たとえ勇者に非ずとも   作:そば茶

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手直してたらお盆が終わっていた件。

※前話のサブタイ変えました


第十一話 蜂の巣をつつく・後

 

飛び出した救助隊員に群がる蜂の大群。

喉から絞り出すような絶叫を聞きながら、可視子は呆然とした。

 

これは一体何なんなのか?

 

突然壊れた日常に適応できず、思考が空転する。

 

つい数分前までは、どこにでもある普通の日常だった。

いつも通り家を出て、途中で見かけた友人とおしゃべりしながら学校へ向かう。

 

それが少しだけ変わったのは、その友人が「向こうの方に餓死しそうな人が居る」と言ったからだ。

ヒーローを目指すものとして、それを聞いてしまえば無視して通り過ぎることなど可視子にはできなかった。むしろ、滅多にできない人助けの機会に少しだけワクワクともドキドキともつかない興奮を覚えていたのだ。

可視子に出来たのは凛勇が告げる情報を電話越しに伝えるくらいのものだったが、それでも人助けには心地よい達成感があった。

学校に遅刻することは、真面目な可視子にとっては全く未知の体験であり、やや不安な要素ではあったが、それもちょっとした非日常を彩るスパイスのようなものだ。

無論そこには、最終的には親も教師も褒めてくれるだろうという彼女なりの打算があってのことだが。

 

しかし、今はどうだろうか?

目の前の事態を理解し始めた可視子の胸に湧き出したのは恐怖だけだった。

 

絶叫を上げ、倒れ伏した救急隊員を気遣う余裕などなかった。

逃げなくてはいけない。

ただそれだけが、思考の埋め尽くした。

 

しかし、動かない。

常にない事態に、恐怖に、体が硬直していた。

周囲にいる大人達も同様に動くことが出来ずにいた。

 

だが、誰もが恐怖にその身を硬直させる中、一人蜂の前に飛び出していく影がある。

その陰は可視子の横から飛び出し、背に人々を庇うように立ち塞がり叫んだ。

 

『逃げろ!』

 

いつも聞いている丁寧で穏やかな口調とは打って変わって荒々しく切迫した声。

友人──大神凛勇の背が目の前にあった。

背中越しに、突き出した腕から放出された青いオーラが大気に半透明の壁を築き、蜂の侵攻を食い止めるのが見える。

 

だが壁の幅は2m少々でしかなく、先行した先頭を食い止めることは出来ても、包囲するように広がりつつ迫る後続を止めるにはあまりにも狭かった。

 

『逃げろ!』

 

それを察しているのか、再び放たれた声にようやく我に返り、野次馬達も堰を切ったように走り出した。

つられるようにして、可視子も走り出す。

 

だが、その足は鈍かった。

 

──私だけ逃げてもいいのか。

 

そう、逡巡したからだ。

友人を一人置き去りに、逃げても良いのか。

その迷いが、可視子の足を引き、全力での逃走を許さなかった。

 

ただでさえ蜂に近い位置に立っていた彼女。大人と比べればはるかに劣る走力の彼女が全力疾走を躊躇えば、全体から遅れをとるのは必然だった。

そして、目撃者の逃亡を許すな、という命令を与えられた蜂にとって、可視子は恰好の標的であり、不幸にも自ら向かってくる凛勇よりも獲物としての優先順位が上だった。

 

凛勇の稼いだ数秒のうちに可視子が逃走できたのはほんの十数m。

蜂の飛行速度であれば即座に踏破できる程度の間合いであり、ブゥゥンという不吉な羽音が可視子の耳に届くのにそう時間はかからなかった。

 

「きゃあ!」

『委員長!』

 

音に驚き、思わず振り返ったことでバランスを崩した可視子が転倒する。

慌てた凛勇は守りを放棄し、両腕から衝撃波を放ち周囲の蜂を叩き落しながら走り寄った。

だが、遠い。伸ばされた手と可視子の間には、まだ10m近い距離がある。

 

「ああ・・・」

 

息を吐く。

体が動かない。逃げなければと思うのに、まるで思い通りに体が動いてくれない。恐怖で真っ白になった思考に、蜂の顔が不自然なほどに大きく写り込む。まるで自分を殺すものの姿を克明に捉えようとするように、意識は加速し目の前の襲撃者を注視していた。

だからなのか、蜂の動きが止まったことに可視子はすぐに気づいた。

 

そこに不可視の壁が立ちはだかっているかの如く、蜂は可視子から一定の距離まできたところでピタリとその飛行を止めた。時が止まった──一瞬そう思いそうになったが、変わらず聞こえる周囲の音がその勘違いを正す。

呼吸してしまえば、この氷付いた蜂達は動き出してしまうかもしれない。そんな緊張感を覚えながら、可視子は顔からほんの数cm先で停止する蜂をぼんやりと見ていた。

 

次に起こることを、見ていたのだ。

 

クシャ──と、最初はそんな小さな音。

目の前で停止していた蜂が潰れた。

発色の良い黄色の甲殻に守られていた臓物が押し出され、尾部の注射器に仕込まれていた液体が噴き出す。しかし、それが真下に横たわる可視子に降り注ぐことはなく、窓ガラスを伝う雨粒のように、ツゥっと宙に放物線を描きながら視界を横に流れていく。

同じことが、可視子の目の前で次々と起きていく。

 

潰れ、砕け、千切れ、溢れ、零れ、滴っていく。

ものの十秒ほどの間に、眼前で停止いていた蜂は全て潰れ、可視子の周囲にその躯が山と積まれていった。

中空にこべりついていた体液の名残が、まるで薄皮を剥がすように取り去られると、晴れた視界の向こう側からやってくる影が目に入る。

 

「・・・大神、くん?」

 

全身を青い輝きに包んだ凛勇が、歩いてくるのが見えた。

ピョンピョンと、まるで水たまりを避けるような調子で地面に転がる死骸を避けながら進んでいる。その間にも蜂は凛勇を刺そうとその周囲を飛び交っているが、彼の纏う青いオーラに阻まれて近づくことが出来ない。そして、時折凛勇が振るう腕から生じた衝撃波によって砕け散り、無残な死体と化して地面を汚していく。

凛勇が可視子の前に到達することには、もう蜂は数えるほどしか飛んでいなかった。

恐怖の余韻に呆然とする可視子の前にしゃがみこんだ凛勇はほっとしたような笑みを浮かべると。

 

『災難だったね。怪我は無い?』

 

そう言って、手を差し出した。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆

 

通学途中、突如左目を襲った痛みに蜂須賀九印は足を止めた。

 

「痛ッ」

 

思わず手で顔を覆う。

指の隙間から鮮血が滴った。

 

「・・・あー、家に仕掛けといた奴か」

 

蜂須賀の個性は【女王蜂】。

左眼球部に潜む巨大な女王蜂が生み出す無数の働き蜂を操る個性だ。

俗に”使い魔型”などと呼ばれるタイプの個性であるが、蜂須賀の有する【女王蜂】の際たる特徴は、個性により生成される蜂の独立性が極めて高いという点にある。

 

一般的に使い魔型と呼称される個性は主人から離れた活動に大きな制約が存在する。

それは個性により生み出された異形の存在故、実体を維持するために宿主からなんらかの供給を必要とするというのが主な要因だが、異形ながらも一個の生命として存在を確立している働き蜂達は、主人が居ない環境下でも長期の単独行動が可能であった。

無論、主人の指示が無い状態では蜂相応の知能しか発揮できぬため、有効活用しようと思えば通信用のマイクロデバイスを取り付けるといった相応の工夫を必要とするが、予め組み込んだ命令を機械的に実行させる程度であれば造作もない。

たとえば、ねぐらにしている家に仕掛けて置き、家主達の昏睡状態を保つ程度の留守番は造作もない。

 

「(──空き巣?)」

 

ハンカチで血を拭きとりながら、推測する。

 

流れた血は、働き蜂の死に感応した女王蜂が眼孔の中で暴れた証拠だ。

家主は薬で昏睡状態にある以上、蜂が突然死ぬとしたら外部から侵入した者の仕業としか考えられない。

だが、戸締りした家に勝手に踏み込んで来る人間というのは限られる。

 

空き巣を疑うのは、ごく自然な発想だった。

 

「(・・・証拠品とかは始末してるけど、あの家はもう引き上げかな)」

 

短期的には、蜂の襲撃によって侵入者を黙らせることは出来る。

だが、周囲に疑問を抱かれないようにあらかじめ周囲の人間関係から切り離した家主達とは違い、侵入者はどのような人間関係を気づいているか分からないイレギュラーだ。

空き巣であろうがなかろうが、誰かが踏み入ったのであればその誰かの痕跡から内部の様子を不審がられる可能性がある。

無論、トリガーの流通網へと繋がる証拠品を残すようなヘマはしていないとはいえ、勘の良い者であれば働き蜂とトリガー事件をつなげてしまいかねない。

 

侵入者の()()と、家に仕掛けた蜂の引き上げを速やかに行う必要がある。

人員を手配すべく、上司に連絡を取ろうとしたその時だった。

 

「ッつ、あ”──ッんだおい!」

 

先を上回る激痛。

ドロリと、大量の血がこぼれだす。

 

異変に気付いた通りがかりのサラリーマンが声をかけて来る。

 

「き、キミ大丈夫かね?」

「っるせぇ!触んな!」

「あ、ちょっと!」

 

肩に伸ばされた手を振り払い、蜂須賀はよたよたとした歩みで脇道へ逸れる。

 

「(クソ、まさかヒーローか!?)」

 

大量の蜂の死に、女王蜂が眼孔の中で荒れ狂う。

 

明らかに、侵入者は蜂を相手に戦っていた。

どちらにせよ、これ以上死ぬのであれば危険と判断し、身を隠すべく蜂須賀は人気のない路地へと入っていく。

 

「(何処の誰だか知らないけど、ゼッテー殺す!)」

 

怒りに呼応するように、眼孔の中で女王蜂が激しく蠢いた。

 

 

◇  ◆  ◇  ◆

 

 

『(いやー、危なかった)』

 

あれほどの緊張感を覚えたのはいつ以来だろうか?

大抵のトラブルは事前に察知して避けてしまえるので、こういった緊張感を覚える機会はめったにない。つい最近、コーイチ君と初めて会った際は他に意識を取られていたせいでヴィランに接近を許してしまったが、あんなのは足元に転がっていたゴミを蹴っ飛ばした程度のもので、別段脅威ではなかった。

思えば、今世では一番ピンチだったかもしれない。

 

特に、俺のピンチじゃないというあたりがめっちゃピンチだった。

自分で言っていて変な言い回しだと思うが、そのままの意味だ。

俺はタイプ相性的に毒は効かない──個性診断の時に確認済み──し、【てっぺき】による硬化を行えば蜂の針も通じない。俺にとっては蜂など、厳ついハエでしかない。なんなら不潔な分ハエの方が嫌だ。

俺個人を狙われる分には鼻で笑って対処できる相手だった。

 

不幸だったのは、周囲に自衛手段を持たない野次馬が居て、更にその一人が俺の友人だったということだ。

今になって見れば、あれだけ刺された救急隊員が死んでいないのだから、蜂の使う毒もさして警戒する必要のないものだったわけだし、無視して逃げた方が良かったなぁと後悔しないでもない。

まぁ、体質の違いとか投与量なんかでは死に至る可能性はあった訳で、無意味だったとまでは思わないが、見ず知らずの他人のために、これから警察のご厄介になる羽目になるのだと思うと、ため息の一つも吐きたくなる。

人に向けて使ったわけじゃないし、器物損壊とかにも気を使ったせいで初手【まもる】なんて悪手を打ってしまったぐらいだ、お小言くらいで済むとは思うが、さっさと委員長抱えて逃げてれば良かったと今は思う。

全く、らしくないことをしたものだ。

 

俺が蜂の掃討を終えてから3分もしないうちに警察とヒーローが現着した。

逃げた野次馬の誰かが連絡を入れていたのだろう。本音を言えば警察の到着前にとんずらして俺の行動はなぁなぁにしたかったのだが、それなりに目撃者もいたし、下手に逃げたら状況が悪化しそうだったので俺は大人しく待つことにした。

警察の到着後はまだ動揺が抜けきっていない委員長に変わって彼らに状況を説明したのだが、「ちょっと署のほうで詳しい話を──」と言われ、今は委員長と仲良くパトカーの後部座席だ。

 

当の警官達は現場の確認だが後続への引継ぎだか知らんが、俺らを置いて無線で連絡したり家の中を調べに行ったりと忙しそう。

 

この後どう言い訳しようか。そんなことを考えていると、横の席でソワソワしている委員長に気づく。

何やら俺の様子を伺っているが、聞きたいことでもあるんだろうか?

そう思って、促してみる。

 

「あれって、大神君がやったのよね?」

『アレ?』

「・・・蜂を潰したやつ」

『ああ、【サイコキネシス】のこと?それなら俺がやったよ』

 

なんてことはない。

単に俺の使ったワザが気になっただけらしい。

確かに普段俺が人前に出している個性からすると、性質を異にする能力だろう。

ともすれば、複数個性を持っていると勘ぐられかねない程度には。

 

「あんなことも出来たのね」

『まぁね』

 

とはいえ、確信のない疑念に動揺する俺ではない。

「前々から使える能力でしたけどなにか?」という態度を全面に押し出し、堂々と誤魔化す。

実際、説明がメンドクサイだけで複数個性ではないし。

 

『ちょっとした個性の応用だよ。エネルギーを適切に操作できれば、どんな現象も掌握出来る、ってね。ま、大した技じゃないよ』

「・・・そんなことないと思うけど」

 

言いつつ、ポケットから引っ張り出したハンカチに【サイコキネシス】をかけ、浮遊させて見せる。

 

『これ、指で突っついてみて』

「え?」

『ホラ、こうやって』

「う、うん」

 

空中で、ハンカチを広げたハンカチを手で突いて見せる。

俺のやった通りに、躊躇いがちに委員長が指を突き出す。

恐る恐る突き立てられた指に押され、ハンカチがゆっくりと四角錐状に歪んでいく。

 

「・・・なんだか、水に浮いてるみたいね」

『その程度のパワーしかないってことさ』

 

卑下する言葉は謙遜ではなく、単なる事実だ。

 

【サイコキネシス】自体は優秀なワザだ。

ゲーム中ではダメージついでに相手の特防を低下させるいまいち何やってるかよくわからないワザだったが、現実にはその名の元ネタとなった超能力にも等しいだけの超常現象を引き起こすことができる。

念力──同名のポケモンのワザではなく超能力の方──を扱えるということは、自在に運動エネルギーを発生させることができるということであり、およそあらゆる物理現象を再現可能なポテンシャルを有するということに等しい。事実、【サイコキネシス】が一つのワザと思えぬほどの応用幅を持つことは、アニポケを履修した人間であれば承知のことだろう。

こちらに生まれ変わって11年。ポケモンを見ることは出来なくなって久しいが、映画でミュウツーが天候を操り嵐を発生させたシーンは未だに克明に記憶している。あれもまた、ミュウツーの強力な【サイコキネシス】で引き起こされた現象だった。

無論、あれほどの規模の現象は望みようもないが、あの映画の描写をいくつか参考にするだけでも両手では足りない応用が思いつくというものだ。

 

だが、その応用を実現するだけの出力が俺の【サイコキネシス】にはない。

タイプが不一致だからなのか、単に俺の知能指数が足りていないのか。できれば前者であって欲しいと個人的には思うのだが、ミュウツーはおろか一般エスパーポケモンにも劣る出力が俺の限界だ。

ゲームやアニメではワザが使えるようになったらその時点で実用的な威力を発揮していたので、ちょっと変だなーと思わないでもないが、リアル故の妙ということなんだろうか?

まぁ、正式にワザマシンを見たわけでもない独学なので、単に俺の使い方が変なだけかもしれないが。

 

ともあれ、俺の【サイコキネシス】は現状子供の筋力でもどうにか出来てしまう程度の出力しかない。仮にこの場で委員長を拘束しようとした場合、あっさり逃げられることだろう。一応全力出せば抑え込むくらいはできると思うが、その場合他に思考を回せないレベルの集中を要求されることとなる。

将来性はともかく、現状はその程度のワザだ。

 

「でも、・・・その・・・蜂を捕まえていたでしょう?」

『蜂だったからね。あれが鳥とかなら無理だったよ』

 

今回は二つの幸運があった。

一つは敵が蜂という小型の生物だったことだ。

いくら俺の【サイコキネシス】が貧弱とはいえ、あのサイズの生物に力負けするほど弱くはない。力場の壁で捉えて、サンドイッチして潰す程度なら赤子の手を捻るが如くだ。

 

もう一つは、あの場で委員長が転んでくれたこと。

【サイコキネシス】は自分から動かす分には楽なのだが、既に動いている物体に干渉するのはめちゃくちゃ苦手だ。仮に委員長があのまま走り続けていた場合、蜂を捕らえることはまず不可能だった。委員長があそこで転んでくれたからこそ、それを覆うように力場を展開する待ちの構えを取ることが出来たのだ。

まぁ、あのまま走っていたら走っていたで、【サイコキネシス】で委員長を転ばせるとか対処のしようはあったが、その場合力場の展開はコンマ数秒遅れることとなっていたはずだし、委員長が一回も刺されなかったと断言するほどの自信はない。

 

返す返すも運が良かった。

無論、運だけでなく日ごろの練習ありきの結果ではあったがな。

 

『ホント、練習しててよかったよ』

 

リモコン取ったり、電気消したり、キーボード打ったり。

出力訓練のみならず、日常生活の中で活用することで手足のように自在に扱えるよう鍛えて来た。

ついでなので別に苦労はなかったが、あの鍛錬が無ければそもそも力場の展開自体が間に合わなかっただろう。

時間潰しに、そんな苦労話しをしてみれば委員長は「学校だけじゃなくて家でもそんな感じなのね」と、呆れたような目を向けられた。

うん、まぁ悪いとは思っているが、悪いのは俺じゃない。AFOの野郎だ。

あとは授業が退屈なのが悪い。ここ八年ばかりずっと暇さえあれば修行って感じだったので、思考を遊ばせておくと落ち着かないのだ。今だって体内では波導をグルグル循環させてるし。

椅子に座って出来る修行なんて大したもんじゃないが、こういう小さな積み重ねが生存率を引き上げるのである。多分。

 

今回だって、学校での努力がなければ失敗していた可能性は無きにしもあらず。

 

『──委員長に告げ口されてたら、助けるの間に合わなかったかもね』

「え?」

 

つい、いたずら心からそんなことを言ってみる。

委員長は目をまん丸にして驚き、遅れて失敗した場合を想像したのか顔を青ざめさせた。

うん、わかっちゃいたが、あまり冗談が通じる質ではないらしい。

利発な子だが、基本的に真面目ちゃんだからな。

 

『冗談だよ』

「・・・大神君って結構いじわるよね」

『ははは、偶に言われるよ』

 

実は結構本音だったりするのだが、それを言ったらこの娘はどんな表情をするだろうか?

そんな好奇心を押し殺しつつ、横から向けられるジト目を躱すように窓の外を見る。

 

視界の先では、警察官が何やら会話をしているのが見える。

ちらちらとこちらを見ながら話している様子からして、「今からあの子達を署へ──」みたいな話をしているんだろう。

 

『(最低でも午前欠席コースだなこりゃ)』

 

これから取り調べして、保護者が迎えに来て、となるとそれくらいはかかるだろう。

できれば、そのまま午後も欠席させて頂けると俺も楽でいいんだが。

 

しかし、取り調べか

なんと憂鬱な響きだろうか。窓にうっすらと映った自分の目が、どんよりと曇っていくのが見える。

だが、そんな俺とは対照的に窓から見える空は夏らしく、晴れ晴れとした青が広がっている。

 

『・・・暑くなりそうだ』

 

なんとなく、そう思った。

 

 





蜂を潰した人
別に鍛えているのが波導だけとは言っていない!なお、波導と違って種族的な補正が一切ないので、性能は糞雑魚な模様。将来性に期待を込めて、鍛錬だけはやっている。
取り調べの想定問答考えつつ、そういやオッサンが蜂がどうとか言ってたなーみたいなことを考えている。

蜂が潰れるのを見ていた人
突然目の前で蜂が絞り汁にされるのを見て、実は内心凛勇にビビッていたが、おしゃべりしていつも通りだな、と一安心。あと、「やっぱりこのくらい鍛えてないとヒーローになれないのかしら?」と、価値観が揺らいでいる。

【サイコキネシス】
いわずと知れた超能力の代名詞的能力。ゲームだといまいち何やってるか分からないワザだったが、今作ではアニポケ準拠のサイキック能力。採用してる型は見たことがないが、一応ルカリオもワザマシンで習得する。凛勇は念動力系の個性を観察して無理矢理覚えた。
ヒロアカ世界の個性は明らかにバランス調整的な理由で生物への直接干渉に制限を受けることが多いが、B組の子と違い普通に生物に干渉できるので目つぶしとかも普通にできる。ただし確実に過剰暴行で訴えられるので目つぶしは最終手段。
波導弾やボーンラッシュあたりの組み合わせを特訓中。

【オーラガード】
ポケカから。全身を波導で覆い、軽度の攻撃を防御する。【きあいパンチ】を念能力における硬とするならば、堅にあたるワザ。消費の割に対して攻撃を防げない無駄の多いワザだが、ようは波導を垂れ流すだけなので【サイコキネシス】使いながらでも使える。
名前は出してないが、蜂から身を守るために使ってた。

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