ホームレスウマ娘が龍が如く成り上がる話 作:マンハッタンcafeの店員
これは記憶がない理由もあるのですが自分がまだ定まっていないという意味でもあります。
「うおおおおおおっ!」
翌日、あたしはナンバさんにカンさんという人を紹介して貰い。缶拾いについての説明を受けた。
要約すると
・缶をひたすら集めてカンさんの所に持っていけばエコPtが貰える
・まとめて缶は渡した方がPtは多く貰える
・一定数集めるとログインボーナス(って言ってたけどどちらかというとミッションボーナスだと思う)で追加でエコPtが貰える。
・缶集め中は他のやつからの攻撃に注意
・現金と引き換えるより物と交換した方がお得
って感じ。
攻撃ってなんぞ? ってことだけど。
「缶を寄越せぇぇぇ!」
「おおっと!!」
自転車があたし目掛けて突っ込んで来たのでヒラリとかわす。ついでに後ろに積んである缶をいくつか頂戴した。
このように他の缶集めしてる人が缶を奪おうと突っ込んで来るのだ。普通に危ないのだが彼らも生きることに必死なのだろう。あたしはウマ娘なので籠を借りて缶を集めている。自転車よりも量は減るがこっちの方が速いし意外とトレーニングのようなことも出来ていい。
あー、レース走りたいなぁ。缶拾いを始めてから障害物の避け方とかパワーとかついた気がする。
そんなことを思いながらも本日の分の缶集めを終わらせた。
「はいっと、よろしくカンさん」
「こりゃまた集めたな。えーっと...今回はこんな感じだな」
カンさんがカードを機械に差し込むとジジッと音がしてPtが書き込まれたカードが出てくる。うーん、無駄にハイテク。
カンさんはホームレスではなく、とある廃品回収所の人らしくホームレスなどもある程度生きられるように始めたのがこの空き缶拾いだそうだ。最初は金属類とかもやってたそうだけど盗んだり勝手にそこらの物を分解して持ってくるやつもいたから空き缶のみになったとか。
「5万Pt...!」
「一日でよくそれだけ集めたな、ウマ娘がやるのは始めてだがここまでとは」
「遠くまでいけるのもいいですね。あと家の人から貰えたり」
缶を集めて走っていると袋を担いだ辛そうな少女とあったので代わりに貰ったり、ゴミ捨てに行ってる人からよかったらと渡されたりするのだ。カンさんのことは知られてるしこればかりはウマ娘の容姿に感謝である。
「ほう、そういう手もあるのか。まぁいい、何か交換するか?」
とリストを出してくれた。うーん凄いなこの品揃え。
調味料に食材、ホームレス向けに割安の廃棄弁当に酒や服。貴金属に現金まである。
まぁエコPtで払うから桁もそこそこ、10円が300Ptなことからも分かる。廃棄弁当は1200Ptなど物と交換した方がいいのは確かだ。現金なら1500円ぐらいまで交換できるが流石にしない。というか高そうな腕時計5000万Ptとかある。なんであるのさ。
「これとこれと...あとこのカップ酒二つ」
調味料と安い食材をいくつか。それとカップ酒を頼むとカンさんの目が細められる。
「...未成年飲酒はおすすめしねぇぞ」
「違いますって、料理酒がないからその代わりとナンバさん用です」
「料理酒か、そうか買うやついないから忘れていたよ。次回までには入れておく」
まぁ、ここに来る人は飲むようの酒しか買わないだろうからね。
「ナンバに何かされそうになったら言えよー」っとカンさんからの言葉に苦笑しながら帰路に着く、拠点ではちょうどナンバさんも帰ってきたようでバケツと手製の釣りざおを持って上機嫌だ、どうやら大漁だったみたい。
「おう、お帰り。見ろよ大漁だぜ」
「そっちもお帰り~、こっちも色々買えたよ」
カップ酒を一つ渡すと喜んでくれた。中々買えねぇんだよなと、そりゃ3500Ptもするなら中々買えないよね。
あたしは早速釣ってきた魚を捌きもう一つのカップ酒を下ろした魚の切り身を入れた鍋に注ぐ。後ろからもったいねーと声が聞こえるがいいじゃないか! あたしだって泥臭くない料理をたまには食べたいのだ!
しばらく漬けた後、塩コショウをして。そのあと道中山で取った山椒やヨモギとかをぶちこんでフキの葉で包んで焚火の中にぶち込む、しばらくすればハーブの包み焼きもどきの完成である。
火を囲みながらナンバさんと食事。普通に焼いた魚もあるのでそっちから食べる、うーん慣れたけど絶妙な泥臭さ。
「イチバン、ちょっとしっぽの所を折って俺にくれねぇか?」
「?」
言われた通りに魚のしっぽを折りナンバさんに渡すとナンバさんはそのしっぽをカップ酒の中に入れて飲んだ。
「これがホームレス流のヒレ酒だ、意外といけるぞ」
「貧乏くさーい」
「実際貧乏なんだからしゃあねぇだろ」
そんな話をしているとふと思った、そういえばナンバさんのこと全然知らないなと。
「ナンバさんって今まで何してたの? 多分だけど何かしててホームレスになったんだよね」
そういうと微妙に苦い顔をしてうーんと悩みこむ、聞いちゃいけないことだったかな…。
そのままやっぱいいと言おうとしたらナンバさんはふつふつと話し出す。
「あー、俺はな。元々トレーナーだったんだ」
「トレーナーって…ウマ娘の?」
「あぁ、しかも中央トレセンのな」
「じゃあエリートなんだ! えっ? だったらなんで…?」
ナンバさんは酒を一口傾けると懐かしむように語りだした。
俺は中央トレセン学園に入ったはいいものの個人契約は流石に無理だろうと大手のトレーナーの元へサブトレーナーとして入った。サブトレーナーとしての生活は学ぶことも多く指導力をめきめきと上げ、ある程度経った後。一人のウマ娘を託された。
彼女はトリプルティアラを目指しており、彼女の素質も高くトレーニングをしていくことでレースにも順調に勝利していった。桜花賞、オークス。この二つも一着を取り残るは数か月後にある秋華賞のみ。俺達は期間もあるからとトレーニングと一緒に似た条件のレースを走ることにしたんだ。シニア級もいるがレースの感覚を掴むだけでいいと。これが大きな間違いだった。
レース結果は上手く調子を掴めずに敗北、4着とはいったものの掴んだものはあった。このままトレーニングをすれば間違いなくトリプルティアラは取れると確信していた。俺はな。
彼女は掲示板にこそ載ったが1着と3着に同じクラシック級の子がいてな。そりゃもう落ち込んだ、それをトレーニングにぶつけ毎日毎日オーバーワーク。俺も必死に止めて無理やり休ませて…そりゃ喧嘩になったさ、それからはオーバーワークをしないように目を光らせていた。
そしてある日、俺は別の所に2~3日ほど出張する用事があってな。その時は焦ったさ、あいつがオーバーワークして足を痛めたらどうするかって。他のトレーナーや仲のいいウマ娘に止めて貰うように頼んで俺は出張へと向かった。
…まぁ、結果は分かるだろ?
あいつは他のやつらの目を盗みオーバーワーク、その結果。二度と走れなくなるレベルの怪我をした。
出張先から電話が来た時は仕事全部放り出して病院へと向かって。病室に着いた時、あいつは泣きながら俺にずっと謝ってたよ。正直、俺のことはどうでもよかった。問題はあいつが二度と走れないレベルの怪我を負ったことに呆然としていた。しばらくどうすればいいか分からなくなってたよ。
医者にも何度も治せないか聞いたが今出来る治療では不可能だと断言された。それでも俺は諦めきれずに色々なことを調べた。手術に笹針、薬に温泉。挙げ句に黒魔術とかも調べてたなぁ。そんな中、一人の医者からとある情報を貰った。
『日本では認可されてない治療がある。もしかしたら海外にあるかもしれない』
俺は大急ぎで海外の治療法を調べあげたよ、弟の力も借りてな。...あ? あぁ、俺弟がいんだよ。今はウマ娘の記者をしてる。結婚もしたしあんまり迷惑はかけたくないから連絡は断ってるけどな。それでだ、俺はようやく治療法を見つけた。成功率も高く海外では問題なく治療出来ると、俺は急いでアポを取ったさ。問題は金額だ。
アホみたいに高かったのさ、それこそ下手すりゃ何十年も生活出来るほど。そして俺の資産を見てみた、あん時は三女神がそうしろって言ってると思ったよ。
手術費やその他諸々かかる金と俺の総資産がピッタリと一致したんだ。あいつも払うと言ったが俺はそれを断りあいつを海外へと送った。俺の責任だと思ったしな、そして俺は自らの監督不行届を理由に理事長へと離職届を提出した。理事長も秘書も引き留めてくれたが俺は自分が許せなかった。結果、金も家もなくなった俺は生きるためにホームレス生活って訳さ。
「...そんなに面白い話でも、っておおぅ!?」
ナンバがイチバンに視線を戻すとイチバンは滝のような涙を流していた。もう号泣である。
イチバンは涙をぐしぐしと擦るとナンバへと向かって熱く叫ぶ。
「ナンバさん゙! あんた凄いよ! 自分からそういうことが出来るなんて…」
「おいおい大げさだろ…」
イチバンは立ち上がるときりっとした顔で叫ぶ。
「決めたぜ! あたしの夢!」
「夢って…勇者とかってやつか?」
「違う…あたしはトレセン学園に入学する! そしてナンバさん!」
イチバンはナンバの顔を見るとサムズアップを送る。
「ナンバさんをトレーナーにして、クラシック三冠を取るぜ! そして今度は本物のヒレ酒ってやつを味合わせてやるよ!」
イチバンはそう高らかに宣言した。
というわけで目標設定です。
ホームレス編はあと数話してトレセン編とかその辺を作るために間とか
龍が如くみたいに断章とかも書いてみたいですね。
あとは龍が如くで一番がイチバンの馬主になるとかアプリに実装された時の掲示板とか。
ほどよく龍が如く要素を入れながら頑張ります。
ただ醍醐味である喧嘩とかヤクザとかの要素はかなり薄目にします。
どのぐらい薄いかというとハン・ジュンギ(7)がテレビに出てるぐらいです。
【ハルノヒイチバンのヒミツ①】
実は、いい感じの棒を見つけるとつい手に取ってしまう。