中ボス悪役令息くん、度重なるループの末に悪役『令嬢ちゃん』に至る   作:TS幼馴染は必ず勝つ党第809代党首

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interは本編外の、いわゆるおまけ要素です
読み飛ばしても問題ありません


Inter1 『エディリハリア讃歌』について-ある研究者の手記より-

 

 

 ──我らの国は救世の国。

 焔の英雄、百花の賢者、翼の聖女が我らを導く。

 三つの柱が業魔を祓い、加護を翳した無二の国。

 世界を救った英雄が、選びし王が統べる国。

 ああ、アシャナの大地のいずこにも、エディリハリアに勝るはなし。

 アシャナの空のいずこにも、エディリハリアに及ぶはなし。

(エディリハリア讃歌より)

 

 

 

 ……リトグラト公爵家が百花(enForiLle(エンフォーリレ))という称号と名誉をエディリハリア王家より受けたのは、ナルザス大図書館に保管された史料を読み解けば一目瞭然のことではあるが、4代目当主ロゥグハト・リトグラト・レゥの代である。彼とその子どもたちの美貌は周辺諸国にも伝承が多く残っており、百の花が咲き誇るように美しいと当時の国王が寵愛されたのもまた、当然の帰結であったのかもしれない。

 話を元に戻そう。我が国における最も古い民謡のひとつである『エディリハリア讃歌』の誕生は、少なくともリトグラト公爵家を2代目ロアハルク・リトグラト・ロゥが世襲した頃である、という説が有力だ。

その為、ここでの「百花」はその叡智を称える百科(eNfoRilie(エヌフォリーリィ))が口伝されていくうちに変じたものか、あるいは4代目が称号の下賜を受けたことによる影響から後世に伝わるうちに変化したものだと類推されているが、どちらの説を裏付ける証拠もまた存在せず、定かではない、とされてきた。

私は今回、この変遷について張本人とも言えるリトグラト公爵家の父祖ロゥク・ルゥ・リトグラト氏に話を聞くことを試みたのだが、残念なことに失敗に終わってしまった。

と、いうのも氏は隠遁生活に入られてすでに長く、リトグラト公爵家によれば、いまだ健在ではいらっしゃるものの、エディリハリアの国土を守ることにこそ重きを置かれているため、世俗との関わりを取り戻される予定はない、ということなのである。かの三英雄のおひとりにお会いすることが叶わなかったのは、我が人生において大きな不幸の一つと言えよう。

しかし、収穫もあった。なんと2代目当主の手記が保管されており、その写しを特別にお譲りいただけることになったのである。

叡智の保管庫とも呼び声高いリトグラト公爵家らしいお申し出であった。この手記の解読により、いまだ謎の多い讃歌の研究が少しでも捗ればよいのだが……。

 さて、この讃歌において、かの時代でも一般的ではなかったはずの《神の去った》という意味を持つアシャナ(AsyEna)という単語が使用されていることについてもまた、研究者の間では長く議論が交わされてきたが私は……

 

 

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