9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
「新海ッ! ベッド貸して!!」
本物のエデンに行ってしまいそうな香坂さんを抱え上げ、すぐさま彼女をベッドに寝かせる。
「え? いいけど…………え!? 香坂さんどうしたの!?」
「知らん! なんか話してたらいきなり鼻血出して倒れた!」
サッと軽く彼女の顔を拭いてやり、一応適当なビニール袋に氷を入れて持ってくる。
その途中で何事かと思ったみんながワラワラと香坂さんの元に集まっていた。
えぇ……っと、氷を入れて、水を入れて……!
「エロパーイ! なんか香坂先輩、えげつない声出して幸せそうにしてます!」
「エロパイ言うなっ!? てかなんか知らんけどそっとしといてやれ!」
バタバタと氷水を用意して、香坂さんの額に乗せる。
……これなんか意味あるのかな。
「そ、そんな…………まだ私たちグフフッ、でも貴方がそのつもりならグフッ」
なになになになに!?!? なにこの寝言? わかんないわかんない。めっちゃ怖い。
しかもなんかオタクっぽい笑いが出ちゃってますけど!? 大丈夫ですか!? それって人前で顕にしちゃまずいのでは!?
「蓮太……今度は彼女に何かしたの……?」
と後ろからすっかり聞き慣れてしまった希亜の怒りの声が聞こえてくる。
「ちょーいちょいちょい! 違う! 勘違いだ! 別に俺はやましい事なんてしていない!」
バッと危険を感じて振り向くと、希亜のその手には既に丸められた何かの雑誌が握られていた。
待って! コイツさっきから平気で俺の事を物でぶん殴ってますけどそんなキャラだっけ!?
「別に私はやましい事なんて言っていない」
ピクっと希亜の眉が動く。あーもう……なんで俺ばっかりこんな目に……
「あっちゃー、こりゃやっちゃいましたな。にぃやんも女遊びには気をつけなよ〜」
「「女遊び……?」」
天ちゃんの何気ない冗談のセリフに、更にピクっと眉をしかめた希亜と九條さんが俺を見る。
「あ、やっべ…………地雷踏んだ」
マジ勘弁しろよ! なんで俺が女遊びを沢山やってるみたいな流れになってんだ!?
助けを求めようと天ちゃんの方を見るが…………彼女は悪気がなさそうに両手を合わせて、舌をぺろっと出して謝るようなポーズをとる。
「天、お前マジで最悪だな」
「はい、今になってすっげぇ反省してます。てかみゃーこ先輩がキレ気味なところ初めて見たっす」
お! ま! え! が! 余計なこと言ったからだろ!? 変な誤解を生むなよっ!?
「それで竹内蓮太よ! 君に相応しい戦闘スタイルを思いついたのだが────」
「あー、高峰先輩はとりあえず黙ってて下さい。今はあっちの人たち浮気調査中なんで」
空気の読まない高峰を落ち着かせるために、天ちゃんが気を使ってくれている。
うん、それはありがたいんだけど……違う! フォローして欲しいところを間違ってる! この意味がわからない修羅場みたいなのをどうにかして欲しい!
と、そのタイミングで後ろのベッドで寝ていた香坂さんがムクリと起き上がる。
「あれ……? 私……なんでベッドに…………?」
「あ!? 起きてくれましたか!?」
いち早く助けて欲しくて、すぐにこの誤解を解いて欲しくて、目覚めたばかりの香坂さんの手をガバッと勢いよく掴む。
「よかった! 今すぐさっきの俺たちの話をあの二人にして────」
「たっ!? たたたたたたたた竹内さん!?」
その瞬間に沸騰でもしたかのように顔を真っ赤に染めて、テンパる香坂さん。
ちょっと待って、なんかすっげぇ嫌な予感がする。
「わわわわわわ私たちはまだおおおお仲間になったばばばばばかりですし、そそそういうことをしてしまうのはまだ、あの、その、早いと言いますか! あのその!?!?」
「ちょっと待てっ!? 何いきなり訳の分からないことを言ってるんだ!? 頼むから冷静になってくれよっ!?」
「た、確かに白馬の王子様のような貴方になら、無理やり押し倒されてあんな事をされてみたいだとか、飢えた狼のように優しくも強引にされてもいいと思ったりもしちゃってますが────」(超早口)
「お前マジで何言ってんのっ!?!? ホンットに面倒なことになるからそんな意味わからないこと言わないでっ!? いやマジで一旦落ち着いてくれよ!!!!」
待って待って待って待って! どんどん状況が悪くなっていく一方なんだけど!?!? 俺もうこれどうしようもなくない!? なんでこんな修羅場になってんの!?
別に誰も襲う気なんてないし! 誰とも付き合ったりもしてないし! 恋もしてないのになんで!?!?
「にぃやん、これさ、あたしが悪いのかな?」
「いやぁ〜…………俺にはちょっとわかんないかなぁ……なんて……」
「悪気があるのなら助け────」
勢いよくもう一度振り向いて、新海と天ちゃんの方を振り向こうとすると、どうしても視野にあの二人の顔が入ってしまう。
明らかに機嫌を損ねている希亜と、無言でじっと俺を見つめている九條さんが。
「竹内くん……そんなことしちゃう人なんだ」
「しないしないしないしないしない!!!! そんなつもりは毛頭ないし、別に俺は変な気も起こしてなんかない!!!」
残像が残るレベルで片手を振り続け、誠心誠意、そんなことは無いと否定をする。
「蓮太、貴方はもう十分な罪人…………ね」
そう言って片目に紋章を浮かばせる希亜。
「違う違う違う違う違う違う違う違うッ!!!! 別に襲ったりなんかしねぇよっ!?!? 頼む! お願い! 俺の話を聞いてッ!!!! それはシャレにならないから!!」
今度は首を高速で横に振り、希亜の意見を否定し続ける。
そしてその時に突如として背中から重みを感じる。
ゆっくりと首から両腕を回すように抱きしめられ、耳元でそっと囁かれる。
「あら? 蓮様…………
そよ風のような吐息を耳元で感じ、驚きもあって両目をめいいっぱい開いて全身をふるわせる。
な、ん、で…………エデンモードになってんだよぉぉぉぉぉぉっっ!?!?
「あはは、あははははははは………………」
「あ、先輩壊れた」
もう考えるのやーめたー
「竹内くん。ちょっとお話したいことがあります」
にじりよってくる九條さん。
「さぁ、裁きの時間の始まりね」
その後に続く希亜。
「愛してますわ、蓮様?」
トドメを刺す香坂(エデン)さん。
あーあ。今日が俺の命日かぁ……………………
「竹内蓮太っ! 君の見事な蹴りを称えて、今日からは《黒足》と呼ばせて────」
もうお前くたばれ。
やるべき事は?
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