9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
会計を終わらせた後、コンビニの外の手すりのある場所で腰を下ろし、改めて挨拶をする。
「天ちゃん……でいいよね? なんでまたこんな所に……」
「全然大丈夫っす、うす」
……? なんで急に体育会系になったんだ?
つか別にどこにいても本人の自由だからどうでもいいんだけどさ、問題はそこじゃない。
今なら……人はいないな。
「能力って言ってたよね? さっきの
「そ……うですね、あっ、先輩がいる〜挨拶しなきゃ〜って思ったんですけど、せっかくだからビックリさせようってことでして」
……なんでそんな考えになるんだよ。いや、確かにそんなことで怒ったりはしないけどさ。
それにしても、《驚かす》《誰も気が付かない》か……
「ビックリさせるって言ったって、俺は天ちゃんが店に入ってきた時から気づいてたぞ? 入ってきた人が天ちゃんって理解するのは遅れたけど」
「それなんすよ! あたし能力使って誰にもバレないようにしてたのに、なんか普通に声をかけられて、逆にあたしがビックリして」
いやいやいや……
「そんなに簡単に能力について暴露っていいの? もうちょい警戒した方が……」
「ん? なんで先輩を警戒しなくちゃいけないんですか?」
「え? いや…………え? だってほら、もしかしたら犯人かもしれないし……。まだ俺たちは会うの2回目だし」
「大丈夫っす! にぃにも先輩の事は疑ってないし」
……あ、そう。
なんか……あれだな、大丈夫かな向こうのチーム。もうちょっと警戒心を抱いた方がいいと思うが……
まぁ俺が横から口出しすることじゃないか。
袋から朝飯を取りだしもぐもぐと口の中に入れながら、ボケーッと色々考えたりする。
「朝からシュークリーム………………すげぇなこの人」
「
「いや何言ってるかわっかんねぇよ………………」
なんて、辛辣なツッコミを聞きながら、シュークリームを食べ続ける。
「(もぐもぐ……)」
「えぇ……リスみたいに食べてる……どれだけデカいの買ったんだよ……」
ごくんっと口の中のものを飲みこんだあと、改めて話を戻しながら、適当に道を歩く。
「それで……能力の件だけど」
どんな能力かは気にはなるが…………ぶっちゃけある程度の予測はつく。《魔眼》とも絡んでなさそうだし問題ないだろう。
「あんまりちょこちょこと使わない方がいい、変なやつに目をつけられたりしたら面倒だろ?」
「変なやつ……とは?」
「無差別にアーティファクトを欲しがったりする奴がいたりしたら危険な目に遭うかもしれない。実際に人を殺した人がいるんだ、どんな奴がいても不思議じゃないだろ?」
事実俺は狙われているしな。姿も分からないような奴から。
恐らくは……妹さんの能力は自身を隠すような能力なんだろう。例えば…………認識されなくなるみたいな? なんで俺と新海には効果が薄かったかはわからないが、個人差があると仮定すれば大分不安定な能力だ。
名付けるなら…………《ミスディレクション》かなぁ。それとも《インビジブル》?
「…………はい」
「だから、新海にも伝えておいてくれ、どんな奴がいてもおかしくないから警戒はしとけって」
そう言って袋の中からたいやきを取り出して、パクッと口に放り込む。
「そういえば……みゃーこ先輩が『香坂 春風』って人を調べてみようって言ってましたけど、なんでそんなことをするんです?」
「……え? 天ちゃんも犯人探しに加わってるの?」
「そうですよ? 昨日あたしにみゃーこ先輩に、にぃにの3人で話し合って」
おいおい……マジか。アイツら正気かよ……
あ、いや……でも、本当に妹さんが認識されにくくなる……要するに存在感操作が出来るのなら、貴重な人材ではある、か。
「どしたんすか、あからさまにテンション下がりましたけど」
「いや……仲間をどんどん増やしてるなって思ってさ」
「ん? みゃーこ先輩言ってましたよ? 竹内先輩も協力してくれてる大切な仲間だーって」
おぉ……随分と俺の株が上がってますね。ははっ。
「仲間ねぇ……」
「だから、あたしたち正義の味方集団は4人パーティなんすよ!
「凄いなぁ……上級職の塊の中に一番使えねぇ奴いるじゃん」
なんてユニークな発想の持ち主だ。
「あんな奴は遊び人で上等っすよ」
「「あっひゃっひゃっひゃっ!!」」
なんてわいわいとはしゃぎながら、二人で適当に歩いていた。
妹さんは新海を待つために彼の通学路でわざわざ来るのを待っているらしく、今日も今日とて迎えに行くんだと。
せっかくの兄妹水いらず、余計なことはするまいと妹さんと別れを告げて、俺はいつも通りに一人で学園へと向かった。
新海 翔の恋人は?
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九條 都
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新海 天
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香坂 春風
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結城 希亜
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ぼっち