俺は遠くから尊いを眺めていたいんだよ!組み込むんじゃねぇ!~ゴッドイーター世界に転生したからゴッドイーターになって遠くから極東支部尊いしたかったのにみんな率先して関わってきて困る~   作:三流二式

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今回は薄味気味ですが、それは次のお話の味付けがとんでもなく濃くなる前振りみたいなもんです。


帝王様にも二種類あるけど、一纏めにするのはどうなんだい!

 何とかウロヴォロスの奴を倒し、コアを引っこ抜いて帰ってたおいらは、傷が治りこそしたけど痛みがまだ体に残っており、その事をシックザール支部長に言ったら今日はもう終わりで良いよと非常にそっけなく言い渡され、不貞腐れて寝た。

 

 

 それにしても痛みを引き摺るなんて初めての事だった。何せどれだけ傷を負おうが帰還準備が終わったあたりにはもうすっかり治っていたから、何だか新鮮な気分になった。

 寝っ転がったまま頭の上で腕を組んでずきずきする体の感覚を味わいながら天井を眺めていたら、気が付けば寝ていた。

 

 

 次の日、完全回復した俺は支部長に榊博士のラボへと連れてこられて検査をさせられた。

 何だ何だと困惑しながら、榊博士と支部長が仲睦まじくあーだこーだ言い合う姿に心ときめかせながらおいらはされるがままになっていた。

 

 

 で、検査が終わって体調に何の問題も無い事が分かるとラボから出てって良いとモニターとにらめっこする榊博士から言い渡され、俺は頭の中で疑問符を浮かべながらエレベーターに乗り込んだ。また検査の説明の際にしきりに君は人間だと榊博士は連呼していたけど、まあシオちゃんの事調べまくっていたから比べる対象が欲しかったんだろうね。

 

 

 なんてことを考えながらエントランスをうろついてると、ツバキさんに声をかけられた。

 何でもリンドウさんの腕輪の反応が鎮魂の廃寺あたりで確認されたとの情報が! 

 

 

 なんと! それは朗報! 

 

 

 そういう訳で俺は第一部隊の面々を引き連れて、()()()()()()()()()()()()()()第二種接触禁忌アラガミだから討伐しなきゃいけない『プリティヴィ・マータ』をやっつけに鎮魂の廃寺へ我、突入ス! (# ゚Д゚)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤツケタ。

 

 

 でもハズレでした。

 腹の中を掻っ捌いて覗き込んでみるも、腕輪も神機も愛も勇気も女王氷鎧も出てこなかった。知ってた。(´・ω・`)

 

 

「あった?」

 

 

 コウタ君に俺は首を横に振った。

 

 

「無いわね……」

「最近の踏査隊、いい加減すぎます!」

 

 

 腕輪が無かった事でサクヤさんは落胆の声を上げ、アリサさんは苛立たしげに語気を荒げた。

 

 

「まあまあ……、到着前に逃げちゃったかもしれないし……」

 

 

 アリサさんを戒めるコウタ君だが、その顔は隠しようもなく落胆していた。

 

 

 と、そこで彼らの疑問に答えるかのように近くで咆哮が聞こえた。

 俺たちは声の方向へと駆け出し、そしてその声の主である黒いヴァジュラ神属のアラガミを見上げた。

 

 

『天なる父祖』! 天なる父祖じゃないか! やったぜ! どっちのピターが来るかひやひやしてたけど、こっちで良かったぜ! 

 

 

 簡単に言うと、無印からレイジバーストまでのディアウス・ピタ―と、リザレクション以降の捏造ピターがいて、リザレクションでリンドウさんを襲ったのは後者の捏造ピターなのだ。ふざけんあ! 

 で、わしが天なる父祖と言った無印ピターはクリア後のおまけに格下げされていた。リザレクションに俺が抱いている不満の一つだったりする。(もう一つはアリウス・ノーヴァ、お前だ!!!)

 

 

 ディアウス・ピタ―(正)は高台の上におり、俺たちを見下すように睨めつけていた。

 

 

 その視線がうぜーし、どうせ殺さないと話進まないから、サクヤさんが決め台詞を言い終わらないうちに俺は奴に向けて神機を思い切り振った。

 

 

 ザンッと派手な音を立てて()()()()()()()()()()()()。けれどもやっぱり距離がある事と、別に何か特別な力を籠めたとかじゃないから殺しきる事は出来なかった。

 でも情けない悲鳴を上げて反対方向に転げ落ちていった奴の姿を収めることが出来たから、僕、満足! 

 

 

 分かってたけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ソニックキャリバーが使えればこの距離からでも殺せ……殺……うん、無理! 

 

 

「か、カカシ君、い、今の、何……?」

 

 

 ただの遠当てだよー。だから殺しきれなくてスンマセ! ていう思いを込めて謝ったけど、サクヤさんの反応は芳しくなかった。当り前だよなぁ? やるんなら殺し切れって話だもんね。出過ぎた真似をして申し訳ナス! 

 何か知らんが引いてたコウタ君とアリサさんに尊ゲージを上げつつ、我ら第一部隊は鎮魂の廃寺から撤収した。

 

 

 その後タツミさんら防衛班の方たちと交流を深めつつ、防衛班が煉獄の地下街に追い込んだヴァジュラとかを()()()()()にしたり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、家族が無事であったことに安堵するコウタ君を慰めながら日々を過ごしていたら、ついにその日がやって来た。

 

 

「リンドウの腕輪信号が、また確認された様だ。恐らく先日撃退したアラガミと似たタイプのものだろう」

 

 

 出撃ゲート前でブリーフィングのために集められた俺たちに、ツバキさんはそう言った。

 

 

「前と同様、私情を捨てて冷静に任務をこなせ……良いな?」

 

 

 繰り返し念を押すツバキさんに俺たちは頷き、いざ決戦の地である贖罪の街へ! 

 

 

 マータうぜー! マータうぜー! 前座に用はねぇんだよ! オラ、ピター出せ! ゲシゲシ

 

 

 発見と同時に吠えて威嚇する癖を利用し、俺は急接近して口を閉じる前に銃形態にした神機の銃身を口内へねじ込んだ。

 ふがふがとマータ*1が口を閉じる前に引き金を引き、体内から爆破して頭だけにしてやったぜ! 

 

 

「おい隊長だからって先行しすぎるn……終わってる……」

 

 

 イカしたヴォイスが聞こえたから後ろを見ると、後から駆けつけてきたソーマ君が唖然*2とした面持ちで俺を見ていた。その後から息を切らしてくるコータ君、アリサさん、サクヤさんも俺を見るなり同じような顔になった。変なのー。

 

 

 ピターが来るまでまだ時間があったから、俺たちは集まって軽く作戦会議を始め、ピターが来るまでもう間もなくとヒバリさんからの通信を聞き、俺たちは持ち場に着いた。

 

 

「ギャオー!」

 

 

 咆哮とともに、ディアウス・ピターは姿を現した。段差上になっている建物の上に降り立ち、そして彼は目の前に俺たちが仕掛けた罠たっぷりのプリティヴィ・マータの死骸(エサ)に釘付けになった。

 

 

 周囲に敵がいないのを確認し、ディアウス・ピターは歓喜の咆哮を上げて餌にむしゃぶりついた。

 

 

 途端にベノム、封神、ホールドの状態異常に見舞われたディアウス・ピタ―。

 

 

 

「やーい拾い食いして食あたりになってやんのー!」

「食い意地張っているからそうなるんです!」

「遠慮しないでたくさん食べてね! あの人の分まで!」

 

 

 状態異常に晒され、身動きの出来なくなったディアウス・ピターの顔面にコウタ君、アリサさん、サクヤさんが各々罵りながら集中砲火を浴びせた。

 更にその隙に近づいていたソーマ君が、最大火力のチャージクラッシュを叩きつけた。

 

 

 そしてダメ押しに上空にいたおいらが捕食形態の神機の顎を大きく開けて急降下。撃ち方が止まり、満身創痍のディアウス・ピターの首筋に噛みつかせ、地面に叩きつけた。

 

 

 悲鳴を上げるディアウス・ピタ―に止めの一撃と、俺は眉間に呪刀をねじ込んだ。

 ディアウス・ピタ―はがっくりとその場に崩れ落ちた。

 

 

『ディアウス・ピタ―の反応の消失を確認! やりましたね! カカシさん、さっそく確認を!』

 

 

 勿論そのつもりだ。

 

 

 呪刀を引き抜いて刀身の血を払い、ぴょんぴょん跳ねて皆に終わった事を伝えた。

 

 

 コウタ君、サクヤさん、アリサさん、チャージクラッシュを食らわせてすぐさま離脱したソーマ君がゆっくりと向かって来る。

 このままゲームのイベントのように、倒れ伏したディアウス・ピタ―の腹からリンドウさんの神機と腕輪を見つけ、本編は一気にクライマックスへと進行する。

 

 

 俺はこの時、この後サクヤさんへのフォローをどうしようかとそれしか頭に無かった。もう終わったと思った。

 反応が消えていると言われたから。オラクルを感じなかったから。言い訳はいくらだって言える。

 

 

 ともあれ、様々な理由から、俺は気づくのが遅れた。

 向かって来る皆の顔が険しくなり、吠えるように後ろだという声を聴いて、やっと俺は背後で身動ぎする者の存在に気が付いた。

 

 

 感じたのは強烈な憤怒と憎悪。平原の覇者から感じたものと全く同じものが、俺の真後ろ。息がかかるほんの近くから。

 振り向こうと、体を動かす前に、俺の胸を、死神の鎌が貫いた。

 

 

 鮮血が宙を舞い、誰かの悲鳴が空を舞う。

 

 

 誰の声だろうと、頭を働かせるも、意識が急速に薄れてゆく。

 

 

 背後で、死神の声が轟き、視界がブレ、気が付くと、俺は建物の壁にめり込んでいた。

 

 

 全身を衝撃が走り、意識やたやすく闇の中へと沈んでいった。

 

 

 意識が消える、その時に、頭の片隅で、首輪が外れる音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
目の前で見るとホントキモイなこいつ

*2
宇宙猫




次回は他者視点で―す。
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