「計画は順調だよ。博麗霊夢。運がいい君は、特等席でこのミュージカルを楽しむといい。」
「あんた、今のうちに覚悟しておくのね。」
「おやおや、強がりかい?ま、シナリオは君の臨む未来に進むよ。レイムちゃんったら私のシナリオに口うるさく言ってくるもん。手直しして納得してもらうまでどれだけかかったか。」
「はあ?私はあんたの馬鹿げたシナリオとやらに付き合った覚えは無いし、今すぐでもあんたをぶっ飛ばしたいところだわ!!」
「??ああ、違う違う。君じゃない。君の後の博麗霊夢だよ。」
「は、はぁ!?」
ー1年前ー
私はアストラル体となってレイムと接触を図った。無事に彼女に接触することに成功し、計画への勧誘するために色々と熱弁した。
が、しかし
「そんなことするのであれば、いっそのこと幻想郷を崩壊させてくれればいいじゃないですか。」
「だ!か!らぁー!いいじゃんかー!私をド派手に!盛大に!バァー!って打ち倒してよおー!」
困ったものだ。異変解決者の博麗の巫女にとって美味しい話だと思っていたが、とんだ計算違いもいいところだ。
「あんな、恩を仇で返すような連中なんざ到底徹尾助けたくありません。助けてもらったと思わせる事自体が嫌です。」
「ワオ、博麗の巫女らしからぬ発言。」
まぁ、大いなる意思も私の事巫女って言ってたし、私も大概だけど。
「説教が飛んで来ないだけ、貴女はだいぶマシです。」
彼女の目には一点の曇りもないドス黒い闇が浮かんでいるだけだった。この目を見れば彼女が博麗の巫女としてどのような仕打ちをされてきたのか語られずともよくわかる。
「じゃあなんか報酬好きなものあげるって言ったら?」
「別に欲しいものは無いので。」
こんな目してるもんなァ、物とかいらなそうだもん。なんか事象とか現象とか?いや、もういっそ他の人に?ダメだ。結界を操れるのは彼女しかいない。
「じゃあ、ウィンウィンの関係に持ち込むとしよう。」
「と、言いますと?」
「私は幻想郷に大異変を起こし、打ち倒され、語り継がれるような黒幕となる。これはオモテのテーマね。」
「オモテも何も無いと思いますが…」
「まあまあ、んで、裏のテーマが君の幻想郷への復讐ってのはどう?君の目を暗くさせた奴らにツケを払わせるんだ。うんとたまりにたまった膨大なツケをね。」
そう、私が言った途端に彼女は目を輝かせえらく食いついてきた。
「乗ります!」
「そんなに食いつくほど博麗の巫女ってヤバいの…?」
「そりゃあ、異変解決しても賽銭どころか礼の一つも来やしない。来るのは罵倒と厳しい修行と博麗の巫女はなんたるかって話を押し付けられることです。魔理沙さんがいなければ私が異変起こしてますよ。」
冗談で言ったつもりだけど。まあ、好都合といえば好都合。私が華々しい最期を迎えるために協力してくれる?のかな?まあいいや。
「で、私は何をすればいいのです?妖怪殺し、人殺しなら進んで引き受けて差し上げますよ?」
「わお怖い。でも、そのつもりだよ。てか、それしないと私の力が集まらない。私も今アストラル体でやっとこさ此処にいれるからさ。」
私は目の前の小動物が寝そべっているコスモスの花に対し、因果改変を施す。
「あそこの小動物。よく見ていて。」
たちまち、ソレのエネルギーを吸い尽くし、骨を残して綺麗さっぱり命を私のものとした。
その醜い光景を見たレイムは口元を緩ませていた。
「良いですね。それ。凄くいい!」
「まず計画の第一段階では博麗大結界に沿って今見せた花を大規模に展開していく。んー、君に分かりやすいように全部白色で統一しておくよ。」
「それで?その第一段階とやらでは私は何をすればいいのですか?」
「私に力がある程度貯まるまで花を『隠して』欲しいんだ。あの花はまだどうしても邪気を隠し切れない。どうかな?できる?」
「それは…、博麗大結界を応用すれば出来そうですね。第一段階は妖獣、野獣などの低知能の生物がターゲットということですね。」
「力がある程度集まったら第二段階!此処ではレイムちゃんお望み!大規模殺戮!どんどん力を吸いまくりまーす!」
ーそして現在。ー
「お、キタキタ。」
『抵抗』の感触が走った。それは、私の合図にレイムが答えたということ。
「ははっ!べらぼうに強いじゃあないか!これがレイムちゃんの能力『地を這わせる程度の能力』とでもいうのか!負けないぞお!」
レイムも気合が入っているのか『抵抗』の感触がすごく強い。
「何が起きているのよ!説明しなさい!」
「オペラの幕が今まさに開かれたのさ!演者も!オーチェストラの楽団も!観客も!全て揃った!君達は運がいい。実に運がいい!」
「さあ、とくと踊り狂え!」