三玖『!///うん!トールが守ってくれたから大丈夫///』
透『よかった』
透『そういえば、花火どこで見るの??』
三玖『二乃がお店の屋上貸切ってるからそこで見るの』
透『なるほどね~じゃぁ人が増える前に早く行こうか?』
三玖『うん!』
良い雰囲気のなか肩を寄せ合いながら歩く2人を止める二乃
ニ乃『ちょっと待ちなさい!? せっかくお祭りに来たのにまさか【アレ】を買わずに行く気?!』
透『アレ? あぁ〜あれか 売ってるかなぁ?』
三玖『うん、アレ買ってないね...』
一花『あ もしかしてアレの話?』
五月『アレの屋台ありましたっけ?』
四葉『早くアレ食べたいなぁ!』
風太郎『アレって?』
まさかの透も”アレ”言い出した。あれとは一体..............。
一、二、三、四、五、透『『『『『『せーのっ!』』』』』』
一花『かき氷!』
二乃『りんご飴!』
三玖『人形焼き!』
四葉『チョコバナナ!』
五月『焼きそば!』
透『お好み焼き!』
一、二、三、四、五、透『『『『『『全部買いに行こう!!!』』』』』』
風太郎『お前らが本当に五つ子が疑わしくなってきたわ!!』
こうして、みんなの"アレ"を買い求め移動を開始した。
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五月『何ですか!!!』
五月の魂の雄叫び? みたいな叫び声を上げる。
一花『まあ、まぁ、 機嫌直しなって....。』
五月『一花だけオマケしてもらってズルいです!!可愛いからって、私にはしてくれなかったのに!! 同じ顔だよ!!』
一花だけオマケして貰って、ご立腹のようだ。
三玖『複雑な五つ子心』
透『複雑だねぇモグモグ』
三玖『あ! ひょっとこのお面欲しい.....。』
透『また、変わったチョイスだね.....。買いに行こうか?』
三玖『うん!』
2人はお面を買いに屋台を訪れた。
店主『へい!いらっしゃい!』
三玖『これください!』
店主『へい!まいど!』
三玖『トール。そのお面欲しいの?』
三玖がひょっとこのお面を付けて、聞いてきた。
透『え?どうして......。』
三玖『だって、ずっと見てるからそのお面』
透『どうなんだろね.....。分からないけど、なんか、うん。』
少し濁す様な言い方をする透。 彼が見ていたお面は、狐のお面だった。何か近い物を、感じるのだろう。
三玖『じゃ、そのお面買ってあげるね』
透『え? いいの?』
三玖『うん! いつもお世話になってるから!』
透『忝い....。』
2人は仲良くお面を付け合流する。
二乃『あんた達遅い!!!!!』
大声を上げ後ろを振り返る二乃。
透『なんか、テンション高いな二乃のヤツ.....。そんなキャラか?』
三玖『花火は、”お母さんとの想い出”なんだ....。』
透『想い出?.......。』
三玖『うん、お母さんが、花火が好きだったから毎年、揃って見に行ってた...。』
透『.......。(だった?過去形ってことは....。)』
三玖『お母さんがいなくなってからも毎年揃って......。私たちにとって花火ってそういうもの....。』
ここまで聞いて、もう彼女たちの母親は既にいない事が分かる。
透『.......。(俺と一緒じゃん....。いや、俺の場合は、あの科学者連中が生みの親になるってことか? あんな奴らが? ふざけるなぁ! 戦うことしか出来ないただの殺戮マシーンなんか創りやがって!.....。)』
俺はいつの間にか、眉間に皺を寄せ、苦虫を噛み潰したようやるせなさを感じ左手をぎゅっと硬く握り締め俺を生み出した、ここにはいない科学者たちに嫌悪感を抱き、殺す事しかできない自分を呪いその行き場の無い感情に、耐えていた。しばらく握っていろと、突然左手に温かく柔らかい感触が襲ってくる。
透『え?』
驚き顔を上げるとそこには..
三玖『トール。大丈夫?.....。』
三玖が心配した表情で、目には涙を浮かべ覗き込んでいた。
透『!...。三玖?』
三玖『...。トールどうしちゃったの?急に怖い顔になって、なにかあった?』
左手の温かく柔らかい感触の正体は、三玖の両手が俺の左手を包み、自分の胸に抱き寄せたからである。突然の行動に、驚き少しの間思考が停止する。
透『...。ううん、何もないよ大丈夫だよ。』
心配させない様に作り笑いを浮かべるが..。
三玖『”嘘“』
透『え?』
あっさり見破れてしまった。
透『どうして、そう想うの? 俺は、大丈夫だよ』
三玖『だって、無理して笑ってるもん。トールのことずっと見てたもん分かるもん』
頬を膨らませながらも真剣な表情で俺を心配してくれる三玖。そんな彼女を見て俺は、俺の心を支配していた、怒り憎しみが薄れ温かく安心する温もりが心を満たしてく。
透『三玖』
三玖『?なに?トール。..きゃ///』
俺は、自分の瞳から流れてきた【何か】を誤魔化すように空いている右手で、彼女の肩を掴み、少し強引に抱き寄せた。いきなりのことで、驚く三玖。俺は構わず抱き締めた。
三玖『///トール?』
透『.....。ありがとう。三玖。』ボソ
聞こえるか分からない小さい声でボソリと呟く。
三玖『......。』
その声が聞こえたのか三玖は、無言で抱き返してくれた。
抱き合っていると...。
ピーポーパーボーン♫
アナウンス『大変長らくお待たせいたしました。まもなく開始します』
ガヤガヤガヤ
観客1『上がるって!』
観客2『早く!早く!』
観客3『場所とりしねぇと!』
観客4『あ! アレ買ってない!』
アナウンスが流れて、大勢の人の流れが生まれそれに飲み込まれた。
ニ乃『ちょっと! 痛っい!? 誰足踏んだの!!』
ニ乃の声が遠くから聞こえる
ニ乃『みんな!どこぉ!! 四葉!!一花!!五月!!三玖!!フ...。ト....。』
そしてその声が完全に聞こえなくなった。
透『.......』
三玖『.....』
みんなとはぐれた俺たち。
透『ごめん。はぐれた。』
抱き締めている手を解きながら周りを見渡したが、そこには他の姉妹は、おろか上杉兄妹の姿がなくなっていた。
三玖『//大丈夫。トールのせいじゃないよ。あれじゃ仕方ないよ いっっ!』
頬を染めながらも気遣ってくる三玖に感謝しするが...。
透『三玖?どうしたの?』
突然顔をしかめる三玖
三玖『誰かに足踏まれたみたい....。痛い。』
透『歩けそう?』
三玖『痛くてダメ』
俺は、三玖の返事聞きながら、彼女に背を向けしゃがみ込む。
透『三玖。乗って、休めそうな場所探して、手当しようか?そのままじゃ満足な歩けないから....。』
三玖『え?///で、でも...。』
うむ、普通におんぶだ。
透『大丈夫だよ、ほら早く行こう? 痛いでしょ?』
三玖『う、うん。じゃ、じゃお邪魔します///。』
ぷに! と柔らかい感触が背中を襲う
透『.....。//(や、柔けぇ//まじで柔らかいんですけど!///バイクの時も感じたけどこれは、中々の感触です。ハイ。)』
俺がそんなどーーーしょうもないことを考えてる事を知ってか、知らずか。
三玖『トール?....。どしたの?』
何故か、殺気に近い感覚が襲ってきた。
透『え?』
後ろを振り向くと、そこには頬を染めながら、プクと頬を膨らませている三玖の顔があった。
透『....。ど、どうしたの?』
内心、悟られてないかヒヤヒヤしながら聞いてみた。
三玖『トールが中々立ち上がらないから、"重い“って思ったのかなって』プンプン
そう、俺は、まだしゃがみ込んだままでいたのだ。さすがにおかしいと思うだろうな
透『え?! あー、いや、ちょっと考え事してただけだよ。全然重たくないよ』
三玖『ふ〜ん?』プク
透『じゃ、じゃ立つからしっかり捕まっててね?』
俺はそう言い立ち上がった。
三玖『わ、立った///』
透『ね?全然平気でしょ?』
三玖『本当だ//』
透『三玖。そこから誰か見える?他の姉妹か、上杉兄妹か?』
三玖『//う〜ん?見えない』
透『そっか。 それじゃ、移動しようっか?』
俺は、三玖を背負い人混みを抜けて、会場を離れた。
透『この変なら人少ないから、落ち着いて、手当できるね』
会場から少し離れた商店の角に三玖を下ろし踏まれた足を診る。
三玖『ありがとう。トール。運んでくれて//。』
透『これくらい、大丈夫だよ....。あー、赤く腫れてるね。痛いよね?』
三玖『うん、まだ痛い。』
透『そういや、近くドラッグストアあったからそこで、湿布と包帯、それと何か欲しい物ある?買ってくるよ』
三玖『じゃぁ、抹茶ソーダで』
透『え?あ、う、うん 探してみる....。(抹茶ソーダってドラッグストアに売っている物なの?)』
ドラッグストアに向かおうとすると、服の袖が引っ張られた。そっちに視線を向けると...。
三玖『トール....。』
三玖が不安そうな目でこっちを見つめていた。
透『.....。(そんな顔されると離れられなくなるなぁ。 でも、早く手当したいからちょっとだけ、我慢しよう。)』
透『三玖』
三玖『なーに?....。きゃ///』
俺は、三玖と同じ目線になる様にしゃがみ込み優しく抱き締め耳元で
透『大丈夫....。すぐ帰ってくるから。 大丈夫だよ。これ、"お守り"ちょっとの間でも三玖を守ってくれるはずだから....。』
三玖『///お守り?』
透『うん、お守り』
三玖の左手首に両手を添えると....。ポン! と音がなりシルバーのブレスレットが、巻かれていた。手の甲側には“佇む狼”。手の平側には“遠吠えをする狼“が彫られていた。デザイン自体は洗練された物だが普段の彼女が身に付けるには、少し不恰好だろう。
三玖『!.。これはオオカミ?』
透『うん、オオカミ。 魔除けと言うかマーキングと言うか。ハイ。』
三玖『ま、マーキング///』
透『うん/// 悪いヤツから三玖を守ってくれる守り神!
,...。それにオオカミは俺自身だし。』
三玖『///トール自身?』
透『うん。まぁ。三玖が何処にいようと、俺が何処にいようと関係ない。俺は三玖の隣にいるってこと。 姿形がなくても俺は三玖のそばにいるから、1人じゃないって』
出来るだけ、優しくそして、自分の本心を伝えと
三玖『...。うん、分かったよトールの想い。待ってるから早く帰ってきてね///』
透『あぁ! 行ってきます』
三玖を残してドラッグストアに向かうのだった。