9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
「お前ら……俺の文字ってどういうこと?」
「だから、大将の名前から1文字欲しいつってんだ」
……なんで? それは余計に混乱する事にならない? わざわざ似せた名前をつけるなんて…………
まぁ本人たちがそれがいいなら別にいちいち反対はしないけどさ。
だとしたら……竹は無いな。内もダメだ。太なんてもってのほかだ。じゃあ……蓮だよな。
レナ……れな…………れんな…………蓮雫……。
「
うん。めっちゃめっちゃ恥ずかしい。自分の名前を使うなんてこんなに恥ずいのか。
「わぁ、すっごく可愛いお名前!」
ボソッと呟いた名前に凄く気に入った様子の九條さん。
……なんで君なの?
「……そうかなぁ」
個人的には恥ずいと思うけど……よく父親と息子で同じ漢字を使う名前の人っているよな。
そう考えれば別におかしなことでは無いのか。
「それでそれで? もう一つのお名前は?」
「えぇ…………」
女の子っぽい名前……み……よ…………こ…………か……!
「
「「おぉー!」」
「翔チームうるさい」
九條さんと天ちゃんがキャーキャー騒ぐように楽しんでいる。いや……これは悶えてんのか?
「なんだかんだ言いつつノリノリじゃないっすかー!」
「あー! あー! 五月蝿い五月蝿い!! もういい! 《黒》がレナで《白》がルナだ! はい! 決定!」
となんだかんだで小っ恥ずかしくなり、無理やり話を終わらせる。
なんで俺の名前の文字なんだよ、全然いい名前つけれねぇよ、つか別にレナとルナでいいだろ、マナカナみたいで。
…………古いか。
「《黒》、お前どっちがいい?」
「オレは…………蓮雫だな」
「オレはその逆の方がよかったから丁度いい、決まりだな」
ニヒルな笑みを浮かべながら意気投合する2人、え? なに? 絶対その名では呼びませんよ?
「うっせうっせ! とにかくルナはさっきよりはマシになったろ? 後は家に戻ってから治すから一旦おめぇはけぇれ!」
「おーい大将、オレたちの名前を間違えてるぜ〜?」
「お前もだレナ!」
「なーにを照れてんだか」
なんか最後に言ってた気がするけどそんなこと気にしない。だって煽ってきたのはアイツらからだから。
「素敵な、な、名前だと……思いますよ《蓮雫》ちゃんと……《蓮華》ちゃん」
「止めてくれ香坂さん。自分で言っといて思ったけどあれは無い、素直にレナとルナで呼ぶことにする」
「彼女たちがそれで反応するとは思えないのだけれど? 呼び慣れていた方がいいんじゃない? 蓮呼びに」
「だーかーらーやめろっつってんだろ! 希亜!」
《視点切り替え》
「ただいま、お父さん、お母さん」
「おかえりなさい、都」
「あぁ都、おかえり」
玄関を1度通って挨拶を済ませ、数ある家訓を守って今日も私の部屋へ向かう。
着替えを済ませ、明日の準備も整えた後に、竹内くんから任された《アンブロシア》の霊薬を手に取ってみる。
「これが…………霊薬」
あの後、私も理解出来ていなかった事の事態を全て聞いて、みんなが別れる直前に新海くんが拾い上げた琥珀色の液体の入った試験管の容器。竹内くんは1度見たことがあるらしくて、それがソフィさんの言っていた《アンブロシア》ということが判明した。
そして何度も新海くんがソフィさんを呼んでいたけれど……あの場には現れなかった。それにあの時だけじゃなくて、どうやらここ最近は全然姿を見せないみたい。
竹内くんが何か聞きたそうにしていたけれど…………何となく聞かない方が良い気がした。
それで、異世界からしか入手する手段がないからって理由で希少価値が高いと判断した結城さんと竹内くんが、これを管理するのに最も適任な人に預かってもらうって事で、私が指名された。
理由は竹内くんは「九條さんがもしもの時があった時に俺と連絡しやすいから、それに最悪奪い返せるしな」って言ってたけど…………私がこんな大役を任されちゃっていいのかな。
最近少し考えちゃうことがある。
私は1番の足でまといじゃないか? って…………
簡単に天ちゃんのことを忘れてしまっていたし、私がもっと自分の能力について理解出来ていれば、竹内くんがあんな無茶をする必要はなかった。
だって暴走を可能にする霊薬《ネクタル》を天ちゃんも注入されたってことは、あの時に竹内くんに出来たことは天ちゃんにもできていたかもしれない……
私がもっとしっかりしていれば…………
「でも……私は新海くんみたいに勇気は無い。天ちゃんみたいに能力を完全にコントロールも出来ない」
自分のベッドの上でうずくまってしまう。
「香坂先輩みたいに絶大な効果をもった能力でも無いし……結城さんみたいに的確な判断能力も無い……」
今日も偶然が重なって成功しただけ……私がもっと上手く立ち回れればあんな事には…………
「竹内くんみたいに……アーティファクトを扱う才能も無い…………」
…………
……
……
あれからずっと悩んでしまってる。人よりも劣っている私は何が出来るのか。
ご飯を食べる時も、お風呂に入った時も、ずっとずっと考えてた。
今や切り札は手元にある。私の《盗人》の能力を使わなくても《魔眼》のユーザーからはアーティファクトを奪うことが出来る。
なら……私は何をしたら……?
自分でも分かっているくらいに今日のことが響いてる。大切な友人を忘れてしまっていたことも、私が理解した時には既に遅すぎたことも。
こんな時、竹内くんなら何を思うだろう。
って……なんで私こんな事を……
いや、わかってる。それはきっと……彼は挑み続けているから。
最初は彼のことを知らなすぎて、勝手な解釈で理解していた
石像を初めて見た時、軽率に疑っちゃったけど…………本当はとっても優しい人だった。
竹内くんが行動する時、それは必ず『誰かの為』だって決まってる。
だから諦めない。絶対に諦めない。
「…………ちょっとだけお電話掛けてみても……いいかな」
スマホをカバンから取り出して、スイスイっと画面をスワイプ。そしてRINGのアプリを開いて電話を繋げる寸前まで画面を動かす…………けど……
「や、やっぱりこんな遅い時間に掛けちゃうなんて悪いよね……」
と自分に言い聞かせて画面を閉じようと親指を動かすけれど…………
「じ……事前にメッセージを送ったら大丈夫…………かな……?」
いや、でも……明日も学校があるから、早く寝ちゃってたりしたら…………?
「…………やっぱり止めておいた方が……」
「で、でも…………」
と頭を抱えて四苦八苦していると、突然手にしていたスマホが音を奏でて振動を始める。
「え……? 電話?」
こんな時間に誰が? と疑問に思ったけれど、その答えはすぐに判明した。
もちろん私は拒否なんてせずに、スマホを耳に当てる。
「もしもし……? 九條です」
そしてその電話の先から聞こえてきた声の主は…………
『あ、もしもし? ごめんな九條さん、こんな遅い時間にいきなり電話しちゃってさ。今……大丈夫か?』
「う、うん! 私は全然大丈夫だよ、竹内くん!」
こんにちは、主です。
唐突ですが(いつも)やっと決心が着きました。それは主人公である蓮太の恋人についてです。
過去に誰を相手にするか……自分の思い描いている通りにするか……選択肢にしてもらうかで悩んでいると残しましたが、やはりここは皆様に決めていただきたいと思います。実は今日昨日の話ではなく、随分と前に心に決めたのですが、帳尻合わせの為に少々物語をいじくっていました。
そしてある程度整いましたので、今ここで新たに書き残します。
今この瞬間をもって、ただいまご覧いただいている枝での、蓮太の恋人を皆様に決めて頂きたいです!
そして正直に申します。私は《ゴースト》を1ヒロインとして意識していますので、ゴースト√を用意はしていますが、物語の都合上現在選ぶことはできません。
ネタバレ回避のため曖昧な事しか書けませんが、
では……よろしくお願いします。
尚、天に関しては、この枝では翔が確定しているため選択肢には入っていません。即ち天に関しても2回目以降です。
主人公の恋人は?
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九條 都
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香坂 春風
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結城 希亜