転生したらインターネットだった件   作:DUN.ネコノカンリニン

13 / 15
……何ヶ月ぶりかな?


偽の原初(アナザーファーストカラー)

前回までのあらすじ

もうヤケクソだあああああああ!

 

 どうも、キンカです。今、悪魔召喚をして魔素がカラッカラになっておりまして。まあ、何が言いたいかと言うともうあの頃のような元気ハツラツとした若々しい魔素無限なんて言うチートは無いわけで、魔素量が最低値を下回ってしまって今低位活動状態(スリープモード)に入っているわけです。どんな姿かと言うとあのどこぞのはぐれたメタルなスライムみたいな状態になっています。あぁキンカよ、ここで眠ってしまうとは情けない!

 そしてそれと同時に悪魔召喚によって手に入った副産物が―――

「……?もしかして私を召喚する際に魔素の大部分を使ってしまわれました?」

「ん……い、いや、良いのだよ。僕の分も働いてくれればね」

 そう。たまたま召喚した“偽の原初(アナザーファーストカラー)“―――原初の金(ドレ)である。原初の金(ドレ)は通常の原初のように闇の大精霊から派生して生まれたものではなく、“星王竜”ヴェルダナーヴァの魔素溜まりから直接生まれたいわばもう一体の闇の大精霊というものらしい。

 そうだ、デンカさん。もし今の状態でこの原初の金(ドレ)に名付けしたらどうなるの?もしかして消滅するとか?

《いいえ、そんなことはないです。まあ……ただ、数日間は反応が消滅してあらゆる時空から切り離されるでしょうねぇ……》

 ウッソだろおい!くっそ、どうすれば良いんだよ!あああああああ、助けてーデンカさ――ん!

《まったく……しょうがないなぁ。テッテレー♪究極能力(アルティメットスキル)紅魔之王(スカーレット)』の権能―――『結果改竄』♪》

 うわー、懐かしいスキルだ。ワルプルギス来る前になんかサラッと獲得していた影の薄いスキルだ。この『結果改竄』でどうするというんだい?デンカさん。

《この権能でマスターが消費した魔素量を『ギリッギリ原初の金(ドレ)の名付けができるぐらいには残っていた。あっぶね』という具合に改ざんします。そうすると原初の金(ドレ)に名付けもできて低位活動状態(スリープモード)のままこの戦場を乗り切れるのではないだろうかと思うんですよ》

 なるほど!なら、もうやっちゃえ!デンカさん。もう、僕には難しいことは何一つわからない!

《承知しました、マスター!究極能力(アルティメットスキル)紅魔之王(スカーレット)』の権能―――『結果改竄』を発動!個体名:キンカ=クトゥルフ=スカーレットの過去消費魔素量のうち、悪魔召喚に使った魔素料を改竄!原初の金(ドレ)への名付けが可能になりました》

 いやったああああああ!なんとか成功!

「えーっと……誰だったっけ……ああ、そうだ!原初の金(ドレ)!君に名前を与えよう。これで僕はちょっと寝るから、あとは頑張って……」

「はい!承知しました、我が主!」

「じゃあ、君の名前はこれだ!『椛』!」

 ウッ、意識が……!

 

―――「椛……私の新しい名前ですか……。悪くないですね」

「おいおい、“偽の原初(アナザーファーストカラー)“が“本物の原初”に勝てると思っているのか?そいつぁ、俺が言うことじゃねえと思うが、傲慢だな」

 椛は後ろにかけていた紅葉の模様が入った円盾と鞘から直刀を取り出しながらこう答えた。

「ただの魔物のなり損ないだと甘く見るなよ、原初の赤(ルージュ)

「まあ、いいさ。始めようぜ、原初の金(ドレ)!」

 そう言って、ギィは飛び蹴りを椛に向かって行った。超身体能力での高度自由落下で速度を上げてのどこぞのライダーキックみたいな事になってしまった。

 しかし、椛はそれをいとも容易く円盾で受け止めて弾いてしまうと、直刀をギィに向かって振るう。

 恐ろしいほどの威力に、世界が悲鳴を上げる。

 ただの一閃のはずなのに、〝時空間支配〟と同じような『時空断裂』を生み出すその技量。―――間違いなく、それは〝星王竜〟ヴェルダナーヴァの隠された御子として遜色なかった。

「……チィッ! 魔法とかスキルとか、そういうの抜きにしてもその技量(ちから)かよ! ヴェルダナーヴァから直接生まれたっていうのはウソじゃなさそうだな、原初の金(ドレ)!」

「―――はあ、まだそれを言いますか。いいですか、原初の赤(ルージュ)……いや、ギィ・クリムゾン。あなたは、私が憤っているということをいまだ理解していない」

「は? それは一体どういう……」

 瞬間、ギィの腕が肩ごと切り落とされる。

「―――ッ! テメェ……」

「言ったはずだ、ギィ。私は、憤っているということを。その理由すら分からぬのなら、次は低能なその頭を切り落とす。再生できないように、念入りに。良いですか? 三度目はない」

「上等だ、原初の金(ドレ)! その傲慢さ、この俺が完膚なきまでにねじ伏せて……」

 一閃。

 宇宙すら垣間見えるその神業は、見事にギィを一刀両断した。ギィを一刀両断した椛が見つめているのは、哀れな肉塊となったギィ。それを、怒りの念を込めて蔑むように金色(こんじき)の瞳が睨みつけていた。

「言ったはずだ、三度目はないと。

 私が憤っている意味。それを考えられない頭などいらない―――そう言いましたが、あまりにもこちらの意を汲まなすぎてつい頭に血が上ってしまいました。ああ……頭が痛い。そのせいで、あなたの首を念入りに切るという私の言葉が嘘になってしまいました。

 もう無駄なようですので教えましょう。私が憤っている理由、それは―――あなたが、私の名前を呼ばず原初の金(ドレ)などという古い名で呼ぶからです。私には、椛というマスターからもらった名があります。それを呼ばないということは、不敬ではないのですか? どうなんですか、どうか言ったらどうですギィ・クリムゾン!」

 黄金の戦姫は、狂乱のまま吠えた。

 その様子を見て他の魔王はこう思ったという。

 

(……あの悪魔(デーモン)を従えているあいつ―――キンカとやらは怒らせないでおこう……)

 

 と。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。