一郎とシルバーのオール怪獣大進撃   作:クォーターシェル

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遅くなり申し訳ございませんでした。今回で当作は最終回となります。


5話 成長した一郎

「やったやったやったやったーっ!」

 

「この野郎!寝ぼけやがって!起きろ!こら!起きろ!」

 

寝言を言う一郎に対して一郎を起こすサングラスの強盗。目覚める一郎。

 

「あっ!」

 

「この野郎!静かにしろ!」

 

その時、口笛が聞こえた。身構えるサングラスの強盗。

 

「俺だよ!俺!」

 

合図をしてきたのは、もう1人の強盗だった。

 

「バカ野郎。なにもたもたしてやがった」

 

とサングラスの強盗。

 

「文句言うなよ。パンクしてやがったのさ。スペアに交換しなくちゃならなくてよ~」

 

ともう1人の強盗。サングラスの強盗は

 

「それで車は?」

 

と尋ねる。

 

「入口の所に着けてあるよ」

 

その答えを聞いたサングラスの強盗は一郎にさるぐつわを噛ませると、

 

「ハンカチを出せ。縛るんだ」

 

と仲間に指示した。

 

「連れていく気か?誘拐ってのはやばいぜ」

 

と言いながら一郎を縛るもう1人の強盗。

 

 

「誰も殺しやしねえさ。殺して割に合わないのは知ってら。ガキも無事なら俺達も無事だ」

 

とサングラスの強盗。仲間は

 

「つまり安全パイって訳か」

 

とニヤリと笑う。サングラスの強盗は

 

「余計なこと言ってないで車を出せ」

 

と仲間と共に一郎と金の入ったバッグを車に運んだ。車に乗り込んだ強盗達は車のエンジンを起動させようとしたが、中々起動しない。

 

「早くしろよ!」

 

とサングラスの強盗が急かすがもう1人の強盗は

 

「ちくしょう。まったくオンボロだぜ……」

 

と一旦エンジンルームを開けて様子を見ることにした。

 

「早くしろってんだよ!いいか、大人しくしてろよ!」

 

とサングラスの強盗は一郎に凄むと、仲間の手伝いをしに一郎の傍から離れた。そして強盗達がエンジン相手に苦闘している時、一郎の脳裏にシルバーの言葉が浮かんだ。

 

『1人で戦えってさ。1人で生きる練習をするんだって』

(そうだ……この場にはシルバーはいない。僕1人で戦うんだ!)

 

一郎は手を縛っていたハンカチを外し、続いてさるぐつわを外すと、車から飛び出した。それに気づいたサングラスの強盗が

 

「小僧!」

 

と一郎を捕まえようとした。一郎は捕まえようとした、サングラスの強盗の腕に噛みついた。それはあたかもガバラの腕に噛みつくシルバーの様だった。痛みに悲鳴を上げるサングラスの強盗。その隙をついて廃墟に逃げ込む一郎。2人の強盗は慌ててその後を追うのだった。2人の強盗は廃墟の中を探す。

 

「ちくしょう……もう勘弁ならねえ。こうなったら袋の鼠だ…!」

 

強盗達は二手に分かれて一郎を探すことにした。強盗達はしばらく探し回ったが中々一郎は見つからない。

 

「どこ行きやがった?」

 

ともう1人の強盗。その時である。上の階から大きな音がした。

 

「しめた!」

 

もう1人の強盗はサングラスの強盗を呼び、物音が聞こえた階を探し回る。その頃、廃墟の前に停めたままだった車を南が発見した。

 

「この車、どこかで見たことがあるぞ……あっ!!俺の車だ!?」

 

と南は車に気づく。

 

「俺の車が何故こんな所にあるんだ?おかしいな……」

 

と南はドアを開けるとシートにバッグが置かれているのを発見した。

 

「これは俺のじゃあねえぞ…」

 

とバッグを開けてみると、札束がいくつも転がり出た。

 

「うひょーっ!!」

 

思わず叫ぶ南。すると後ろで声がした。

 

「おい!そこで何をやってる!」

 

振り向くとそこには警官がいた。

 

「あっ大変ですよお巡りさん!車が盗まれて、中に札束が……」

 

表でそんなことになっているとは露知らず。廃墟の内部ではもう1人の強盗が一郎を見つけていた。

 

「やっとみつけたぞ!隠れても無駄だ!」

 

一郎の潜むスクラップの山に近寄る強盗。その時だ一郎がさっき新聞紙で隠した穴を強盗は思い切り踏み抜いてしまった。

 

「ぎゃああああ!!!」

 

足を踏み抜き下に落ちた強盗は大声で叫んだ。それを聞きつけてやって来たサングラスの強盗は

 

「どうした?」

 

と尋ねる。強盗は足を指差しながら

 

「やられた!やられちまった!」

 

と泣き喚いた。どうやら強盗は捻挫してしまったらしい。

 

「ガキはどこだ!?」

 

とサングラスの強盗。もう1人の強盗は

 

「上だ!」

 

と答える。

 

「それを早く言え!」

 

とイライラするサングラスの強盗の視界を一郎が横切った。

 

「見つけたぜ!」

 

とサングラスの強盗は一郎を捕まえようとする。だが一郎は素早く身をかわす。

 

「ちくしょう!ちょこまかと動きやがって!」

 

とサングラスの強盗。

 

「待てよ!あのガキ、何か持ってやがるぞ」

 

一郎が持っていたのはこの廃ビルにおいてあった消火器だ。手持ちの消火器をサングラスの強盗に投げつけてくる。

 

「このガキ……!」

 

サングラスの男はナイフを取り出す、しかし一郎は持っていた消火器から消火剤を発射した。

 

「ぐわぁ!」

 

目くらましを食らい怯んだすきに一郎は逃げ出した。

 

「ちくしょう!逃がすかよ!」

 

サングラスの男は一郎を追う。その頃、表では南の通報によって複数台のパトカーがその場に到着していた。南が事情聴取を受けている時だ。

 

「おじさーん!」

 

廃墟から息も絶え絶えな一郎が飛び出して来た。南はその姿を見て

 

「あっ一公じゃないか!一体何があったんだい?」

 

と尋ねる。一郎は

 

「追われてるんです!助けてください!」

 

と懇願してきた。

 

「よし分かった。任せてくれ!」

 

と南と警察は一郎を保護した。そして一郎の後を追って2人組の強盗も姿を現したが、警察に取り押さえられるのだった。

 

「畜生……!覚えてろよ!」

 

2人は連行されていった。その後、一郎は南と一緒に交番に保護され、事情を話した。

 

「そうだったのか……一公はあの2人をやったんだな?本当にありがとう!」

 

と南は一郎の手を握った。そして次の朝、一郎の母『タミ子』は食卓で

 

「ごめんね。これからはお母さん夜に働くのはやめるわ」

 

と一郎に謝る。

 

「うん、でも生活厳しいんだろ。そりゃあお父さんやお母さんが居る方がいいけど僕だって1人で大丈夫だよ」

 

と一郎。意外な返しをした一郎にタミ子はまあという。

 

「ごちそうさまー」

 

一郎は朝ごはんを食べ終えて片付けた後登校することにする。

 

「行ってきまーす!」

 

「行ってらっしゃい」

 

何時の間にか成長していた我が子の姿を見送ったタミ子は人知れず涙をながすのだった。マンションの入り口には多数のマスコミが待ち構えていた。強盗から金を取り戻した小さなヒーローの記事を皆ものにしたいのだ。ジャーナリストの1人が

 

「坊や、1人で怖くなかった?」

 

と聞いてくる。一郎は

 

「1人じゃないよ」

 

「へえ、ほかに誰か居たの?」

 

「シルバーだよ」

 

「シルバー?」

 

「うん、行ってきまーす!」

 

と一郎はその場を後にした。慌てて追うマスコミ。それを制した南は

 

「シルバーですよ。怪獣の」

 

と言い。

 

「僕には分かるなあ。つまり一種の信仰の様なものですよ」

 

「どういうことですか?」

 

とジャーナリスト

 

「そう。大人の世界に神様があるように、子供の世界にシルバー大明神があってもおかしくないわけですよ」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

所変わってアドノア島在住生物調査研究所。その食堂では、未希と彼女の夫である『新城功二』が話していた。功二は

 

「それで、そのニュースになった一郎君とこのアドノア島に来た一郎君。彼は同一人物だったのかい?」

 

と言った。

 

「ええ、写真を見たけど間違いなく同じ人物だったわ」

と未希。

 

「ふむ……興味深いな。もしや彼の正体は宇宙人や異世界人では無いだろうか」

 

と功二。未希は

 

「それは違うわね。後で調査が行われたけど、彼の出生は間違いなく地球人よ」

 

と答えた。功二は

 

「それじゃあ、君と同じような超能力者なのかな?そうでもなければ、日本からアドノア島にあっという間に姿を現したり消したりなんてできないぜ」

 

と言う。

 

「確かに。私の他にも超能力者は大勢いるわ、でも一瞬で姿を現したり消したりできる能力なんで今までに確認されて無いのよね……」

 

と未希は答えた。

 

「うーん……謎だなぁ……」

 

と頭を悩ませる功二。

 

「まあ、科学が発達した世の中でも、不思議なことは沢山あるわ。私達も何時の間にか歳を取らなくなったしね。一郎君は怪獣が大好きみたいだったから、案外その思いが通じたのかもね」

 

と未希は話を閉めた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

そして登校する一郎の前にいじめっ子の方のガバラとその取り巻きが姿を現した。

 

「おい一郎。仲間に入れてやろうか?」

 

とガバラ。一郎は

 

「やだーい」

 

と断る。それに気を悪くしたガバラは

 

「なにを~!?」

 

と凄むが、怪獣や強盗を前にしたことのある一郎にとっては、大したことではない。

 

「ガバラのいじわるなんて、大嫌いだ!」

 

そう返す一郎にガバラは

 

「こいつ~…!」

 

とにじり寄る。それに対して一郎は

 

「ええい!」

 

とガバラに体当たりを食らわした。そのまま取っ組み合う一郎とガバラ。先に尻を着いたのはガバラだった。

 

「いじめっ子なんて大嫌いだ!」

 

と一郎。

 

「ぐぬぬ……!覚えてろよ!」

 

と捨て台詞を残してガバラ達は去っていった。その後、一郎は学校に着き自分の席に着く。すると、隣の女子生徒が話しかけてきた

 

「おはよう。一郎君。あのさ、昨日テレビでやってた強盗事件、知ってる?あの犯人捕まったんだって」

 

「へぇーそうなんだ」

 

と答える一郎。彼女は

 

「でも不思議だよね。捕まえたのは警察なのに、強盗は子供にやられたって言ってたんだって」

 

と言う。

 

「きっと、その子にはシルバーが居たんだよ」

 

と答える一郎。

 

「それ本当?」

 

と聞く彼女。

 

「うん、だから大丈夫だよ」

 

と答えて授業を受けるのであった。

 

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想・評価をいただければ大変嬉しいです。
思えば連載で今度が初めて完結しました。BlackRX様、改めて三次創作の許可ありがとうございました。貴方の方の作品の更新もお待ちしてます!
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