9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。   作:紅葉555

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節制家なお嬢さま

 

 ここはラウンドツーから少し離れた場所にある飲食店、チョイフル。

 

 その中のテーブル席に俺と九條さんは対面するように座って頼んだ料理を食べていた。

 

「まぁそんな時もあるって、あんまり気にすんなよ」

 

 結局あのワンゲームでやめてしまったが、アームの開きや、引っかかりを意識したりして商品ゲットをめざしてチャレンジしていた。……取れなかったけど。

 

「意外と難しいんだね……でも楽しかった! ありがとう竹内くん、一緒に来てくれて」

 

「これくらいなら別にいいさ、つか今日誘ったのは俺の方からだし」

 

 そんなに長い時間いた訳じゃないけど……楽しんでくれたんならそれでいいか。あそこにはもっと色々楽しめるものがあるんだが……如何せん遊びに使う予定のお金が残り400円だからな。どうしようもねぇ。

 

「それで……どうする? 他にもどこか行きたいところってあるか? ないならないで別にいいんだけど」

 

 せっかくこうして2人で行動してるんだ、なんだかこれで解散ってのはちょっと申し訳ない。

 

「行きたいところ……、私は竹内くんの行きたいところがいいな」

 

「んな事言われてもなぁ…………うーん…………」

 

 スっスっスっとスマホをいじってGPS機能を使って近くのお店を探してみる。

 

 飲食店は却下……ゲームセンター系ももういい……映画を見るにはいいのがない。

 

 なんがいいかな…………おっ。

 

「猫カフェ行ってみる?」

 

「え? 猫カフェ?」

 

「そ、猫カフェ。ちょっと調べて見てたらなんか近くにある猫カフェが何かの記念らしくて割引してたから、休憩にもなるし…………行ったことある?」

 

 普段の値段の半分くらいの金額で中に入れるし、何より俺は行ったことがない。別に動物が好きなわけじゃないけど……まぁ可愛いとは思うしな。

 

「ううん……行ったことは無いんだけど、お金……足りるかな……?」

 

「気にしなくてもいいって、頭おかしいくらいに激安になってるし、大した金額じゃないし」

 

「そっ、そんな、ダメだよ! そんな簡単に大金を使っちゃったりしたら…………」

 

「……? でも10分たったの200円だし……このドリンクバーでプラス300円だろ? んでエサ代でもう500円…………1時間大体2000円くらいか、別にこのくらいなら────」

 

「2000円っ!?!?」

 

「う、うん……」

 

 九條さん……目を丸くして驚いてるけど貴女がそんなに気にするほどの金額ですかね……? アレっすか? イヤミっすか? 

 

 つかこれはあくまで普段の値段設定であって、今はまだ安くなってるんですけど? 

 

「に、ににに、2000円なんて…………そんな大金使っちゃダメだよっ!!」

 

 え……? 2000円なんて簡単に使うだろ……今の時代。

 

「あのさ、映画館とか行ったことは?」

 

「映画……? 無いよ……?」

 

 ま、まぁ…………ゲーセンに行ったことないくらいだからな。

 

「そっかそっか…………そりゃ2000円を大金なんて言うくらいだからな……」

 

 その辺は人の価値観の違いなのかな? 流石に1万とかいったら高いとは思うけど……

 

「ま、とにかく行ってみようぜ? 店の中には入らないにしても散歩がてらさ」

 

 うーんと少し悩んだあと、ちょっとニヤけたり少し残念そうにしながら九條さんは答えを出した。

 

「でも……うんっ、猫ちゃんがどんな感じで過ごしているのかちょっと気になるし、行ってみよっか」

 

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 ……

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 

「えぇーっと…………この辺だと思うんだけどな」

 

 スマホでマップを確認しながら、九條さんと2人で街中を歩く。普段はいかない道ということもあって全然土地勘が分からない。

 

「猫ちゃん……やっぱりいっぱいいるのかなぁ〜」

 

 中には入る気は無いのに表情はホンワカとしている九條さん。……これあれだな? 金額が金額だから我慢してるけど実は結構入りたい感じだな? 

 

 ちょっとアホみたいな顔してるし、心做しかきれいな花とキラキラした光が見える気がする。

 

 そんなことを思いながらテクテクと道を歩いて、ナビゲート通りのルートを辿ると…………

 

 だんだんと店の看板が見えてきた。

 

「うん……間違いない、あの店だ」

 

「すごい……大きくてオシャレなところだね」

 

 うん。確かにそこは驚くところだった。予想よりも全然店はでかくて、文字通りの看板猫が店の存在感を露わにするように大きく飾られている。

 

 でも…………それよりも気になるのが………………

 

 見覚えのある制服の女の子と九條さんと同じ制服の女の子がずーっと店の前でウロウロウロウロと歩いている。

 

 店の前に立ったかと思えば、2秒くらいですぐにその場を離れたり、帰るのかな? なんて思えばまた店の前に行ったり……

 

 明らかな不審者だ。

 

「ね、ねぇ……竹内くん……あの人たちってもしかして……」

 

 黒髪の子とちょっと蒼っぽい髪の色の子。俺は見覚えがある。多分……九條さんも同じ意見だろう。

 

「………………希亜と香坂さんだな」

 

 何やってんだあの2人…………

主人公の恋人は?

  • 九條 都
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
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