俺は遠くから尊いを眺めていたいんだよ!組み込むんじゃねぇ!~ゴッドイーター世界に転生したからゴッドイーターになって遠くから極東支部尊いしたかったのにみんな率先して関わってきて困る~ 作:三流二式
サクヤさんとリンドウさんのグボロ・グボロ討伐のミッションに同行して、頭を噛み千切って殺し、乱入してきたコンゴウに零距離でインパルスエッジを叩き込みまくってドン引きされたのは、まぁ、そこまで重要な事じゃない。
少し夢中になって撃ち込みすぎて、何発かカウンターを食らって内臓が破裂して血を吐いてドン引きされたのも重要ではない。
今回の任務で重要だったのはですね……。
リンドウさんとサクヤさんのイチャイチャを間近で見られたことなんですYO!
ワタクシ彼らの会話を遮りたくなくて後方で少し離れた距離で二人についていたのです。
その甲斐あって、彼らは俺の存在を忘れたみたいに滅茶苦茶リラックスした状態で会話し始めるじゃないですか!
「神機使いは……すごい人ほど早死にするから……」
「ってことは、俺はまだまだってことか」
「もう、ばか……、相変わらず重役出勤ね」
「重役だからな……」
「ふふ……、そうね」
あ゛ぁ゛~!!! (絶頂)
「今日の相手はグボロ・グボロか……うし、ちゃちゃっと終わらせて帰るぞ」
「せっかくの機会なんだし、もう少し上官らしいことでも言ったら?」(含み笑いをしつつ)
「そういうの苦手なんだがなぁ~……まぁ考えとくわ」
「できればやる気が出そうなのをお願いね?」
あ゛ぁ゛~!!!! (爆発)
「アラガミとの戦いは習うより慣れろだ」
「死なない程度に、ね?」
「そうそれだ! サクヤ君それだよ、俺が言いたかったのは!」
「はいはい、もちろん分かっていますよ。上官殿」
あ゛ぁ゛~!!!!! (昇天)
お前ら分かってて言ってるだろ? 俺がこうなるの分かっててイチャイチャを見せつけてるんだろ?
最高です! (感泣)
この時の俺は二人のイチャイチャを見せつけられ、過去最高のテンションだった。
だから戦い方も控えめな普段よりもやや過激な方向へシフトしていた。
グボロ・グボロを見つけた瞬間接近して砲塔を噛み千切ってバーストし、突然の事で叫ぶしかできないグボたんの口にスタングレネードを放り込んで射撃。
下顎を吹き飛ばしてあたふたしているグボたんの頭に乗って残った方の頭に神機を噛ませ、捻るように降りながら噛み千切った。
と、そこでいつの間にいたのだろうか? コンゴウが2体ほど乱入してきて、その内の一体が俺に向かって飛鳥文化アタックで突っ込んできているじゃありませんか。
もしここでリンドウさんが注意喚起を叫んでいなかったら、俺はもろに食らって怪我をしていたかもしれない。
俺は飛鳥文化アタックをジャスガで受け止め、受け止められて驚いてるコンゴウの顔面にインパルスエッジを叩き込んで仰向けに転倒させた。
そして俺はコンゴウちゃんの腹に乗り、お腹に向かってインパルスエッジを無茶苦茶に叩き込みまくった。
カカシ! 気合! いれて! いきます!
まああまりにも考え無しにぶっ放しまくったせいか、後神機が育ってないのもあってか普通に反撃食らっちゃったのよね。
マウント取られて腰の入ってないフックだったけど、それでも腐っても中型アラガミの攻撃。骨は折れるわ内臓が爆ぜるわでもう散々。
でもそんなの気になりませんよ。だって俺二人のイチャイチャでとっても幸せなんだも~ん!
痛みより尊しが勝っていたから全然ダメージにならねぇぜ!
華麗なる連携で俺なんかよりも早くコンゴウの討伐に成功した二人にやや遅れて、俺もコンゴウを仕留めることが出来た。
めっちゃ口元を血で汚した俺を二人はまるで自分の事の様に心配してくれて、俺は本日二度目の昇天を味わったのは、まあ仕方のない事だと思う。
任務の帰り、二人は身を寄せ合って、時折俺の事を振り返りながらこそこそ話をしていたけど、やはり行きの時にオープンにイチャついてたのが恥ずかしかったのだろうか?
こそこそイチャイチャも良いが、やはり俺はオープンにイチャつてるのを見るのが好きなので、できれば行きみたいに自然に振舞って欲しかったなぁ~。
で、次の日の任務で俺は第一部隊の面々でコンゴウとコンゴウが引き連れた小型アラガミの群れの掃討をすることになった。
リンドウさんは『デート』(支部長からの直々の依頼の隠語……後に俺がやらされる羽目になる奴)で不在のため、サクヤさんの指揮の元俺たちは贖罪の街へ。
別れる際の会話で一切入り込めず、なんだかハブられているみたいでこの世の終わりみたいな顔をしてる俺に水を向けてくれるリンドウさんはたぶん神様かなんかだと思う。
その後リンドウさんが任務に同行しない理由を知らないコウタ君が彼に疑問の言葉を投げる際に、私理解してますよ風な顔が出来たのは、なかなか良い体験だった。
何つう顔してんだこいつという視線をひしひしと感じながら、俺はリンドウさんの話が終わるまでにこにこと黙っていた。
リンドウさんが去ってから任務開始の早々に飛び立とうとする俺に釘をさすサクヤさんに付き従い、短いブリーフィングの後、ようやく散開して任務開始。
俺に任された役は群れの中心であるコンゴウの足止めだ。
と言っても、二体同時ならいざ知らず、一対一ならコンゴウというアラガミは大して強くない。
小型アラガミを掃討し終え、コウタ君たちが合流し終える頃には俺はとっくにコンゴウを討伐していて、何なら一服していたくらいだった。
煙草を吸う俺を、大層意外そうにみんなは見てきたけど、放浪の最中のストレスのはけ口がこれくらいしかなかったと伝えたら納得してもらえた。
でも帰り際に、昨日みたいに皆が肩を寄せ集めてこそこそ話をしていたのは何だったのだろうか?
理由を聞いてみたいけど、第一部隊の皆が仲睦まじくお話をしている姿を後方から眺められるという大変美味しいポジションにいる事に気づいた俺は、何もすることなくそのままにこにこと彼らのこそこそ話を後ろから見つめていた。
任務から帰投し、アナグラに戻っていると、エントランス上階にある出撃口の真ん前にあるソファーにリンドウさんがふんぞり返って俺たちを待っていた。
「先に帰ってたのね」
ツカツカと近寄るサクヤさんに続き、俺たちも彼に近寄って行った。
「ああ、何とか早めに切り上げられた。そっちはどうだ?」
「ご命令に従って『いつも通り』だ」
ソーマ君は目も合わせずにぼそりと言った。
「そうね。任務は滞りないし、人も欠けて無いわ」
そう言いながら、サクヤさんは俺の方にちらりと目を向けた。
「
「お前そんなに役に立ってたか?」
嬉々として報告をするコウタ君に、ソーマ君は辛辣な一言を浴びせる。
「なっ!!?」
コウタ君は呻き声を上げてがっくりと項垂れた。サクヤさんはそんなコウタ君に笑いながらそんな事ないとフォローを入れ、瞬く間に復活したコウタ君にまた一つ笑いを零した。
「そうか、これならこっちももう少しデートの回数を増やしてもよさそうだな」
「……」
「……」
「……」
「まず俺に女の子を紹介するのが先じゃないッすかね?」
『デート』の事を少なからずを知っている俺、サクヤさん、ソーマ君はリンドウさんの顔を無言で見つめていたが、事情を知らぬコウタ君は額面通り受け止めており、そのデート相手を紹介してくれとリンドウさんに詰め寄った。
が、リンドウさんは大人の対応でこれを華麗に受け流す。
「えぇー、良いじゃんケチー」
「……ふっ、お前がいっぱしの神機使いになったら教えてやるよ」
そう言ってリンドウさんがコウタ君の頭をわしゃわしゃと撫でまわしていると、放送が響き渡った。
『業務連絡、本日第七部隊がウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術部員は第五開発室に集合してください』
「ウロヴォロス!? どこのチームが仕留めたんだ!?」
「ワースゴーイ!」
「しかもコア剥離成功かよ……ボーナスすげぇんだろうな」
放送の内容は『ウロヴォロス』のコア手に入ったから技術屋はよ来い、という内容だった。
ウロヴォロスは超大型アラガミで、触手うねうね、複眼ぴかぴかで大変キモイ。
しかしデカさの割に動きがのろい、触手が切断属性にすこぶる弱いのでぶっちゃけ鴨。ロング使いのワタクシには体力の多いオウガテイルと大差なかったりする。食らえ昇り飛竜!
でもそれはゲームだけの話で、現実である今ではコンゴウの右フックで内臓が一発で弾けちゃうのだから、多分実際に相手する事になったら俺なんて一発でぺちゃんこであろう。
そしてそんなのが仕留められたという事もあって、アナグラ内では驚嘆の声やたかりの声がそこかしこで上がっていた。
「ウロヴォロス……って何? 強いの?」
と、まだ新人な事もあって知らない事も多いコウタ君は頭上にはてなマークを浮かべて疑問の声口にした。
「ターミナルを調べりゃ出てくる。たまには自分で調べてみろ」
と、ソーマ君はにべもなく言った。
しかしソーマ君よ。それで辛辣に振舞ったつもりかもしれんが、調べればわかるという事を教えてくれる時点で、素の優しさというものが滲み出ているんですぜ?
無意識の優しさ……尊し!
「そうね……今の私達4人じゃ、まだ無理じゃないかな」
と今度は俺の事を凝視しながらサクヤさんが言った。
「マジでええええ!? このメンツでも?」
コウタ君も俺を凝視しながら、驚きの声を上げる。
「1人2人は死人が出るだろ」
ソーマ君までが俺を凝視しながら言った。
「まあアレだ、生き延びていればそのうち倒せるだろ……。今は余計な事を考えず、とにかく死なない事だけを考えろ」
「その台詞、いい加減聞き飽きたぜ……」
リンドウさんのポジティブシンキング溢れる言葉に、ソーマ君はうんざり気味に吐き捨てた。
「……あぁ、
リンドウさんは手間のかかる子供を見るような少し困ったような笑みを浮かべながら、ソーマ君に対して釘を刺した。
しかし2人? 一人はソーマ君だとして、もう一人は誰だ? コウタ君? サクヤさん?
俺がうんうん唸って考えていると、いつの間にかお開きになっていたようで、気が付くとみんなどこかへと行っていた。
もしかして俺、ハブられてる?
そんな疑問が沸き上がり、悲しい気持ちになって自室へと向かい、不貞腐れた様に、寝た。
で、次の日リンドウさんに呼び出され彼の自室へと向かうと、何と近々新型神機使いがここに配備されるとの情報が!
まじかーもうかー。
リンドウさんに新しく来る新型神機使いの痴女を支部長がどう言っていたかを教えてくれるように頼みを仰せつかった俺は、了承して再びエントランスへ。
そしてヒバリさんから『シユウ』の討伐任務が本来はリンドウさんを除いた第一部隊で受けるはずだったが、贖罪の街でコンゴウとグボロ・グボロが同時に出現したため、俺を除く第一部隊で受け持つことになったと伝えられた。
あらそう、と俺はそれでもかまわない事を彼女に伝えると任務を受注し、いざ『煉獄の地下街』へ!
煉獄の地下街はマグマが湧き出る嘗ての地下街跡で、ケロイド上のアラガミの残骸が壁面を覆い、そしてマグマが湧き出ているわけだから滅茶苦茶熱い。
そんな中で初見のアラガミであるシユウ先生を討伐せよという訳なのだが、ぶっちゃけ特筆する事なし!
だって隙を見てインパルスエッジ叩き込むか、隙が無い時は下半身に放射系か爆発系バレット撃ち込むだけだし。
一回だけミスって突進を避け損ねて撥ね飛ばされて壁に叩きつけられたけど、言う事と言えばそれ位で、後は暑すぎて汗でびっちょりになって不快だったことしか言うことがないです。はい。
素材もいいのが出ないわ汗で不快だわでとてつもない不機嫌状態でアナグラへと帰還した俺だが、エントランスに入った途端そんな気持ちなど吹き飛ばされる事態に直面した。
丁度そこにはいつものメンバーが揃っており、ツバキさんの横には見慣れない女の人が立っていた。
そしてその姿を見るなり、俺は心の中で叫んだ。
(うわぁぁああああああああああ痴女だぁぁあアアアア!!!)
アリサさんを前にした俺は脳内で3度目の絶叫を上げた。(2度目はサクヤさん)
やっと出せた。