シニア級〇年目のライスと朴念仁系お兄さまと時々同期や後輩の話   作:ブルーペッパー

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 これにて第三章完結です。



20話 王者と挑戦者

 

「というわけで、四月からマルカブに仮入部するアグネスデジタルだ。仲良くしてやって欲しい」

「ア、アアアアグネスデジタルといいます! 先輩たちの足を引っ張らないよう頑張ります! 不束者ですが、よろしくお願いします!」

「よろしくね、デジタルさん」

「こちらこそよろしくお願いします」

「よろしくデース!」

 

 トレーナー交流の出張から戻ってさっそく、デジタルをマルカブのメンバーに紹介することにした。

 ライスたちは頭を深く下げるデジタルを三者三様に歓迎の言葉と拍手で迎え入れた。

 これでようやくチームメンバーが四人。規定人数まであと一人だ。思えばライスたちには色々心配をかけてしまった。少しは彼女たちの心労に報いることができただろうか。

 

「う、ううう……」

「ラ、ライス!?」

「ライス先輩どうしたデスか!?」

 

 拍手の最中に突然ライスの肩が震えだし、泣き出した。

 突然のことに全員がぎょっとする。

 

「あばばばば……やっぱり私なんかが選抜を受けずにチーム入りなんて……」

「ち、違うの。デジタルさんが入ってくれたことが嬉しくて……」

 

 濡れた目元を拭いながら、ライスは言う。

 

「こんな……なにも拗れることなくメンバーが増えてくれたことが嬉しくて……」

「「「…………………………」」」

「……………………………おおう」

 

 思わず絶句してしまった。思い返せばグラスとエル、サイレンススズカの一件とスカウトの度にちょっとした諍いがあった。

 それが考えていた以上にライスへ精神的負担をかけてしまっていたようだ。

 自然と、グラスとエルが私に向ける視線が冷たい。

 

「ご、ごめんよライス。まさかそんなに心配させていたなんて……」

「うう……だってお兄さま、他のウマ娘さんにアドバイスとかするのにスカウトは全くしないから。メンバー不足の話をしてもなんとかなるさとしか言わないし、ライス、チームが無くなっちゃうんじゃないかって心配で……」

「トレーナーさん……」

 

 向けられる冷たい視線が一つ増えた。

 合わせて部屋の気温もどんどん下がっている気がする。そのくせ私の背には嫌な汗が浮いてきた。

 

「いや、その……ああそうだね。メンバー不足の件は軽く考えていた。ライスはGⅠウマ娘だし、復帰してすぐ重賞も勝てた。グラスもエルもジュニア級でGⅠを勝った。慣例的に猶予はまだあると思っていた」

 

 必死に言葉を紡いでいく。視線から逃れたいのではなく、ライスの心配を少しでもなくしたかった。

 

「ライスとも……みんなともしっかり話を共有しておくべきだった。ゴメン」

「お兄さまはチーム・マルカブのこと大事?」

「当然だ。師匠から引き継いだチームだし、ライスとの思い出もたくさんある大事なチームだ」

「じゃあ……ちゃんとメンバー揃えてくれる? ちゃんとスカウトのこと考えてくれる?」

「ああもちろん。約束する」

「一人だけじゃないよ? 五人そろえたら終わりじゃないんだよ?」

「……うん、努力する」

「そう、良かった♪」

「……え?」

 

 ライスの頬を伝っていた涙が一瞬で引っ込んだ。悲しそうな表情は一転して明るい花のような笑顔に変わる。

 もしや、乗せられた? 女はみな女優というが、見事にライスの掌で転がされたのだと気づいた。

 

「えっと……デジタル、これがチーム・マルカブですがどうデスか?」

「ええ、とりあえずチームのヒエラルキーについてははっきり分かりました……」

「ふふふ……。じゃあお兄さまから言質は取れたので――」

 

 しれっとライスが恐ろしいことを言って私を見る。

 ボスに続くように、グラスとエル、そしてデジタルも私を見た。

 

「お兄さま、四月にデジタルさんが入るとしてそれまでは? 入学するまではトレーニングもなし?」

「そうだな……毎日じゃないとしても、デジタルの都合のつく日は一緒にトレーニングしてもいいかもね」

 

 デジタルの入学はまだ先なので正式にトレセン学園の生徒ではないが、合格はすでに貰っている。

 仮契約の話もたづなさんを通して学園に伝えているため、デジタルが学園にいることに問題はない。身分証も貰っている。

 

「ふむふむ、となるとあとは教官から認めてもらって選抜で実力を示せばデビューデスね! 日本ダービーが終わった六月くらいにはデビュー戦デスか?」

「いや、デジタルは調整に時間をかけようと思っている。デビューは秋の終わりか、年明けくらいかな」

「あら、随分と遅いんですね」

「ああ。彼女の目指す夢のためにね……」

 

 言っていいものか、デジタルを見ると彼女は頷いて口を開く。

 

「えっと……私、芝もダートも走りたいんです。時間がかかっても、デビューが遅れても。どっちも走れるようになりたいんです」

「まあ……」

 

 思わずグラスが声を上げた。エルも隣で目を丸くしている。

 ダートが主流なアメリカ出身であり、芝を主戦場とする彼女たちでもデジタルの目標は驚くべきものなのだ。

 

「みんな知っているだろうけど、芝とダートでは走り方が違う。足さばきから息の入れ方、体重の掛け方までね」

 

 地方レース場で見た時、デジタルの走り方はダート向きだった。

 しかし小柄な体格ゆえ砂を蹴るパワーが足りず、レースでは勝てなった。同じような走り方をした芝ではそこまでパワーはいらないが、走り方が合わないため無駄な動きがあった。

 たかが足元の違いだが、その僅かな差異が勝敗を決めるのがレースだ。

 だからこそ、皆自分の適性に合うどちらかを選び主戦場とする。

 デジタルが自分の夢を貫くためには自分に合った芝とダートの二通りの走り方を身に着け、それをスイッチできるようにする必要がある。

 手間は二倍、いやスイッチできるよう身体を慣らす時間を考えれば三倍でも足りないかもしれない。

 

「おお、すなわち二刀流! デジタルはオールラウンダーを目指すということデスね!」

「オールラウンダー……はい、そうですね! なりたいですオールラウンダー!」

 

 面白いと飛び跳ねるエルと、ちょっと緊張しながらも意気込むデジタル。それを見るライスとグラスの瞳にも興奮の色があった。

 ヒーロー、三冠、世界制覇、そのどれとも違うオールラウンダーという夢を前に、ライスたちも刺激を受けたようだ。

 新しいメンバーは早速チームに馴染んだようで、新しい年とともにマルカブもまた新しくなっていくのだ。

 

「あと……あれはどうすればいいんだろう」

 

 私が視線を向けた先。テーブルの上には出張の間に渡されたというバレンタインプレゼントの山があった。

 大半はクッキーなので日持ちはする。が、量が多い。

 

「みんなでシェアするというのは……」

『ダメです』

「……はい」

 

 しばらくの間、仕事のお供はクッキーになることは決まった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

「春天とかいいと思うんです!」

「…………………………………なんて?」

 

 三月も目前。即ち、トゥインクルシリーズの春シーズン開始が迫るトレーニング中、サクラバクシンオーの突然の発言に彼女のトレーナーは呆けた声を出した。

 今注目されるのはスーパーGⅡと称されることもある金鯱賞と、大阪杯のステップとされる中山記念。四月後半にある天皇賞(春)の前哨戦とされる阪神大賞典。そしてGⅠ高松宮記念と大阪杯だ。

 月間トゥインクルをはじめとする各メディアでもその話題で持ちきりだ。

 サクラバクシンオーの現在の目標は大阪杯。昨年の天皇賞(秋)で果たせなかった中距離GⅠへのリベンジだ。

 メニューも当然中距離2,000mを想定したものだったのだが、

 

「そろそろ長距離もいけるかなと思うんです!」

 

 これである。

 

「聞けばブルボンさんとライスさんが春天で再び激突するとのこと。ここは私も参戦し、今こそRRIの絆を世間に見せるときかと!」

「………………はあ」

 

 気の抜けた返事をしてしまうサクラバクシンオーのトレーナー。

 つまりは、同期が奮起する姿に当てられたということかと理解する。

 ちなみにRRIとはミホノブルボンをロボ()、ライスシャワーをバラ()、サクラバクシンオーを委員長()とした彼女が勝手に読んでいる総称である。BNWとかTTGみたいなものだ。当然彼女以外に使う者はいない。というかバラだけなぜローズに変換しているかは誰も知らない。呼んでいる本人も深く考えていない、多分。

 

「ええっとバクシンオー? これまで大阪杯に向けて調整していたわけだけど、目標を春天に切り替えるということか?」

「いえ、色々考えたのですが両方出ようかなと! 私も結構スタミナがついてきましたし、3,200mもいけると思うんですよね!」

 

 いけないと思うんですよね。

 声には決して出さず、彼女のトレーナーは内心呟いた。

 サクラバクシンオーのスタミナはデビュー時や短シニアで距離路線を走っていたころに比べれば格段に上がった。それでもまだ限界距離は2,000mだろう。3,200mなんて走ろうものなら終盤逆噴射どころか途中急停止からの爆発炎上必死である。

 指導者としての立場から許可できない。が、決して無理とか、無謀とか、不可能なんて言ってはいけない。それは熱した油に水をバケツで注ぐようなものだ。

 皆の模範である委員長足らんとする彼女にとって、やってもいないのに諦めるなんてことは選択肢にない。

 だから、上手く舵取りをする必要がある。

 

「まあ、いずれは挑戦するレースだから試しに出てみるのもいいだろう。……しかし、条件がある」

「ちょわ!? 条件とはいったい……!」

「高松宮記念も出よう。そして大阪杯も勝てたら、晴れて春天にも出るとしよう」

「高松宮記念ですか?」

 

 ふむ、と顎に手を当てサクラバクシンオーが考え込む。

 

「高松宮記念はすでに勝ったGⅠではないですか。なぜ今になって?」

「以前とは違うさ。あれから短距離路線も強いウマ娘が増えた。有名なところを上げればタイキシャトルかな」

「おおタイキシャトルさん! 昨年の最優秀短距離ウマ娘ですね! 確かにスプリンターSでもマイルCSでも素晴らしいバクシンでした!」

「彼女と走るのはきっとプラスになる。それにだ、高松宮記念と大阪杯の距離を考えてみろ」 

「距離ですか……はっ! 高松宮記念は1,200m、大阪杯は2,000m! 合わせて春天(3,200m)となるわけですね!」

「そのとおりだ!」

 

 そんなわけない。が、彼女を制御するにはこの方向しかない。

 

「成程! 一度合わせて3,200mが走れたなら春天だって走れるということですね!」

「それだけじゃないぞ。春天に勝っても勝ち星は一つだが、高松宮記念と大阪杯を勝てば春天二回分で勝ち星三つだ。三倍だぞ三倍」

「なんと……なんと冷静で的確な判断なのでしょう! さすがは委員長のトレーナーさん! 私も鼻が高いですね! はーはっはっはっは!!」

「褒めるな褒めるなはーはっはっはっは……はあ

 

 こうして、サクラバクシンオーの高松宮記念出走が決まった。

 それを知ったメディアやファンは新旧短距離王者の激突に沸き立ち、一方で東条ハナは頭を抱えることになったのだった。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 レース当日、サクラバクシンオーは万全の調子で本番を迎えていた。

 勝負服に身を包み、ウォーミングアップも完了。いつでも走り出せる状態だった。

 天候も晴れ、良バ場の発表であり実力を十二分に発揮できる。

 

「……バクシンオー」

「はい! なんでしょうかトレーナーさん!」

「分かっているだろうが、今日一番の強敵はタイキシャトルだ。ファンもメディアも、多くが一年短距離路線を離れていた君よりも昨年の短距離王者が勝つと思っている」

 

 仕方のないことだとは思う。

 距離が違えば走り方やペース配分が変わってくる。ついこの間まで中距離レースを目標にトレーニングしてきたサクラバクシンオーよりも、スプリント・マイル戦線を走ってきたタイキシャトルに分があると思うのは当然だった。

 

「でも俺はそうは思わない。君の走りは、スピードは、少し離れたくらいで錆び付くはずがない!」

「トレーナーさん……?」

「正直、何度も思った。昨年君を中距離ではなく短距離に注力させれば、ヴィクトリアマイルもスプリンターズSも、マイルCSだって勝ったのはバクシンオーだと。

 URA賞の短距離部門は君で、初のスプリンターからの最優秀ウマ娘だって夢じゃなかったと思っている」

 

 しかしそうはならなかった。しなかった。

 トレーナーは栄光よりも、サクラバクシンオーの夢を選んだのだ。

 生まれ持っての適性も、才能も、進む道を狭めるものではないのだと証明する。誰もが、自分もサクラバクシンオーのようにと呟く、模範にならんとする夢を支えることを選んだのだ。

 

「後悔はない。だけど見せつけてやって欲しい。誰が本来の六ハロンの王者か。その玉座はただ、空のまま預けているだけに過ぎないのだと」

「は……はっはっはっはっは! トレーナーさん、何を当たり前のことを言うのです! 私の名前をお忘れですか?」

 

 快活な声とともに髪が揺れる。真っ直ぐに、花弁のような虹彩がトレーナーを射抜く。

 

「私は驀進王ですから。いつも通り、誰よりも早く駆けてきますよ!」

 

 天下無敵を証明しよう。そう言って桜の彼女はターフへと向かっていった。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

『さあ春の短距離王者を決める高松宮記念も最後の直線に入った!

 先頭は変わらずサクラバクシンオー! 久しぶりの短距離GⅠもブランクなど感じさせない驀進ぶりだ! しかしタイキシャトルも上がってきた! タイキシャトル食らいつく! 新旧王者の激突! 勝つのはどちらか! タイキシャトル! タイキシャトルが並ぶ、いやサクラバクシンオーも譲らない!

 残り200m! 先頭は以前――いやタイキシャトルがハナを取ったか! いやしかし、サクラバクシンオーが即座に抜き返す! 一進一退、両者譲らぬデッドヒートだ!

 残り100mを切った! ここで、ここでサクラバクシンオーがさらに加速! 前に出た! アタマ一つ! タイキシャトル追いつけるか!?

 今、サクラバクシンオーが一着でゴール!! 春の短距離王者はサクラバクシンオー!! 世代交代はまだ早いと言わんばかり! 昨年の最優秀短距離ウマ娘を抑え、一年ぶりの短距離GⅠ制覇だ!』

 

「はーはっはっはっはっは! 皆さん! 応援ありがとうございました!!

 このサクラバクシンオー、このまま春シニア三冠も見事制して見せましょう!」

 

 割れんばかりの拍手と喝采を浴びるサクラバクシンオー。

 豪快に笑う彼女の後ろで、尾花栗毛のウマ娘が王者の背中を鋭く見つめていた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 ドタン、バタン、そして癇癪を起こした幼児のような金切声。

 更衣室から聞こえてきた異音と、諫める東条の声とエアグルーヴの怒声にヒシアマゾンは思わず飛び上がった。

 

「な、なんだあ……? タイキのやつ珍しく荒れてるな……」

「有記念と違って今回は適性距離、バ場も良好なレースでの完敗だ。さすがのタイキも思うところがあるのだろう」

 

 備品を壊さないか心配するヒシアマゾンと違い、特に気にすることなく壁にもたれかかったナリタブライアンが言った。

 リギルのチームリーダーの言葉に、フジキセキがはてと首を傾げた。

 

「完敗? 確かに負けたけど着差もアタマ差だったし、そこまでかな……?」

「ああ、何度やっても覆ることのないアタマ差だ。タイキもそれが直感で分かっているんだろう」

 

 つまりは、外から見れば接戦だが、当人たちからすれば絶対的な差があったということか。

 レース勘が飛び抜けて鋭いナリタブライアンの言葉に、フジキセキはとりあえず納得した。そしてタイキシャトルの荒れようにも。

 

「タイキはデビューしてからほぼ負けなしだ。無理に出た有記念を除けば最低でもジュニア級時代に二着が一度だけ。無敵のスプリンターが初めて手も足も出ず敗北したということだ」

 

 更衣室の様子をうかがうリギルのメンバーたちに言い聞かせるように、ナリタブライアンが続ける。

 

「とはいえタイキに油断やミスがあったわけではない。恐るべきはバクシンオーの底なしのパワーだな。……全く、中距離に足を延ばさなければ今でもスプリント路線は奴の天下だっただろう。その点を言えば、今日のタイキは幸運だ」

「おいおいブライアン。いくらなんでも負けて幸運はないんじゃない?」

 

 フジキセキの言葉に、三冠ウマ娘が首を振る。

 

「幸運さ。タイキはようやく乗り越えるべき壁、宿敵を見つけたわけだ。走るのが楽しいなんて言っていた能天気ウマ娘が、弱い自分に本気で怒りを覚えている」

 

 かつての自分を思い出したのか、ナリタブライアンが自嘲気味に笑う。

 

「これでタイキはもう一段強くなれる。……できることなら、バクシンオーには安田記念かスプリンターズSにも出てきて欲しいものだ」

「流石に安田記念は無茶ね。あの子、このまま大阪杯と天皇賞(春)を狙うそうだから」

 

 疲れた顔で東条が現れた。きっちり決めた髪が乱れ、スーツにも皺やシミが見えることから更衣室の荒れ具合が想像できた。

 トレーナーの姿を見てリギルのウマ娘たちが姿勢を正す中、ただ一人ナリタブライアンだけがそのまま告げる。

 

「タイキは? 暴れて少しは頭が冷えたか?」

「なんとかね。エアグルーヴが宥めてくれているけどしばらくはナイーヴでしょうね。

 ……ほんと、サクラバクシンオーにはしてやられたわ」

「一度負けた程度でそれじゃどうせ長くはもたん。安田記念までに立て直さんとな」

「他人事みたいに……。ブライアンも手伝いなさい、リーダーなんだから」

「……ま、いじけた奴のケツを蹴り上げるくらいならしてやるさ」

 

 レースの世界で生きる以上、生涯無敗などあり得ない。

 皇帝、怪物、名優、帝王。歴史にその名と蹄跡を刻みつけたウマ娘たちもその戦歴を紐解けば必ずどこかで黒星をつけていた。

 仮に無敗で現役を終えた者がいたならば、きっと十度も走らず、自分の意志とは別の理由でターフを去ったのだろう。

 けれど敗北は終わりではない。自分を見つめ直し、さらなる高みへ昇る助走でもある。

 負けを知って強くなれ。

 涙ぐむ少女を想い、チーム・リギルはさらなる飛躍を胸に誓った。

 

 

 ◆

 

 

 

 トゥインクルシリーズ芝の春GⅠ戦線は、新旧短距離王者の激突によって幕を開けた。

 結果はかつての短距離王サクラバクシンオーが勝利し、現王者たるタイキシャトルを真っ向から打ち破ることとなった。

 この結果をうけて、とある雑誌がこう告げた。

 今年のシニア級は二つの世代の激突である、と。

 その言葉を後押しするように、大阪杯の出走メンバーを見た世間が沸き立った。

 

 復活の二冠ウマ娘、掲げた夢まで残る冠はあと二つ。

 坂路の申し子 ミホノブルボン。

 覚醒した無冠の怪物、金鯱賞を圧勝し現在四連勝中。

 異次元の逃亡者 サイレンススズカ。

 

 同じ脚質、異なる世代の両雄が激突する。

 

 速いのはどちらか。勝つのはどちらか。

 

 嫉妬すら追いつかない圧倒的な才能か。

 憧れすら届かない常識外れの鍛錬か。

 

 春の中距離最速決定戦 大阪杯が始まる。

 

 

 第三章 チーム継承編 完

 第四章 チーム激闘編へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 





 というわけで第三章はみんな大好きバクシンオーと次走の布石を打ってフィニッシュです。
 また一旦書き溜め期間に入ります。

 第四章はさらに長い予定なので、ある程度溜まった段階で投稿していきますね。

 第三章も終わったので、時間を見つけて感想返しもさせていただきます。
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