9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。   作:紅葉555

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5月1日 都BAD√
必ずまた全員で


 

 ……踏みにじるな。彼女たちの覚悟を、想いを、決意を。

 

 疑うな……仲間を、友を。

 

 信じろ、みんなを。

 

 きっと追いついてくれる。ここで別れてもきっとまた会える。またみんなで集まることが出来る。

 

 必ず負けると決まったわけじゃない。歯車がガッチリ合えばまだ結果は分からないはず。

 

 それに、まだまだやり残したことは沢山あるんだ、大人数でやってみたいことなんて腐るほどある。このメンバーだからやりたいことだって山ほどある。

 

 だからこそ、都を欠かす訳には行かない。

 

「…………行ってくる」

 

 それが俺の出した答えだった。俺の決断だった。

 

「おう、さっさと行って都を連れ戻してこいよ」

 

「あぁ……!」

 

 急いでバイクの置いていた方へとダッシュで駆け寄り、大きく股がってエンジンを吹かす。

 

 そして出発する準備が整った時に、ふと俺の方へとヘアピンが一つだけ飛んできた。

 

 すかさずそれを掴み取る、この黒いヘアピンは…………希亜が私服姿の時に付けてるやつ……? 

 

「希亜……これ……」

 

「あげた訳じゃないから、私たちが駆けつけるまでの間だけ持っていて欲しいだけ」

 

 それは彼女なりの覚悟、必ず生きてまた会おうと言葉のない約束。

 

 決して振り返ることなくただ敵を見つめるその後ろ姿は、これから俺のすべきことを教えるように小さいながらも頼れるモノだった。

 

《心配するな》と語りかけているようにも感じる。

 

「必ず取りに来いよ! ちゃんと無事に全部終わらせて……追いついてこいッ!」

 

 俺のその叫びに近い約束を受け入れてくれた希亜は、後ろ姿のままで雑に1度だけ手を振って返してくれた。

 

 それから香坂さんたちの方へを顔を向けると、きっとエデンモードに切り替わっているのだろう香坂さんが、さっきまでの辛そうな顔とは打って変わって、余裕を感じさせるオーラでぱちくりとウインクしてくれる。

 

 その横では新海兄妹がそれぞれ片手を突き出して親指を立て、ナイスガイなポーズで笑ってくれる。

 

 そんな仲間たちの姿を見て、邪魔だった前髪を借りているヘアピンで固め、指揮を高めるための決意を叫んだ。

 

「また後で会うぞッ! 《ヴァルハラ・ソサイエティ》全員でッ!」

 

「「「おうっ!」」」

「ええっ!」

「はいっ!」

 

 心に襲いかかる不安の闇を振り払うように声を出し、俺はみんなを信じてバイクを走らせる。

 

「絶対……負けるもんか…………ッ!」

 

 絶対……絶対…………! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《視点切り替え》

 

「それで……俺たちはいつ《ヴァルハラ・ソサイエティ》に入ったんだ?」

 

 蓮太の姿が見えなくなった頃、そう言って新海くんが歯を食いしばりながらも立ち上がる。

 

「何言ってんのにぃやん、そんなの()()()に決まってんじゃん」

 

 それに続くように天も軽口を叩きながら震える足を無理やり抑えて起き上がる。

 

「あら? アレは《リグ・ヴェーダ》と《ヴァルハラ・ソサイエティ》そして《ニューナインズブルー・シブリングス》の同盟ではなくて?」

 

 そしてその言葉に被さるように会話を転がし、春風もゆっくりと立ち上がった。

 

「なんスかそれ……俺たちのチーム名だけ雑すぎじゃないですかね……」

 

「なんでもいいじゃんそんなこと、要はみんな一緒ってことでしょ!」

 

 私も負けないようにしなきゃ。

 

「そうね、サブリーダーにああ言われてはリーダーたる者が応えない訳にはいかないわ」

 

 さっきまでは自分勝手に行動するちっとも仲間に頼らない蓮太にムカついていたけれど、今信用してくれたから…………許す。

 

「大将ってサブリーダーだったんだな」

 

「私の右腕……と言うべきね。まぁ……もうすぐそうとは呼べなくなるでしょうけれど」

 

「そうだな、大将は都を選んだ。いや……こんな言い方はずるいな。大将は都を好きになった。それが嘘や冗談じゃないってのはオレが痛いほどわかる」

 

「…………偶然ね。私も痛感しているわ」

 

 まさかここまでだとは思っていなかった。彼が九條さんを追いかけて行った時、それを願っていたはずなのに……ほんの少しだけ…………

 

「最後のお別れは済んだかしら?」

 

「お別れ? そんなつもりは毛頭ないわ。最後の言葉なら()()()言うのよ」

 

「それは……どんな?」

 

 左腕を高く上げ、体を少し捻らせるのと同時に目元まで振り下ろし、黒い服を激しく動かしてポーズをとる。

 

 人差し指と中指の間から敵を覗き見るようにして、ジ・オーダーの力を解放する。

 

「罪人である貴女に問う、さぁ……貴女の罪を数えなさい」

 

「どこまでも本気なのかふざけているのか分からない子……いいわ、そろそろ遊んでる時間は無いし、本当に終わらせてあげる」

 

 そうして敵である彼女は、人差し指を私たちに向けて、リズムを刻みながら順番に指差していく。

 

「だ・れ・に・し・よ・う・か・な」

 

 そうして最後に指を差されたとある人物に怪しい笑みを浮かべると、爆発のエネルギーを利用して、その人物へと急接近し始めた。

 

 ────ッ! 

 

「危ないッ! 春風ッ!」

 

 爆風に紛れて、春風の正面までほんの2秒ほどの速度でその敵が移動すると、更に小さな爆発を巧みに扱い、遠心力を加えた大振りの蹴りを当てる体制へと変化する。

 

 ダメ……! 春風じゃ躱せない……ッ! 

 

 間に合って……! ジ・オーダー! 

 

「────ッ!?」

 

「まずは1人目ね、さよなら」





こんにちは主です。
はい、第1選択肢が終了致しました。この選択がどういった未来に繋がるのか楽しみにお待ち下さい。
そして《第1》と書き残している通り、この選択がBADでは無かった場合、最後の方でもう一度選択肢が用意されています。
つまりは……そういうことです。もう一度選択肢がやって来ることを祈っております。

では。
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