9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
Hシーン突入の為、前回から少し時間が飛んでいます。ご了承ください。
一応別途用意してあるR18版9-nine-にて内容を載せてあるので、続きが気になる方はそちらをご覧下さい。
尚、現段階ではHシーンの三分の一程度しか載せられていませんが、随時追加していきます。
以上、主からでした。
「…………」
すやすやと俺のベッドで横になり、眠っている都。彼女の寝顔をこうしてみるのは何度見ても慣れない。
「すぅ…………すぅ…………」
「疲れてるんだろうな、まだ夜にもなってないのにこんなにぐっすりと眠るなんて」
そりゃそうか、遂に俺たちは一線を越えたんだ。
「……この先、何が起きても守り続ける。どんな壁があろうと、どんな困難があろうと」
つぶやくようにそう囁き、彼女の頭を優しく撫でる。
そんな時だった。玄関の方から“気配”を感じたのは。
「…………」
正直初めての感覚。今までも背後をつけられていた時などは何となくだが人の気配を感じていることはあった。だが、今は違う。
明確に感じる“気配”、俺はそっと都のそばを離れると、扉を一枚挟んだ先にある玄関へと歩みを進める。
そして…………
「…………やっぱりか」
空間を裂くように現れる闇のような亀裂。その先からでてきたのは……
「ソフィ」
「あら、久しぶりの再開なのに随分と軽いのね、アナタ」
ぴょこぴょこと小さな腕を振って、相変わらず人形の様な姿で宙を浮かんでいる。見た目だけじゃあどっちかはわかんないが…………何故か俺はその姿を見る前から理解出来た。
コイツがソフィーティアであると。
「肝心な時に全然頼れねぇんだもんよ、そりゃこんな態度にもなるさ」
「でも、ミヤコを救い出せたじゃない」
「やっぱり知ってたのか」
「そりゃあねぇ。私は《世界の眼》を使ってアナタ達の動きを見ていたのだから」
煽るように青や緑、赤色と人形の姿を変えて、気楽な態度で俺に接するソフィ。
「この世界は……なんて言い出さないよな」
「…………」
「やっぱりな……そんなこったろうと思った」
俺の質問に対してのあの返答。間違いないだろう。これはもう《もしも》なんて話じゃない。存在するんだ。
「……そう思ったのは何故?」
「最初に疑問に気がついたのはソフィが俺に声をかけてきた時、香坂さんと待ち合わせしていた時だ。まるで今から起こる出来事が二度目を示唆するような発言があったこと」
「そしてあの時にレナ……つまり、ゴーストが分離していることを既に知っていたこと。つまりはそういう未来が起こることを見ていないと発言できないはずなんだ」
他にもちょこちょこと不思議と思うことはあったが……決め手になったのはこれだ。
「アナタ……案外侮れないわね」
「んな事はどうでもいい。別の平行世界が存在するってことは、俺は都を助けられなかった世界も存在するってことか?」
「それを聞いてどうするの? 知ったところで何の得もないじゃない」
「知りたいんだ。これから都を守り続ける為にどうするべきなのか。何が足りないのか」
事実として守れなかった世界も存在してしまっているのなら、その失敗から俺は学んで、責任をもってこの世界の都を幸せにしなければいけない。
もしも……アイツの元へ行ってしまう未来があったとするならば……
「知らない方がいいわ。それがアナタの為でもあり、ミヤコの為にもなる」
「…………そうか」
知らない方がいい。それは今の俺たちにとっては、やっと手にした幸せを潰してしまうかもしれないほどの結果になってしまった可能性があるってこと。
……最悪の場合、死んでしまったりなんて。
「そろそろ本題へ入っていいかしら?」
「あぁ」
「こちらとしても色々と聞きたいことがあるのだけれど……そうね、まず、何故私がここに来ることがわかったの?」
「“気配”を感じた。なんつーか……あ、ソフィが来るんだなって感じの」
「そう、じゃあもう一つ。《オーバーフロー》の方は?」
「そっちも知ってたのか……順調だよ、ある程度はコントロールできてる」
そう言えばこの力も存在に気がついていた時は色々と不思議が多くてコイツに聞き出そうとしてたりしたな。もういいけど。
「コントロールなんでまだまだよ。アナタのせいでほぼ全てのアーティファクトが狂っているのだから」
「? どういう事だ?」
「魔鏡の力と進化の力。共鳴した二つはこの世界だけでなく、その全ての歯車を崩し始めた。現にアナタ、私に気がついたでしょう?」
「……?」
「まぁ今はいいわ。とにかく、進化の力である《オーバーフロー》はありとあらゆる可能性を秘めたアーティファクト。希望と言っても差し支えないわ」
さっきからコイツが何を言っているのかがさっぱり分からない。仮に文字通りの言葉を受け取ったとしても、崩壊した原因が俺なら希望なんて言えないんじゃあ?
「いい? レンタ。その《オーバーフロー》の力はこれ以上使うことを止めなさい。この
「ん? それってどういう────」
「いつくもの
「だからさっきから言ってる意味が──!!」
と叫ぶように声を出した時、ソフィの身体が途切れた電波の様に雑に消えかけているのが見えた。
「時間が無いの。だからせめてこれだけは伝えさせて!」
「《オーバーオール》を持っているヨイチには気をつけなさい……!!」
「それで……?結局あのソフィ?にはバレちゃってるけどいいの?」
《オーバーオール》の事?それなら別にいいんじゃない?アーティファクトそのものに気がついていても、誰が持っているかは判明していないだろうし。
「いい加減我慢するのも飽きてきたんだけど……殺しちゃっていい?」
ダメだよ、この世界の人間をいくら殺したところで何も変わらないから。
「思ったんだけどさ、変わらないのなら別にいいんじゃないの?現に僕は別世界では沢山殺しちゃってるんでしょ?」
でも最終的に君は翔に負けてる。イーリスや蓮夜と協力してもあの5人に……いや、新海 翔に負けてるんだ。
「だからもう負けないって。今なら簡単に殺せるでしょ?《オーバーロード》?も無いんだから」
《オーバーロード》はもっと厄介な所にあるんだ。だから今は下手なことをしない方がいい。
「厄介なところって?」
今この瞬間を
「……えっ?そうなの?」
無駄だよ、こちらからは確認できないからね。普通なら。
「ちょっとー!ダメだよ?僕達の会話を盗み聞きしちゃあね」
でも気にしなくてもいい。蓮太がもう少しで力に溺れて世界を壊すよ。その時をゆっくりと待つだけだ。彼らは見ることしか出来ない。
「見ることしかって?」
あの世界で翔と同調出来るのは蓮太だけ。それは蓮太が元《オーバーロード》ユーザーだからだ。けれど蓮太は彼らに託した。力を散り散りにしてね。
だから一人一人の力が足りずに選択して見ることしか出来ないんだ。見られていても何も出来ないよ。
「へー、よくわかんないけど残念だったね!せっかく色々と知ってるのに何も出来ないなんて、可哀想ー」
でも、流石に見られ続けているのは気に食わないね。そろそろ終わろうか、与一。
「そーだね、またいつか会いに来るよ。じゃーね!紅葉っ!」
「あっ、あと…………僕たちを覗いているキミも。バイバイ」
次回の枝は……?
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新海 天
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香坂 春風
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結城 希亜
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ゴースト