心から信頼できる友達が出来た。はじめての『トモダチ』だ。
「私は永遠に語り継がれる黒幕になる。」
彼女はとても壮大な夢をいつも私に語ってくれる。夢を語る彼女の目はいつも輝いていた。
私は、彼女の夢が好きだ。だから私は今唄う。目の前の全てを地に叩き落とす。
『地に伏せよ』
彼女は
「レームちゃんの夢も絶対叶えるからね。」
そう言ってくれた。私の夢は彼女のものに比べ段違いに小さいものだ。だが彼女はそれでも良いと言う。私が理由を問うと
「夢を持ったら一緒に前に進めるでしょ?」
無邪気に笑い、その澄んだ青い瞳は真っ直ぐと私を映していた。
彼女を永遠に語り継がせる時が来た。あの彼女の花々は何を見ていたのだろう?恐怖に歪んだ顔か。それとも救世主による安堵か。
『もっと咲かせよう!まだ輝ける!』
彼女の声が聞こえて来る。そうだよ、君はもっと輝ける。私がいくら地に打ち付けようがその能力を抑え込もうが君はそれをも超えてしまっている。
「おい霊夢!強すぎだ!このままじゃ人間がひしゃげるぞ!」
ああ、邪魔が入った。彼女も抵抗しているんだ。ふと辺りを見渡すと上と下から力の板挟みで今にも潰れそうな人間で溢れ返っていた。ざまあみろ。誰一人として同情するもんか。私は守りたい者を守る。お前達はそうじゃない。
「で、でもっすごい力で押し返されてっ、今やめたらそれこそここの人達が死んでしまいます!」
我ながら良い演技が出来た。特に顔。魔理沙さんを騙している事は少し気が引ける。だけど、躊躇いを打ち破らなければ私は前に進めない。
「こいつぁ…お手上げってか?」
彼女の力はどんどん増していく。悲鳴すらも出せなくなるような苦しみを味わってもらわなければここまでやってきた意味がない。
『いざ、作戦第二段階!いくよ!レームちゃん!』
人間も妖怪も皆許すものか。皆地に伏して彼女の糧となれ。苦しんでも怨んでも泣いてもツケはまだたっぷりと残っているぞ。後悔する暇をも与えず彼女は無慈悲に生命を飲み込んでいく。
ほら、
ペちゃり
心地いい音を立てて一人、唯の肉の塊になった。力の板挟みに耐えられず体の内側から破裂したのだろう。所詮はこうなって当然の塵芥共だ。
気分が少し晴れた。
「霊夢!すまん!」
その魔理沙さんの言葉が聞こえたかと思えば、私は博麗神社の石畳の上に立っていた。
しまった、やられた。転移魔法を使われたんだ。いい所だったのに。
『あーあ、邪魔されちゃったね。』
「力はちゃんと集まってる?それが気がかりなんだけど。」
『あーそれなら大丈夫!一応弾幕戦は出来るほどまでは集まったよ!』
「念には念を入れてもっと力は集めないと。人里はどうしたの?」
『霧雨魔理沙が、すっごい猿芝居はじめてなんか可哀想になったから引き上げた。「霊夢が飛ばされてしまったー!!!」
ってさ。すっごい顔して。』
あの人は良い人だ。現に私のことをフォローしようと躍起になってくれている。私にとっては彼女と同じくらい大事な存在。しかし今は難しい存在となった。
『魔理沙は、君のこと大事そうだったし何かフォローしにそっち行きそうだね。』
「なら行動は早めにってね。作戦第二段階は始まったばかりなんだから。」
『レームちゃん、顔が明るくなってるね。嬉しいな。』
「そう?いつも通りだよ。」
いつもは憂鬱な博麗神社からの景色が、少しだけ美しいと感じた。