「あれは……!」
と驚く未希達。現れたUFOの編隊はゴジラジュニアとシルバーに対し、ビームを発射した。
「グオォッ!?」
突然の攻撃に驚くゴジラジュニアとシルバー。一郎は急いで二匹の元へ向かおうとした。しかし、未希が
「私達が行ってもジュニア達の邪魔になるわ。研究所に避難しましょう」
と言った。そして一行は研究所へ避難するのだった。
一方、ケンゴウ達は国連本部に連絡を取っていた。ケンゴウの報告を受けた本部は、すぐに地球防衛軍を派遣する事を決定した。派遣されたのは、地球防衛軍の空中戦艦ランブリングを中心とした部隊だった。しかし、一番近い位置で稼働状態にあったとはいえ、普段は北アメリカ大陸をマークしているランブリングの部隊が到着するまで最低で20分以上は掛かる見込みだった。ケンゴウが報告を終えると、未希達がやってきた。村雨と夕立は
「直ぐにメーサー砲に換装するわ!」
「ソロモンの悪夢を見せてあげるんだから!」
とやる気満々だったが、ケンゴウが
「いや、艦娘達は研究所の護衛に専念して欲しい。何せさっきの新種の怪獣の攻撃で多数の実働隊が負傷しているのだ」
と彼女達を止めた。一郎は
「新種の怪獣ってガバラのこと?」
とケンゴウに尋ねた。ケンゴウは
「ガバラ?君もあの怪獣に遭遇したのか?なるほど、ガバラと言う名前を名付けたんだな」
と言った。未希は
「応援は何時到着しますか?ジュニア達は大丈夫だとは思いますが……」
と尋ねた。ケンゴウは
「そうだな、もうじき来るはずだ。それまでは君達に研究所の警備を任せたい。頼めるか?」
と艦娘達に言う。
「分かりました!」
と答える村雨。夕立は
「任せて!」
と元気よく答えた。
「よし、それでは私は現場に戻る。くれぐれも無茶はしないように。いいね?」
と言い残してケンゴウはその場を去った。
「シルバー達はどうなったかな?」
と一郎。すると、未希が
「ちょっと待ってアドノア島内の監視カメラの映像を見れるわ」
一郎をモニターのある部屋まで案内するのだった。
一方外ではゴジラジュニアとシルバーがUFO群を迎え撃っていた。
ゴジラジュニアとシルバーは放射熱線で攻撃する。しかし相手も光線砲を使って反撃してきた。互いに光線が命中し、ダメージを受けるゴジラジュニアとシルバー。しかしG細胞で構成された身体はちょっとやそっとのダメージなどものともしなかった。ゴジラジュニアとシルバーは同時に飛びかかるが、相手のUFOは回避した。UFOの群れに向かって威嚇の声を上げるゴジラジュニア。すると、そのうちの1機がゴジラジュニアに向けてミサイルを発射した。ゴジラジュニアはそれを尻尾で破壊する。ゴジラジュニアは咆哮を上げると放射熱線を放ちUFOの群れを撃墜していく。シルバーも放射熱線でUFOを次々と撃墜していった。
「いいぞゴジラ、シルバー!」
と研究所で見ていた一郎。その時、未希が映像を見て
「見て!ゴジラ達の後ろに何かいる!」
と言ってきた。そこには、複数の円盤型UFOを引き連れた2匹の三つ首の竜の様な怪獣が立っていた。
「あれは……キングギドラ!?でも何か違う」
と一郎。その怪獣達は過去に現れたキングギドラに比べて、体色が金色でなく幾分か小柄だった。キングギドラ達は3つある頭部のそれぞれの口から火球を放つ。ゴジラジュニアは放射熱線で迎撃するが、他のUFOは避けてゴジラジュニアに命中するのだった。
「グオォッ!」
怯むゴジラジュニア。そこにさらに火球を浴びせるキングギドラ達。ゴジラジュニアはまだまだ元気だったが、シルバーが傷つき始める。
「シルバー!」
と心配する一郎。シルバーはゴジラジュニアの援護に入ろうとするが、それを阻むかのように別のUFOから放たれたビームを受けて動きを止める。
「まずい!」
と叫ぶ一郎。しかしその時、アドノア島に何かが落ちてきた。その地響きで思わず戦闘を中断する怪獣たち。落ちてきたものの正体は、2体の取っ組み合った怪獣だ。その内の1体はアドノア島にも襲来して来たキングギドラ、そしてもう1体は
「あれは……トトだ!」
リクガメを思わせる外見の、人類に2代目ガメラ、或いはかつての育て主の命名からのガメラ・トトと呼ばれる怪獣だった。トトは大気圏で既にキングギドラと戦っていたのだ。そして墜落しても闘争本能が収まらず戦いを続けるトトとギドラ。そしてその間にもシルバーに火球が命中する。ゴジラジュニアと違ってハネエビラやカマンガとの戦いもあったシルバーはじわじわとダメージを負っていた。
「まずい、このままじゃやられる!」
と焦る一郎。しかしその時、ミサイルやメーサーによる攻撃がUFO群を襲った。現れたのは空中戦艦ランブリングとその僚機である地球防衛軍の戦闘機の編隊だ。
「ランブリングが来たわ!」
と喜ぶ未希。
「助かった!」
と安堵の表情を浮かべる一郎。ランブリングのマグナムメーサーキャノンや戦闘機編隊の攻撃によってUFO群は瞬く間にその数を減らした。そしてUFO群の援護射撃によって苦しめられていたゴジラやガメラ達はそれが無くなった事により攻勢に出た。ゴジラジュニアやシルバーは放射熱線を、トトは火球を発射する。そしてついに全てのUFOが破壊された。
「やった!」
と喜びの声を上げる一郎。残るのは3匹のキングギドラ達だった。キングギドラ達は火球による弾幕を張り、ゴジラ達を近づけまいとした。しかし、火球攻撃は熱エネルギーを吸収できるトトが盾となったことで無効化された。
「いいぞ!いっけぇ!」
と一郎。状況が不利とみたキングギドラ達は撤退の為に飛び立とうとするが、このキングギドラ達は成体ではない為飛び立つ際に助走をつけなければならなかった。それぞれ別方向に助走をかけるキングギドラ達だが、それを見逃すゴジラ達ではない。ゴジラジュニアとシルバーは放射熱線を、トトは火球を放ってキングギドラ達を撃ち落とした。落下したキングギドラ達はそのまま爆発した。さらにゴジラジュニア達はその肉片から再生できないよう、放射火炎を使ってキングギドラ達の破片を焼却していくのだった。こうして、怪獣達の勝利に終わった。ゴジラジュニアとシルバーはトトに礼を言うかのような鳴き声を上げると、トトはそれに頷きアドノア島から飛び立っていった。それを見届けたランブリングの部隊も帰投していくのだった。
「やったやったー!いいぞー!シルバー!」
怪獣達の勝利に自分の事の様に喜ぶ一郎。だが、その時である!
「うわっむ……」
と言う声と共に一郎の姿は監視室から消えてしまったのだ。
「い、一郎くん……!?」
後には急に一郎がその場から消えたことで困惑する未希だけが残されていた。
◇ ◇ ◇
「~~~!?~~~!!」
マンションの一郎の自宅。そこでは一郎があの二人組の強盗に捕らえられていた……!
「動くな!騒ぐとこれだぞ!」
と強盗の1人であるサングラスの男はナイフを取り出して一郎を脅す。一郎は暴れていたがナイフを見ると大人しくなった。
「おい、廊下を見ろ」
とサングラスの男は相棒に見てくるよう指示する。廊下を確認したもう1人の男はサングラスの男に合図を送る。そして2人は一郎を部屋の外に連れ出すのだった。もう1人の男がマンションの前に駐車している車を盗み出そうとする中、サングラスの男は一郎を潜伏先の廃墟に捕らえていた。心細くて泣きだす一郎。サングラスの男は
「うるせぇ。泣くのを止めろ!なんだ男のくせしやがって!」
と言った。
「男だって怖いよ!」
と一郎。サングラスの男は
「静かにしろ!」
と一郎の口を塞ぐ。その頃南は一郎がもう眠ったものと思って、おでんの屋台で夜食を済ませようとしていた。おでんの屋台に顔を出したところ、さっき訪ねてきた刑事達が屋台にいた。
「やあ、先ほどはどうも」
と刑事。南は
「また仕事ですか?大変だなぁ」
と刑事を労う。刑事は
「無駄足じゃさえまえんよ」
と言った。
「じゃあ景気づけですか?」
と尋ねる南。
「このまま切り上げるのじゃ余りにも寂しいですからな。ちょっと温まって、もう一回りという所ですよ」
と刑事。
「旦那!五千万円と言うとどれくらいになりますか?」
と尋ねるおでん屋の親父。
「そうだな…これくらいのボストンバッグにいっぱいだ」
と手でボストンバッグの形を作る刑事。それを見た南は
「それは凄いな……うちの店なら半年はもつぜ」
と羨ましそうに言う。その頃一郎は、サングラスの男が仲間を待って外の様子を伺っている隙に足で床に落ちていた新聞紙で床の穴を隠して男を罠にはめようとしていた。その時外で車が到着する音が聞こえた。様子を見に行くサングラスの男だったが、一郎の仕掛けた罠にはかからなかった。そんな時一郎は、
「シルバー」
とぽつりと呟いた。サングラスの男は
「何だって?」
訝し気に一郎を見る。一郎は
「シルバーが危ないんだ」
と言った。
「危ねえのはこっちだよ」
吐き捨てるサングラスの男。
サングラスの男が仲間の様子を見る中、一郎は目を閉じて念じ続けた。
(シルバー…シルバー…シルバー…シルバー…シルバー…シルバー…)
◇ ◇ ◇
場面が変わる。アドノア島ではガバラに蹴飛ばされ、地を転がるシルバー。シルバーは体勢を立て直し、放射熱線をガバラに浴びせるがガバラは体の周りに電磁シールドを張っているようで、ガバラは放射熱線を防ぎきってシルバーに襲い掛かった。シルバーはガバラの攻撃を捌こうとするが、パワーの差がありすぎて防戦一方となる。ガバラにアイアンクローと共に電撃を喰らうシルバー。そこにバラゴンが現れて援護に入る。しかし、その攻撃すらもガバラは難なく弾き返した。その光景に驚くバラゴン。ガバラは2匹にとどめの電撃を浴びせようとするが、そこにアンギラスが身体を丸めての攻撃『暴龍怪球烈弾』をガバラに食らわせた。奇襲にのけぞるガバラを尻目にシルバー達は一時撤退するのだった。高台からその一部始終を見ていた一郎は
「シルバー!こっちこっち!」
とシルバーに呼びかける。
「シルバー!早く来いよ!いい考えがあるんだ早く早く!」
とシルバーに手招きする一郎。そして息が上がりながらも来たシルバーに対し、眼下の巨大な倒木を指さして、
「ガバラがあの木の上に来た時、こっちの木に飛び降りるんだ!」
と一郎。シルバーは
「そしたら勝てるのかい?」
と尋ねる。
「ぶっ飛ばすんだよ!」
と答える一郎。シルバーを探すガバラが倒木の近くまで来る。一郎は
「来た来た来た!」
とチャンスをうかがう。シルバーも
「よし!行くぞ」
と飛び降りる体制に入る。そしてシルバー達に気づいたガバラが倒木の上に足をかけた瞬間
「今だ!!」
と一郎は合図する。飛び降りながら巨大化するシルバー。そしてシルバーが倒木の片側に落下したことで、シーソーの様にガバラは倒木によって跳ね飛ばされ、その身体は宙を舞った。そしてそのままガバラはなすすべなく地面に叩きつけられた。
「やったぜベイビー!!」
と喜ぶ一郎。起き上がらないガバラにシルバーがとどめを刺そうと近づいた時だった。ガバラがいきなり起き上がり、電撃を浴びせようとしてくる。しかし逆にシルバーはガバラの腕に噛みついた。苦痛に悲鳴を上げるガバラ。
「いいぞ、シルバー!」
と一郎。するとガバラは噛みついているシルバーに対して口から紫色の煙を吐きだす。その煙を吸い込みむせ込むシルバー。
「くっ……毒ガスか……」
と苦しそうな声を出すシルバーに、ガバラはさらに電撃を放つ。今度はまともに食らい、倒れ伏してしまうシルバー。
「シルバー!!」
と叫ぶ一郎。形勢逆転したガバラがシルバーを踏みつけてとどめを刺そうとした時である。踏みつけようとしたガバラの足を黒いゴツゴツとした腕がそれを掴んで止めた。驚くガバラ。離れた場所でそれを見ていた一郎は
「あれは……ゴジラ!?」
と驚いた。一郎の眼にはシルバーとはまた別のゴジラがシルバーに寄り添うように出現したように見えた。一郎には知る由も無かったが、かつて『深海棲艦大戦』と呼ばれる戦いの際に深海棲艦を操っていた黒幕である怪獣ジャマタノオロチをゴジラジュニアが倒す際に初代ゴジラの亡霊が力を貸したことがあった。その際にいずれ現れる自分の直系の子孫の為にまだ初代ゴジラは力を残していたのだ。そしてシルバーがピンチになったその時に初代ゴジラは子孫であるシルバーにその力を継承したのだった。
シルバーに寄り添っていた初代ゴジラの幻影がやがて完全にシルバーに重なると、シルバーは起き上がり戸惑うガバラに強烈な尻尾の一撃を見舞った。ガバラは吹っ飛び、再び起き上がって今度はシルバーに向かって手をかざし電撃で攻撃したが、初代ゴジラの力を受け継いだシルバーはその攻撃を物ともせず、放射熱線のチャージに入った。放射熱線を防ごうと念入りに電磁シールドで身体を覆うガバラ。チャージを完了したシルバーは強化されたバーンスパイラル熱線を放った。バーンスパイラル熱線はガバラの電磁シールドを貫通し、そのままガバラの上半身を跡かたも無く吹き飛ばした。残されたガバラの下半身は少しの間立っていたが、直ぐに前のめりに倒れ込んだ。
「やったやった!シルバーが勝った!」
と喜ぶ一郎だった。
怪獣データ
キングギドラ(幼体)
身長:120メートル 翼長:130メートル 体重:5万5千トン
大気圏内飛行速度:マッハ3 別名:宇宙超怪獣 技:火球
宇宙超怪獣キングギドラの幼体。成体に比べるとまだ若くて小柄、首、胴体、足も成体に比べると細くて華奢。また、成体とは角の生え方や、顔付き、身体の凹凸の模様などが違っており、翼の付け根の形も成体と比べて細い形になっている。使う技も引力光線を使う成体と異なり火球を放つ。今作では謎の宇宙人にコントロールされて、計3匹がアドノア島に襲来した。
ガバラ
身長:150メートル 体重:7万トン 別名:凶悪怪獣 技:電撃、電磁シールド、毒ガス
ガマガエルが核爆発の影響を受けて巨大化した怪獣。性格は意地悪で弱い物いじめを好む。角が発光することで、腕から電撃による攻撃を放ったり、身体に電磁シールドを張り巡らす。電磁シールドは核爆弾やテルミット・プラス、ゴジラの放射熱線を防ぎきる程強固。また口から毒ガスを放つことができる。ゴジラジュニアとの戦いは避け、シルバーや人間など自分より弱い生物を痛めつけていた。
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