優れた殺し屋は万に通じる もちろん魔術にも   作:羊の執事さん

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初めての戦闘②

 

「人、殺しちゃったな」

 

 人を…殺したその事実は俺を最悪な気分にするには十分だった

 

 相手が殺そうとしてきた、確実に殺さないと後から殺されるのは分かりきってきた

 

 いくらでも言い訳は出来るがそれでも気分は良くならなかった

 

 それでも、体は代行者の仲間を殺すために一切の澱みもなく動いている

 

 もし彼らが自身の仲間を殺られたと知ったら俺に対して追っ手を放つだろう、あのレベルの人外級人間が所属する組織だ、顔を見られているすぐに見つかってしまうと思う、だから私を見た人を皆んな殺して

 

 正体不明の何者かに殺られたって事にするしかない

 

 そうしなければいけないのだ

 

 そうしなければ私が死ぬ

 

 幸いにも事は上手く運びそうだ代行者2名は魔術師と戦闘中、魔術師の方はこの前殺られた奴の息子だと思う、顔つきがどことなく似ている

 

 魔術師の実力は結構あるみたいで、場所が障害物のほとんどない一本道ってのもあるだろうが代行者2人相手に有利に立ってる

 

 白兵戦主体の彼らにとって逃げ場の少ない場所での遠距離戦は厳しいようだ

 

 だけど魔術師の顔に疲れが出てきてる、戦闘のプロって訳じゃないみたい、強いことには強いけど戦いその物には慣れてないようだ

 

 対して代行者の方はまだ余裕がある感じ、魔術師の息が切れた瞬間を虎視眈々と狙ってる感じかな

 

 このままだとどっかで代行者がこの盤面をひっくり返して魔術師を殺すだろう、それだと都合が悪い、だからさっき殺した奴から剥ぎ取ったナイフや服を使って奴らを騙して殺す

 

 

 影になる場所に剥ぎ取った服を着て魔法絡みを隠す様に隠れほかの仲間に喋りかける

 

 服がぶかぶかで違和感があるが、影になってるから気づかれることはないだろう、声は声帯模写で奴の声を真似るから問題なし

 

 

「状況は?」

 

「戻ってきてたのか、状況は悪くないってとこだ、野郎自分の体力を一切考えないで魔術をバカスカ打ってるからそのうち息切れするだろう、そうなったら合図を送るからフラッシュで目くらましをしながら突撃する」

 

「了解」

 

「ちっ、追加が来たか、だが君達がいくらむらがろうと無意味だ、君達は既に僕の必殺の間合いに居るのだから、逃げる事も移動することすら許さん」

 

 魔術師の攻撃がさらに激しくなる、あれだけ魔術を使っておきながらまだ増やす事が出来るとは、だけどおかげで代行者の目が完全に魔術師に向いた、おかげで後は待つだけになったね

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「行くぞ」

 

 

 空間を食い尽くす様に広がる閃光

 

 それと同時に魔術師に向かって走り出す代行者

 

 魔術師は咄嗟に魔術を放ち迎撃を試みるが、目をやられた状態での攻撃など普通なら代行者に当たるはずもない

 

 そう、普通ならね

 

 パチン!

 

 急に動きの止まる代行者達、そうしてその間を縫って走る小さな影

 

 影が代行者をすぎる頃には魔術師の魔術により代行者達は死に絶え、まだ視界が回復していない魔術師は視界が回復する前に首を掻っ切られて死亡した

 

「上手くいったね」

 

 代行者2人と魔術師の殺害完了、あとは死体の処理をするだけ

 

 貰えるものは全部貰って私が殺したと死体を見ただけではわからないようにすればいいかな

 

 本来物を取るのは私が犯人だとバレる可能性があるがここはスラムだ死んだ人間からものを取る奴なんていくらでもいるからバレることはない

 

 「よしじゃあ始めますか」

 

 今日も眠れなさそうだな

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