9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。   作:紅葉555

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校内火事、その対処

 

 ゴーストと別れてから数十分。予定通りに昼休みに入るか入らないかというタイミングで学園前にたどり着くことが出来た。

 

 本来なら堂々と正門から入ってやりたいところなのだが……生徒指導の教員が仁王立ちで門の前に立っている。

 

「あのハゲ律儀に待ってやがんの……」

 

 遅刻しているのが俺だけなのかは知らないが、間違いなくここで正直にあの門へと行ってしまうと、お説教タイムに突入してしまうだろう。

 

 そんなのかーんべんっとぉ……

 

 バレないように脇道に入り、そのまま大回りで歩いていって塀と金網フェンスをよじ登り、グラウンドを突っ切って学園内に入る。ちなみにこのタイミングで授業の終わりを告げるであろうチャイムが響き渡った。

 

 しかし何食わぬ顔で校舎の中へと入り込み、一年の教室が並んでいる一階のエリアを抜けようとする。

 

 ここの学園の個人的に不思議なとこなんだが、何故か学年が若いと階段を登らなくていい下の方へと下がっていくのだ。普通逆じゃない? と思うのは俺だけだろうか。

 

 学年が上がるにつれ一番上に行かなきゃいけないなんておかしいよね? 年寄りを楽させてあげるべきだよね? 

 

 そんな事を呑気に考えながら上へと続く階段に向かっていると──

 

 

 バンッ!!!! 

 

 

 とガスでも漏れて爆発したのではないかと疑うレベルの大きな音が廊下に振動する。

 

 あまりにもの大きさの音に思わず両目を閉じてしまう程だ。

 

「うわっっ!?!?」

 

 なんだ? なんだ!? 何の音だ!? 

 

 わけも分からずに辺りをキョロキョロを見渡してみると……俺が向かおうとしていた階段の奥、一年のD組から先の教室が並んでいる前の廊下から炎が凄まじい勢いで放出されていた。

 

「んだよ……!?」

 

 火事!? 誰かが火を付けて大事になったりしたのか!? 

 

 などと考えている間にも、炎はどんどん侵食の範囲を広げていき……階段から先の廊下は見るに堪えない火の海へと変化してしまっていた。

 

 とりあえず階段付近にある非常ベルのボタンを力強く押し、燃え盛っているエリアを確認してみる。

 

「すげぇ勢いだ……イタズラで放火しちゃいましたってレベルじゃねぇぞ……!」

 

 非常ベルを押すために仕方なくこの燃え盛る炎に近づいてしまったが……流石に目の前が前が曇ってしまうほどの熱量に驚いてしまう。

 

 熱風が凄い……これだけの火力なんだ、教室に閉じ込められている生徒たちは混乱してしまってるだろう。

 

 チラリと教室内を確認してみると、一つだけ窓を全開に開けており、そこから涙目で教室から脱出を試みようとする女子生徒が。

 

「馬鹿野郎っ! 窓を閉めろ! 室内まで火が入ってくるぞッ!!!」

 

「でっ、でもっ!! 逃げなきゃ……!!」

 

「死にたくねぇなら窓閉めてからスマホで連絡しろ!」

 

「は……はいっ!」

 

 銀髪の女子生徒はボロボロと涙を零しながら慌てて窓を勢いよく閉める。

 

 ベルを押したから消防と警察が来るのは時間の問題、後はこの付近にいる生徒たちを遠くに避難させて……いや、急いで一年の教室のベランダ側に回り込んで鍵を開けてやるか? 

 

 そう、この学園の教室にある複数の窓は、廊下側は内側から簡単に開けられるが、ベランダ側は生徒たちのいたずら防止の為、外側からしか鍵をかけられない仕様になっている。そしてそれは常に閉まっているため、さっきの銀髪の女の子のように、外に出るならこの炎が燃え盛っている廊下側からしか逃げられないのだ。

 

 どうするべきかと悩んでいると……激しく燃える火炎の中、その中心と思わしき所に青く身体を光らせている人影が……

 

「ううううぅぅあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 とち狂ったかのように奇妙な雄叫びを上げて、苦しむように両手で頭を抱えている生徒は、拳付近から青い光を放出させて、激しく身体を動かしている。

 

 ……なんだよアイツ、頭おかしいのか!? 

 

 けれどあの青い光……どこかで見たことが……って、あれは能力を使った時に出てくる紋章じゃないか!? 

 

 それに近い……! むしろそうだろ! アイツ能力者なんだ! 

 

 よく目を凝らして見てみると、この激しい炎はあの発狂している男子生徒からどんどんと放火されているようにも見える。

 

 つまり……アイツが何らかの理由で炎を出しているんだ! 

 

 と、そんな時に気がついた。

 

 この炎……実際の炎よりもなんていうんだろう……火力がない。

 

 見た目で騙されていたが、これなら中につっきっても良さそうだ。それに能力なら……俺なら何か非常事態が起きても、対応出来るかもしれない。

 

 まぁ、今この状況が非常事態なのだけれど。

 

 なんて思っていると、あの男子生徒は再び耳を塞ぎたくなるような声量で発狂して大声をあげる。

 

「うががぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 するとあの男から無差別に建物を壊すように大きな火炎の玉が次々に出現し、辺りに飛びまくる。

 

 壁や天井にその火球が当たると、そこから眩いばかりの輝きを放ち、その箇所が著しくさらに燃える。

 

 当然、大量の火球が飛んでいる。無差別とはいえ、俺の方へと飛んでくるものもあって……

 

「クッソ…………まさかこんな所で異能力者と出会っちまうとはな! 反射鏡(リフレクション)ッ!」

 

 俺に向かって襲いかかってくる火球を適当な天井辺りに跳ね返し、改めてあの生徒の方を見る。

 

 先程よりもさらに苦しそうに悶えながら、どんどん火炎を放出しているが……

 

 どうやったら止めれんだよ……あれ……! 

 

 とりあえず考えても仕方ねぇ! ユーザーが原因なら、アイツの元に行けば何かわかるかもしれねぇ! 

 

 一旦炎から距離をとり、めいいっぱい息を吸い込んでから猛ダッシュで炎の中を突入する! 

 

 本来ならヘルメット様なものを頭に被ったり、水を頭から浴びたりしてからの方が安全だろうが、この違和感バリバリの特殊な炎なら別にそこまでしなくても問題ないだろう。

 

 上体を前に倒し、両腕を顔の前でクロスさせ、弾丸のように真っ直ぐに発狂している男子生徒の方へと走る。

 

 するとそんな俺を拒むかのように一際大きな火球を勢いよく俺に飛ばし、再び訳の分からない声で叫び始めた。

 

 視界が悪いこともあり、素早くその火球に対応できなかった俺は、まともにその火球をぶち当たってしまい、漫画の世界にでも入り込んでしまったかのように炎の外まで弾き飛ばされてしまった。

 

「ぐっはっ…………!!」

 

 まともに当たった両腕が痛い……! 特に切り傷の残っている右腕に激痛が走る。

 

 けれどそんな痛みを我慢しながらも、背中から床に強く叩きつけられると同時に、身体を素早く回転させて、痛みを最小限に抑えるために受身を取る。

 

 格闘技の心得を得ていて良かった……! 

 

 なんて思いながら燃え盛る炎の方を見ていると、背後から声をかけられる。

 

(そら)ッ!!」

 

「大丈夫!? 竹内くん!」





こんにち……こんばんは? 主です。

今回の投稿で、ただいま行っているアンケートを終了させて頂きます。投票ありがとうございました。
この後の選択肢は……「助ける」に決定致しました。この選択でどうなるのか…お楽しみ下さい。

次回アンケートですが……
個人的に気になっただけなんですけど……読者の方々の中で、女性キャラで誰が人気なんですかね?
4月25日までの間に何かキャラクターとのイベントを考えているんですけど、誰がいいんですかね?アンケの上位のキャラとの絡みを書きたいなぁと思ってまして……
あ、登場していないキャラクターも、火事終了後に登場させる予定です。

ちなみに贔屓のつもりはありませんが、ある一人のキャラだけ、デート?のようなイベントを既に作っております。それとは別にアンケで決めたキャラとのイベントも……なんて思ったり。


要するにヒロインのキャラ人気投票ですね。(先生やソフィを除く)その上位のキャラ(予定ではアンケ内の二人。既に決定しているキャラを含め三人です)との絡みを書くつもりです。よろしくお願いします。


ちなみに、確定枠とアンケ上位キャラがダブった場合、被ってしまったキャラを飛ばして、時点で上位となったキャラとのイベントに差し替えます。

つまりは絶対に、違うキャラクター三人のイベントを作成します。

女性キャラ人気投票

  • 九條 都
  • 新海 天
  • 香坂 春風
  • 結城 希亜
  • ゴースト
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