9-nine- ここのつはるそらゆきのみち。 作:紅葉555
不運な朝
そして次の日の朝。
妙な感覚を覚えながらもベッドから立ち上がる。痛みのような……疲労のようなよく分からないモノだ。
もしかしたら一昨日の疲れがまだ残っているのかもしれない。幾分かはマシになったけど……流石にこれ以上サボるのはまずいだろう。
「んん…………ッ!」
ググッと身体を伸ばして、学園へ行く為の支度を開始した。
昨日よりほんの少しだけ上手くなってる朝食セットを食べて、ビシッと服装を決めていざ出発。
お気に入りのあの黒い伊達眼鏡をかけ直し、長くなりすぎた髪をクルクルと回しながら通学路を歩く。
「そういや髪切る暇なかったな……」
流石にもうそろそろ切らなきゃまずい。片目が隠れるほどに長くなった前髪は唇で咥えることが出来てしまうくらいに伸びきっていた。
元々はキタロー。とあだ名が付けられそうな髪型をしていたのだが……ここまで来るとさすがに鬱陶しい。
むしろ俺も頭に拳銃を打ち込んでゴーストを出してみようか?
ペ〇ソナァ! とか言いながら。
なんて下らないことを考えながら歩いていると、今日は珍しく俺の遥か先を新海が一人で歩いていた。
特に駆け寄ってまで話すことは無いんだけど、俺たちが通学路で鉢合わせるってなかなか無いよな。
まぁ……俺結構フラフラしてるし逆に高頻度でばったり会ってたらそれはそれで気持ち悪いんだけど。
「…………」
今……一瞬何か違和感を感じたんだけど……何だ?
思わずピタリと足を止める。いや、止まる。
その間にもどんどん学園の方へと歩いていく新海を見ると、どうしても何かの疑問が止まらない。
何か……何か変だ。
考えれば考えるほどに、その違和感を強く感じるが……肝心の答えが出てこない。
「…………」
とずっとその場で突っ立ったまま考え事をしていると、
「痛ってっ!?」
「おざーっす! エロパイッ!」
その声が聞こえてくると、反射的にすぐに身体を振り向かせる。誰だよ朝っぱらから身体をぶっ叩いてくるやつは……
そして振り返った先にいたのは…………
「……? どしたんすか? あっ、エロって言ったこと怒ってます?」
銀色の長い髪を結んだ、いかにも天真爛漫そうな────────天ちゃんだった。
「…………いや、別に」
ほんの一瞬だけ名前が出なかった。こんなド忘れ初めてだな……
「てか聞いてくださいよ! にぃやん酷くないっすか!? 毎日毎日ここで迎えに来てあげているのに、今日あたしのことガン無視して学校行っちゃったんですよ!?」
「へぇ……兄妹で待ち合わせしてるんだ?」
「いやそういうのめんどいので全然してねっす」
「そりゃただ単に気がついてないだけだろ……」
事前連絡無しでいきなり待ち合わせをしてもしょうがないじゃん。気づくわけねぇわ。
「ほんじゃまぁ……たまには気分転換に俺と行くか?」
「え……、だって一緒に登校して友達に噂されると恥ずかしいし……」
「やべぇわ、俺今すぐに全パラメータ底上げしなくちゃ断られるやつだこれ」
「オマケに幼なじみってだけで嫌って言われそっすね!」
「好感度最悪じゃねぇか」
なんてひょんな出会いから、俺と天ちゃんは2人で登校する。
別にこういうタイミングでばったり出会ったのは初めてじゃないけど……妙な感じだよな。俺も妹がいたらこんなに大変なんだろうか。
あいつよく頑張ってるよなぁ……お兄ちゃん。
「あっ、ちょっとコンビニ寄っていいです?」
「あぁ、別にいいけど……どした? 昼飯?」
「おかん────お母さん朝寝坊しちゃったらしくて、リビングにいなかったんですよねぇー。だから今日はお弁当買わなきゃいけないのです」
「じゃあ普段はお母さんの手作り弁当なんだ?」
ふむ……それじゃあせっかくだし俺もここで昼飯を買うか。購買で買おうかと思ったけど……どうせ寄るならここでいいや。
「そっすね〜、可愛いキャラ弁食べてます」
キャラ弁かぁ、俺そういうの全然試したことないな。なんかこう……ああいうのって作るのは楽しいんだけど食べる時グロくなりそうで嫌なんだよ。
例えばドラファンのイモテンダーのキャラ弁を食べたら顔半分無くなるんだろ? …………キツイなぁ。
「ま、残念ながら今日はコンビニ飯だな」
と、2人で近くにあるコンビニに向かって歩いていると、いつも通りに元気いっぱいな天ちゃんは、我先にへと早足でコンビニへ向かう。
そして店内に入ろうとしたその瞬間────
「あ痛っ!?」
天ちゃんはゴンッと自動ドアに頭をぶつけた。
「痛ったーい……! もうなんなの!?」
デコを軽く抑えながら若干涙目になっている彼女。まぁ……普通は勝手に開くと思うよな。
「壊れてるんじゃないか?」
「ちぇ〜……今日はツイてないなぁ……」
と、俺が天ちゃんに追いついた瞬間、目の前のドアはシャーっとあたかも当然のように動いた。
「偶然誤作動があっただけだろ、そんな日もあるさ」
「にぃやんもいつもより早いし……お母さんも寝坊してるし……自動ドアはぶつかるし!! なんなのーもう!!」
「はいはい、文句言わない。ジュース奢ってやるから」
完全に今日の不運に拗ねている天ちゃんを励ますために、ここはちょっぴり優しさを見せておくか。
まぁ確かに結構可哀想だと思うし。
「はぁ〜い!」
「調子いい奴だな……」
無邪気という言葉が良く似合う彼女を横目に、俺は俺で自分の分のおにぎりを数個カゴに入れる。
そしてにこやかな笑顔で俺のカゴにコーラを入れてきた天ちゃんと一緒に、並んでレジを打つ。
そう、このコンビニは以前天ちゃんと出会ったコンビ二とはまた別の場所。ここはいわゆるセルフレジを実装している店だ。
つまり、自分で商品を打ち込んで、会計を済まさなきゃいけない。
それでホイホイと二人別々の会計を済ませていると…………さっきから天ちゃんが困惑顔でモニターをポチポチと押している。
その間に俺はすっかり買い物は終わってしまった。
「えぇ〜……? なんでぇ?」
「……? どうしたんだ? なんかわかんないとこあったか?」
「わかんないっていうか……なんか全然このモニター反応しないんですけど──!!」
天ちゃんの隣にいって、力任せにグイグイと押しているモニターを見てみると……確かになんの反応もしない。
「ん……? マジだな。これも壊れてんのか?」
「これじゃお釣りが返ってこないんですけどぉぉぉ──!!」
横でワーワーと叫んでいる彼女を一旦無視して、試しに俺が会計ボタンを押してみる。
すると…………
ジャラジャラと音を立てて小銭が少し出てきたのと同時に、機会の方から録音されている声が聞こえてきた。
『お会計ありがとうございました』
そんな状況を2人でぽかんと見ながら、冷静にワンツッコミ。
「できましたけど……?」
「あ、はい。なんか……できましたね」
騒いでいたあの時とは一転。有り得ないほどに静けさを漂わせたあと、朝から色々と元気な彼女に若干疲れたせいか、ちょっと低めのテンションになる。
「……出よっか」
「はい」
しかし彼女はまだ元気が有り余っているようで、俺よりも先に小走りで店から出ようとして…………
「なんかムカついてきた…………にぃやんの馬鹿やろ────あ痛ぁっ!?!?」
お兄ちゃんの悪口を言おうとした天ちゃんは、
こんにちは、主です。
突然ですが、現在行っているアンケートを次回投稿で締め切らせて頂こうと思います。
次回投稿予定は、明日の朝です。
ですので、実質今日が最後の投票期間となります。
多分…………今のところはイベントとしてはあのキャラになるんじゃないかな?
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