9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
「さて…………と、そろそろ僕も動こうかな~」
もう何日前か忘れちゃったけど、妙に癇に障る奴らから協力しないか? と誘いが来てからだいぶ時間が経った。
もちろんそんなお誘いなんて断ったけど、そうしたら度々僕に攻撃してくるようになった。正直かなりめんどくさい。
なにが面倒って、やっぱりかなり強力なアーティファクト能力を所持されていること。《雷》を扱ったり、《方向》を操ったり、《水》を操ったりするやつもいたかな?
しかも決まって数人で攻撃してくるから本当にだるかったんだよね。《瞬間移動》を持っててよかった。
でもこのまま逃げ続けるのもそれはそれで面倒なんだよねぇ……
「そろそろ合流した頃かな?」
僕が持っていた《アンブロシア》とその配合剤、上手く使うかは竹内次第だね。
あいつらに敵意を明らかに向けてる竹内たちは、今はいてくれていた方が楽になるし、今回は素直に助けてあげる。ま、助かる保証はないけどさ。
「にしてもなー、せっかく《石化》の能力を手に入れたのにあんまり上手く扱えないや」
試しに能力を解放して、適当な空を見上げてみる。その行為に特に意味の無いことはわかっているけれど…………空に飛んでいる雲ひとつ石にならない。
「せめて1人くらいは殺してみたかったなぁー」
人間って死ぬとどうなるんだろ? 死ぬその寸前ってどんな顔するんだろ? ちょっと面白そうだけど、他人に使おうとすると何故か決まって操作が不自由になる。
「でも、アイツは上手く扱ってたよね、もう1つの《石化》の能力を持ってる人」
度々僕に攻撃してくるユーザーの1人に、
今まで殺したと思ってた人たちはみんな結局生きてたし、何も面白くないな~なんて思ってたら……まさかアイツが勝手に殺してるんだもん。
あんな精密なトリック使われたら、そりゃあゴーストも自分が殺したって勘違いしててもしょうがないね。
何故か、僕の幻体である彼女は正確に僕の記憶を読み取れない。なんでか知らないけど僕と彼女は完全にシンクロできない。だから見た目も僕にすごく似たものしか作れないし。
欠陥品なんだよねぇ。別にあんなのならもう要らないかな。
身代わりにすることぐらいしか使えないだろうしさ。性格はどれだけやっても変えられないし、もういいや、いつか捨ーてよっと。
だからこそ、僕にはまだまだ力がいる。今は竹内と翔がいい感じに動いてくれてるからマシだけど…………2人とも死んじゃったら絶対今よりもだるくなるもん。
でも《石化》は上手く使えない。だからイーリスに霊薬を貰ったのに…………アイツ急にどっかにいって消えるんだもん。もうあと2つしかないよ。
みんなに話を合わせるのも面倒になってきたし、そろそろ自由に動こーっと。
ブラブラとビルの屋上で足を大きく振りながら、街の動きをゆっくりと眺める。
…………にしてもあの時言ってた事、どこまでが本気なんだろ。
あいつらが僕を仲間に誘ってきた時言ってたこと。竹内たちが所持しているアーティファクトの全回収と、殺害。でもその為にはまず竹内の持っている《反射》の能力を消さないとまともに攻撃できないって言ってた。
でも本当にそれだけだろうか? 守ることは出来ても攻めることはできないんだから、僕に襲いかかってきたように数人でリンチすれば簡単に殺せそうだけど……?
でもまぁ、普通に考えれば他の理由があるんだろうね。ウザイけど、あいつらは強いから普通に殺し合えば勝てるだろうけどそれをしない、じゃあ何かあるはずだよ。
だって僕には普通に殺しに来てるから。
そっか……その線もあるのかぁ…………うーん…………。
面倒だけど、竹内ともっと仲良くなってみようかな。最近翔ともなかなか話せてないしね~。
ま、どっちにしても…………
「能力の暴走なんかに負けて勝手に消えるような奴らには…………僕は興味がわかないかな。だから頑張ってね! 生きてたら多分会いに行くよ」
どちらを選ぶ?
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アンブロシア
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ネクタル