結び付ける鎖の恐怖~東方鎖藭録~   作:生おろしのレンコン

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発見

魔法の森で魔女が襲われ、数時間後...

その上空を白黒の服に身を包んだ、金髪を風にたなびかせる少女が飛んでいた。

その少女の名は「霧雨 魔理沙」普通の魔法使いで、人間だ。

魔理沙は箒に跨り、一直線で目的地へと飛ぶ。

 

目的地である場所が見えてくると、高度を下げ、着地する。

その場所は魔法の森の中ではあるが、瘴気は少なく、開けている。その中心には一つの綺麗な洋風の家が建っている。その家の扉を魔理沙は軽く叩き、

 

「おーい!アリスーー!今日も来てやったぞーーー!」

 

大声で叫んだ。森の中にも木霊しているようで、やまびこのように何回も聞こえる。だが、家の中からはなんの反応もない。魔理沙は居ないのかと思い、引き返そうとしたが、

 

「シャンハーイ..」

 

「..!?....びっ...くりしたぁ...上海人形かよ、全く...心臓が跳ね上がっちまうぜ」

 

驚きのあまり、持っていた箒を落としかけてしまうが、何とか持ちこたえた。一旦大きく息を吐き、上海人形と向き合う。

 

「なぁ、上海?アリスが何処にいるか分かるか?アイツに用が会ってきたんだが...居ないみたいなんだ」

 

「......コッチ」

 

上海人形に語りかけると、ふよふよと浮きながら、アリスの元へと案内してくれるらしい。心なしか、上海の声が暗く感じた。だが、所詮は人形、そんなことは無いと思い、魔理沙は上海人形について行く。

 

歩いて数分、いきなり上海人形が移動するのをやめる。魔理沙もそれに合わせ、立ち止まる。

 

「..ココ....ココニイル」

 

上海が声を発したかと思うと、力を無くしたのか、ふらふらと地面に落ちる。魔理沙は上海を拾い上げ、一言。

 

「ここにいる..だって?辺り見回しても何も居ねぇじゃねぇかよ。遂にお前も壊れたか?」

 

もう動く気力も無くした上海はぐったりと、上を見ている。

魔理沙は念の為、もう一度辺りを見回すが、誰も居ない。あるのは高い木だけだ。光が差し込むことも許されないほどに生い茂った木と草があるだけ。

 

「...暗いな..。明かりは...八卦炉で付ければいいか...」

 

ポケットから八卦炉と呼ばれる八角形の物を取り出し、魔力を込める。すると、八卦炉から明るい光が飛び出す。上へと向けていた為、魔理沙の顔に光が当たり、少し眩んでしまう。

 

「眩しい...いっつもこうなるのに..これだから学ばないって言われるんだよ...」

 

何回か瞬きをし、目を慣らす。そして、八卦炉を使って辺りをまた見回す。

だが、やはりアリスは居ない。

 

「...やっぱり、上海が壊れちまってんじゃないか..?」

 

手に持った上海人形をじっと見つめる。何とか魔力を込めて動かそうとしても、主人が違う為か、込めることが出来ない。目を瞑って瞑想するも、駄目だった。

諦めて、帰ろうと踵を返すと..ふと、背中に何かが降ってきた。

 

「つめ..!!...つめたぁぁい!」

 

ひんやりとしたものが降ってきた。感触的に液体、きっと露かなんかだろうと思って首筋に落ちてきた液体を指で拭き取る。

..そして、無意識に拭き取った液体を見る。否、見てしまう。

 

「..んだこれ。赤い..液体...少なくとも露でも、雨とかでも無い...何なんだ?」

 

ここまで疑問が出ると、誰でも上を向いてしまうだろう。降ってきた物が何かを確認する為に、上を見るだろう。勿論、魔理沙もそうした。普通ならば見えない高さ、暗さのあまり霞んで見えるそれは、人の足。

見間違いかと思ってもその目が、脳が、足で間違いないと確認させる。

見覚えのある足、まさかと思い、八卦炉を向ける。そして、それの全身があらわになる。それを、見る。

 

「あ..え...?嘘だろ..アリ..うっ..おぇっ..!」

 

吐き気が魔理沙を襲う。急いで口を抑えるも、その姿が頭の中で反芻され、抑えきることは出来ない。ビチャビチャと音を立て、身体の中のモノが外へと飛び出す。息をすることが辛い、自然と涙がでる。

 

「はぁ....はぁ...うぇぇ...ふっ..はぁ...」

 

ある程度落ち着き、もう一度上を見上げる。

一先ず、アレを下に降ろすことが最優先だと、箒に乗ってその高さまで上昇する。

近づいて、はっきりとした。コレはアリスだと、魔理沙に再認識させる。アリスは肩と足に鎖が刺さり、近くの木に巻き付けられ、ぶら下げられているようだ。

他に、鎖が喉を締め付けるように巻かれている。全身からは出血し、所々に肉が露出する。恐らく、地面を引き摺られたのだろう、擦り傷がそこら中に付き、服もダメになっている。

 

「..アリス...何で...何で..」

 

アリスの顔に手を当てる。とても冷たい。まるで死んでいるかのように、冷たい。だが、息はある。か細いが、呼吸音が聞こえる。

魔理沙は急ぎ、鎖を解こうと手をかける。幸いな事に、木には軽く巻いてある程度だった。アリスを片手で支え、もう片方の手で鎖を解く。

さほど時間は掛からずに全て解き終わった。アリスは力無く魔理沙の腕に乗る。

 

「...泣いてても....仕方ないな..。早く永琳のとこに..行かないと....」

 

涙が止まらない。今、魔理沙の視界は前が見えない程ぼやけているだろう。だが、袖で涙を吹き、急いで魔法の森からとびだす。

 

人里の上だろうがお構い無しに飛ぶ。

人里に住む人々は今日も騒がしいと、その魔法使いを眺める。抱えているモノが何か分からずに、呑気に自分達の仕事へと戻っていく....。




改行多めで書いてみました。改行多い方が見やすいのか、少ない方が良いのか分からないんですよね...。どっちがいいか教えて貰えると嬉しいです。
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