9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。   作:紅葉555

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疑心、その可能性

 

 完全に忘れてた! 希亜にメッセを何も送ってねぇ! せっかくIDを貰ったのに何もしないってのはさすがに失礼だろ! 俺! 

 

 流石の友人がいない俺でも、こういうことはしてはいけないって事ぐらいは理解できる。

 

 バタバタスマホをタップしてRINGのアプリを開き、書いてあるIDの主にメッセージを送る。

 

『どーも、竹内です。事情があって連絡遅れた』

 

 とりあえずはこれでいいか。つかよく考えたら別にすぐ連絡するなんて言ってなかったし、遅れたって要らなかったか? 

 

 でも、やっぱりこういう事はちゃんとすぐに返した方がいいのだろうか? 

 

『白泉は火事が起こったのでしょう? こっちまで噂になっている』

 

 いや返信早っ!? まだメッセ送って一分も経過してないぞ!? どんだけ暇なんだよ!? 

 

 アプリ開きっぱなしだったから既読も付いたし音すらならなかったわ! 

 

 てかそれよりも……もう噂になってるのか。まぁ、能力での事件とはいえ火災の範囲はそこそこ広かったからな。場所も玖方なら全然近いしおかしくはないか。

 

 希亜もユーザーだからな。なんの能力かは正直何も分からないけど、悪い奴では無さそうだし……一応伝えておくか。

 

『ユーザーが起こした火事なんだ。発狂したように暴れてて、能力を制御できていない様子だった。まさに《力の暴走》って感じだ、その件に関しては異世界人のソフィーティアってのが説明してくれてたんだけど、ぶっちゃけ俺は寝てたから聞いてなかったんだよ、だから改めて知り合いから詳しく聞いてみる』

 

 ……長文になってしまった。つってもあんな訳分からん出来事をまとめるとなるとどうしてもこうなるよな。ただでさえ上手く理解出来ていない所もあるんだ、俺も一度考えをまとめ──

 

『エルフヘイムの住人』

 

 だから返信早いなっ!? つかなんだよ、エルフヘイムの住人ってどこの誰だよ!? 

 

『……?』

 

 こんな返事しか出来ねぇよ! だってそうだろ!? エルフヘイムってなんだよ、最初はなんちゃってソルジャーの故郷かと思ったわ! 

 

 なんて心の中でツッコミを入れていると、RINGの機能である無料電話で希亜が電話をかけてきた。

 

 多分文通じゃ埒が明かないと判断したのだろう。

 

「へい、竹内です」

 

『エルフヘイムの住人が本当にいたの?』

 

 通話して一声目がそれかよ! どんだけ気になってんだ!? 

 

「え、あ、はい……そうみたいです。俺見てないけど……。なんか知り合いが向こうから来て話をしたって」

 

『……ましい』

 

「え? なに? 聞こえなかった」

 

『何でもない。それよりも、噂になっていた火事は本当だったのね』

 

「あぁ、俺たちと同じユーザー……つまり異能力者が起こした火事だ。あの感じじゃあ意図的じゃなかったけどな」

 

 そういえばアイツはどうなったんだろ? 多分精神病院的なのに搬送されてそうだけど……それじゃあ詳しく事情を聞けそうにないな。

 

『力の暴走、十分有り得るわね』

 

「未知の世界からやってきた未知のアイテムだからな。俺たちも十分に気をつけて扱わねぇとアイツの二の舞になる」

 

『未知の世界?』

 

 あぁそうか、希亜はまだ知らないのか。丁度いい、俺も復習ついでに知ってることを話そうか。

 

 

 

 

 

 

 少年説明中……

 

 

 

 

 

 

「とまぁこんな感じ。大体は理解出来たか?」

 

 それから俺は知る限りの情報を全て希亜に話した。白陀九十九神社にある神器の破損の結果、アーティファクトが流失したこと。そしてそれらを集めるためにソフィーティアと名乗る人形が現れたこと。他にも知る限りのことを全て伝えた。

 

『ええ。理解はできた。貴重な情報をありがとう』

 

「それと……あ、いや。別にいいや」

 

 希亜はこれからどうするのか? と聞こうとしたが、あえて聞くのはやめた。

 

 これから先、九條さんと新海が流失したアーティファクトの回収を手伝うのなら、俺や希亜のアーティファクトもいずれは回収しに来るだろう。それをわざわざ九條さんが止めたってことは、一つの強大な敵に対しての戦力が少しでも欲しかったからじゃないか? 

 

 事実、《魔眼》のアーティファクトというものが存在しており、それを持つ者は平気で人を殺してしまうような奴だ。それ以外の情報は何も無いが、石化という強大な力に対して対抗出来る能力は希少だろう。

 

 だからこそ、《能力の反射》ができる俺からは回収しなかったんじゃないだろうか? 

 

 手伝ってくれと申し出もされたし……ソフィとの話し合いの中で、そんな判断になったんじゃなかろうか。

 

『蓮太はどうするの?』

 

「どうするったって……」

 

『そもそもとして、その蓮太の知人の発言は信用に値するものなの? もしそれを発言した本人がその《魔眼》の所持者だった場合、簡単に殺されるわよ』

 

「いや、だから九條さんは──」

 

 ……。

 

 待て。九條さんは間違いなく《魔眼》の所持者では無い。だってそれは、実際に能力の発動タイミングを目で見たし、《体験》したからだ。

 

 だからこそ殺人者ではないと断言出来る。その点に関しては希亜もそうだ。性格はアレだけどゴーストも該当しないだろう。

 

 現段階で一番に怪しいのは…………新海 翔。

 

「……確かに。怪しいヤツはいる。一人だけアーティファクトの所持者でありながら、能力の扱い方も知らないとか言ってる奴がいた」

 

『その相手に警戒をする事ね。協力の申し出を断って正解、後は…………九條さんの身を案じなければね』

 

 そうか……! 新海がもし《魔眼》所持者だった場合、一番殺しやすいのは九條さんだ。

 

 やばいぞ……! 早くこの《可能性》を九條さんに伝えないと……! えっと……九條さんの家はわかんないからまずは……

 

 

「ヒントありがとう、俺ちょっとナインボールに行ってくる!」

 

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