誰もが思ったはずの「ややこしいわ」から妄想を膨らませてみた

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魔術教授 セルブス・スネイプ

吾輩は魔術教授セルブス・スネイプ…ではなかった、セブルス・スネイプ、ホグワーツ魔法魔術学校の教諭である。

趣味は魔法薬の研究と、まぁ、ちょっとした傀儡作りだ。

あの日、あの無学の褪せ人が吾輩の素晴らしい助言によりノクローンの秘宝を手にし、我が主、ラニの悲願を叶えたあの日、運命の動き出したあの日、吾輩は決心した。

かねてより胸中で燻っていた、ラニ…デミゴッドである彼女の身体を我が傀儡とするという欲望を叶えると…!!

運命の動き出した彼女の行路は昏き路、二度と吾輩と交わることもないかも知れない路。であれば吾輩の秘めたる想いをぶつけるためにはたとえ勝算ほぼ無いとしても今ここで動くしかない。ラニにぞっこんと見えるあの褪せ人に囁いたところで無駄だったろう。この秘宝、魔力の蠍に誓ってもよい。

 

 

 

まぁ、死んだよ。

 

 

 

ついでに口が臭いなどと罵られてしまった。

 

 

 

我が人生、悔いは残りまくりだが、それでもまぁ、悪いものでは無かったかな…そう思いながら、身体を灰にし、あの黄金樹へと還っていった

 

 

…はずだった。

 

 

「セブルス、セブルス、おい、どうした?」

気づけば陰気な、血腥い、吾輩の叡智からすればありとあらゆる言葉で罵倒できそうな連中の中に、吾輩はいた。

吾輩はたしかに死んだ、魔術を究めたデミゴッドの呪いだ。即死だったし身体も灰とかした。だが、これは生身の身体だし、生きている。

ふむ、傀儡に魂を移す術は知っている。しかし死後、それも見知らぬ身体に宿るとはどういうことだ。黄金律の頸木はどうしたのだ。死に生きるものになったわけでもなさそうだ。興味深い。実に興味深いね。それにしてもこの身体、実によく馴染むが…

「おい、セブルス、いい加減にしろ!!」

…肩を揺さぶられて我に返る。

「あぁ、すまな…」

そう、口にした瞬間だ。この身体の持ち主の記憶が吾輩の意識へと流れ込んでくる。

魔法薬学への誇り。

ダンブルドア校長への複雑な尊敬。

ヴォルデモート卿への陶酔。

闇の魔術、すなわち力への憧れ。

ポッターとその取り巻き共への怨みつらみ。

そして、リリーへの恋慕などというのも生ぬるい、狂おしいほどの愛情。

 

この身体の持ち主、吾輩とややこしい名前の持ち主であるセブルス・スネイプ某が持つ世界の知識。魔法の知識。この場に集う輩の来歴、この場に至る経緯、その全てを、掌握した。輝く叡智たる吾輩には簡単なことだったよ。

 

その場は立ちくらみと言って乗り切り、あとはそのまま死喰い人として活動したさ。二重スパイとも言うがね…

 

何でそんな危険極まりないことをしたかって?

 

いやぁ、悪い虫が疼いてしまってね。

 

 

 

 

あのダンブルドアと、闇の帝王の傀儡を並べてみたくなってね…

 

 

 

 

だが駄目だった。流石に二人共隙きが無さすぎだ。

セルブスであった頃の最期は欲求に素直に従ったし後悔もしていないが、流石にこんな、再びの生を得られるような幸運が続くとも思わなくてね、慎重に動いたさ。お陰で騎士団員や死喰い人も殆どコレクションにできなかったよ。

闇の帝王がポッター家を襲うと聞いた時はまぁ驚いたとも。うまく立ち回らさせてもらったが…

お陰で吾輩の下世話の欲望も幾分か解消され、安定した地位も得られた。よくやったと思うよ、吾輩。

 

 

 

 

おっと、そろそろ新入生が辿り着く時間か。

ハリーポッターが、君たちの子が、いよいよやって来るよ。

会わせてやるわけにはいかんがまぁ、そのうち語って聞かせてあげよう。楽しみにしていたまえ。

 

 

リリー。愛しているよ。




一人称で書きたくなかったけど一人称以外で書けなかった

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