9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。   作:紅葉555

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4月27日
引きずりの朝


 

 朝日が眩しい。眩しすぎて身体が焼けちまってるみたいだ。

 

 つかこんな朝日って暑かったっけ? いやいやこんな感覚じゃなかったと思うんだけどさ。寝ぼけてんのかな、なんかすっげぇ身体が熱くてすっげぇ重てぇ。

 

 なんでこんなに身体が重たいんだ……? 無駄にすっげぇ疲労が溜まってる感じだ。ガッコー行きたくねぇ…………

 

『ちゃちゃちゃちゃー、ちゃーちゃーちゃー、ちゃっちゃちゃー』(FF風)

 

 ……アラームが鳴ってる。さっさと身体を起こさないとな……

 

 不自然に重い身体を動かして、ムクリとその場から起き上がる。

 

 するとテーブルの上には下手くそに調理された料理が置かれていた。

 

 パックのレンジで温めただけの白米に、切り口がバラバラの所々が焦げてしまっているソーセージ。明らかに焼きすぎてしまっている半分くらい色が変わった目玉焼き。

 

 そして…………レトルトのお湯入れただけの味噌汁。

 

 キッチンの方をチラ見してみると、特に目立った汚れはない。きっと片付けまでしてしまったんだろう。

 

 冷蔵庫からお茶を取り出して、俺はアイツが用意してくれた朝食を食べるために座ると、皿の下に紙が挟まっていたことに気がついた。

 

 不思議に思って取り出してみると…………

 

 

『食って寝ろ』

 

 

 とだけ書かれていた。

 

 わざわざ置き手紙まで用意している所を考えると、やっぱりゴースト本人もまだ痛みや疲労は残ってるんだろう。それでも俺の為に用意してくれたと考えると…………なんか嬉しい。

 

 だったらちゃんと休ませてやるか。アイツもきつい中頑張ってくれたんだ。お言葉に甘えて今日も休もう。

 

「いただきます」

 

 とりあえずパクッと歪な形のソーセージを一口食べる。うん……味は別に悪くない。

 

 ってそりゃそうか、味付けや調理法は俺の知識から引っ張り出せるんだから。でも…………あれなんだな、俺の経験や技とかは受け継がれたりしてないんだね。

 

 あくまで()()()()()()()()ってことか。

 

 もぐもぐと次々に食べ物を口に含みながら、淡々と朝食を済ませる。

 

 こんな朝飯は久しぶりだ。メニューの半分はレトルトだし、ほとんど焦げてるし、形は変だし。

 

 でも────

 

「美味い」

 

 俺が知る中で最高の料理だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、そんな朝の時間を過ごし、やることを済ませて寝ていたらもうすっかりと昼になってしまっていた。

 

 ほんの少し横になるつもりだったのが、いつの間にかガチ寝をしてしまい、呑気に時間を過ごしていたのだ。

 

「こんなダラダラしてていいもんかねぇ……」

 

 こんなに身体中が痛くて重いのも、きっと昨日のアレのせいだろう。別に後悔なんて全くしてないが…………正直説明が欲しい。そりゃ今すぐにアイツを呼び出せば話くらいは出来るだろうが…………ゆっくりと休ませてやるのが大人だろう。

 

 つかさ…………俺キスしたんだよな。あいつと。

 

 …………

 

 ……

 

 これってなかなかにヤバいことしちゃったのでは? 状況が状況だったとはいえ、軽はずみにしちゃいけないことをしたんじゃないか? 

 

 だって求めてきたのはアイツからだけど、ゴーストだって好きな人とかとそんなことをしたいんじゃ…………って、そもそも好きな人ってのが無いか。

 

 今まで……アーティファクト能力として生き続けて、どんな道を歩んできたのかは知らないけど、恋心ってのを抱いているようには見えない。

 

 でも女の子なのは間違いじゃないし…………

 

 ……うん。また怒られる前に謝っとこ。

 

 なんて考えていると、俺のスマホがバイブレーションをしながら音楽を流し出す。

 

『心の〜カ〜ケ〜ラ〜集めて〜♪ 胸を────』

 

「はい」

 

 相手の名前を見ずに電話にでてしまったので、誰が相手でも構わないように一言だけ呟く。

 

『もしもし? 竹内くん? 今、大丈夫かな?』

 

「その声…………九條さんか」

 

 時間を確認してみると、一時を過ぎた頃。なるほど……今は昼休みか。

 

「どしたの?」

 

『どうしたじゃないよ。学校お休みしてるけど……もしかして体調が悪い?』

 

 あぁ……そうか、あの出来事があった後なんだ。何も伝えたりせずに続けて休んでたりしたら心配にもなるか。

 

 申し訳ないことしたな。

 

「あー……まぁ、実はそうなんだよ。結構身体中が痛くてさ、無理せずに休むことにしたんだ」

 

『そ、そうなの!? ごっ、ごめんね? せっかく休んでる所に電話なんてしちゃって』

 

「別にいいよ、電話するくらいはさ。九條さんのその気持ちが嬉しいから」

 

 実際ベッドに横になってるし、この状態なら大してキツくもない。

 

『そ、それじゃあ、放課後に…………お見舞いに行ってもいいかな……?』

 

「俺はいいけど…………わざわざそこまでしてもらわなくても大丈夫だぞ?」

 

『ううん、私に何か手伝わせて。竹内くん、放っておくと無茶ばっかりしちゃうから』

 

 ははは…………その辺の信頼が全然ねぇなぁ……俺。

 

「まぁわかった、じゃあ気長に待ってる」

 

『うんっ、また後で。しっかりと休んでてね』

 

 ツー…………ツー…………

 

 そっかぁ……九條さんが来るのか。

 

 それじゃあ軽く掃除とかした方がいいよな……。

 

 

 

 でも身体がキツイからほんの少しだけ寝てからしよ。

 

 一時間だけ。

 

 一時間だけ…………

 

 

「すぅ…………すぅ………………」

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