9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
不運な朝?
「こんにちは。どうやら枝の観測は終えているようだね」
「九條都との枝。どうだった? 違った味のある雰囲気を味わえたんじゃないかな?」
「そしてこれから君たちが選ぶ未来は……なるほど」
「それじゃあ俺も、一足先にそこへ向かって待ってるよ」
「え? 俺が誰かって? ………………竹内 蓮太だよ。今はね」
そして次の日の朝。
妙な感覚を覚えながらもベッドから立ち上がる。痛みのような……疲労のような……よくわからないモノだ。
もしかしたら今までの疲れがまだしぶとく残っているのかもしれない。そこそこマシにはなったとはいえ流石にこれ以上はサボれないだろう。
「…………なんだろ」
言葉にし難い感覚。なんとも言えないが…………今この状況を整理するよりも先に、学園へと向かう準備を整えて、俺は家を出た。
適当にフラフラと街中を歩き、学園なんて面倒くせぇと感じながらも長すぎると思うほどに邪魔になってきた髪をクルクルといじくりながら進む。
「髪……切らねぇと邪魔だな」
「ぅん? エロパイ? どしたの」
「天ちゃん」
「……!」
登校ルートで偶然鉢合わせた天ちゃんだが、呼ばれて普通に返事しただけなのに天ちゃんは軽く驚くように目を見開いた。
「先輩、あたしの名前…………」
「? 天ちゃん。新海天」
いきなり何言ってんだこの子?
「名前がどうかした? もしかしてあだ名をつけて欲しい的な?」
「あだ名でもいいっすけどね〜! でもせっかくだからそのままでいいや」
「はいはい。それじゃあさっさと学園へ行こうぜ、めんどくせぇけど」
「あっ、その前にコンビニ行きません? コンビニ」
「りょーかい」
〜コンビニにて〜
「痛ったーい……もう……」
「まさか扉に攻撃されるとはな……! かっかっか!」
「笑い事じゃないの! なんなんだよぅ! もう……!」
一緒に登校することになり、昼飯であるパンやおにぎりを買おうと途中でコンビニに寄ったのだが……機械の調子が悪かったのか、天ちゃんに自動扉が反応することがなく、堂々と歩いていた天ちゃんの歩みを無理やり衝突するように止められたのだ。
おでこを片手で抑えながらプンスカと怒っている姿は可愛らしくも思える。
「まぁいいや、どうしよかな……おにぎり……うーん」
「つーか、なに? いっつも昼飯買っていってんの?」
「ちゃいますよ、お母さんが今日寝坊してたみたいでリビングにいなかったんすよ。だからいつもは先輩と違ってお弁当っす」
「へぇ〜まぁお母さんも疲れてるんだろ。たまには休ませたれよ」
「別に怒ってなんかは無いけど、寝坊しちゃうくらいに疲れてるなら言ってくれればいいのに」
「手伝うの?」
「代行を頼む」
「おい」
なんてぺっちゃくちゃ話しながら、セルフレジの所にカゴごと持っていき、ピッピっと軽快にレジ打ちをしていく。
自分の昼飯も飲み物も、何故か途中で入れられた天ちゃんのコーラも。
まぁ悪いことが連続して起こった時なんかは早くそれを忘れることが第1だ。こんなものをひとつ奢って気が紛れるのならそれもアリ……か。
「ん? ん〜……?」
なんて考えながら会計も済ませてコンビニを出ようとすると、未だに天ちゃんがタッチパネルをタップしている姿が目に入った。
「あれ? あれ?」
「どうしたんだ? 機械が変?」
「バーコードは読み取ったんだけど……会計ボタンが押せない」
「ん?」
荷物を置いて天ちゃんの隣へ移動し、実際に何度も何度も連打しているその場面を真横で見てみるが……確かに機械は何も反応を示さない。
「故障か?」
それが気になって無意識に俺が会計ボタンをタップしてみると…………
ピッ。
『お金を入れてください』
と録音していたかのような音声が流れ始めて、普通に機械が動いた。
「なんだ、出来たじゃん」
「えぇー? あんなにあたしタップしたのに?」
「まぁたまたま調子が悪かっただけだろ。さっさと会計済ませて出ようぜ」
「むぅー。納得いかない。あー! もう! にぃやんのバカヤ──痛っ!?」
なんて苛立ちを発散させるかのようにお兄ちゃんの悪口を言おうとした天ちゃんだったが、まるで止めろと言わんばかりに再び自動ドアに頭をぶるけるのだった。
「朝から元気がいいな……」
こんにちは主です。
現在行わせていただいている選択肢ですが、次回投稿時終了させていただきます。
投稿予定日は申し訳ありません。決まっていませんが、できるだけ素早くまとめて出せたらいいなと思っているので、首を長くしてお待ちください。
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