9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
逆ハーレム隊、発見
眠い。
これからどうするかの作戦を練っていたら、まさかまさかの一睡もしないで夜が終わっていた。
しかもその割にはまともな作戦が思いつかなかったという。
とりあえずゴーストの方は希亜がどうにか探ってくれてるみたいだし、俺はソフィとやらにアンブロシアについて探ってみよう。もちろん俺の方でもゴーストを探し出すつもりではあるが……
そして、もし全てが間に合って黒幕の情報を手にした場合。協力してくれている希亜には悪いけど俺一人で向かおう。
彼女をこれ以上傷つけたくないし、これ以上危険な目に遭わせる訳にもいかない。昨日だってそうだ、俺が狙われているからこそ近くにいた希亜が巻き込まれた。
……一旦距離を取った方がいいかもな。
それはそうとまずは白泉に行かねぇとな。新海はまだ危険な人物である可能性が高いから……九條さんの方からソフィの情報……というかアンブロシアの情報を聞き出そう。
きっと助けたい人がいると正直に打ち明ければ、九條さんなら手を貸してくれるだろう。
急かす心を何とか抑え、極力いつも通りを演じながら俺は白泉学園へと登校した。
その道中……
「おっはよー! 大遅刻くーん」
と何故か深沢が俺の登校ルートに待ち伏せするように突っ立っていて、大声でこちらに声をかけてきた。
「それは昨日の話だっつの」
「ラッキーだったね、あの不思議な火事のおかげでバレずに済んだんじゃない」
「いや、バレてるはバレてると思うけどな」
あの……違和感がバリバリなんだけど。普段対して仲良くはないし、一緒になったと言えばあの石像を見に行った時くらいだ。そんな奴がなんでわざわざ俺を待ってたんだ?
「ていうかわざわざ待ち伏せなんてしてどうした? 何か用事があるのか?」
「別に? ただこの間公園に行った時に結構仲良くなれそうだな〜って思ったから二人っきりでお話してみよー! って思ってね」
「だからってわざわざ一緒に登校しなくてもいいだろ」
あのキャラなら「グレートにヘビーだぜ」とか言うんだろうな。
「まずはこういう所から一緒になっていかないとね! 翔も妹ちゃんと毎日一緒に登校してるらしいよ?」
「え、なに。あいつシスコンなの?」
「何度か見たけど相当可愛いよ! 是非一緒に遊んで欲しいね」
「シスコンは否定しなかったな」
マジかよ……まぁ人それぞれだろうし? 特に何も言うまいよ。うん。ちょっと……うん。
「あっ、アレかな? 噂の逆ハーレム」
「またお前は何言って──」
と前方をよく確認してみると、本当に逆ハーレム状態で登校をしている集団があった。
たった一人の女の子に集団で男が寄っていっているが……なんか違和感がある。
「マジでいたわ」
「知らないの? 結構有名だよ? どうやら電車移動でこっちまで来てるみたいだけど、その辺の時点でそこそこ男が集まってるみたいだね」
なんでも知ってんなこいつ。めちゃめちゃ情報通じゃねぇか。
「にしても……いるもんなんだな、あんなにモテる奴って」
ハッキリ言って異常だぞ? しかも扱いが……なんて言うんだろ? お姫様? みたいな対応をずっとされている。
カバンを持とうとしたり、ずっと道を譲っていたり、媚びを売ってるみたいな感じ。
「あれかな? 宝くじでも当たったのかな? それともおっぱいかな?」
「宝くじであって欲しいわ」
「いやぁ、あれはおっぱいでしょ」
前から思ってたけどさ、深沢って性に貪欲というかオープンというか、なんか凄いやつだよな。この間も九條さんに平気でパンツ見たいの? とか聞いてたし。
「ぁ…………、ぇ…………、ぁ…………、ぅ……」
その集団を通り過ぎようとした時、そんな声がボソッと聞こえてくる。
もしかして……この女の人は困ってるのか? 話を聞く限りだと、噂になるくらいには長い間こうして学園に行ってるもんだと思ってたけど……もしかして本人は嫌がっているのか?
だとしたら……
「え? あっ、ちょ、竹内!?」
呼び止めようとする深沢をほっといて、その集団の中心にいる女の人に声をかけてみる。
「すみません」
……
が、無視。まぁ……無視というか単純に気がついていないのだろう。相変わらずに周りの男たちに何かを伝えたそうにオドオドとしていた。
やっぱり困ってるのかも。
そう思ってもう一度声をかける。
「あのー、大丈夫ッスか?」
そう声をかけると女の人はようやくこっちを見てくれたが……
「……?」
キョトンとした感じでこちらを振り向いてくれる。でも、話しかけられたと思っていないのか、力ない顔で声に反応しただけ……というような様子。
え、なに? 人見知りなの? なのにハーレム築いてるの? って思ったけど被害者の可能性があるのか。
ならもう一度……三度目の正直だ。
「なんか困ってる感じだけど大丈夫ッスか?」
「……へ? ぇ、………………へ?」
やっと俺を認識したように反応を示してくれたが……
「ぇ、…………と、…………ぇ?」
キョドり方が半端ねぇなこの人! せめて何か言ってくれよ!? 会話転がらねぇよ!?
「あ、いや……なんつーか、困ってる様子だったから、アレだったらコイツらどうにかした方がいいかなって思って声掛けたんだけど……」
「ぇ……、ぁ…………、ぁ……」
「…………」
か……、固まったッ!? まるで石にでもなってしまったかのようにピクリとも動かなくなったんですけど!?!?
心做しかピシって聞こえた気がした!?
「あの、竹内? むしろ話しかけられて困ってるように僕見えるんだけど」
「嘘やん……」
確かにそう見えなくもない。明らかに俺が声をかけてから挙動がおかしくなったわけだし……これは、余計なことをしちゃったか?
いや、多分しちゃったな。これはもうしょうがない。大人しく引き下がっておこう、なんか恥ずかしくなってきたし。
「なんか、急に話しかけてごめん。困ってないんだったらそれはそれでいいんス、じゃあ……」
と軽く流すように会話を区切り、深沢の方へと戻るように進む。
が────
「ぁ…………あの…………」
「ねぇ竹内、なんか話しかけられてるみたいだけど?」
「え?」
俺は全く聞こえなかったんだが、どうやら微かに声を出していたらしく、思わず無視してしまいそうになったところを深沢に止められる。
「やっぱり困ってる?」
そうだよな、流石にこれだけの男に囲まれてちゃあ混乱はするよな。よし……とりあえず追っ払って──
「…………!」
と思っていたのだが、女の子は一生懸命に首を横に振り困っていない事を俺に伝える。
「えぇ……じゃ一体……?」
今度は俺が困惑していると、女の子は予め準備していたっぽい紙切れを勢いよく俺に手渡してきて、俺が受け取るや否や取り巻きの男たちを置いて一目散にダッシュして行った。
それに続くように男共も走り出す。
「な、なんだったんだ……?」
「とりあえずその紙切れを開けてみようよ」
「あぁ……」
手渡されたのは綺麗に折りたたまれたノートの切れ端。それを開いて中身を見てみると、何かのIDが書かれていた。
文字数や打てる文字的に、多分これは…………RINGのIDだろう。
「なんだったの?」
「多分RINGのID、なんでこんなのを?」
気になるのはこの文字を今書いたのではなく、
かと言ってあんな極度の人見知りが俺を狙うユーザーとは思えないが……警戒は必要……か? でも、単純に他の理由があった場合が可哀想だよな。例えばあの場は男たちが沢山いたから話せなかったとか。
まぁいい、後で連絡してみよう。
「女の子の!? ID!? 僕も欲しい! 見せて見せて!」
「絶対ダメだ!」
こんにちは、主です。
突然ですが、そろそろ今回のアンケートを締め切ろうかな?と思っています。今までなかなかこう切り出せなかったのは、まさかの2位が同率で三人もランクインしてしまったからですね。
今回は少し変動がありましたので、次回投稿(今日の夜or明日の朝)で終了したいと思います。
ご理解の程よろしくお願いします。
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