大天使の戦女神   作:Scorcher

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機動戦士ガンダムSEEDの二次創作作品となります。ガンダムシリーズの2作品目となります。

基本は原作通りに話を進めますが、キラとマリューの少しだけアダルトな関係がベースとなっております。本当に少しだけなので全年齢作品となります。SEED本編と同じくらいには健全です。

始めはヘリオポリス脱出直後のパートです。キラマリュがメインなので戦闘シーンも少なめです。それではお付き合いの程をよろしくお願いします。


Phase1

「はぁ……」

 

マリュー・ラミアスは一人、艦長室で項垂れていた。そして、本来彼女はこの部屋を使うべき人間ではなかった。

 

「確かにこの艦に一番詳しいのは私だけど、それと艦長の仕事は別の問題じゃないの……」

 

辛くも崩壊するヘリオポリスから脱出を果たしたアークエンジェル。上級士官を含めた多くの正規クルーが死亡した中、生き残った士官の中で最も適任とされ艦の指揮を任されたのはマリューであった。

 

「私なんかより、ナタルのほうが絶対に向いているでしょ。コロニー内で発艦させたのもあの子だったんだし。」

 

自身よりも適任であったはずの後輩士官に対する恨み節。決して他者に言うことが出来ない独り言。しかし、彼女は誰かとこの思いを分かち合いたい。そう考えながら、部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

最寄りの基地までへ航路。僅かでも与えられた平穏な時間の中、マリューは艦内のモビルスーツドッグへと足を踏み入れる。

 

「あれは……?」

 

艦内に鎮座する一機のモビルスーツ。ザフト軍の強奪を唯一免れたその機体、ストライクのコックピットは開いており、その中では一人の少年が作業をしていた。

 

おもむろにストライクへと近付き、内部で作業をしていた彼の下へと向かうマリュー。そして、コックピットの外から声を掛ける。

 

「機械を弄るのは、好きだったのかしら?」

「ええ。一応は工業系の学校に通っていましたから。でも、人殺しの道具を作っているつもりはありませんでした。」

 

『通っていた』という過去の出来事と語る少年。彼、キラ・ヤマトの通っていた学び舎はヘリオポリスの崩壊で消滅していた。

 

そして、コーディネイターである彼がストライクを操縦したことで、マリューは生き残ること出来ていた。

 

「本当にごめんなさい。あなたのような子を、巻き込んでしまって……」

「気にしないでください。僕もあの時、あなたに止められていなければきっと……」

 

成り行きとはいえ、ストライクの中で死地を共にしていたマリューとキラ。さらに彼は民間人でありながら、この機体でザフトのモビルスーツを撃破していた。

 

「この艦の艦長だったんですね。ストライクの近くにいて軍服も着ていなかったから、開発や整備の人だと思っていました。」

「艦長にはさっき就任したばかりよ。本当はあなたの言う通り、ただの技術士官。生き残った中で階級が高くて、この艦に詳しいから押し付けられただけ。」

 

コックピット内のキラに対し、思わず本音を漏らしてしまうマリュー。民間人の少年であり、コーディネイターという立場の違いを理解しつつも、彼女は死線を共にした彼に必要以上に物事を語る。

 

「ストライクのOSはどうかしら?フラガ大尉や私でも動かせるようになりそう?」

「今は……難しいですね。僕の書き換えたコードでどうにか動かせている状態ですから。もう少し、時間と落ち着いた場所があれば出来そうですけど……」

「出来そうなの……ね。」

 

戦闘中にOSを書き換えるという技量に加え、その上でマリューたちナチュラルが使用可能なOSも作れると言うキラ。彼女は改めて、彼がコーディネイターであることを実感するのであった。

 

「あの……まだ何か僕に用事が?」

「えっ……?あ、いえ……そういうわけじゃなかったのだけど、ちょうどキラくんがいたを見つけたから。」

「そう……ですか。」

 

戦闘に関すること、あるいはモビルスーツや機材に関することであると饒舌な一方、キラはマリューとそれ以外のことで話をせず、むしろ避けている様子であった。

 

「僕の方こそ、ラミアス艦長にその……謝らないといけないかなと思って。」

「私に謝る?ストライクの操縦のことなら、もう問題にはならないわよ。ああでもしなかったら、私も死んでいたのだし。」

「いえ、そうじゃなくて……」

 

キラは作業の手を止め、申し訳なさそうにマリューのほうへ顔を向ける。しかし、その視線は彼女の豊満な胸元に向けられていた。

 

「ど、どうしたのかしら?」

 

些か上ずった声を上げるマリュー。彼女自身、周囲の同性に比べて胸がふくよかであることは自覚しており、異性から好奇の眼差しを向けられることにある程度は慣れていた。

 

しかし、年下である民間人、それも本来は敵対しているコーディネイターの少年に視線を向けられることには戸惑ってしまう。

 

「本当にすいませんでした……僕、あんなに女の人とくっ付いたりしたの、初めてだったから……!」

「あっ……ええっと……それも気にしなくていいのよ。ほら、あの時には戦闘中でそんなことを気にしている場合じゃなかったんだし……」

「でも……すごく柔らかかった感触が忘れられなくて……」

 

自分たちナチュラルよりも才能に恵まれ、ストライクを乗りこなすコーディネイター。しかし、マリューの前で彼女の肉感を思い起こし赤面するキラは、彼女の目に等身大で多感な少年として映るのであった。

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